- 目的
- 夏合宿 コイボクシュシビチャリ川本流・札内岳南東面直登沢遡行
- 日程
- 1991年08月06日(火) - 12日(月)
- 山域
- 中日高・北日高
これは私が初めて日高の沢に挑んだ記録である。本来この夏合宿は、一八三九峰南面直登沢に行く予定であったが、裏沢での事故のためにパーティの再編成と計画の変更を余儀なくされた。一八三九峰からすると数段レベルの落ちるこの計画であるが、若い私には十分に困難なものであった。計画の変更は結果的に私にとっては良いものであった。
行程
- 1991-08-06
- 室蘭~コイボクシュシビチャリ川 河川敷 C0
- 1991-08-07
- C0~コイボクシュシビチャリ川~Co810二股 C1
- 1991-08-08
- C1~コイボクシュシビチャリ川本流~コイボクカール C2
- 1991-08-09
- C2 停滞 C3
- 1991-08-10
- C3~カムイエクウチカウシ山~札内川八ノ沢~札内川九ノ沢出合 C4
- 1991-08-11
- C4~記念別沢~Co1300三股 C5
- 1991-08-12
- C5~札内岳~ピリカペタヌ沢本流~戸蔦別ヒュッテ 下山
メンバー
1991年08月06日(火) コイボク林道
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
室蘭 | 出発 | |
コイボクシュシビチャリ川 Co510 河川敷 | C0 |
静内でタクシーに乗り込み、コイボク林道へ向かう。工事の進む日高横断道の作業道を進んでいく。どれだけ行くのか分からない私は、パチパチと値の上がっていく料金メーターをぼんやりと眺めているが、先輩達は少々焦っているようだ。どうやら、工事が進みすぎて、予定外の所まで来てしまったようだ。適当なところで止めてもらい、沢に降り、イワナノ沢の500mほど手前で天張る。自然の中の、不自然な建造物群が痛々しい。
1991年08月07日(水) コイボクシュシビチャリ川~三股
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
04:00 | 起床 | |
05:00 | 出発 | |
05:50 | Co590 | |
07:15 | Co640 | |
09:25 | Co810二股 | C1 |
晴天の中、単調な河原を進む。水量は少ない。水は言葉を失ってしまうほどの美しさだ。 Co720 付近の 5m ほどの釜を持った滝を、リーダーは直登する。が、非常に微妙なムーブだ。私も着いていこうとするが、うまくいかない。あきらめて戻ることにするが、渦巻く釜に巻き込まれてしまい脱出出来ない。リーダー達はそれを冷たくあざ笑う。何とか脱出後、右岸を巻いた。
そんな風に遊びながら進んでも、あっという間に予定天場の三股に到着した。時間をもてあまして、釣り糸をたれるが、釣果はない。それもそのはず、実は先ほどの渦巻く釜が魚止めなのだ。明日の天候はちょっと怪しげだ。
1991年08月08日(木) 三股~コイボクシュシビチャリ川本流~コイボクカール
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
04:00 | 起床 | |
05:00 | 出発 | |
06:50 | Co1200 | |
09:00 | コイボクカール | C2 |
朝から微妙な天気。今にも降り出しそうな雰囲気だ。
左股にはいると、急激に傾斜が増す。 Co930 の左岸がハングした滝は右岸を巻く。ついに雨が降り出す。 Co1000 付近まで3つほどの滝を直登する。1つ目の滝は、いわしたさんが右岸を直登するが、私が左岸の方が良さそうなので、そっちに取付くと、上部で行き詰まってしまう。いわしたさんにお助けひもを出して引っ張り上げてもらった。いわしたさんの安定したムーブには感心させられる。
Co1000 からいくつかの小滝をまとめて左岸巻きにする。少々イヤらしい。 Co1180 の滝は左岸の岩壁をへつって滝に取付き、直登する。雨の降る中、ほとんど休憩することもなく、コイボクカールに到着した。
途中、ポールを拾ってくるのを忘れてツェルトが立てられない。仕方なく、釣り竿を使って建てる。雨はシトシトと降り、気温は低くなってくる。猛烈に寒い。そして、ツェルトの底には水が流れ始めていた。
1991年08月09日(金) 停滞
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
終日停滞 | C3 |
雨。動く気せず。停滞。水の流れるツェルト内でトランプなどして過ごす。
1991年08月10日(土) カムイエクウチカウシ山~札内川八ノ沢下降
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
05:00 | 起床 | |
06:00 | 出発 | |
06:40 | 南西尾根コル | |
07:20 | カムイエクウチカウシ山 | |
10:25 | 札内川八ノ沢 Co1100 | |
11:50 | 札内川八ノ沢出合 | |
12:20 | 札内川九ノ沢出合 | C4 |
何とか天気は回復。南西尾根のコルを目指す。踏み跡あり。ピークでしばし、太陽待ちをするが、いっこうに現れる気配はない。そうこうしていると、北大パーティがやってくる。彼らは九ノ沢を降りるようだ。我々は八ノ沢を降りる。きっちりした巻き道を使い、あっという間に出合。九ノ沢まで天場を上げる。
魚影はない。本日も釣果なし。
1991年08月11日(日) 記念別沢遡行
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
05:00 | 起床 | |
06:00 | 出発 | |
07:00 | 記念別沢 Co850 | |
08:20 | Co1000 | |
09:00 | Co1180二股 | |
09:50 | Co1300三股 | C5 |
Co800 函左岸へつり。 Co920 の数段の滝は直登する。 Co950 の滝は右岸を直登する。 Co1150 、 Co1200 、 Co1240 と出てくる滝は全て直登していく。
1991年08月12日(月) 札内岳~ピリカペタヌ沢下降
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
03:00 | 起床 | |
04:40 | 出発 | |
06:10 | 尾根上 | |
08:00 | 札内岳 | |
10:30 | 林道 | |
13:00 | 戸蔦別山荘 | 下山 |
三股から右の沢を行く。程なく、沢はかれ、藪漕ぎに突入する。稜線に出てもダケカンバの枝が複雑に入り組んだ猛烈な藪漕ぎだ。キレる(瀑)。天気はよい、しかし、こうなってくると、晴天なのが良いのか悪いのかよく分からない。私は未だかつて、このときほどの藪漕ぎは経験していない。しかし、今思えば、このときの経験が、私を藪漕ぎに強くしたかもしれない。感謝しておこう・・・
半泣きで、もう、なんだか意識も遠のきそうなところに札内岳ピーク。皆へとへと。そして、追い打ちをかけるように雲。ピークからの展望はない。そして雨が降り出した。意気消沈しながら下山を開始する。沢に出ると本降りになってくる。しょぼいピリカペタンを淡々と下り、林道をひたすら歩く。日高小屋の安井さんに新嵐山まで送ってもらい、風呂にありついた。