- 目的
- 音更川石狩岳直登沢遡行
- 日程
- 2014年08月28日(木) - 29日(金)
- 山域
- 東大雪
ことさらに日高にこだわってきたつもりはないのだが、元来の出不精ぶりを発揮してアプローチのしやすさから日高ばかりに通うようになって、結果日高の人みたいな感じになってしまった。そんなわけで初めての東大雪の沢であるが、この界隈は雪渓の状態や気温によって遡行時期が悩ましいく、これまで行きかねていたのだが、実際今回も悪い雪渓処理が核心の遡行となった。
行程
2014年08月29日(金)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:00 | 快晴 | 起床 | |
05:15 | 出発 | ||
05:35 | 入渓 | ||
06:45 | 快晴 | Co1150 二股 | |
07:10 | 直登沢出合 | ||
10:40 | 晴 | 石狩岳最高点 | |
11:15 | |||
14:00 | 登山口 | 下山 |
昨夜から星空が広がり、朝は雲一つ無い青空が広がっている。こんなにさわやかな朝を迎えるのはいつ以来だろうか。石狩岳は朝焼けで赤く染まっている。準備をしていると一般の登山者が数台やってきて出かけていった。
しばらく登山道沿いを進むが、徐々に川から離れ始めたので少し戻って川に降りる。少し行くと二股となったのでちょうど良いタイミングだったろう。沢はしばらくは荒れた雰囲気だ。
二股を過ぎると両岸が狭まってくるが、これと言った滝は出てこない。
Co1050 付近に小さな滝が現れる。左岸を簡単に巻けそうだが、腕試しに直登しておく。カメラの調子が悪く、写真は残っていないがこの滝は三段になっていた。
Co1120 付近は広く、最後の幕営地となろう。
右に曲がっていくと Co1160 二股で、進む右股は流木の詰まったダムとなって、奥に大きな滝が見える。
この滝は直登できそうにないので右岸のルンゼ状にとりつき、トラバースして高巻く。登り始めがザレていてちょっと悪い。
シュナイダー尾根分岐へ突き上げる沢が左岸から合流し、少し行くとすぐに直登沢がハングした滝となって合流してくる。到底直登は無理なので、セオリー通り左岸のルンゼを詰め、リッジに上がると直登沢の先には悪そうな雪渓が詰まっているのが見える。
草付きを滑り降りて沢に戻る。
雪渓の奥には滝が落ちてくるのが見える。とりあえず雪渓に上がって見るも、滝のところでぱっくりと口を開け、上は進めそうにない。
しばらく考えた末、左岸の壁を登ることにする。おそらくクマノ沢を遡行していた頃なら屁でもない登りだが、やっぱり寄る年波には逆らえず、緊張は隠せない。
少しトラバースして雪渓の上に戻り、右岸に移る。出口の滝は右岸をトラバースして越えるが、滝の上に降りる一歩がホールドがなくて微妙だ。息を殺してえいやっと飛び乗る。
Co1370 二股は右股が二段の滝となって合流して、左股の奥には雪渓が見える。一瞬、右股へ逃げてしまおうかとよぎったが、セオリー通り左へ進む。
小滝を登ったところから雪渓となる。出口には滝が架かっているのが見える。ここは潜ってしまっても良かったが、安全を期して左岸を攀じって雪渓の上に出る。
雪渓上を右岸に渡って壁をへつる。出口の滝は二段になっている。右岸カンテ状をまとめて巻きそうになるが、途中から2段目の下に出る。この2段目は右岸をシャワーで直登する。
チョックストンを右岸から攀じると、3つ目のスノーブリッジとなる。これは巻けないので一気に下を潜る。左岸沿いに庇状の雪渓が続くので、右岸に張り付いて通過する。
突き当たりは Co1500 二股で、左股は数段の滝となっている。がんばれば直登できなくもなさそうだが、無理をせず右股からリッジを乗っ越して滝の上に出る。滝を見下ろすと、やはり無理をしなくて良かった思う。
ここから樋状の滝が連続し、シャワークライムを強いられるようになる。
下部が黄色い樋状の滝はシャワークライムし、突っ張りで越える。
続く滝は傾斜が緩く簡単そうに見えるが、中間部のホールドが細かくちょっと微妙だった。
Co1580 二股は両方が滝となっている。左股を少し登り、水流を横切って左岸を直登すると、上部は狭い樋状となっている。頭からシャワーを浴びながら樋の中に手足を突っ込み、見えないホールドを探るが狭い中でうまく体を上げられず、しばらく水流の中で身動きが取れなくなる。幸い水が温いのが救いだ。何とかジャミングを決めて無理矢理体をよじって滝の上に出る。
この後も滝は続くが、特段難しい物はなくなり、徐々に沢は開けてくる。
適当に大きな谷筋を進み、水が涸れてルンゼ状を過ぎ、草付きを少し詰めると藪漕ぎなしに最高点北側の尾根上に出た。
久しぶりの展望を楽しんで、靴を履き替えてクロマメノキの実などをほおばりつつシュナイダー尾根を下る。若干のボリボリなどを採取して、夕食の汁の具にする。
久しぶりに岩間温泉に行くと、1人のおじさんがキャンプをしていた。湯に浸かっていると、そのおじさんがコーラを一本くれた。話していると、どうやらその人が例の脱衣所を着くって環境相から警告を受けたグループの1人と分かった。常連のグループで、女性などのためによかれと思ってやったことらしく、人情的には言い分も分かるが、規則は規則だからなあと思いながら話を聞いた。
雑感
直登沢の雪渓は今年中に消えるとは思えず、今後の状態は悪化の一途を辿ると思われる。おそらく、例年この程度の雪渓はあると思われ、この沢の核心は雪渓処理なのであろう。運良く雪渓がなくなるともう少し滝の登攀が楽しめるらしいが、いずれにしても秋口になるので寒空の下のシャワークライムに苦しめられることになる。アプローチが楽な沢だが、遡行時期の選定が悩ましいと言える。山谷に函の直登沢と本谷、小石狩沢が紹介されているが、他にも看板ピークに突き上げる沢や、シュナイダー尾根分岐に突き上げる沢など幾つかのルートが考えられる。