- 目的
- 沢訓練 野塚岳南西面直登沢・オムシャヌプリ北面直登沢遡行
- 日程
- 2012年06月30日(土) - 07月01日(日)
- 山域
- 南日高
今回は現役をつれての4回目の沢訓練。前回、前々回の裏沢は結局なんだかんだでたいした練習ができなかったので、多少の不安はあるが、南日高の中でも入門ルートとして最もよく使われる黄金ルートなので問題ないだろう。
行程
- 2012-06-30
- 翠明橋公園~ニオベツ川~野塚岳南西面直登沢~野塚岳~野塚川野塚岳南東面沢~オムシャヌプリ北面直登沢出合 C1
- 2012-07-01
- C1~オムシャヌプリ北面直登沢~オムシャヌプリ~オムシャヌプリ南面沢~上二股ノ沢~翠明橋公園 下山
メンバー
装備
2012年06月30日(土)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
起床 | |||
06:35 | 快晴 | 翠明橋公園 | 出発 |
07:40 | Co700 | 読図 | |
08:40 | Co930 二股 | カワゲラゲット | |
10:15 | 野塚岳 | ||
10:45 | |||
12:10 | Co950 三股の滝 | 懸垂下降 | |
12:50 | |||
14:15 | Co670 滝 | 懸垂下降 | |
14:40 | |||
15:10 | Co570 オムシャヌプリ北面直登沢出合 | C1 |
今回はレンタカー1台で現地に行く事になった。三好のバイトの関係で、深夜2時に我が家で待ち合わせ。今日は現地到着と共に行動開始するので、室蘭を出る前に十分仮眠を取っておくように言っておいたのに、みんな寝ていないと言う。大丈夫だろうか。まあ、若いから大丈夫だろう。とりあえず少し仮眠を取った私に運転を交代して翠明橋公園へ向かった。
天気は抜群によい。雲一つ無い空が広がっている。今日あたり、翠明橋公園は沢登りパーティで混み合っているかと思ったが、我々が付いた時にはまだ何処のパーティも居なかった。後から1台の車が来て、野塚岳への入渓ポイントが何処が良いか聞かれたので、トンネル入口の方が近いと教えてあげた。
我々はオムシャヌプリへ回ってくるので、ここに車を止めて下の作業道に下りる。なんだか、トンネルからアプローチする人の中にはわざわざロープを使って下りる人もいるようだが、トンネルのちょっと手前で簡単に下りられるポイントがある。
野塚岳南西面直登沢
二股に出るたびに読図の練習をする。三好はなかなか言い勘をしているが、ちゃんと根拠があって言っているのかはちょっと良く解らない。そして、相変わらず速くて、ちょっと油断すると見えなくなってしまう。
Co720 二股には、今にも崩れ落ちそうな雪渓があり、所々穴が空いている。これはとても下を行く気になれないので、左岸から上に上がって通過する。ちなみに、翌日に同所を登った人の写真を見ると、中央部が見事に無くなっていた。
滑滝をつつがなく通過すると、 Co780 三股にも雪渓が出現した。こちらは厚みがあるので下を行く。三股の滝も全て直登する。一段目はヌルヌルがちょっといやらしい。二段目三段目もすべてシャワーで通過する。
この先も滝は全て直登していく。 Co920 二股はもちろん右へ進む。ササオとタノが苦戦する中、一年生2人はサクサク登って行き、気が付くと見えなくなっていた。三好はとにかく速く、勘だけで攀じっていく感じ。樽井は見かけに寄らず安定感があるが、パワー任せの所もあって、見ていて少しハラハラする。いずれにしても、もう少し登る先を観察するようにしないといつか怪我をすると思う。
外傾する滝を登り切った最後の二股で、他のメンバーが右かな、左かなと迷っている中、三好は妙に自信ありげに右を主張する。一体何を根拠に言っているんだろう?いや、合ってるんだけどさ。(実を言うと右でも左でもどっちでも良いんだけど)
そんなわけで、ヤブに突入する事もなく、あっさりとピークに到着。ロープの出番はまったくなかった。
野塚岳南東面沢
天気も良いし、少しピークでうだうだしたいところだが、釣りを優先したいとの事で、さっさと下降を開始する。
野塚岳南東面沢は、下り始めのボロボロの斜面が核心。「らくっ!」とか叫びながら下る。が、ロープだした方が良かったか?
Co950 三股の滝は慎重を期して、懸垂下降。ササオにセッティングさせてみるが、現場経験はほぼ初めてと言う事で少し手間取った。ロープ回収で三好はまたも手こずっていた。
こちらは雪渓は三箇所残っており、上、下、上戸通過した。 Co730 の滝は右岸から巻いて、細引きを木に掛けてぶら下がって下りた。次の滝はさすがにクライムダウンで手こずっていた。私が先に下りてスタンスを指示して下りる。 Co670 の滝で再び懸垂下降。
Co650 付近のウォータースライダーの滝には、流木が引っかかっていたので、私がクライムダウンで下りて取り除いてから、現役のみなさんには遊んでもらう。
ようやく天場に到着。2度の懸垂下降で思ったよりも時間がかかってしまった。とりあえず釣りを始める。本当は天気図の練習をしなければならないが、時間がもったいないので無視する。大物をねらい、滑滝の下の釜まで行ったが、私の釣り針では釣り上げられず 30cm 級を3度ほどばらしてしまった。それでも5人でエゾイワナ17尾とハナカジカ1尾を釣り上げた。
17時から薪集めと天場設営。この1週間は良く晴れていたので、焚き火はアッという間に燃え上がる。焚き火を囲んで魚を焼き、うだうだと過ごしつつ、22時二には天気図の練習もしようと思っていたが、みんな寝不足で銘々に寝付いてしまった。
2012年07月01日(日)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:00 | 快晴 | 起床 | |
06:00 | 出発 | ||
07:10 | シュリンゲの滝の下 | ||
08:25 | 滑滝の上 | ||
09:10 | ロックガーデン | 天気図練習 | |
09:35 | |||
10:15 | 晴 | オムシャヌプリ | |
10:45 | |||
13:50 | 翠明橋公園 | 下山 |
4時にササオに起こされた。ササオだけはツェルトの下に寝て、他の連中は結局焚き火の周りで過ごしたらしい。パッキングをして出発の準備をしていると、帯広労山のパーティが上がってきた。ところで、どうでもいい事なんだけどモンベルのスリップオンサンダルの右側の鼻緒が外れてしまった。このスリップオンサンダル、落としたりなんだりして3足目なんだけど、何故か左足ばっかり残ってしまっている。なんだかなあ・・・
オムシャヌプリ北面直登沢
あちらが二股で休憩するすきに、こちらが先に出かけるが、始めの滑滝で早速渋滞する。次の滝は左岸を直登する。
滑滝を通過して、右屈曲点の滝は、直登していると時間がかかりそうなので、左岸直登を指示。その隙に帯労さんに先に直登して抜かしてもらう。しかし、後ろからは更に別の帯労パーティが追いついてきた。一体何人居るんだ?
次の Co650 の滝は先行する帯労パーティに習って左岸を直登する。少し難しいが、下には釜があるので大丈夫。案の定、三好がドボンする。水が好きだね(笑)。この間、後ろから追いついたパーティは待ちきれずに右岸から巻いていった。申し訳ない。
滑滝群を過ぎ、 Co660 二股を右に入って次の釜を持った滝は、釜に浸かれば直登出来るが、ササオが「泳ぐの嫌です。」って顔をしているので右岸側壁をトラバースして越える。次の滝は各自好きなところを直登。私は真ん中の水流を直登した。
次は例のシュリンゲの懸かった滝。さすがに人が多いので、労山パーティで渋滞している。ちょうど良いので見学がてら休憩。できるだけシュリンゲをつかまないように指示するが、結局私以外みんなシュリンゲをつかんだ。よく見ればホールドがあるのだが、やはりその辺りはまだまだだ。と思っていたが、樽井はシュリンゲはつかんだが、テンションはかからなかったらしい。なかなか有望です。
Co810 二股の読図ではみんなだいたいコツをつかんで分かってきたようだが、樽井だけがはてなマークが並んでいたようで、みんなで読図方法を教えてあげていた。
その後も全ての滝を直登していく。本当は1回ぐらいロープを出して確保の練習をしたかったのだが、みんな何の問題もなく登るのでロープの出番がなかった。
最後の滑滝を登り、登攀系から癒し系の沢へと変貌を遂げる。先にはロックガーデンの上を歩く帯労パーティの姿が見える。
我々は、ロックガーデンに出たところでちょうど9時10分になったので、急いで天気図の練習をする。が、正直全然書けていない。天気図は、天気図が書けるかどうか、って事は重要ではないが、天気図や気象状況からこの先の天気を予想出来るかどうかは命に関わる事なのでもう少し真剣に取り組んで欲しい。
天気図を書き終わったところで、更に他の帯労山パーティが追いついてきた。向こうは別の帯労パーティと勘違いして下から手を振ってきた。ちゃんと手を振り替えしてあげるタノがほほえましい。
なんだかんだで、そのパーティにも追い越され、ようやくピークに到着したところで、「ふ~ちゃんですか?」コール。ああ、そう言えばこの覆面ルックには見覚えが。私はと言えば例によって赤面しながら無愛想にそうですとしか言えない始末。もうね、この歳になって今更人見知りは直せません。っていうか、実は身元ばれしたと知ったとたんに人見知りが激しくなるので、私と話したい人は是非気づいていない振りして話しかけてください。
オムシャヌプリ南面沢
更に別の帯労パーティが登ってきたところで下山を開始。結局何パーティ居たんだろう?オムシャヌプリ南面沢は相変わらずのクソガレ沢。天気が良すぎて、みんなカラカラになる。樽井は、日焼けが気になってジャージを脱がないままで居たが、それは自殺行為だろう。途中のオムシャの泉(勝手に命名)はこの沢唯一の楽しみ。翠明橋公園の名水なんかよりはるかに美味しい水で喉を潤し、更にガレを下り、下山した。
いつものように三石温泉で汗を流し、新冠の山翔までは私が運転し、1人で下山ビールをいただき、後はタノに運転を任せて帰宅した。
おまけ
後日、30日に隣のオムシャヌプリ南西面直登沢で雪渓崩壊事故が起きていた事を知った。雪渓はいつもほとんど根拠無くくぐっているが、あらためて悪魔のくじを引く行為と知る。