- 目的
- 小楽古西面直登沢遡行
- 日程
- 2016年07月25日(月)
- 山域
- 極南日高
日帰りで周回できる南日高の沢へ行ってきた。小楽古西面、楽古南東面共に三度目だが、前者はまだ雪渓の多い時期の遡行で、二度目はすぐに撤退していて雪のない状態を見るのは初めてだ。
行程
2016年07月25日(月)
当然と言えば当然だが、川の水量が春の時に比べてぐんと少ない。先に起きたはずなのに何故か出発の先を越されてしまった昨夜同宿だったGさんのお友達のGさんを追い抜き、登山道を離れ、沢の上流へ向かう。
C530 二股は誤って右の支流に入り込んでしまう。気がついてすぐに戻る。危ない危ない。本流は完全に伏流していて見落としやすい。何度来ても分かりにくいと分かっているけどやってしまう怖さ。
小楽古西面直登沢
細々とした流れの西面直登沢へ入る。 F1 は右岸を直登する。上部がヌルヌルでいやらしい。続く F2 は下段までは直登したが、上段はやっぱりツルツルで抜けられる気がせず、右岸のリッジからルンゼに降りて高巻く。
F3 は左岸から水流沿いにシャワークライム。やはりヌルヌルしている。しかも、ヤスデが大量発生してホールドスタンスを占拠している。なんなんだこれ、いくら害の無い虫とは言え勘弁して欲しい。
滑滝を越え、次の F4 は左岸が直登できそうに見える。しかし、取付いてみると岩は脆く、ヌルヌルも有っていやらしい。そのまま左岸のルンゼを少し上ったらトラバースできるかとも思ったが、それもいやらしい。右往左往したあげく、いったん引き返して右岸も取付いてみるが、上部のラインが見えない。結局、右岸のルンゼから高巻く。この滝で手こずって結構時間を食ってしまった。ヌルヌルさえ無ければ登れそうな滝なんだが…
その後に出てくる滝はこれと言ったことも無くだいたい直登。ただ、ヤスデの大量発生が酷くて酷くて、ウネウネ系の虫が苦手な人には絶対にお勧めしない。
Co1100 付近は四股状で、右から二番目に入って行くとそのうち低い灌木のトンネル状を抜け、軽い藪漕ぎで頂上のやや北側に出た。稜線上はシカ道が着いていて頂上まではすぐだ。
小楽古北東面直登沢
ペンケ札楽古川へ北東面を下る。シカ道を通り、ハイマツ帯に入るが腰丈で、藪漕ぎはキツくない。沢形に出ると、しばらくは伏流した草原状の谷が続く。
滑滝が出始め、そこそこ面倒な滝もあるがこれと言った大物もなく、淡々と滑滝を下り続け、ペンケ札楽古川の Co750 四股に出た。
楽古岳南東面直登沢
この沢を遡行するのは三度目だ。既にその面白さは承知している。だが、ここのところ道南の薄汚い沢ばかりやっていたせいもあってか、余計に楽しく感じる。
出合から適度な手応えの滝の連続、ヌルヌルも無いし、ボロボロもない。ザッツ日高!ビバ直登!強制シャワー有り!あえてのシャワー有り!だ。しかも日当たりの良い南面の沢で水が温い!
出合から数えて三つ目の滝、沢全体では F4 に当たる滝は勝手に犀の滝と名前を付けている。左岸を直登し、角の下のテラス、サイで言えば吻端の所から水流を横切り右岸に移り、ずぶ濡れシャワークライムで直登する。
Co890 のジェードルの滝は途中まで右岸岩壁を登ったが、結局最後は右岸の草付きに逃げた。
Co930 二股はやはり一瞬見落としそうになる。そのまま正面を詰めて稜線からシカ道を辿るのもアリだろうが、やはり少しでもピークに近い沢形を進むのが日高の直登沢の流儀だ。
後は適当に楽しい所を登っていく。最後は灌木のトンネルを抜け、シカ道を通りつつ右によって登山道に出た。詰めのシカ道は以前よりもはっきりしているような気がする(気がする)。
上杵臼コース
夏道用の着替えを持ってこなかったので、下りはちょっと暑かった。夏道の下降が遡行よりも辛い。年々下りが辛くなってくる。ずっと登りだったら良いのに。と言うか、この日高のバカみたいな尾根筋の一直線の道を拓いた責任者出てこい!日高の登山道を歩く度に思うことだが、先日の乙部岳の道を歩いて以来その思いが強くなった。
小屋について着替えてたら、パンイチの時に神戸ナンバーの車が来て話しかけてきた。話すのは良いけど、着替えてるときは勘弁して欲しい。
雑感
楽古岳南東面の面白さは今更言うまでもない。この沢が特別面白いというわけではなく、日高のごく普通の沢が当たり前に面白いという意味でだが。
小楽古西面直登沢は、そこそこ面白い滝が出てくるが、ヌルヌルが酷いのと、やや崩れやすいので恒常的に楽しむ沢とはなりがたいと思う。特に今シーズンはヤスデが酷いので誰にもお勧めできない(苦笑
小楽古北東面はそこそこ滑滝も出てくるが、詰めの藪の長さもあって、下降限定のルートで、遡行ルートとしては面白みは無いだろう。楽古岳南東面直登沢を下部から楽しむなら、もう一本東側の沢を下降しても良いだろう。