九助川の記録はネット上でも散見されるが、面白そうな写真が並べてあるだけで、遡行内容について触れられている物は少なかった。旧道が廃道となって久しく、東狩場山への登路および下降路の確認も兼ねたが…
2016年08月03日(水)
夏至を過ぎて1ヶ月も経ち、夜明けも随分と遅くなってきた。日が昇らないとどうもやる気が出ずダラダラとやっているといつの間にか時間が経ってしまう。
賀老高原への道を上がり、下降予定の千走川右股に一番近づくカーブに自転車を残置して引き返す。キャンプ場の駐車場で朝食とパッキングを済ます。
道を下り、九助線林道へ繋がる廃林道に入り、賀老川に掛る橋の手前に車を駐める。道は草に覆われていてすぐに朝露でずぶ濡れになってしまった。藪漕ぎだと思って沢衣類を着ていなかったが失敗だった。
九助川出合から上がってくる林道と合流すると道は割と綺麗になっていた。九助川の橋の上で沢装備に着替えて入渓する。
入渓からひたすら苔むしたゴーロが続く。いい加減単調なゴーロ歩きに辟易してきた頃、正面に枝沢の滝が落ちてきて、左に曲がる遠くに滝が見えた。
右岸は苔むしてかなりヌメッとしていそう。左岸のクラック沿いも登れそうだが、相当のシャワー量で、途中の傾斜は微妙。スカッ晴れなら突っ込んでも良いが、ちょうどガスが懸かってきてしまって気合いが入らない。
しばしどうしようかと悩んだが、左岸のルンゼから高巻くことにした。しかし、この高巻きもなかなか渋い。急傾斜の岩場に生えたウドと灌木を頼りに何とかよじ登り、草付きを横切って滝の上に降りる。
滑床の先に三段の滝が落ちてくるのが見える。一段目は左岸を登るが、二段目は中を行くのは思ったよりもシビアで、右岸の草付きを攀じる。
その上は Co510 二股で、右股は豪快な滝になって落ちてきている。本流の階段状の滑滝を越えていくと、こちらも函の中に滝が落ちてくる。
周囲は斜度がきつく取り付けず、少し戻って左岸の草付きを攀じり、灌木に沿ってトラバースして滝の上に出た。
再び沢はゴーロとなる。しばらくしてから瞬きが落ちてきたので、第二の核心かと思われたが、ワンポイントの簡単な直登のみでまたすぐにゴーロとなる。
Co850 付近の扇状の滝を越え、 Co900 付近の二段の滝を越え、灌木の覆う沢となる。頂上へ直接向かう Co980 で合流する沢は水流がほとんど無い。右へ進みお花畑を目指す。
Co1060 を左に進むと草原状の谷となり、 Co1170 付近の分岐は左に進むとじきに笹藪になってしまった。どうやらここは右に進むのが正解だったようだ。しばし藪を漕いで Co1240 のお花畑に出る。
気持ちの良いお花畑で、天場にも良さそうだが、ここから先がどちらに進んで良いか分からない。三角点方向は深い藪に覆われて全く行く気が起きない。
とりあえず適当に藪の薄そうな所を進んでいくと、だんだん右寄りになって行く。平坦な地形が続いて、自分が今どこに居るのかもよく分からない。ダケカンバに登ってみると、下降予定の沢の源頭のお花畑が見えた。結局、尾根を横断するだけで1時間もかかってしまった。三角点にも行かず、地図上にある池も見ることは出来なかった。
下降は南面から千走川右股に下る。傾斜は急で、足元は草木が茂って見えにくいが、難所は出てこない。右側に草原状の谷が並行しているのがずっと見えていて、そのうちそちらに出るのかと思っていたが結局最後まで合流することは無かった。そちらに出た方が歩きやすかっただろうか。
Co740 二股に出ると傾斜も緩くなり、コンクリ状岩盤の滑を過ぎてしばらくすると砂防ダムが出てきたので、予定通り岸に上がり、少し藪を漕ぐと林道に出た。
雑感
賀老高原側から九助川に向かう道は車では通れない。人が歩くにもけっこうな藪漕ぎだ。