夏合宿という名のマンツー山行

ふ~ちゃん
目的
夏合宿 エサオマントッタベツ岳~幌尻岳周遊
日程
2012年09月09日(日) - 14日(金)
山域
北日高

今年、 MITWV には4人の新人が入った。数年ぶりに本格的に登りを行い、夏合宿も復活させるべく今回の計画が立てられたが、紆余曲折あって、結局参加部員は一名だけとなってしまった。とても夏合宿とは言い難い陣容ではあるが、せっかく参加してくれた三好にはしっかりと良い経験をしてもらいたい。入山からいきなりあいにくの天候となり、下山後には予想外の展開もあったが、何とか予定を貫徹した。

行程

2012-09-09
室蘭~戸蔦別林道 雨天 戸蔦別ヒュッテ 停滞
2012-09-10
戸蔦別ヒュッテ 停滞
2012-09-11
戸蔦別林道六号砂防堰堤工事現場~エサオマントッタベツ川本流エサオマントッタベツ岳エサオマン入ノ沢新冠川上二股 C1
2012-09-12
C1~新冠川本流幌尻東カール沢幌尻岳戸蔦別岳~戸蔦別Bカール C2
2012-09-13
C2~戸蔦別川右股~戸蔦別林道 下山

メンバー

C.L
ふ~ちゃん
M
三好

S.L 予定だったササオはインターンシップと日程が重なり不参加、 E 予定だったアスカは自転車旅行から帰ってくる事が出来ず不参加となった。

装備

ガス1本は停滞中に使用し、山中へは1本だけ携行した。

2012年09月09日(日)

三好のバイトが上がり、早朝3時に部室に集合する。本当はすぐに出発するつもりだったが、なんだかんだで4時出発となった。天気は道中から小雨模様だ。

9時前に戸蔦別林道六号砂防堰堤前の登山口に到着する。しかし、雨は時折強く降ってくる。車の中で待機しながら、天気図を取り、天気予報を確認する。三好は何も言わずとも、自ら天気図を書く。まだまだ使い物にはならないが、感心な姿勢だ。雨はますます強くなり、入渓出来る状況ではないと判断。ひとまず今日は戸蔦別ヒュッテにて停滞とする。

一端、食料などを買い出しに中札内村市街へ向かい、道の駅で軽く昼食を取り、スーパーで夕食、朝食を調達、給油して戸蔦別ヒュッテに戻る。

戸蔦別ヒュッテは釣りの年輩者2名が同宿。我々は2階に陣取った。夜になっても時折雨が強く屋根を叩く。どうやら明日もダメそうだ。

2012年09月10日(月)

強い雨が降り続け、ヒュッテ隣のピリカペタヌ沢の沈没橋がオーバーフローしている。今日は昨日以上に入渓出来る状況ではない。正直、もうやる気も失せてきたが、我慢してもう一泊戸蔦別ヒュッテにて停滞することにする。釣り人2名は諦めて帰宅していった。

我々は再び中札内村市街へ買い出しに向かう。川は明らかに昨日より増水し、濁流している。昼食などを調達してヒュッテに戻る。時間は有り余っているので、釣りでもしようかと思ったが、なんだか体が重くて全然何もやる気が起きない。

明日は入渓出来れば、1泊1停を消費したものとして、2泊1停を持って行けるところまで進む事とする。日程に変更はないため、特に下界への報告はしない。戸蔦別ヒュッテにて C1 分の食料を消費する。雨はようやく小降りとなりはじめた。

2012年09月11日(火)

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00起床
05:30小雨出発
06:10入渓
08:15山スキー沢出合
09:40エサオマン北東カール
10:55エサオマントッタベツ岳
11:45エサオマンカール
14:25カムイ岳南面直登沢出合
15:50新冠二股C1

今日も入渓出来なければあきらめて帰るつもりだったが、横のピリカペタヌ沢は減水し、入渓可能な状況となった。六号砂防堰堤工事現場に車を止めて出発する。正直「止めて帰ろう」と喉まで出かかっていたが、入渓地点まで行って「渡渉出来ないから帰ろう」ぐらいのことを言わないといろいろと納得出来ないだろうと出かける。

入渓[image/jpeg:198kB]
エサオマントッタベツ川入渓地点。

出発から一時間もしないで入渓地点に到着した。本当に三好は足が速い。こちらが着いていくのがやっとだ。エサオマントッタベツ川は、多少増水気味ではあるが、想像していたよりもずっと水量が少ない。濁りもなく、難なく飛び石で左岸に移動し、踏み跡を進む。


滑滝[image/jpeg:170kB]
下流域の滑滝。

滑滝の前後など、一部水勢の強いところでは躊躇する事もあるが、高巻きなどで処理して進む。三好の足が速い事もあり、予想よりも速いペースで進み、山スキー沢出合天場にサクッと到着。ここも特に増水で荒らされた様子はない。


連瀑一段目[image/jpeg:220kB]
連瀑1段目
連瀑2段目[image/jpeg:259kB]
連瀑2段目

二股を過ぎると、もはや増水の影響はほぼ皆無だ。ゴーロとなったを通過し、連瀑帯に到着する。この連瀑には左岸に巻き道が付いてるが、もちろん直登する。三好は、はじめの3段の登りではさすがに動きがぎこちないところもあるが、ロープを出すまでもないだろう。


大滑滝[image/jpeg:246kB]
大滑滝
大滑滝 2[image/jpeg:251kB]
大滑滝 2
エサオマン北東カール[image/jpeg:196kB]
エサオマン北東カール

滑滝となって、後ろからバックアップしながら登るが、全く問題なさそう。これでメンバーが3人も4人もいれば多少は苦労したかも知れないが、運動能力の高い三好1人なのでこの程度では何の苦労もない。そんなこんなで、出発からわずか4ピッチでエサオマン北東カールに到着した。


中央ルンゼ[image/jpeg:235kB]
中央ルンゼ
ルンゼを登る[image/jpeg:274kB]
ルンゼを登る

今日は最悪ここまでと思っていたが、平水時と同じかそれ以上のペースで到着し、天気も回復傾向なので更に進まないわけには行かないだろう。稜線へは札内分岐北西に突き上げる中央のルンゼを登る。このルンゼはガレが多く、少し不安定だが3つのルンゼの中では一番傾斜が緩い。


主稜線[image/jpeg:219kB]
主稜線

稜線に出ると共に太陽が顔を出し始める。普通、この時期の稜線は風が冷たいものだが、むしろ暑いくらいだ。1時間強でピークに到着する。三好は2日間も寝て過ごして体が重いと言うが、これだけ動ければ十分だろう。


北カールに下る[image/jpeg:253kB]
北カールに下る

今回、一つだけピーク缶詰を持ってきたが、ここまで来れば幌尻岳まで行ける可能性も残されたので、ひとまずキープする事にする。北峰から少し西に進み、ルンゼを下る。上部はもの凄い急な草付きで、足を滑らさないように慎重に下りる。

ガレ場になってから、私が少し先行し、先に北カール底について三好を待つ。やはり初心者は登りよりも下りの方がペースが下がる。


斜面を駆け上がるヒグマ[image/jpeg:165kB]
斜面を駆け上がるヒグマ。

少し遅れて到着した三好が、「ヒグマが居ましたね。」と言う。「えっ?」全く気づいていなかった私。周囲を見渡すと、親子熊3頭がカール壁を駆け上がっていく。三好は、私が気づいているものと思って何も言わなかったが、私の下りていくすぐ前方に居たという。気づいていたら突き進んでいく分けないじゃん。言えよっ!しかも親子・・・

ここも幕営候補地であったが、まだ時間も早くヒグマが居たので、エサオマン入ノ沢へ下る。登りがあまりもハイペースだったので、アッという間に新冠二股に到着するのではなんて甘い期待を抱いていたが、経験不足だと登りよりも下りの方がずっと時間がかかると言う事を思い知らされる。さすがの三好も体力や運動能力だけでは下りでは私のペースには着いて来られない。


函滝[image/jpeg:272kB]
函滝

核心の函滝は一端上段をクライムダウンしてから、下段を何とかしようと思ったが、良いピンもない。登り返してから右岸の急斜面の高巻きに入るが、一連の雪崩被害の一つだろうか、植生は少なく、状態は良くない。ホールドを指示しつつ最後は草付きをずり落ちる感じでの下に出る。人数が多いときはピンを取ってラッペルした方が良いだろう。残置は見あたらなかったので、ハーケンボルトはあった方が良い。

デブリの量は去年よりは少しは減っているようだ。何年かしたら綺麗なが復活するだろうか。カムイ岳南面直登沢出合に到着する頃にはさすがに時間も良い時間になり、三好の疲労もかなり大きくなってきたようなので出来れば天張ってしまいたかったが、ここは増水には耐えられない。沢は既に少し増水気味なので、安心出来るところに泊まりたい。時間的にはギリギリだが、上二股まで下る事にする。あとワンピッチ何とか頑張ろう。


増水のゴルジュ[image/jpeg:162kB]
増水のゴルジュ

下流へ進むにつれて、さすがに水量は多くなる。いつもなら難なく通過するゴルジュ帯でも、結構微妙なへつりをさせられる。今までやった覚えのない小さな高巻きもあった。1時間半ほどで上二股に到着する。


C1[image/jpeg:195kB]
新冠二股 C1

小雨が降りだした中、薪を集めて何とか着火する。もはや釣りをする余裕もない。今日は少し頑張りすぎたが、おかげで予定の C2 地点までたどり着いた。ここなら多少増水しても耐えられるし、予定通り幌尻岳まで行けそうだ。

2012年09月12日(水)

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:40起床
05:55出発
10:10幌尻東カール
11:55幌尻岳
12:20
14:15戸蔦別岳
15:10戸蔦別BカールC2
新冠川本流[image/jpeg:261kB]
新冠川本流
シャワー[image/jpeg:193kB]
シャワー

新冠川本流は、昨日より更に減水したが、さすがにの規模が違う。相変わらず水勢は強い。元々歩きにくい巨岩地帯であるが、三好も昨日の疲労が取れていないようで昨日のようなハイペースには成らない。

三好は休憩の度に地形図を開いて、現在地を確認している。コンパスを使っている様子はなかったが、まずは地形図を見る習慣をつける事が大事。今はまだ多くは望むまい。


ハングの巨岩[image/jpeg:190kB]
ハングの巨岩

Co1040 二股からがこのの核心部。右股に入ってすぐのハングした巨岩のチョックストン右岸から高巻く。


屈曲点の滝[image/jpeg:242kB]
屈曲点の滝
ルンゼの高巻き[image/jpeg:287kB]
ルンゼの高巻き

Co1100 屈曲点のは、今まで下降の時は大きく高巻いて屈曲下部まで下りていたが、今回は直下の左岸バンドトラバースしてからルンゼを詰めて高巻く。このルンゼはあまり良くなく、過去時と同じように下部から大きく巻いた方が良いだろう。

このころから天気が思わしくなく、小雨が降り始めた。この先は巨岩ので、水に浸かる可能性もあるので雨具を着込む。このポイントで三好がキジ撃ち。ここでか(笑


核心部[image/jpeg:171kB]
核心部
東カール沢出合[image/jpeg:207kB]
東カール沢出合

腰まで水に浸かったりしながらを通過し、二股の左岸から高巻いて核心部を通過する。


東カール沢[image/jpeg:196kB]
東カール沢

中間尾根をよじ登り、左股の幌尻東カール沢へ進む。の規模はぐんと小さくなる。急傾斜の巨岩帯といくつかの小滝を通過していく。一箇所左岸から小さく高巻いた。


ゴーロ[image/jpeg:354kB]
ゴーロ
日本庭園[image/jpeg:280kB]
日本庭園
日本庭園 2[image/jpeg:249kB]
日本庭園 2
日本庭園 3[image/jpeg:247kB]
日本庭園 3

は突如歩きやすいゴーロの沢となる。はじめは何の変哲もないブタ沢の雰囲気だが、上に行くほど爽やかな癒し系の沢へと変貌を遂げる。ほとんど人の痕跡のない天然の日本庭園が続く。まさしく「わびさび」という言葉が似合う沢である。今年は紅葉が遅れていて、天気が曇なのが実に残念だ。


ロックガーデン[image/jpeg:236kB]
ロックガーデン
源頭[image/jpeg:192kB]
源頭

日本庭園を過ぎると、ダイナミックなロックガーデンとなり、源頭には小さな沼地がある。前に来たときにはこの沼は干上がって、少し薄汚い感じだったが、雨のおかげかちゃんと水をたたえていた。ここから右端の谷筋に沿ってコルへ突き上げるロックガーデンを進む。周囲はあいにくガスに覆われてほとんど視界がない。

三好は昨日からの疲労が蓄積しているのか、昨日とは別人のようにペースが上がらない。本当はカールからワンピッチでピークに立つつもりだったが、三好がきつそうなので、途中 Co1900 付近で休憩していると、ナキウサギが姿を見せてくれた。

ピークもガスに覆われているが、風はなく穏やかだ。取って置いたピーク缶を開ける。小さなパイン缶が見つからなかったので、今回はみかん。やはり、パインじゃないと晴れないの・・・か?

ふと見ると、三好の右頬がぽっこりと腫れ上がっている。だが、それほど痒くも痛くもないと言う。虫か、漆か、原因は不明。変な病気じゃなければいいが。少し風が吹いて寒くなってきたので、戸蔦別岳へ向けて出発する。


七ツ沼[image/jpeg:205kB]
七ツ沼

稜線上で三好が再びキジ撃ちタイム。稜線を下がり始めると雲が切れ、七ツ沼が見えてきた。こちらも雨がおかげで、いつもなら干上がっている時期だが、沼が綺麗に水をたたえている。戸蔦別岳ではピパイロ岳一九六七峰を望む。


戸蔦別Bカール下降[image/jpeg:237kB]
戸蔦別Bカール下降

今日は戸蔦別川三股が予定天場だったが、戸蔦別Bカールにて時間切れ、 C2 とする。カールへの下りはとっかかりの少ない急斜面。疲労蓄積もあって、三好にはこの下りが山行中一番きつかったようだ。

ようやくカールにたどり着いた三好はへたり込んで、軽い吐き気や食欲不振、悪寒などを訴える。顔の腫れの事もあり、少し心配したが、食事を取ったら回復したようである。

私は、夕食の調理中、ナイフで左中指を負傷、流血の惨事となってしまった。ドジ踏んだ。あわて手傷ドライで止血。

2012年09月13日(木)

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
06:50出発
08:40三股
10:15八ノ沢出合
11:40六号砂防堰堤工事現場下山

今日はを下るだけなので、ゆっくりと起床、出発する。三好は3日目にして朝からキジ撃ちに出かけた。

戸蔦別川下降[image/jpeg:262kB]
戸蔦別川下降

以前に来たときは伏流していたカール直下のもだいぶ水流がある。なんだかんだ言ってもまだ雨の影響は続いている。三好は昨日よりもペースが良い。下降に慣れた事もあるだろうが、どうやら朝からキジ撃ちに言った事で体が軽いらしい。昨日はローペースの上、キジ撃ちタイムで30分以上ロスしたので、朝にキジ撃ちに行くか行かないかで1日1ぴちほども変わってくるのかも知れない。


大滝[image/jpeg:253kB]
大滝

二つの大滝はいずれも右岸のはっきりとつけられた踏み跡より高巻く。その他のゴルジュはほとんど中を進む。三好にはウォータースライダーなどさせて遊ぶ。

無事に八ノ沢出合に到着し、林道跡に上がる。エサオマントッタベツ川出合を過ぎて、林道工事現場が近づくと、向こうから人が近づいてきて握手を求められた。はてなマークが頭に並ぶ中、顔をよく見ると、ワンゲル顧問の門先生だった。週末の大雨が心配で駆けつけたという。今回の山行で、最も想定外の出来事だった。

その後、いろいろと戸惑っている間に車のバッテリーが上がったり、なんだりがあり、先生の誘いで新得温泉に1泊してから帰蘭した。

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