大佐来道スキーツアー

ふ~ちゃん

大佐が出張で北海道にやってくるついでに、みんなでスキーに行こうという誘いがあった。今回の計画はすべて大佐におまかせで、今まで行ったことの無いルートを巡る予定だったが、二日間ともずっと風に吹かれた上に、いろんなトラブルに見舞われた。

2013年02月16日(土) 吹雪の羊蹄で雪崩に遭ったよ山行

目的
後方羊蹄山留産ルート滑降
日程
2013年02月16日(土)
山域
後方羊蹄山
行程
羊蹄山留産コース登山口~ Co1400 ~登山口 下山

今日は留産ルートから羊蹄山を目指す。留産コース登山口で待ち合わせをした。

メンバー

  • 大佐
  • とーの
  • ふ~ちゃん

家を出たときから雪が降っている。結構強い寒気が入ってきてるようで、天気は期待できない。喜茂別のローソンで朝食をとって、登山口に向かうとものすごい吹雪で、視界がほとんどない。やっとの思いで登山口に到着すると、とーのさんの車が駐まっており、大佐と一緒に待っていた。本当はかんちゃんも来るはずだったが、お寝坊で今日はキャンセルらしい。

二人はここに路駐して出発するつもり満々だが、私としてはこんな吹雪の中、こんなところに車をおいておきたくない。多少遠くとも、駐車帯まで移動しようと主張する。しかし、とーのさんは歩くのがいやらしく、ここに置いておいても良いというので、私の車だけ駐車帯に移動して、とーのさんの車で登山口まで戻る事にする。

そんなこんなしているうちに、雪は少し小ぶりになった。それでも少しでもリスクを減らすために、路肩を除雪して出来るだけ車をを脇に寄せる。すると、後ろからとーのさんと全く同じ車が後ろに停車した。本当に最近はこの車に乗っている山屋が多い。

留産コース[image/jpeg:147kB]
夏道の留産コースに沿って進む。

登山道沿いにはしっかりとトレースがついている。ありがたく利用させてもらい進む。気温は思ったよりも高く、みんな汗だくになってくる。我々が軽めの1ピッチで休憩していると、先ほどのバックカントリーヤーが抜かして行った。極太のテレ屋さんだった。


吹雪[image/jpeg:78kB]
地吹雪で視界が悪い。

斜面が急になり、尾根が細くなってくると、どんどん風が強くなってくる。先ほどの暖かさが嘘のように寒い。極太板のテレ屋さんはどんどん直登していくので、我々細板軍団はついて行けずジグを切っていく。そのうち、先行のトレースすらあっという間に消え、テレ屋さんの行方はわからなくなった。

左右に広くジグを切っていくが、北風が猛烈に強いので、右に行くときはつらい。 Co1000 を越えたあたりから大佐が紙デポを打って行く。もはや視界はゼロ。油断するとメンバーの姿が見えなくなる。雪は風でたたかれて重く、ラッセルがきつい。


デポ打ち[image/jpeg:26kB]
大佐自作のデポ旗を打っていく。

途中からデポは大佐自作のフラグに変更する。ふと脇を見ると、吹雪の中テレ屋さんが下る準備をしているのが見えた。我々はこんな天気の中なのに、とりあえずピークを目指す。今シーズン初めての本気の防寒装備だが、右ほほは凍り付き、もはや感覚がなくなってきた。


2013年2月16日留産ルート雪崩現場の地図
地名
2013年2月16日留産ルート雪崩現場
緯度
北緯 42°49 ′23.89″
経度
東経 140°49 ′08.87″
標高(m)
1432
磁針方位
西偏度約 9°25′
雪崩発生位置

Co1400 付近で広い斜面から、やや急な細い尾根筋となっているのが見えた。左は急な谷に落ち込み、右はやは広いが、風で雪が飛ばされ、シールのききが悪そうだ。その上、右に進むと真正面から風が吹き付けるので、ついつい左の吹きだまりに逃げてしまう。

視界も悪く、斜面の様子がよくわからないので、雪庇を踏み抜かないようにと慎重に進み、これ以上深入りするとまずいかななどと考えていた矢先、足下に亀裂が入ったので、やばいと思ったときにはすでに雪面ごと動き始めていた。

何とか流れから脱出しようともがいてみたものの、足が取られ何も出来ない。そのまま雪と一緒にゆっくりと滑り落ちていくしかない。もはやビーコンに望みを託すしかなかった。

幸い、ビーコンスコップも出番はなく、 50m ほど滑った後、少し緩斜面となったダケカンバのブッシュ帯で停止した。堅い雪板が足首周りにたまっているだけなので、自力で脱出し、上に合図を送る。

二人はこちらが無事とわかって、別のルートを探し始めたので、大佐のところまで登り返して、引き返そうと提案する。たしかに、実質的ダメージはなかったけれど、この天候でこの悪条件でこれ以上行く気はしない。

ちなみに、雪崩の破断面は深さ 10cm ほど、後続 3m の大佐が巻き込まれなかったので幅 2m 、長さ 50m 、デブリの幅 10m 程度の小規模雪崩だ。クラストした風下斜面に吹きだまりで生成したウィンドスラブが崩壊したものと思われる。


撤退[image/jpeg:213kB]
撤退を決めると視界が晴れてきた。

ますます強い風が吹き付ける中、シールを外して下降を開始する。雪面は不均質なウィンドパックで滑りにくいことこの上ない。 100m ほど下って、少し雪質が良くなったと思って調子こいて滑ったらトップが刺さって思いっきり一回転した。


沢筋へ下る[image/jpeg:168kB]
先行者を追って沢筋へ下る。

Co1200 よりも下がると、風が一気に弱まり、上空の視界も晴れてきた。 Co1050 付近で、例のテレ屋のトレースが右手の筋に入っていたので、我々もそちらに追従することにした。ここから先は抜群の雪質で、ようやく楽しく滑る。

あっという間に緩斜面となって、左にトラバースしつつ下り、登りのトレースに合流した。登山口から振り返ると、ピークまで見通せたが、雲のスピードは速かった。

途中で引き返したので、ちょっと時間が早い。大佐が、チセスキー場のチケットが余っているというので、雪秩父の入り納めも兼ねてチセまで行くことにした。しかし、スキー場に到着すると、悪天のためリフトは休止。仕方がなく、雪秩父だけ入浴してきた。雪秩父は思ったよりもずっと繁盛していた。

大佐の実家に移動し、またしてもおいしいお鍋とワインをしこたまご馳走になった。

2013年02月17日(日) 雪が深すぎてボードのかんちゃん歩き損山行

目的
白井岳往復
日程
2013年02月17日(日)
山域
札幌山群
行程
札幌国際スキー場~ルート~白井岳偽ピーク~スキー場 下山

メンバー

  • 大佐
  • とーの
  • ふ~ちゃん
  • かんちゃん
  • 木村さん

今日は、かんちゃんと、大学時代に大佐、とーのさんと同級生だった木村さんが合流して、余市岳に行く予定だ。今日も朝から雪が降っている。

倶知安で食料を調達し、キロロリゾートへ向かうが、山が近づくにつれて大荒れになってきた。先行するとーのカーについて行くのが精一杯だ。猛吹雪の中、ようやくキロロリゾートに到着したが、あまりにも天気が悪いので、今日はあきらめて白井岳に転戦することになった。

途中で木村さんの車と合流し、国際スキー場へ向かうが、吹雪で視界が悪い上、除雪追いついていない道は狭く、対向車はキロロへ向かう車が列をなしており、ぶつかりそうで泣きそうだ。道もわからないのに、そのうちとーのさんの車を見失ってしまった。

麓近くでようやく追いついて一安心。朝里インターでかんちゃんと合流して、国際スキー場へ向かう。 FF 軽のマイカーは悲鳴を上げている。

というわけで、今日は国際の駐車場から沿いに白井岳を目指すらしい。時間が時間なので、ピークまで行けるかどうかは微妙。かんちゃんはシューとボードで行くらしい。

ラッセル開始[image/jpeg:193kB]
札幌国際スキー場からラッセルを開始。

まではスキー場の整備車によって道が作られている。どうやら先行者がいるらしく、しっかりとトレースがついている。しかし、ひとたびトレースを外れると、ムチャムチャ沈む。これを端からラッセルしていたら、あっという間に挫折していただろう。


先行パーティに追いついた[image/jpeg:151kB]
ようやく先行パーティに追いついた。
ピットテスト[image/jpeg:116kB]
ピットテストをする大佐。

トレースがついているにもかかわらず、急斜面のところは結構苦戦する。特にスノーシューのかんちゃんはついて来られず、みるみる離れる。2ピッチ半ほど歩いて、ようやくラッセルパーティ追いついた。彼らは9時からラッセルしていたらしい。我々は半分の行動でここまでこられたことになる。彼らはついにあきらめてここから引き返すらしいが、我々はお礼を言って先に進むこととする。


ラッセル[image/jpeg:199kB]
ついに自分たちでラッセルを開始。

下部ほど深くないとは言え、先頭をラッセルするのはきつい。よくもまあ、4時間もかけてここまでラッセルしたもんだ。細板の私ととーのさんなら挫折していたことだろう。


稜線が見えた[image/jpeg:50kB]
ようやく稜線が見えた。

かんちゃんはもはやついてこられないので、その分1回滑って登り返そうと言うことになる。稜線に出たところで大佐がシールを外して、かんちゃんに迎えに行き、残りは雪洞を掘って、二人を待つ。しかし、よくよく考えると、時間的にそろそろまずいと言うことになり、待たずに下って合流しようと言うことになった。


かんちゃんやっと来た[image/jpeg:56kB]
やっとかんちゃんが登ってきた。
下降開始[image/jpeg:104kB]
下山を開始する。

シールを外していると、ちょうど二人が登ってくるのが見えたので、一応稜線に来るまで待って下降を開始する。はじめの下降ラインを少しミスってしまい、小ポコを回り込んでみんなを待っていると、とーのさんがかんちゃんのボードを担いで、かんちゃんはスノーシューを履いてやってきた。

なにやら、雪が深すぎて、ボードだと制御しきれないという。仕方がないので、かんちゃんはそのままスノーシューで下ることになった。しかし、時間的にちょっと厳しいので、私がザックを預かりダブルザックで、大佐がボードをザックにつけて、かんちゃんを空身にする。


ようやく下山[image/jpeg:150kB]
ようやく下山する。

ボードのみならず、細板の私もスキーが埋まって、あまり楽しめない。もっと手こずるかと思ったが、かんちゃんも空身になってからは意外と速く、何とか日の入り前に下山できた。

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