- 目的
- 二岐岳北面直登沢遡行
- 日程
- 2009年07月17日(金)
- 山域
- 北日高
二岐岳に北面からアプローチしてきた。二岐岳北面直登沢はもっとショボい沢かと思っていたが、意外と厳しい差沢だった。内容的には高巻きが主で決して面白い沢というわけではない。雪渓もまだかなりあり、水量が多かった、違う条件の時に行けばもう少し違う印象になるかも知れない。
行程
2009年07月17日(金)
| 時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
|---|---|---|---|
| 07:45 | 千呂露川二股 | 出発 | |
| 09:25 | Co870 | ||
| 10:35 | Co1190 | ||
| 12:00 | 二岐岳 | ||
| 15:30 | 千呂露川二股 | 下山 |
沢は少し増水しているが、支流であれば何とかなるだろう。北面直登沢の出合を確認して千呂露川二股へ向かう。二股駐車場には数台の車が駐車されている。今年から簡易トイレが設置さえたが、これだけ利用者があるのだからトイレがないと大変なことになる。
準備をしているとあらたに二人のおじさんがやってきて少し話をした。幌尻岳をめざして北戸蔦別岳で一泊するらしい。
二岐岳北面直登沢
林道を歩いて戻り、北面直登沢に入渓する。この界隈の支流にありがちな、鬱蒼とした感じの渓相である。折からの雨続きでやはり水量は多い。すぐに小滝が出始めるが、適当に内部を通過していく。
![赤い滝 赤い滝[image/jpeg:227kB]](https://www.whochan.com/files/thum_0152176409.jpg)
滝を一つ(Co640)、流木のかかった滝を一つ直登し(Co650)、三つ目の滝は数段に分かれた滑滝となっている。この滝は赤い岩盤が印象的だ。地質に詳しい人なら○○岩と言えるのだろうが、あいにく知見がない。この滝を快適に直登、最後はシャワーを浴びながら抜ける。予想外に面白い沢なのかと期待が高まるが、この先には地形図通り平坦な沢が広がっていた(Co660-680連瀑)。
デブリの転がるゴーロの先には陰鬱な函が待ち受けているのが見える。雪渓の残骸を見て函に突入すると、早速小滝が出始めた。
函の中はデブリがうるさい。上部に大きな流木の引っかかった滝は左岸のルンゼから登ってトラバースして通過した(Co790)。
その次の小さな滝は登れそうでなかなか突破口がない。水量が少なければ何とかなりそうだが、今の状況では無理だ。右岸の草付きから高巻きにかかる。しかし、これも悪く、滝上部へトラバース出来ず、上へと追いやられてしまう。植生は薄く非常に嫌らしい。
次の滝も登れそうにもないので、まとめて巻くことにするが、ぼんやりしているとどんどん上に追いやられて沢から離れてしまう。このままではとても沢に戻れそうにないので、少し戻って途中からトラバースするが、かなり微妙なトラバースとなった。立ち木を使ってラッペルをして何とか沢身に戻った(Co800-830)。
不用意に右岸から高巻きにかかってしまったが、左岸の方が良いかも知れない。だがいずれにしても悪い高巻きになるだろう。
次の滝も直登はかなわず、左岸の草付きから高巻いた(Co850-860)。
この滝の上は二股となって、先には雪渓が見える(Co870二股)。日当たりの良い所で休憩をとりながら軽アイゼンをつける。
雪渓のはじめは崩れかけており、中にはいくつか小滝がかかっているのが見える。右岸から雪渓に乗り、慎重に進む。
雪渓は右から左へと屈曲し、突き当たりには大きな滝が落ちてくるのが見える。この滝はもちろん登れないので、右岸のルンゼに取り付き、滝の上部で小尾根を乗っ越して沢に戻った(Co1050大滝)。
更に二つほど滝を通過すると、またしても大きな滝が落ちてきている。中間部でハング気味に落ちているので、右岸のルンゼから高巻いた(Co1120)。
この先はもう難しい滝はないが、ルート選択が難しい。 Co1150 二股をだまされずに左に進むと、インゼルのような岩があり、水量は左の方が多いようだが、右が正解。小滝を超えると低い尾根を隔てて左沢が平行しているのが見える。
コンパスを信じて涸れた右沢を進む。やがて岩盤を通過し、シカ道が縦横に走る源頭をすぎると、予定通り Co1550 付近の稜線に出た。
少し藪を漕いでピークに到着した。無数のハエが飛び交い、ちょっと鬱陶しい。ピークから見える周辺の山々の直登沢にはことごとく雪渓が残っているのが見える。やはり今年は雪解けが遅いようだ。
二岐沢一ノ沢
下りには二岐沢一ノ沢を使う。しばらくは稜線を進み、東の肩の広場から谷に下る。沢形は不明瞭で途切れ途切れで、時折藪に突入する。
ようやく沢形に入り、鬱蒼とした沢筋を下り、小滝を左岸から高巻くと、 Co1040 二股だが、左股の方がすっきりしており、右股は藪の中から落ちてきており、遡行する時は見落としそうである。
相変わらずすっきりしない渓相の中、小滝が続くがおおむね中をクライムダウンしていく。
Co880 で大きな二段の滝に出る。上部をクライムダウンするが、下部の大きな滝は下れない。右岸の立ち木にロープを掛けてラッペルをすることにする。ちょっと長さが足りないような感じがするが、実際ちょっと足りなかった。しかもラッペル中岩を落としてしまいロープを直撃してしまった。ロープはやはり足りず、左の支流にトラバースし、クライムダウンしようとするが、かなり微妙。冷や冷やしながらようやくクライムダウン。ロープを回収すると、案の定、岩が直撃した所は傷が付いていた。2mほどは切断せねばなるまい。
その後も小滝が続いたが、 Co800 もすぎると単調な沢となり、中には古いブル道の残骸も見られるようになった。
増水で本流の渡渉が出来るかちょっと心配だったが、さほど問題なく林道に上がることが出来た。