コイボクシュシビチャリ川で初心に返る

ふ~ちゃん
目的
コイボクシュシビチャリ川本流遡行
日程
2009年09月05日(土) - 09日(水)
山域
中日高

コイボクシュシビチャリ川は、私がはじめて遡行した日高のだ。18年ぶりに訪れることになった。本当は道路が開通するするのを待っていたかったが、それを待っていたらいつになるか分からないので、長い林道を自転車でアプローチすることにした。先日の記念別沢と同様、18年前の記憶はまったく残っていなかった。

行程

2009-09-05
C0
2009-09-06
三石ダム~高見ダム~コイボク林道~コイボクシュシビチャリ川三股 C1
2009-09-07
C1~コイボクシュシビチャリ川本流カムイエクウチカウシ山コイボクシュシビチャリ川三股 C2
2009-09-08
C2~コイボクシュシビチャリ川 C3
2009-09-09
C3~コイボク林道~三石ダム 下山

2009年09月06日(日)

2009-09-06 コイボクシュシビチャリ川
タイムレコード
時刻天候場所行動
06:25林道ゲート出発
07:15峠手前
10:15河原の橋
11:50清和橋入渓
14:00
15:40三股C1

春の縦走では、静内ダムからアプローチしたが、今回は三石ダムから峠を越えることにした。前日は道の駅三石で車中泊をした。

三石ダムの林道ゲート前に駐車し、自転車に乗り換えて出発する。川は少し濁流している。峠の少し手前で、夕食のおかずにボリボリを少し採取する。峠を一気に下り降りると、高見湖畔だ。高見左岸林道は地味なアップダウンが多く、思いのほか消耗する。

高見橋を越えると、時々釣り師と思われる車が通りすぎていく。この道の通行止めなどは、傍若無人な釣り師にとっては有名無実なのだ。大河原を過ぎた辺りで、一台の車が停まって話しかけられる。「熊に気をつけて」と言われたが、私の心の中では、「オメーらは熊に食われろ」とつぶやいていた。

ようやく清和橋に到着し、自転車を残置して入渓する。少し水量は多い感じがするが、河原は歩きやすい。 Co610 付近からついにゴルジュが出始める。胸まで使って左岸へつる。その後もどんどんゴルジュが続く。水量が多いせいか、少し手こずる。そうこうしているうちに、今日の核心、洗濯となる。

洗濯釜の滝はまん丸の釜に左から勢いよく樋状の滝が流れ込み、反時計回りに大きな渦を巻いている。
洗濯

はじめてここに来た時にはこれに突入したらしいが、とても今の私には行ける感じがしない。この渦に巻き込まれたら脱出出来ないだろう。右岸からサクッと高巻いた。

このを最後にゴルジュは終わる。しばらくゴーロ状のを歩いて三股に到着した。

2009年09月07日(月)

2009-09-07 コイボクシュシビチャリ川本流
タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
06:10出発
07:20Co1000
08:20Co1200 二股
09:55コイボクカール
11:00カムイエクウチカウシ山
14:30三股C2

今日はあまり天気が良くない。だが、停滞するほどの天気でもない。アタック装備で出かけることとする。

Co930 の滝は左岸側壁がハングし、薄暗い洞窟のような中に三段の滝となっている。
Co930 の

Co900 を過ぎてからいくつかの小滝を越えると、左岸側壁がハングしたが出てくる。一段目は右岸へつり、二段目は水流を直登する(Co930)。続けてチョックストンを通過する。


Co955 の滝は左岸の大きなチョックストンの脇から本流したみずが弧を描いていき追いよく落ちている。
Co955 の

小滝をいくつか越えて、 左岸に大きなチョックストンを抱えたが出てくる。チョックストンの下でもろにシャワーを浴びて直登する(Co955 チョックストン)。


三条の滝が行く手を阻んでいる。
三条の

続く三条のは、右岸直登しようと雨具のフードをしっかりとかぶってシャワーを浴びて中に突入するが、顔を上げると飛沫をもろに浴びて、ホールドが探れない。もう少し水量が少なければ行けそうだが、今日の状態では難しい。戻って右岸側壁を登り、草付きをトラバースする。ホールドが貧相であまり良くない(Co965)。

狭い廊下状の中にが続く。内部を直登していく。三段目のチョックストンではシャワーをもろに浴びる(Co970-980)。次のは、右岸を登ろうとしたが、ちょっと微妙だ。左岸側壁を登り、へつって通過した(Co990)。

Co1000 からはしばらく容易な小滝滑滝を通過する。 Co1080 の大きなチョックストン左岸を登ってトラバースしようと思ったが、水流に戻る所で意外と水圧が強く、足が出せない。少し戻ってそのまま草付きを攀じって高巻いた(Co1080 チョックストン)。水量が少なければ内部直登出来そうなレベルだと思う。次の右岸ルンゼから取り付いて直登した(Co1130)。


コイボクシュシビチャリ川本流核心の滝は右岸がハングし、本流したみずが勢いよく落ちてくる。
コイボクシュシビチャリ川本流核心の

ついに、こので一番有名な核心のだ。セオリー通り右岸ハング下を登り、落ち口直下に出る。左岸バンドがのびているが、水圧が強すぎて横断出来ない。ステミングで直上しようとするも、突っ張る方向にスタンスをおけず、力が入らない。試しに顔を外側にしてみると、左足が落ち口、右足が右岸のハング上にかかったが、今度は背中のザックが引っかかって上がれない。それではと、ザックを腹側に持ち替えてアコーディオン状態にして登り切った(Co1180-1190 核心の)。

次に続く直登出来そうにない。左岸側壁を攀じる。下降用と思われるハーケンシュリンゲがあった。側壁をトラバースする。岩がテカテカしていてなんだかイヤらしかった(Co1190)。

Co1200 二股もとなって落ちてきている。左岸直登する。核心部は越えたかなと言う感じがする。続くを直登していく。

Co1260 で、この最大の。登れそうな感じもするが、上の方が少しかぶっていそうだ。右岸ルンゼを少し登れば取り付けないかと思ったが、やっぱり取り付けなさそうだ。そのままルンゼを詰めて高巻いて、二段目の上に出た。三段目は直登した(Co1260-1300)。

カールまで続いているが、残りは問題なく直登出来る。カール直下の Co1420 三股は左に進む。 Co1575 でわき水の源頭となる。このコイボクカールの伏流水は超うまい。お花畑の斜面を少し歩いてコイボクカールとなる。三股は真ん中のの方が正解かも知れない。

カールではキタキツネが一匹うろうろしていた。右手に続くルンゼを詰めて、稜線に出た。稜線はガスの中で周辺の展望はない。風があって少し寒い。ピークには変な看板が置かれていた。裏には「京都一山二泉の会」と書かれている、典型的なオレオレ看板だ。勘弁してほしい。

寒いので長居は無用。下りはの処理が面倒なので、 Co1602 コルまで稜線を歩くことにした。しかし、思ったよりも時間がかかる。やっぱり直接を下った方が良かったかなとちょっと公開する。どこか途中で沢に降りようかと誘惑されるが、ピラミッド峰の沢は何があるか分からないので、勇気が出ない。

Co1602 から下るつもりだったが、少し焦って Co1620 の石垣から下り始めてしまった。沢形は不明瞭で藪が続く。ようやく形に出ても、などはなく涸れ沢が続く。

三股の天場に到着し、そのまま C2 とする。小雨が断続的に降り、今夜はツェルトで過ごす。

2009年09月08日(火)

2009-09-08 コイボクシュシビチャリ川
タイムレコード
時刻天候場所行動
09:00起床
10:00出発
10:50Co665
12:00Co600C3

夜半に少し強い雨が降った。朝も天気が悪い。昨日の疲労も残っており、全然動く気がしない。しばらくツェルトの中で寝て過ごす。

しばらくしたら晴れてきたので、天場を下げることにする。ゴルジュが続くが、飛び込む気にはなれない。濡れないようにへつり高巻きで下っていく。

ゴルジュ帯を過ぎ、河原をとぼとぼと歩いていたら、不意に浮き石を踏んで、体が一瞬浮き上がり、横に思いっきり転倒してしまう。ライフジャケットをつけていたので、直撃ではないが、右胸を岩に思いっきり打ち付け、死にそうな激痛が走る。これはあばらが折れたかも知れない。

右胸に痛みを抱えながらも、下るしかない。しかし、いずれにしても今日中の下山は厳しいので、少し下った河原天張ることにする。釣りをするが、餌となるカワゲラがなかなか捕まらず、釣果はイマイチだ。

夜は巨大な焚き火をして外で過ごした。

2009年09月09日(水)

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00起床
05:40出発
06:10清和橋
11:10林道ゲート下山

今日のメインは長い長い林道下りだ。河原を歩き、30分ほどで清和橋に到着した。自転車と靴を回収し、靴を履き替える。林道を一気に下る。さすがに自転車での下りは速い。春の縦走の時には歩いて4時間かかった道程を、今回は1時間で下ってしまう。

高見橋から先は登りが多くなる。ボリボリ採取をしながらのんびり山登りだ。峠を越えたら一気に下って、ゲートに到着。採取したボリボリをとりあえず天日干しにする。

三石温泉に入り、ワンセグで明日以降の天気をチェックする。あまり芳しくないが、とりあえず札内ヒュッテに行くことにした。

札内ヒュッテは相変わらず風が強い。荷物を運び入れていたら、釣り師のおじさん二人に、この辺りでバーベキューをしても良いかと話しかけられる。どうやら、私をここの管理人か何かと勘違いしたらしい。札内ヒュッテが宿泊自由だということも知らず、この風の中、バーベキューとキャンプをするつもりらしい。だったらここに泊まればいいじゃんと教えて泊まることになった。

とまあ、同宿となってなんやかんやと話をしていたら、大量の毛針をくれた。おじさん曰く、餌釣りより毛針の方が釣れると言うことだが、本当だろうか。まあ、もらって損はないのでありがたくもらっておく。

翌日は続けて他の山に行くつもりだったが、天気がイマイチなのと、あばらが痛むので一端帰ることにした。

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