- 目的
- 札内岳南東面直登沢遡行
- 日程
- 2009年08月24日(月) - 26日(水)
- 山域
- 北日高
この日は前日のニオベツ川に続いて楽古川を遡行しているはずだったが、寒さのために下山してしまった。その後、道の駅なかさつないへ移動。ワンセグテレビで週間予報をチェック。数日は天気が安定するとこと確認し、記念別沢を遡行することに決めた。記念別沢を遡行するのは沢登りを始めた18年前以来である。
行程
2009年08月24日(月)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
06:30 | 曇 | 出発 | |
07:50 | 七ノ沢出合 | ||
09:05 | 八ノ沢出合 | ||
11:00 | 雨 | Co830くらい | |
13:00 | Co990 | C1 |
いつものように、あかしや覆道の先のゲート前に駐車。ちなみにこのゲートは幌尻ゲートというのが正式名称らしい。
自転車に乗り換えて林道を進む。が、途中でヘルメットを忘れたことに気づく。ザックをおろして駐車場前往復する。30分と体力をロスする。七ノ沢出合に到着すると、爺さんの二人組みがテントを撤収中だった。入渓の準備をしていると爆竹をあげると言われたが、そんな物は使わないのでお断りする。自転車とトレッキングシューズを残置して入渓する。ザックが重い。川の水量は思ったほど多くない。
淡々と踏み跡を歩き、八ノ沢出合を通過し、記念別沢出合に到着。最近の地形図では記念別沢が本流と表記されているが、 3:1 ぐらいで記念別沢の水量が少ない。どう考えても左の方が本流だろう。すこし行くと雨がポツポツと落ちてきたので雨具を着る。記念別沢はしばらく河原が続き、時々滑が出てくると言う感じ。河原の途中にアシックスのインナータイツや雨具、ホイッスルが落ちていた。一体なんだろう。
Co870 付近に深い釜を持った小滝が出現。滝には流木がつまっている。滝壺には大きなオショロコマが泳いでいる。釣っていこうかなと思ったが、まだ魚止めとは思えなかったので先に進むことにする。天気が良ければ泳いでも良いが、このクソ寒さと水の濁りで泳ぐ気にはなれず、左岸を高巻く(Co870)。
少しゴルジュ状になった中を進んでいると、またしても落とし物を発見する。今度はスカルパのスキーカーだ。一体何故こんな物が落ちているのか?目的は何?更に進むとインナーシャツやら、ウィンドブレーカーやらまで落ちていた。衣類一式脱ぎ捨てて、この人は一体どこへ行ったのだろう。
沢はますますゴルジュとなっていく。こんなに水に浸かるとは聞いてないよー。って、ろくに記録も読んでいないのだが。足の着かなさそうな所もあるが、泳ぐにはイヤなので必至に全身ブリッジで淵を通過する。手足をめいっぱい突っ張ってギリギリ通過出来る沢幅で、足がつりそうになる。っていうか、18年前に遡行している沢だが、記憶は皆無。当然そのときは泳いだんだろうなあ。
Co910 の屈曲点で三段の釜滝が出てくる。さすがにこれより上に魚を求めるのは絶望的だ。しかし、戻って釣りをする気力もない。やはり、はじめの釜滝で釣りをしておくべきだった。一段目は直登。二段目は左岸から巻き、沢に降りられず必然的に三段目もまとめて巻いた。
ゴルジュの中に小滝が続き、へつって通過して行く。 Co930 に微妙な感じの滝が出てくる。左岸に取り付いて直登を試みる。左上にのびるクラックを伝って登れそうだが、自信がなく、思い切りが着かない。18年前のオレは登っただろうか。今年のオレは全然ダメだ。結局右岸から高巻いた。
更にいくつかの釜滝を通過すると Co956 三股に到着した。倒木が多くゴミゴミしている。右沢の右岸には小さな天場があるが、薪が少なくイマイチだ。本流を少し進み、薪がたまっている所で整地して泊とする。場所としてはあまり快適とは言えない。薪は湿っており、火をつけるのにちょっと苦労した。雨が断続的に降ってウザい。時々強く降ってツェルトに避難する。夜になって晴れてきたが、寒いので今日はツェルトの中で寝る。
2009年08月25日(火)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:30 | 起床 | ||
06:00 | 出発 | ||
06:50 | Co1200 | ||
07:50 | Co1450 | 尾根乗っ越し | |
10:20 | 札内岳 | ||
11:50 | 札内川本流 Co1400 | ||
13:50 | C1 |
札内岳南東面直登沢
天気は回復した。焚き火で体を温めて出発する。すぐに滑滝が出てくる。規模は小さいが、七段の滑滝を通過する(Co1030-1050)。 Co1060 の滝を右岸から直登すると、白い滑が続いている。藻が付着して黒っぽくなってしまっているが、クリーニングすれば綺麗だろう。
Co1110 には薄いスノーブリッヂが残っていた。軽アイゼンは持ってこなかったが、いずれにしても上には上がれそうにないので、速やかに下を通過する。小滝が続いているが、デブリが多くて美しさに欠ける。
三段の小さな滑滝を通過(Co1120-1140)。 Co1150 の滝は右岸を直登するが、上部がスラブ状でちょっと微妙だった。スラブ状の滝が続く。印象の薄い滑滝小滝を通過していくと、 Co1190 に 10m くらいの滝が出てくる。右岸側壁をへつり気味に取り付いて直登した。
Co1220 で右に屈曲。小さなチョックストンを通過して、左に曲がるとまた 10m くらいの滝が出てくる。左岸を直登する。ちょっとヌルヌルしてイヤらしかった(Co1240)。小滝が途切れることなく続く。赤茶けた滝はガバホールドでスイスイ登る。樋状の小滝を通過すると Co1300 三股となった。
ここは18年前に泊まった所だ。この沢の記憶はここと稜線の藪漕ぎのことしか残っていなかったが、もっと大量のガレに埋められていたと記憶している。そのときはここから右股を詰めて地獄の藪漕ぎを強いられた。
今回は地形図通りの中股に進む。 Co1400 付近に右から入ってくる沢があるはずだが、見あたらずに、 Co1500 で大きな二段の滝に出てしまった。一段目を右岸から巻いて左岸に横断する。直登出来るかと思っていたが、どうも登れそうにない。仕方がないので、何も考えずにそのまま左岸のルンゼに取り付いてしまう。しかし、このルンゼ、ボロボロで非常に悪いクソルンゼ。しかも上の方はハングしている。ピンが無く、下るにも下れない。岩の下を何とか右に回り込んで植生を木登りして尾根に上がる。
期せずして尾根に上がってしまったので、見つからなかった直登沢を探すことにした。そのまま尾根を横断していくと、涸れた小沢に出た。おそらくこれが予定した直登沢だろう。出合を探しに少し下ると、 Co1450 付近で滝に出てこれ以上は簡単には下れない。沢はこの先で左に大きくカーブしているようだ。どうやら直登沢は Co1300 の右股に流入しているようだ。おそらく、18年前はこの沢を登るために右股に進んだのだろうが、涸れ沢のために見落としたのだろう。
このまま涸れた直登沢を詰める。次に右に入る二股を探し、小滝の所で小さなルンゼを右に進むが、藪に突入してしまった。右に入るのがちょっと早かったようだ。再び尾根を越えて左に戻る。二度も選択を間違う屈辱だ。その後も岩盤が続く。 Co1700 で急傾斜のお花畑、 Co1800 で岩盤の崩壊地に出る。一部逆層スラブで、しかも脆くてちょっと怖い。稜線に出て少しハイマツを漕いでピークに着いた。
札内岳南西面直登沢(札内川本流)
稜線を少し戻り、東の肩から札内川本流に下る。この沢を下るのも二度目だ。源頭はザレの崩壊地と藪が断続して、沢形は不明瞭だ。ガレと岩盤を通過し、 Co1580 二股からゴルジュとなる。
前回は左岸を簡単に巻いたが、今回は中をクライムダウンで下る。樋状の滝が続いている。どれもほとんど問題なくクライムダウン出来るが、最後の二段の滝だけは右岸を巻いた(Co1580-1540)。
いくつかの小滝と Co1400 前後のガレ地帯を通過し、伏流地帯に突入。ここから蛇行するブタ沢が延々と続く。この沢を遡行する人はほとんど居ないだろうが、遡行するとしたらルート選択が大変だろう。
蛇行帯を抜けて、巨岩帯となる。巨岩帯の最後には大滝が待ちかまえている。左岸を少し巻いてからクライムダウンで下る。ゴーロ帯となって、魚影が出始める。疲れがたまったのか、左膝が痛い。すぐにでも泊まりたいが、なかなか良い所が見つからない。足の痛みを我慢しながら歩き、結局十一ノ沢出合まで進み、十一ノ沢を少し登ってガレ溜まりを整地して泊とする。
焚き火をたき、ツェルトを建てて釣りをする。すると、アメリカミンクが現れて、 2m の距離で目が合った。向こうは驚いて一瞬固まっていたので、あわててカメラを出そうとしたが、すぐに水に飛び込んでしまった。
今日はオショロコマを5尾釣り上げていただいた。明日は下るだけだ。
2009年08月26日(水)
日が差すのを待って、ツェルトを干してから出発する。膝の痛みが引かない。途中で昼寝などしてのんびりと下山。自転車を回収して、一気に林道を下る。途中で調査か工事関係の車とすれ違う。日高横断道の建設が復活する可能性があるのだろうか。