日高最南の美渓から美幌岳へ

ふ~ちゃん
目的
美幌岳北面直登沢遡行
日程
2007年10月02日(火)
山域
極南日高

美幌岳は日高主稜上最南の山である。小さな山であるし、あまり期待してなかったであるが、どうしてなかなか変化に富んで楽しい遡行となった。人工改変部分にはあえて目をつぶっていくのがよい。

行程

2007-10-01
サンタランド C0
2007-10-02
東広尾川美幌岳北面直登沢美幌岳~北尾根~東の 下山

装備

2007年10月01日(月)

サンタランドの駐車場で車中泊した。鉄道記念公園はどうも落ち着かないので、他に良いところがないかと探し、まずはシーサイドパーク広尾跡地横にあるキャンプ場に行ってみるが、トイレは全て閉鎖されており、利用できなかった。仕方がないので市街地に戻り、サンタランド行ってみると、施設はあいていないが、トイレは使えそうだったのでそこで車中泊することにした。しかし、夜中に懐中電灯に照らされて目を覚ましたら、それは警察官で職務質問を受けてしまった。どうにも落ち着かない街だ>広尾。こういう雰囲気の街だからどんどん寂れるんだろうなあ。

2007年10月02日(火)

2007-10-02 美幌岳
タイムレコード
時刻天候場所行動
05:30起床
07:00出発
11:00美幌岳
14:30下山

広尾川河口から東広尾川沿いの道に進む。中広尾川林道と分かれると、牛の放牧地となっている。あまりスピードを出して牛を轢かないようにしないといけない。林道に入ると道は荒れ始める。雨裂が走って、私の車ではなかなか厳しくなってきたので、適当なところに車を残置して自転車で終点まで行くことにした。自転車に乗り換えて進むと、10分強で砂防ダムに到着した。その先は道は藪に覆われていたので、自転車を残置して入渓した。

美幌岳北面直登沢

砂防ダムの上は砂利に覆われ、その先も広い河原である。しばらくは林道が平行しており、その先も人工改変された雰囲気の沢だ。この先もピークまでも何もないブタ沢かなと思い始めたところ、 Co450 二股で二段のが出現した。(私は気づかなかったが、このの上にも作業道はのびているらしい。)

下部ゴルジュ

Co450 二段[image/jpeg:149kB]
Co450 美しい滝
Co450 二段目[image/jpeg:151kB]
Co450 二段目は青い釜を持っている

早朝の逆行で、安いカメラのため、カラーバランスが崩れて写真からはその雰囲気は十分伝わらないと思うが、なかなかきれいなである。水の透明度は高く、二段目のは青く輝いていた。下段は左岸直登し、上段は右岸を小さく巻いた。


Co760 小滝[image/jpeg:151kB]
Co760 小滝が続いている
Co480 小滝[image/jpeg:150kB]
Co480 小さいが釜の水は透き通っている

このの先でムキタケを採取した。ここからを持った小さなが続いている。水は果てしなく青く澄み、小規模ながら非常にいい雰囲気のだ。 Co500 付近までは滑と釜が断続している。

巨岩帯伏流

Co540 枝沢[image/jpeg:133kB]
Co540 苔の絨毯を流れる枝沢
Co560[image/jpeg:149kB]
Co560 他にはない雰囲気の滝だ
Co580 巨岩帯[image/jpeg:150kB]
Co580 滝の上は巨岩に埋められている

しばらく単調なをくねくねと曲がりながらすすみ、 Co540 屈曲点では白い岩の転がるゴーロとなって、左岸は苔の絨毯に覆われていくつかの枝沢が合流している。他にはない雰囲気の白い岩の凸凹のが現れ、やはり水はきれいだ。これを越えると、沢は巨大な白い岩石に埋められ、水は地中に消えていた。


Co620 伏流原[image/jpeg:152kB]
Co620 伏流した河原が続いている

急傾斜の巨岩帯を登り切ると、そこは広大な伏流原となっていた。河畔にはダケカンバが斜めに生え、水流跡の上を覆っている。この広大な天然の浄水施設があるから、の水がきれいなのだろう。どうにも日高の沢とは思えない雰囲気の続く沢である。雰囲気が気に入ったので、一泊していきたいところだが、あいにく幕営装備は持ってきていない。

上部ゴルジュ帯~ルンゼ

Co720[image/jpeg:152kB]
Co720 左岸バンドをトラバース
Co800 滑滝[image/jpeg:150kB]
Co800 上の方は傾斜の緩い滑滝

Co710 から直線的な小さな状になる。 Co720 の左岸バンドトラバースして水流流を直登した。その後もいくつか小滝滑滝が出てくるが、いずれも問題なく通過した。 Co750 と Co800 で右岸から合流する枝沢は、側壁の岩盤の切れ目から流れ込み、唐突に現れる感がある。


Co1000[image/jpeg:150kB]
Co1000 詰めはガレだ
源頭[image/jpeg:156kB]
源頭付近

を越えて、 Co840 の屈曲点はガレに覆われ、いくつかのルンゼが合流している。二本目まで左に進み、三本目を右に入る。を一本登り、すぐに左に進む。ガレを詰めてピーク目指して沢形を詰めていく。藪に突入し、五分ほど笹藪を漕ぐと東の肩に出た。ピークをまっすぐ目指して、むしろちょっと西側に出るくらいのつもりだったんだけど、まあ良いか。稜線上は膝丈の笹となって、踏み跡は明瞭だ。

美幌岳

楽古岳方面[image/jpeg:150kB]
楽古岳、広尾岳

ピークは細いダケカンバに覆われ、あまり展望は良くない。今日は特に急がないので、ピークで小一時間ほどぼんやりしてから下降を開始した。

下降

下りはあまいものこさんのマネをして、北尾根をたどり、コルから東側のに下った。踏み跡は隣のポコまではかなり明瞭で、コルまでも途切れがちながら続いている。コルはかなり深い笹藪だが、谷に下るとすぐに沢形に出た。

このは本流よりが多いが、これと行って面白いこともなく、下降するにはかえって面倒なだけだったような気がする。疲れてかったるくなったので、詳細な記録は取っていない。

も一段落し、砂防ダムも近づいてきたので、キノコでも探しながらのんびり歩いていたら、なにやらぽつりぽつりと降り始めた。なにやら怪しげな雰囲気だなと思っていたら、突然バケツをひっくり返したように降り始めた。あわてて木陰に逃げ込むが、それでしのげるような雨ではなかった。雨具を着込むが、時すでに遅しだった。

歩き出すとすぐに砂防ダムで、林道に上がった。自転車を回収して車に到着したのは雨が降り出してわずか30分弱のことだった。もうちょっと早く降りていれば濡れずにすんだのに・・・。

キノコ

行きに目をつけていた、林道入り口付近にはカラマツ林で傘を差しながらラクヨウ狩りをするが、傘が開ききったものを数本しか取れなかった。そういえば、今朝林の中を徘徊している人もいたし、すでに採られ尽くしたのかな。

本当はもう一日かけて、豊似岳に登ろうかと思っていたが、今日の最後に雨に降られたのと、疲労が蓄積されてきたのでモチベーションが低下。どうしようかなーとしばらく考えていたが、とりあえず明日のルートを確認しようと地形図を見ると、必要な『日高目黒』の地形図がないことに気づく。うーむ地形図がないのではしょうがないな、と言うもっともらしい理由をつけて帰ってきた。別に、他のルートにすれば良いんだけどね。

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