- 目的
- 一八五七峰北西面直登沢遡行
- 日程
- 2014年09月02日(火) - 04日(木)
- 山域
- 北日高
北日高の一九六七峰の北西に 1857m の衛峰がある。そのピークの北西面に突き上げる沢が、以前から噂は聞いて気になっていた沢だが、名も無きマイナーピークへ突き上げる沢と言うこともあって先延ばしになっていた。歴舟川方面の水位が引くまでのつなぎとして、近場でアプローチのしやすい所と言うことで選んだが、期待を上回る良渓だった。一般的なパーティでは日帰りは少し難しいと思うが、もっと利用されてもいいと思う。
行程
2014年09月03日(水)
| 時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
|---|---|---|---|
| 04:00 | 晴 | 起床 | |
| 05:15 | 出発 | ||
| 06:15 | Co810 一八五七峰北西面直登沢出合 | ||
| 10:00 | 一八五七峰 | ||
| 12:25 | 千呂露川 Co1080 二股 | C1 |
前日は暗くなってから千呂露林道を走り、二股登山口で車中泊した。二股には数台の車が駐まっていたが、既に登山中のようで人は居ない。
自転車を利用して林道を進む。30分ほどで北電取水口に到着。徒歩なら1時間程度だろう。ここで自転車を残置する。すぐに左岸に渡渉し、右岸大滝のところで右岸に渡渉する。直登沢出合までちょうどワンピッチで到着。千呂露川に来るのは久しぶりだが、踏み跡の記憶はしっかりしていた。
Co860 で F1 。逆層スラブ気味の斜瀑。左岸を直登し、落ち口へトラバースして越える。
更に小滝滑滝が続き、快適に通過していく。 Co909 二股を左に進むと屈曲する小規模なゴルジュとなるが、派手さはない。
その後も快適に小滝滑滝を越えていくと、 Co1060 に20mの F2 が登場する。ホールドは豊富な左岸を直登するが、最後が立っていて越えられないので中央にトラバースして水流に突入、シャワークライムで真ん中に抜ける。
左に曲がると F3 が見える。この滝もがんばれば直登できそうだが、左岸のルンゼに明瞭な踏み跡がある。どうやら最近誰かが来たようである。踏み跡を辿って滝の上へ。
更に2段目が続く。これも左岸から簡単に巻けそうだが、直登を試みる。右岸の側壁を攀じる。なかなかホールドが細かく、微妙なバランスと足換えで体を上げる。トラバースして落ち口へ。
Co1150 は屈曲する多段の滑滝となって一気に高度を上げる。
Co1200 二股は幅広の一枚岩の滝となって、左の枝沢がバンド沿いに合流する。このバンドに沿って登り、ブッシュをトラバースして落ち口へ。
沢はU字に削られた断崖のスラブ谷となって、滝というか一枚岩の岩盤が続く。
ふたたび沢幅いっぱいに広がったツルツル一枚岩の滝が行く手を阻む。これは左岸のルンゼを登り、落ち口にトラバースする。
滝の上には広い釜があって、更に大きな滝が続いていた。この滝は急傾斜のスラブ滝となって、空へ向かってぐんぐんと爽快に登っていく。
スラブ状の岩盤は途切れることなく続き、一気に駆け上がる。
明るいスラブはルベツネ山北面直登沢の雰囲気に似ているが、傾斜はそれほどきつくなく、怖さはない。規模の面でも遠く及ばないが、日帰りで来られる沢でこの雰囲気を味わえるのはお得感がある。
Co1500 二股はどちらに行こうか迷うが、水量の多い右へ進む。直に水は涸れるが、岩盤はなおも続き、岩間の灌木帯を縫って進むとピーク西の岩稜に出た。
簡単な岩登りで岩稜を進み、ピークに立った。Co1500 で左股を進むと、上部で少しハイマツ漕ぎがあるようだ。
下降ルートは決めていなかったが、一九六七峰面の藪を見てやはり北尾根から北ノ沢に下ることにする。
北面の沢はなかなか沢形が現れず、結局 Co1650 付近まで鬱陶しいハイマツと灌木の藪漕ぎとなった。しかし、沢に出てからは特に難しい物も無く快適に下降できる。
途中、一ヶ所だけチョックストンを持ったゴルジュとなっているが、右岸から簡単に巻ける。
ポンチロロ川本流は、確かに時々きれいな釜を持った滝が現れるが、それ以外のゴーロ歩きがとにかく長いのが欠点だ。釜は飛び込むと早いところもあるが、今回も泳ぐ準備をしてきていないので淡々と下る。
今日中に下山することも可能だったが、予定通り本流出合付近で天張り、釣りをする。しかし、釣れるオショロコマは小さい物ばかり。何とか塩焼き向きのが2尾ほど釣れたが、たいした腹の足しにはならなかった。
2014年09月04日(木)
| 時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
|---|---|---|---|
| 05:00 | 起床 | ||
| 06:40 | 出発 | ||
| 08:00 | 下山 |
いつものように焚き火の横で寝ていたら、夜中に焚き火が崩れてシュラフに穴が空いてしまった。凹む。
今日は下るだけなのでのんびり出発。天場の所から左岸に林道跡があるが、すぐに不明瞭になって沢に戻る。
三股からふたたび踏み跡に戻りさくさく進み、出発から1時間ほどで自転車を回収し、20分で二股についた。
着替えをしていると、ポツリポツリと雨が降り出した。
雑感
この沢は本当にすばらしいが、いかんせん下りのルートが長い。あるいは利用者が増えて踏み跡が出来れば日帰りも楽になるかも知れないが、そうはいかないだろう。案外同じ沢を往復した方が早いのかも知れないが、やはり万人向きとは言いがたい。もうちょっとアプローチや下降が楽なら、伏美岳北面やカタルップ沢のような賑わいを見せたかも知れないが、永久に知る人ぞ知る銘渓であり続けるのがこの沢の宿命なのかもしれない。