札内川八ノ沢~コイボクシュシビチャリ川一八二三峰

ふ~ちゃん
目的
札内川八ノ沢・一八二三峰北西面直登沢遡行
日程
2005年09月11日(日) - 14日(水)
山域
中日高

行程

2005-09-12
あかしやトンネル~札内川七ノ沢出合札内川八ノ沢出合 C1
2005-09-13
C1~札内川八ノ沢本流ピラミッド峰~1602コルコイボクシュシビチャリ川三股 C2
2005-09-14
C2~一八二三峰北西面直登沢一八二三峰札内川七ノ沢本流~あかしやトンネル 下山

2005年09月12日(月)

タイムレコード
時刻天候場所行動
11:55出発
13:25七ノ出合入渓
14:40八ノ出合C1

札内川下流域

今日は八ノ出合までのアプローチのみ。いつもの駐車場にいつものように駐車して出発。1時間半の林道歩き。かったるい。定期的にヒグマの糞が現れる。道は部分的に前回来た時よりも激しく崩壊している。先日の大雨で崩壊したのだろう。七ノ沢堰堤付近の道も流出が始まっている。このまま手入れがされなければ廃道状態になるのも遠いことではないかも知れない。

七ノ出合ではエサオマンから来たという男性2人組に会う。入渓してからは男性1名とすれ違うが、八ノ沢出合の天場には誰もいなかった。焚き火に火をつけ、釣り糸を垂らすがあたりはない。今日は少し風が強い。明日も余りよい天気ではなさそうだ。

2005年09月13日(火) 札内川八ノ沢遡行コイボクシュシビチャリ川三股

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
06:00出発
09:00八ノカール
10:15ピラミッド峰
11:201602コル
13:25コイボクシュシビチャリ川三股C2

朝方まで弱い雨が降ったりやんだり、時々強い風が吹いたりが続いたが、出発時にはやんでいた。濡れていたツェルトも強い風のおかげで乾いていた。どんよりした雲の下カール目指して出発する。

札内川八ノ沢

本来なら正面に威風堂々としたカムエクの姿が望めるはずだが、視界はカールまでしかなく、頂上は雲の中だ。所々踏み跡を利用するが、意外と倒木が覆い被さったり、判然としない部分もある。去年の台風や豪雪の影響もあるのだろうか。まぁ、別にがあるわけではないのでを通ろうが道を使おうが大差ない。 Co850 左股の猛烈ルンゼには未だスノーブリッジが残っている。八ノ沢出合にはまるで魚影がなかったが、890三股付近には少ないながらも黒い影が通り抜けるのが見える。

Co999 三股[image/jpeg:124kB]
Co999 三股
Co1030-1050[image/jpeg:178kB]
Co1030-1050
Co1070-1090[image/jpeg:144kB]
Co1070-1090

999三股からの連続となって急激に傾斜を増す。一般的にはここから左岸の巻き道に入るが、今回は直登だ。はじめのは左岸の壁をへつり気味に登る(Co1030-1050)。次の右から枝沢が合流する滝は右股の滝からトラバースする(Co1050-1070)。ここからはバリッとシャワークライムで中央を突破してお碗状の1130二股へ出る。巻き道は右の枝沢へ続き、 Co1300 付近へショートカットしているはずだが、本流の左へ進む。


Co1200-1210樋状[image/jpeg:191kB]
Co1200-1210樋状
Co1240-1270二段[image/jpeg:157kB]
Co1240-1270二段
Co1310 二股[image/jpeg:187kB]
Co1310 二股

左へ直角に曲がり小さなを1つ登り、巨岩の段差を超えると右に直角に曲がり更にが続く。2つ目の樋滝は取り付けそうにないので、右岸を小さく巻く(Co1200-1210樋状)。更に2つほど左岸から高巻く(Co1210-1240)。 Co1240 からの大きな滝は快適に直登する(Co1240-1270二段)。更に斜瀑を1つ直登すると、左岸に Co1130 からのショートカットルートが合流する。1310二股は両股が滝となって、更に中間尾根から小さなが滝になって落ちている。右が一般ルートであるが、今回は左の滝を登る。この滝を登ると沢は開け、右に屈曲するとガレが埋めて突き当たりに涸れた滝が見える。この涸滝から乾いた岩盤が続き八ノ沢カールへと飛び出す。

今日は平日なので、誰にも会わないだろうと思っていたら、カールには男女ペアの登山者がいた。もうカムエクにはアタックしてきたのか、撤収の準備をしていた。しかし、まぁ、カップルで八ノ遡行とは羨ましい限りですな、ケッ(瀑。水を汲んだり、行動食をとって、しばらく呼吸を整え雨具を着てピラミッド峰に向けて出発する。

国境稜線

稜線上はガスの中で視界はない。踏み跡は途切れれる事なく続いている。日高の国境稜線には濃密な藪漕ぎを必要とするところは既に存在しないのだろうか。ピラミッド峰を下ると、雲が晴れ視界が出てきた。カムエクはまだ雲の中だが、南には一八二三峰の姿が見える。稜線は紅葉が始まっている。

P1807~一八二三峰尾根[image/jpeg:139kB]
P1807~一八二三峰尾根
Co1602 コル[image/jpeg:176kB]
Co1602 コル

P1807からの十勝側の斜面は壮絶だ。世の中にはこんな所をよじ登ってくる人がいるというのだからたいしたもんだ。1602コルは気持ちのいいところで、石垣の中からはナキウサギの声もしてくる。ここにはいくつか無理矢理天張った跡はあったが、意外にも整地された天場跡はない。十勝側の斜面をのぞき込むとそこにはエスパーステントの残骸が残されていた。

コイボクシュシビチャリ川中股

1602から谷に下るが、沢形は判然としない。形と獣道のブッシュを交互に進む。 Co1350 付近で沢に出て靴を履きかえる。 Co1250 付近に2つほどが出てきた後はガレ沢となって三股付近まで続く。1573コルから下る沢もガレとなって合流している。

左股(カムエク南面出合天場をかまえ、釣り糸を垂らすが魚影もあたりもなかった。ラジオの天気予報は明日は大雨であると告げている。薪は豊富だが、台風と昨日の雨の影響だろう、いまいち激しく燃え上がらない。まぁ、その方が長持ちするけどさ。

2005年09月14日(水) 一八二三峰北西面直登沢遡行札内川七ノ沢下降

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00起床
05:35出発
07:45Co1140
08:351385二股
10:15一八二三峰
14:55Co620覆道
17:20駐車場

雨はまだ降り出していないが、昨日以上にどんよりとした雲が漂っている。イヤな雰囲気だ。今日は雨が降るのは確実なので、出来れば行きたくないが、余り停滞は持ってきていないので行かざるを得ない。核心部で本降りになることも考えられるが、何とか増水前に突破できることを祈るばかりだ。

一八二三峰北西面直登沢

出合から小滝が続く[image/jpeg:157kB]
出合から小滝が続く
Co850[image/jpeg:143kB]
Co850
Co880[image/jpeg:197kB]
Co880

直登沢に入るとはすぐに狭いゴルジュ状となって小さなが連続し、つっぱたりへつったりして通過していく。5つ目くらいのつるりとした右岸テラスから巻く。次の左に屈曲するところの大きなを持った滝も右岸から巻く。この辺は地形図上では直線的だが、意外と細かく屈曲している。その後も状の中に滝が連続するが、1つ1つはそれほど難しいこともなく、適当に通過していく。


Co890 ゴルジュ[image/jpeg:215kB]
Co890 ゴルジュ
Co900[image/jpeg:242kB]
Co900
Co930 滝[image/jpeg:186kB]
Co930 滝

Co890 を右に曲がると、更に細い水路の中にが架かっている。つっぱりで水路の中を進み、の直下まで進むが、滝はツルツルで直登できそうにない。高巻きとなるが、左岸は垂直の壁で一度取り付いたらどこで降りられるか見当もつかない。右岸は微妙な傾斜の草付きのスラブとなっている。水路を戻り、灌木帯から右岸に取り付き、わずかなバンドに沿って斜面をトラバースしていく。下降地点の選定が悩ましい。なんとか足を滑らすことなく2段目の滝の上部に降りる。しかし、3段目もつるりとした滑滝で登れそうにないので、これも右岸側壁をトラバースして超える(Co890-910)。小を超えていくと、左岸から岩をスプーン状にくり抜いた滝が落ちてくる。正面の崩壊地を使って高巻く(Co930-950)。この滝の上は平坦なガレ地となってようやく一息つく。ここまで規模はそれほど大きくないが、途切れることなく滝が連続し、出合から距離も高度もまったく稼ぐことが出来ない。


Co970-990[image/jpeg:179kB]
Co970-990
Co1000[image/jpeg:181kB]
Co1000
Co1040[image/jpeg:176kB]
Co1040
Co1060[image/jpeg:199kB]
Co1060

ガレ地の突き当たりは大岩壁となって空に突き上げ、本流は左に曲がりスラブ状のとなっている。大きいが快適に直登できる(Co970-990)。その後もやはり休むことなくが連続し、楽しく直登していく。特に小さく左に屈曲するところの大きな直瀑は難しそうに見えるが、豊富なホールドをがっちり掴んで垂直な壁をよじ登る(Co1000)。を持った小さな滝が相変わらず休むことなく続き、つっぱったりへつったり、小さく巻いたりしながら通過していく。滝はいずれも小規模でそれほど難しくないが、とにかく密度が濃い。しかもずっと狭いの中なので精神的に休まらない。


Co1080 滑床[image/jpeg:238kB]
Co1080 滑床
Co1090-1120[image/jpeg:212kB]
Co1090-1120
Co1120-1130[image/jpeg:210kB]
Co1120-1130

Co1070 で正面に大岩壁のを見て右に曲がり、滑床を進むと左岸から二段の直瀑が落ちてくる。まずは左岸の岩壁を攀じって1段目の上に出る。そこから落ち口を横切って右岸に移り、カンテ状に取り付くが、これはまずかった。途中に残置ハーケンが一つあるが、上に行くほどホールドが貧相で、しかも岩は脆くヌメリまである。あと50cmも登れば傾斜も緩く、ホールドもありそうだが、どうしてもあと2ステップが出ない。そうこうしているうちに手も足もパンプしてきた。とりあえず1回降りよう。しかし、結構微妙なところを登ったので、クライムダウンもかなりまずい。ここで滑ったら20mの垂直落下だ。手足をプルプルさせながらなんとかかんとかの上に戻る。こうなったらこのまま左岸を巻くしかないわけで。半分運を天に任せて垂直な壁の灌木とがリーを攻めていく。しかし、上に行くほど垂直度は増していき段々と絶望的な雰囲気になってくる。左にトラバースしようとしても滝の際ほど垂直に立って全くよりつけない。このままに戻れずに尾根歩きに突入かと思い始めたところ、潅木帯が出てきて最後はラッペルもなくすんなりと2段目の上に出た。上から見る2段目は下から見るより大きく、上部は緩いがスラブ状でつるりとしている。あのまま直登していたらまずかったかもしれない(Co1090-1120)。この上の滝はツルツルで登れないので、そのまま左岸をトラバースして高巻く(Co1120-1130)。目の前にはまだ滝が続いているが、なんとなく核心は超えた様な感じがする。


Co1180-1210[image/jpeg:225kB]
Co1180-1210
Co1350-1380 スラブ滝3段目[image/jpeg:191kB]
Co1350-1380 スラブ滝3段目

ついに降り出した雨の中、まだまだ出てくるを超えていく。もういい加減はいいよと思ったのはいつ以来だろう。それでもは少しずつ開け、密度も薄くなってくる。1180二股の二段の大きな滝は左岸を巻き気味に登り、落ち口へと抜けていく(Co1180-1210)。そして1240二股からは巨大なスラブ状の滝が3つ続き、一気に高度を上げる。1390二股を右に入っても沢は岩盤状で延々と小滝を超えていく。1520二股は左の方が水量が多いが、地形図に従い右に進む。つめの藪は薄いという話だったが、沢は Co1700 付近で早々に切れ、藪に突入する。確かにそれほど濃くはないが30分ほどの藪漕ぎの末、ピーク北側の主稜線に立つ。

札内川七ノ沢本流

雨は土砂降りというわけではないが、稜線上は風があって濡れたからだを冷やす。今後雨が強くなって、増水で閉じこめられたらかなわない。コイカクを下るのも、七ノを下るのも駐車場に着く時間は余り変わらないかもしれない。しかし、七ノ沢ならうまくいけば増水前に横断道にたどり着けるだろう。それに、この風の中ひたすら稜線を行くのはつらい。そういうわけで最低コルから七ノ沢に降りることにする。


Co1200[image/jpeg:153kB]
Co1200

コルからカール底へは垂直の壁を木にぶら下がりながら下る。カール底はブッシュに覆われ、沢形は判然としない。に出てを1つクライムダウンすると、そこは1260二股だった。3年前に遡行した時にとったルートは間違えじゃなかったようだ。いよいよ核心のである。樋状の滝を慎重にクライムダウンしていく。途中どうしても下れないところがあって、怪しげな残置ハーケンを使ってラッペルする。

Co1100からのには9月だというのにみっちりと雪渓が残っている。3年前の同じ時期に遡行した時は皆無だったので、びっくりである。雪渓の際は溶けて取り付けない。しばらく壁との隙間をトラバースしていく。Co1050を過ぎてようやく雪渓上に乗り、再びに降りると、なにやら沢の水が黄色く濁りはじめた様子である。


Co960 スノーブリッヂ[image/jpeg:165kB]
Co960 スノーブリッヂ
Co900 屈曲点[image/jpeg:211kB]
Co900 屈曲点
Co750 ゴルジュ[image/jpeg:105kB]
Co750 ゴルジュ

950二股で今にも崩れ落ちそうなスノーブリッヂの下をくぐり、状の中のクライムダウンを繰り返す。900屈曲点付近は崩れかけの雪渓で埋められている。この辺は右岸の台地からまとめて巻く。前回何も感じなかったところも増水で立派なになったりし始めている。 Co750 のゴルジュは濁流となって、中を通過できないので右岸を巻く。

ここから先は広い河原状になって、多少増水してもなんとかなるだろう。 Co650 で道路跡に出て、 Co630 で右岸に渡り右股出合を過ぎたところで覆道にたどり着き、ようやく一息つく。気がつけば周囲はすっかり土砂降りになっている。上半身を乾いた服に着替え、ブランデーココアで体を暖める。お腹を冷やしたせいか、さっきからお腹の調子が悪い。駐車場まではまだ長い。小一時間休憩した後、雨の中を再び歩き始める。

途中、行きで目星をつけていたタモギタケを採取し、駐車場へ。体力的には平気だが、キュルキュル言う腹と、数年ぶりのタマズレのおかげで歩くのがつらかった。

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