札内川七ノ沢~一八二三峰

ふ~ちゃん
目的
一八二三峰北面直登沢遡行
日程
2004年09月26日(日) - 28日(火)
山域
中日高

行程

2004-09-26
苫小牧~札内ヒュッテ C0
2004-09-27
C0~札内川七ノ沢右股~一八二三峰北面直登沢一八二三峰~七ノカールコル C1
2004-09-28
C1~コイカクシュサツナイ岳夏尾根~コイカクシュサツナイ川札内ヒュッテ 下山

装備

2004年09月26日(日) 札内ヒュッテ

今回もまた、天馬街道を通り目的地へ向かう。今日は日曜日で、のシーズンもそろそろ終わりなので、札内ヒュッテには誰も居ない。中に入ると、小屋中にトイレのにおいが充満している。トイレへの扉が開いたままで、においが小屋の中に流れ込んでいる。扉を閉め、2階に行って1杯飲んでから床につくが、アンモニア臭が鼻についてさっぱり眠れない。寒いのを我慢して、窓を開け放つが状況はあまり変わらない。我慢しきれずに、荷物をまとめて車に戻り、助手席で仮眠するが、頭がすっかりさえてしまって結局朝までほとんど眠れなかった。

2004年09月27日(月) 一八二三峰北面直登沢遡行

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:30起床
06:10林道ゲート出発
06:50七ノ出合入渓
07:50上二股
08:50Co840
10:45Co1280
11:45Co1570
12:40一八二三峰
13:40七ノカールコルC1

結局ほとんど眠る事が出来ないまま朝を迎えてしまった。うーん。眠いよ。ゲートまで進み、自転車をおろして出発の準備を整える。自転車で林道を走る。上り坂が多くつらいが、40分ほどで七ノ出合に到着した。靴を履きかえて入渓する。日高横断道がある程度使えるが、あえて沢の中を進む。工事は凍結されており、2年前からほとんど進んでいない。

一八二三峰北面直登沢

ゴーロのたまった河原を進み、上二股から右股に入る。右股に入ってからも単調な河原で、一ヶ所小さな滑滝があるが特に問題ない。記号では大きなが出てくるのかと思っていたが、それほど大規模なものではなく、一安心である。しかし、ここから渓相は急に狭くなって、小規模ながらも滝が連続して現れてくる。

下部ゴルジュ

Co740 2段[image/jpeg:144kB]
Co740 2段
Co750 スラブ状の滝[image/jpeg:168kB]
Co750 スラブ状の滝

記号で右岸を合わせ、本流の小さな滑滝を右に曲がる(Co730滑滝)と、正面に二段の滝が現れる。瀑心はツルツルに磨かれて直登は無理だ。右岸の側壁を登る(Co740)。更に、白い岩床の先にツルツルスラブ状の滝が現れる。左岸の側壁からテラストラバースして落ち口へ抜けた(Co750)。その後も小規模な滝が連続するが、滝壁も側壁も逆層のスラブ状でよく磨かれており、意外と手強く一筋縄ではいかない。


Co830[image/jpeg:143kB]
Co830
Co850 函滝[image/jpeg:147kB]
Co850 函滝

泳ぐ様な深いは出てこないが、ひたすら続く岩盤状の地形が余裕を与えない。空はさわやかに晴れ渡り、深いの中にも時折日が入るが、風も水も冷たく、シャワーで濡れたからだが寒い。出来るだけ濡れないように進むだけ難度も上がる。直登できない函滝右岸テラスへつって越える(Co850)。正面には岩盤のルンゼが幾筋も主稜へ向かって突き上げているのが見えてくる。ルンゼの出合が集合する付近には未だに雪渓が溜まっている。

ルンゼはいずれも出合から岩盤状で、途中には悪そうながかかっている。中にはハングしている物も見える。がある位置は帯状に急傾斜の斜面が続いており、高巻きも容易にはいきそうにない。本来の予定ではこれらのルンゼのいずれかを詰めて主稜の最低コルに直接上がり、そこからコイボクシュシビチャリ川に降りるつもりであった。しかし、昨日の寝不足と、かねてからの足の疲労の蓄積でモチベーションも下がっており、なにより、!!*のにアプローチするのに!!!クラスの登攀をするのは少々ナンセンスである。しかも、ここまでの沢の状況が予想よりもずっと厳しく、予定していた下降用にこの沢は使えそうになく、このままコイボクに抜けると日程的に厳しくなる。今回はコイボクへのアプローチを諦め、このまま北面直登沢を詰めることにした。


Co920 二股[image/jpeg:121kB]
Co920 二股
Co940 直登ルンゼ群[image/jpeg:164kB]
Co940 直登ルンゼ群

は Co900 付近から深く大きな地形となり、 Co920 二股には分厚いスノーブリッヂが架かっていた。スノーブリッヂは2層となっており、万年雪である事が伺える。ブリッヂの奥には下部が小さくハングしたがかかっており、支流もまた垂直のとなっている。右岸の壁を攀じって滝の上に出た(Co920-930滝)。この辺りから、沢を遡行するというよりも、岩場を登攀する様な感じになってくる。支流は本流と背の低い尾根で隔てられ、併走している。その支流から岩盤のルンゼが幾筋も稜線へ向かって突き上げている。コルへ突き上げるルンゼは尾根にさえぎられ、全体は見渡せないが、いずれのルンゼも急傾斜の岩盤が延々と続いており、やはり容易には越えられそうにない。

垂直の壁

Co910-960 垂壁[image/jpeg:132kB]
Co910-960 垂壁
Co910-960上部[image/jpeg:143kB]
Co910-960上部

本流はの上もひたすら岩盤が続き、奥には巨大な壁がそびえているのが見える。岩盤状のはどんどん傾斜を上げ、突き当たりで衝立のような垂直な壁が行く手を阻む。正面は垂直の壁、右岸はもっと垂直な壁が続き、支流が合流し、左岸も悪そうなルンゼとなっている。右岸の支流を登る事はあり得ないとして、左岸も一応植生があるものの、非常に立っており悪そうである。よしんば高巻いて左岸の尾根に上がったとしても沢に復帰できるかどうかは全く見当が付かない。の下に立ってみると、完全にツルツルというわけではなさそうなので、気をつけながら直登してみる事にした。水流の左側に沿って慎重に壁を登る。実際に取り付いてみると、下部は割とホールドが多いが、上に行くほど垂直に立って、徐々に厳しくなってくる。しかも、人が入っていないせいか、思ったよりも浮き石が多い。スラブ状でホールドが乏しい垂直な1mほどの部分が核心となる。足下にさえぎる物はなく、高度感がすごい。落ちたらひとたまりもない。これを抜けると、傾斜はゆるまり、落ち口へと抜けた(Co910-960垂壁)。

岩溝

Co960-970樋状[image/jpeg:126kB]
Co960-970樋状
巨岩帯[image/jpeg:129kB]
巨岩帯
Co1140-1190 3段[image/jpeg:159kB]
Co1140-1190 3段
Co1170二股[image/jpeg:159kB]
Co1170二股

大滝の上は細い水路となって樋状のがかかる。両足を左右に突っ張り、の上を超えて行く(Co960-970樋状)。その先は直径 2m ほどの巨岩がつまる。歩きにくいが、ようやく一息つける。しかしはすぐに岩盤状となり、岩盤をくり抜いた滝が出てくる。滝はそれほど難しくはないが、ぬめりが強く、しかもこの寒いのにシャワーをあびざるを得ない。シュンベツ川本流での悪夢が脳裏をよぎる。悪いイメージが先行して、積極的なムーブがなかなか出来ない。水流は巨大な岩盤に刻まれた溝の中を流れ、二段ほど上がると2手に分かれている。左が本流のようだ。本流の水しぶきを横からあびながらトラバースし、中央のカンテへと出た。そこから正面のルンゼを少し攀じり、トラバースしてカンテを乗り越して本流の滝の落ち口に出た(Co1140-1190三段)。

上部ルンゼ

Co1240-1260 溝状(筒状)[image/jpeg:158kB]
Co1240-1260 溝状(筒状)
Co1280[image/jpeg:122kB]
Co1280
Co1350付近[image/jpeg:164kB]
Co1350付近

の上からは支流が延々と岩盤状で続いているのが見え、本流は左に曲がって、ガレ様相だ。支流の方が快適そうだが、一応本流を進む。はガレが溜まり、伏流気味だ。地形図上にある右屈曲点はなかなか見えてこない。沢を間違ったかと思って進んでいくと、左岸に突然細い溝が現れた。岩盤を円筒状にくりぬいた様な溝に水が流れている。チムニー登りで行けばある程度は登れそうであるが、寒くてとても頭から水しぶきを受けながら登るのは難しいだろう。もう少し左股を進み、の高さまで登って、左岸のルンゼを詰めて尾根を越えて滝の上に出た(Co1240-1260溝状)。沢にはまだまだゴルジュ状に滝が続いている。しかし、微妙な滝をひとつ過ぎると、滝はどんどん可愛くなり、徐々に傾斜をゆるめいつしか広い花畑となって源頭の泉となった。

は Co1500 付近で源頭となって、開けた花畑の中にしばらくは沢形が続くが、やがて灌木の藪となる。そのまままっすぐピークに向かっていくと、濃密なハイマツにぶち当たるので、薄い灌木帯をトラバースして行くと主稜へと出た。10分ほどでピークに到着した。

一八二三峰天場

カムエク[image/jpeg:117kB]
カムエク
1823峰-パノラマ[image/jpeg:70kB]
1823峰-パノラマ

一八二三峰から見るカムエクは何度来てもすばらしい。台風18号の塩害の影響か、紅葉はあまり綺麗ではないが、秋のカムエクも寂れた感じがまた良い。しばらくピークでくつろいだ後、まだ少し時間があるので、七ノカールコル天場まで降りる事にする。天場で EPI のコンロを1台拾う。コンロのケースには「 [http://www11.ocn.ne.jp/~mountec0/ MOUNTEC大橋] 」と名札がつけられていた。

ツェルトに入ると、西日がきつくて暑い。しかし、日が沈むと今度は急激に寒くなってきた。今夜は冷えそうだ。

2004年09月28日(火) コイカクシュサツナイ岳夏尾根下降

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
05:45出発
06:35Co1444コル
08:15コイカクシュサツナイ岳夏尾根頂
10:30コイカクシュサツナイ川上二股
11:50林道ゲート
14:00七ノ出合自転車回収
14:30林道ゲート下山

朝方はやはりかなり冷えた。この時期に日高の主稜線で泊するには、やっぱり3シーズンではなく、冬用ではないとダメか。

当初予定していた、北面直登沢からの下降は懸垂下降の連続となり、しかもハーケンボルトを相当数必要としそうなので、今回の装備ではちょっと無理だ。結局いつも通りにコイカク経由で下山する事にした。左股本流を下降する可能性も考えたが、捨て縄を2~3本持ってきたつもりが、1本しか見あたらないために断念する。

一八二三峰[image/jpeg:85kB]
一八二三峰

このルートを歩くのは積雪期も合わせて4度目だ。特に変わった事もなく、いつも通りコイカクの背を通過。西頂付近には真新しい天場が開削されていた。コイカク~一八三九峰登山者の急増でコイカク夏尾根頂や、ヤオロ天場にもおさまりきらない登山者が開削したのだろうか。この調子で行くと何年か先には日高の主稜はみんな丸裸になるんじゃないだろうか。

夏尾根を下り始めてすぐに白いタオルを拾う。始めて降りたときはヘドが出るほどの尾根に感じたが、5度目にもなるとむしろ快適な尾根に感じるほどだ。サクサクと進み、Co1350天場に到着した。ここではステンレスのカップを拾った。

上二股では女性物のスニーカーを回収。に入ると、割と水量が多く、伏流している部分は少ない。2つ目のの手前の右岸は前に来たときよりも更に崩壊が進み、すっかり水流が変わっていた。この函は腰まで水に浸かって通過した。

から上がってトンネルをくぐり、駐車場に到着。数台の車があるが、全て釣り師のようだ。荷物を置いて、自転車を回収するために林道をとぼとぼと歩く。こんな事になると分かっていれば、わざわざ自転車など使わずにはじめから歩いたのに・・・

ようやく七ノ出合に到着し、自転車を回収。帰りは下り坂で一気に駐車場に到着した。札内ヒュッテによって山で拾った物を残置して帰ってきた。

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