元小屋沢山という盲点にハッとさせられ

ふ~ちゃん
目的
元小屋沢山南東面直登沢遡行
日程
2016年07月08日(金)
山域
渡島半島中部

ほんの数日前、 RSS リーダーに AACH の記録が入ってきた。渡島半島中部の元小屋山に詰める相沼内川に、人を寄せ付けぬゴルジュがあるという。「北海道の山と谷」のために、この辺りの沢を探索していたにもかかわらず、元小屋沢山は稜線に送電線が走っているという理由で全くのノーマークだった。これは不覚。 AACH では途中撤退だったが、頂上まで抜けられるかどうか、さっそく確かめに行った。

このルートは「新版 北海道の山と谷 1」に収録されています。

2016年07月08日(金)

2016-07-08 相沼内川

熊石折戸から、相沼内ダムへの道へ入る。道はどんどん山道を登り、相沼内ダムを横切る。相沼内ダムは小さなダムだ。対岸に移って少し行ってから分岐を左に入る。道は草が被っているが、足元はしっかりしており、何とか河原まで出られた。

広い砂利の河原を進む。 Co340 二股まで完全に河原。長いけれどあっという間に着く。

相沼内川左股

左に入ると薄暗くなり、巨岩が転がり始める。川幅が広い所には巨岩の島があったりする。


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(375)

Co390 の屈曲が近づくと、両岸がどんどん立ち上がってくる。右岸に虎縞のが落ちてくるのを見てが右に曲がると、沢幅もぐっと狭まり巨岩がつまり、奥に巨岩が積み重なったが落ちてくるのが見える。

数mの巨岩が積み重なって洞穴状にハングしており、まともには登れない。しばしどうしたものかと呆然と周囲を眺める。水量が少なければ、水流を突っ張りでとも考えられるが、この水量では難しそう。左岸の壁が何とか登れるのだろうか、と見ていると、上の方に赤いシュリンゲが架かっているのが見えた。

そういえば AACH の記録に無理くりA0で登ったとあったような気がする。先人に習おうと、壁に取付く。が、微妙なホールドで、シュリンゲまであと3cm手が届かない。おお、ゴシマ君よ、何故もうちょっとシュリンゲを伸ばしておいてくれなかったのか。

いったん降りて再び考える。シュリンゲに届くには、足場が必要だ。ハーケンをたたき込み、シュリンゲをかけて足場にする。それでも微妙だが、何とか上のシュリンゲに手が届いた。上に上がってへたり込む。 AACH の残置したハーケンは少し浮いていた。どうやらあまり効きの良くない岩質のようだ。シュリンゲを残置してきたけど、使う人はあまり信用しないでね。次に行く人はウェーブハーケンにでも付け替えておいて下さい。

これで終わりではない。やはり洞穴状にハングした二段目が続く。しかし、こちらはチムニー状でフリーで何とか登り切る。三段目は開けて巨岩状を越えて抜けた。


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その後もほぼ途切れなくゴルジュが続くが、小規模なカワユスなゴルジュだ。へつったり、小さく巻いたり、泳ぎたい人は泳いでも良いもある。

Co460 二股も両方ゴルジュで、右股はになっている。私は近づいて確認しなかったが、 AACH によれば三段のになっているらしい。こちらも稜線上の送電線に出られるはずなので、興味の有る人は探索してみて欲しい。

元小屋山南東面直登沢

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(453)

左に進むとより狭いゴルジュとなる。曲がりくねるゴルジュを進むと、いかにもというチョックストンが出てくる。両手両足突っ張りで、股関節が抜けそうになりつつ抜ける。


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(471)

そして突き当たりに 10m のが出てくる。一息ついてから左岸直登する。ホールドは豊富で難しくない。

三段の滑滝を越えるとゴルジュも終わり、幅は広がって河原も出てくる。このまま源頭かなと思っていたが、 Co560 二股を過ぎると、怪獣の卵のような巨岩が挟まったが出てくる。

カム類を駆使すれば登れそうな気もするが、そんなものは持って歩かないので右岸ルンゼから高巻く。こちらも上の方は立っていてそれなりに悪い。


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すぐに鋭角の二股で、右に進むとツルツルの小滝が続いている。フリクションとつぶつぶホールドを効かせて登っていく。

Co850 右股は枝沢状に左岸から合流しておいるので見逃しそうだ。最後まで微妙なを登り、崩壊地をよじ登ると稜線の刈分道に出た。天気も悪いし、頂上は藪の中っぽいので探すのは止めた。

送電線刈分

刈分道は送電線に沿って付いている。少し降りると、立派な北電の管理棟がある。

道は一部不明瞭だが、基本的にササ以外の草が生えている所が道だと思えば良さそうだ。 P628 からの下りは特に分かりづらいところが有った。足元は樹脂製のブロックで補強されているが、これが余計に滑ることがある。今回は下り用に作業用足袋を使ったが、これもまた良く滑る。登山靴用ソールが如何に優秀か痛感した。

谷は急峻に落ちており、尾根末端から見たポンノボリ川の両股もまた細いゴルジュのように見える。

ここからは靴に履き替え、沢沿いに降りる。下部の方は一部伏流していた。入渓地点では釣りをしている人が居た。なかなか良い型のイワナをわんさか捕っていた。

雑感

ブタ沢ばかりかと思っていたこの界隈にあって、まあ、薄汚さは否めないもののそれなりに遊べるゴルジュとして十分に遡行価値はあろう。今後は右股や、沖山などへの継続沢旅も含めて遊び方はもう少し広げられそう。

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