- 目的
- 沖沢山北面直登沢遡行
- 日程
- 2016年07月09日(土)
- 山域
- 渡島半島中部
渡島半島の中程に沖沢山というあまり目立たない山がある。正直あまり期待はしていないが、先日の元小屋沢山の例もあるので行ってみる事にした。
このルートは「新版 北海道の山と谷 1」に収録されています。
2016年07月09日(土)
前日は八雲市街の砂蘭部公園にて車中泊。しかし、この公園は快適とは言いがたい。八雲周辺にはもう少し快適な場所は無いものか。
スポーツ公園方面に向かい、そのまま砂蘭部川沿いの道を奥に入る。そのまま林道へ進む。伐採現場らしき所から、地形図には載っていない林道を更に奥に入る。木製の橋が架けられた川を渡り少し行くと土場が有り、道は草に覆われているのでここで出発の準備をする。着替えてからもう少し車を走らせると、藪で道が消えていたので車を駐める。
先には崩れた林道の後が続いてる。右下から砂防ダムの落ちる音が聞こえ、少し行くと突如踏跡が藪に消える。振り返ると右下に降りる踏跡が続いていた。沢に降りるとちょうど砂防ダムの上。釣り師が使っている踏跡だろうか。
沢幅は広く、水量も思いの外多い。平坦な河原を行くと、右岸から三本の滝が落ちてくる。小さなルンゼなのに、やはり水量は多い。
岸は立っていて、所々瀞になっている。泳ぐ気はしないのでへつっていく。岸の岩場からは時々オレンジ色に染まって温泉が湧き出ている。意外やちゃんと暖かい。
砂蘭部川本流と分かれる Co225 二股を過ぎるとぐんと水量は減り、その後も顕著な二股を過ぎる度に水量は半減していく。
意外や函状の地形が続くが、特に難しくはない。 Co260 右股の小滝沢も奥の方は函状になっている。帰りに偵察しようと思ったが残念ながらその時間はなかった。
Co290 二股を右に入り、滑滝を過ぎると、一気に暗くなりゴルジュとなる。右に小滝となった枝沢を分けて左に回り込んで深い淵を持った小滝がある。泳いだ方が早そうだが、長いし泳ぎたくない。が、どうやら水に浸からずには行けないようだ。ライフジャケットを着けていったん水に浸かり、右岸に這い上がってへつっていく。最後は飛び込んでもう一度這い上がった方が早かったかも知れないが、ギリギリ粘って微妙なバランスから落ち口へとジャンプして越えた。
その先もゴルジュが続くが難しくない。ゴルジュを抜けると広くなり、幕営できそうな所もある。イワナも泳いでいるので、長さ的にはこの辺りで泊まるのが良さそうな沢だ。
Co360 二股を右に入ると、奥に滝が落ちているのが見える。右岸から直登しようとしたが、ボロボロでホールドが崩れる。中央のカンテからシャワーで登ると、ホールドもしっかりしていた。
小滝を抜けていくと、上部でひょんぐりする小便小僧のような滝が落ちてくる。これは登れなさそうなので、右岸岩壁の基部に沿ってトラバースし、左股との中間尾根に上がり大きく高巻く。
その先も巨岩ケイブやら滑滝やら出てきて、意外と変化に富んでいる。
Co530 付近の大滝は簡単に巻けるかと思ったが、右岸ルンゼに上がってみると、意外と壁は立っていてトラバースに入れず。いったん戻って今度は左岸のルンゼを上がってみるが、こちらもなかなか渋いトラバースだった。
伏流してからも岩盤は続く。 Co830 二股は右は正面に岩壁が見え、右へ回り込んでいる。次の分岐は左に行けば頂上だが、ハングした滝になっていて越えられない。そのまま右の沢形を進む。
意外と長く沢形は続き、しばらく笹のトンネルの中を這っていく。稜線に出たのはやはり頂上の西側だが、思ったほど藪は酷くなく、少しの藪漕ぎで頂上に出た。
頂上の南側は切れ落ちたルンゼとなっており、東側には雲間に細い岩稜が垣間見える。あいにく今日も展望はない。
今日のルートは同じ沢を下るしかない。頂上から真っ直ぐ下っていくと、やはりハングした滝に出た。尾根を越えて右股に降りる。後はだいたい登りと同じ。小便小僧の滝は中間尾根をそのまま下って二股近くから左股に降りた。
雑感
雑多な渓相だが、思ったよりもイベントが多くそれなりに楽しめた。長い上に同じ沢を下らなければならないのがガンで、それが無ければお勧めなのだが。相沼内川上流や小滝沢を繋いで周遊するのも面白いかも知れない。