- 目的
- 夏合宿 オコツナイ川遡行
- 日程
- 2015年08月17日(月) - 18日(火)
- 山域
- 狩場山塊
夏合宿の予備山行という名目でオコツナイ川に行ってきた。現役二人にはまだ少し早いかと思ったが、やはり少し実力不足が否めず、本山行に向けてやや不安が残る内容となった。
行程
メンバー
2015年08月17日(月)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
05:15 | 出発 | ||
06:20 | F1(直瀑) | ||
06:55 | F2(ビン底) | ||
08:10 | F3(チョックストン) | ||
09:45 | F4(樋滝) | ||
11:10 | F5(ビン底二段) | ||
13:40 | F6(滑滝) | ||
14:10 | Co470 二股 | C1 |
深夜に車を走らせ、夜明けと共にオコツナイ川河口に到着。国道の駐車帯に車を残置して出発する。
橋の脇から入渓する。出合の滑の先は巨岩帯が続く。 Co160 二股までは単調な巨岩帯だ。二股は積み重なった岩に隠れて確認しづらい。
二股を過ぎるとミニ水路となる。足も着くし特になんて事はない。
少し行くと二段の F1 が見えてくる。これはどうしようもないので、右岸リッジから高巻く。
沢幅が急に狭まり、左岸から簾状に滝が落ちてくるのを見て左に回り込むと、ツルツルの F2 が登場する。
写真で見るほどはツルツルではなく、上部にはそれなりにホールドもリスもありそう。ツジにロープを付けさせ、空身で登らせる。
途中、ハーケンを打てそうなリスはあるが、本人が打てないというので登れそうならさっさと登れと行って登らせる。結局ノーピンで上まで行ったが、ツルツルだけに落ちても大きな怪我はしなさそう。
問題は登ってから。なかなかハーケンを打ち込めず、セカンドのタケウチが登り始めるまで30分以上かかり、体がすっかり冷えてしまった。
タケウチはタケウチで、ロープをテンションしてもなかなか登れず、挙げ句の果てに水流の中に入ってしばらく水に叩かれる。
実際に登ってみると、まあ確かにヌルヌルがいやらしいが、ホールドはそこそこ有る。これくらいの所はセカンドならさくっと登ってもらわないと。ハーケンもそれなりに入りそうな所はある。
上に出ると、いくらでもハーケンの効きそうな所はある。登る能力があっても、こういう現場での経験が未熟だとパーティとしての戦力はがた落ちになる。
滝の上はチョックストンの F3 、というか、 F2 の2段目と行った方が良いような。 F2 よりもこちらの方が大問題だった。左岸は苔とボロボロ崩れる壁でままならず、右岸はハングして水圧が強い。右岸から取付いてみるが、ハングを乗っ越すホールドは見つからず。どうしようかと思っていたら、ツジが何度かドボンしつつ何とか左岸の壁を登り切った。あっぱれ。
後続はツジに右岸の壁にハーケンを打たせ、シュリンゲを垂らさせる。しかし、ハーケンの効きが悪く、タケウチが体重をかけたら引っこ抜けた。
もう一度、しっかりと効かせて今度は空身でタケウチを登らせる。ザックの引き上げや、ハーケン打ちで時間がかかり、これを越えるのに一時間半かかった。後に過去の記録写真と見比べてみると、滝の状態がかなり違うようだ。多分かなり難しくなっていると思う。
続けてツルツル樋状の F4 。簡単に登れるかと思ったら、これまた微妙。これも空身でツジを行かせ、同様にシュリンゲを垂らさせる。
狭い水路が続き、左に回り込むと滝が出てきたので、私がロープを付けたまま右岸のカンテを登ると、釜を持ったツルツルの滝が待ち構えていた。おっと、これが F5 か。
ハーケンを2枚さくっと打ち込み、後続を引き上げる。タケウチは出だしで苦戦。ツジは別に確保しなくても良いだろう。
2ピッチ目はツジに行かせる。右岸の灌木帯を行かせる。1ピン目はハーケンを打たせるが、その後は全て木。後続が続くが、ツジは中途半端な位置でピッチを切っていた。この辺りの判断はやっぱり経験不足なんだろう。
3ピッチ目もツジに行かせる。灌木帯のトラバースで、そんなに難しくないだろうと思ってみていたが、滝の上にで出る手前で少し苦戦していた。そして相変わらず、アンカーのハーケンを打つのに悪戦苦闘。
後続が進むと、トラバースでのランニングビレイの取り方も悪く、途中からタケウチのロープがノービレイ状態になっていた。仕方が無いので私のロープにシュリンゲをかけさせて先にトラバースさせる。
このトラバースは確かに悪く、急な草付きに砂が積もってズルズル。バイルを突き刺しながら何とか通過する。
4ピッチ目はツジにそのままビレーをさせて上段の上に出て私が後続を引くが、ここは特に難しくもなくビレーは要らなかったかも知れない。
核心はここまでで、滑滝(F6?)を一つ越えると荒れた沢が続き、予定天場の Co470 二股となる。当初はオコツナイ岳を越えて小田西川で釣りをするつもりだったが、そんなの全然無理だった。
2015年08月18日(火)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:00 | ☂ | 起床 | |
06:00 | 出発 | ||
06:10 | F7 | ||
07:35 | F8 | ||
08:20 | F9 | ||
08:35 | F10 | ||
08:55 | スラブ壁 | ||
12:25 | オコツナイ岳 | ||
13:55 | 北面沢源頭 | ||
16:20 | 小田西川本流 | ||
17:40 | 林道終点 | ||
18:05 | 国道 | ||
18:50 | オコツナイ川河口 |
夜中にポツリポツリと降り出した雨はそのうち土砂降りになった。朝までには止むだろうかと思っていたが、そんなことはなく、気づけば沢は濁流していた。
この天気だが、この濁流では昨日のあのゴルジュを下降エスケープすることは成らず、上を目指すしかない。
雨は止む気配が無いが、重い腰を上げて出発する。
濁流の沢を進むと、樋状の滝と、その滝にも奔流する滝の姿が見える。平水なら越えられるのだろうが、この濁流の中突っ込む気にはなれず、少し戻って左岸から大高巻きする。狙い通り上流の右股支流に出て沢に復帰する。
小さな水路が少し出てきたが、そこは問題なく通過する。
天気が天気なので、この際ピークはカットして、枝沢から尾根を乗っ越して小田西に下ろうと考え、一度 Co640 二股を左に入るが、すぐに滝が出てくる。がんばれば私とツジは何とか越えられそうだが、タケウチを引き上げるのは難しそう。特に1段目が何とかなっても2段目は相当ツルツルに見える。しばらく考えて、本流に戻ることにする。
しかし、本流に戻ったところ、記録上みんな一番悪いと言っている滝が出てくる。なんか、古いロープが垂れ下がっているのが見えるが、それをつかんだところでどうにかなりそうもない。
少し戻って左岸から大高巻きすることにする。タケウチの草付きの苦手さは何とかならないものだろうか。というか、お前ちょっとダイエットしろ。
次の滝は小さいが、やはり微妙。右岸のバンド沿いから灌木を使って無理矢理登り、捨て縄をして短いラッペルで降りたが、これはがんばって直登した方が速かったか。
続く滝もタケウチが直登するのは難しそう。左岸の泥壁を登らせるが、これまた苦戦する。
Co760 二股は左に進もうと思っていたが、右岸から合流する沢筋はなく、左岸からルンゼが2本合流した後、 Co850 のスラブ壁に出た。どうやら左股はミッシングリンクとなっているらしい。(というかきっとただの藪)
このスラブも登る気にはなれず、右岸から巻きにかかる。高巻きそのものは難しくないが、だんだん藪が濃密になってくる。急な藪の斜面を無理矢理トラバースして何とか上部の沢筋に戻ったが、沢筋はすぐに藪に消えたのでこの時間は無駄だったかも知れず。
沢筋に戻ったところで、私とタケウチは3時間の藪漕ぎに備え、重たい思いをして持ってきた藪漕ぎよう登山靴に履き替える。
無茶苦茶濃密な藪漕ぎを覚悟していたが、私にしてみればわりかし楽な部類の藪が続く。しかし、タケウチはかなりへろへろでたびたびまたされ、きっちり2時間30分で山頂に着く。スラブの高巻きからの藪を加えても3時間なので良い方じゃない?
しかし、下りも藪が続く。小田西川の源頭を目指して下り始めるが、何処まで行っても沢筋は出てこず、1時間以上藪を漕いでようやく Co900 付近で水の流れる沢筋に出た。
沢筋に出たところで先は長い。崖マークの所で 10m の滝。沢の真ん中の岩に捨て縄がかかっていたが、これは効いているのか微妙。右岸の大きな岩に捨て縄をしようとしたが、どうも架かり方が微妙なので、タケウチの細引きを切って捨て縄を作成。 30m 1本で懸垂する。
あとは淡々と沢を下る。途中で水は地中に吸い込まれ、伏流帯となる。 Co350 付近で右岸から水がコンコンと湧き出している。久々に新鮮な水で咽を潤す。最高にうまいが、ちょっと冷たすぎてからだが冷えてしまった。
小田西川本流に出ると、心配した増水はさほどではない。渡渉に少し気を遣いつつ下り、堰堤が出てきたところで左岸の林道に上がる。
何とか暗くなる前に国道に降りられた。しかし、私の戦いはこれで終わりではない。オコツナイ川下降まで車を取りに行かねばならない。ザックを置いて4kmの道のりを歩き、何とか真っ暗になる前に車にたどり着いた。
戻ってモツタ温泉に入る。日帰り入浴をやっていると思っていなかったが、下山後すぐに温泉があって良かった。このまま旅館に泊まってしまいたくなる衝動をぐっとこらえてがんばって帰路についた。