日高山脈の気になる支流シリーズ・ショシベツ川とその周辺の沢を探索しに出かけた。ショシベツ川は、地形的には良さそうなものの、奥まで林道が刻まれているのが気がかりだったが、案の定ほぼ全体が人工改変された残念な沢だった。
行程
2015年06月22日(月)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
03:40 | 起床 | ||
05:25 | ☀ | 出発 | |
05:40 | ニシュオマナイ川 | 入渓 | |
06:15 | ショシベツ川 | ||
11:45 | ピリガイ山 | ||
15:15 | 鹿追林道入口 | 下山 |
車をニシュオマナイ一号川左岸の林道跡入口に駐める。川に架かる橋の標識から、この沢の元々の名称が鹿追沢であると判明。以後はこちらの名称を利用することにする。
左岸から川に降りる。沢は橋の下からゴルジュ状になっている。すぐに出合となるが、出合は三段ぐらいの滝になっており、降りられない。ロープを出してなんだかんだするのも面倒くさいので、引き返して下流の橋から本流に直接降りることにする。
本流に降りて少し行くと、深く広い淵に出る。右岸を微妙なへつりで何とか通過する。その後も同じような函がいくつか出てくるが、だいたい砂利で埋まっていて、お尻くらいまでの水没で通過できた。
河原が多くなってくると、人の足跡が付いていた。釣り師のものだろう。
沢は広く明るい河原となって、小さなショシベツの滝が左岸から落ちてきた。正面から見ると二段目が続き、更に右に屈曲して三段目が落ちているのがかろうじて見える。この辺りの河原は、下流にある砂防ダムによって出来たものなので、かつてはもっと豪快な滝だったのかもしれない。
一段目を左岸から上がり、それ以降はとても取り付けないので右岸のルンゼ状を這い上がり、上部の明瞭なテラスを使って滝の上に出る。滝は更に四段目五段目が続いていた。
さて、標高を確認して先へ進もうと、地形図を出そうとしたら、地形図が見当たらない。どうやら滝の下で位置を確認したときに落としてしまったようだ。探しに戻ると、一段目のルンゼの取り付きの所に落ちていた。
滝の先は、小さな滑が断続し、一見爽やかな渓相が続く。お、これはなかなか当たりかなと思ったのもつかの間・・・
Co240 の屈曲部に古い林道の橋の残骸がデブリとなっており、 Co250 を過ぎると砂防ダムが2基出来ていた。
その後しばらくはひたすら人工改変のブタ沢が続く。これは外れや・・・いや、分かってはいたが。
Co311 二股を過ぎて滑が出てきて爽やか渓復活か?と思ったがそれもほんの一瞬。林業デブリはまだしばらく断続する。
このまま雑多な感じで源頭まで続くのかな、と思っていたところ、 Co650 で突如周囲が壁に囲まれたご立派な滝が出現する。小粒なのが徐々に出てくるのがありがたいんだけどな。一段目は右岸を直登する。そんなに難しくないが、ヌルヌルがいやらしい。
滝の上に上がると、滑の先に二段目が見える。
左岸の倒木を利用しながら攀じり、落ち口を左にトラバースする。フリクションを効かせていけばそんなに難しくなさそうだが、何しろヌルヌルが気持ち悪い。これはブラシが必要・・・。軍手で汚れを洗い流しながらスタンスを確保し、冷や汗ながら登り切った。
この滝は高巻くにしても、周囲はかなり高い壁に囲まれているので相当のアルバイトになるだろう。
結局滝らしき滝はこれっきりで、あとは詰めの様相で水流の多い方へ進むと早々に涸れて藪に突入した。ヤブはさほど濃い方ではないが、みっちり200m近く泳がされ、1時間強の藪漕ぎとなった。
山頂部はダケカンバが生い茂りあまり視界は良くない。ダケカンバの林から垣間見える北日高の山々はまだ多くの雪渓が残っている。
今回はウチイチ山へ循環する予定だったが、どう考えてもどの沢も藪漕ぎメインになりそうで、やる気がすっかなりなえてしまった。山頂でしばらくうだうだしてから、鹿追沢に下ってしまうことにした。
長い頂稜は古い苅分なのか、シカ道なのか、割とはっきりとした道があって藪は濃くない。急な斜面を下っていくと、崩壊地の沢に出た。
その後しばらくは、細いルンゼ状に小滝が連続する。微妙なクライムダウンが続き、下降には向かない沢だ。
しばらくガレの沢が続いた後、 Co500 二股でゴルジュ状になって、出合の滝が降りられず、少し登り返して右岸から右股ごと巻いて降りた。その先も小滝がいくつか出てくるが特に問題なし。
淡々と下り、林道に出た。この林道はしばらくは途切れがちで時々沢に降りつつ続いていた。
雑感
ショシベツ川は、ピークハントに使うには無駄に難しい滝があるだけに薦められず、かといって登攀指向にはあまりにも物足りない。鹿追沢も然りで、ああ、なんか徒労感が否めない。ショシベツ川も鹿追沢も林道が出来る以前はもっと綺麗な沢だったのかなあ。
今回はこの辺りの支流を適当に歩くつもりだったが、なんだかやる気を無くしてしまい、とりあえず楽古山荘へ向かうのだった。