札内岳で雷鳴に追われる

ふ~ちゃん
目的
山スキー沢遡行
日程
2013年08月11日(日) - 12日(月)
山域
北日高

現役とのクワウンナイを前にまだしばらく日にちも空いているし、天候もそこそこらしいのでどこに行こうかと思っていたが、どうにも今年はどこへ行っても雪渓・デブリに苦しめられそうなので日高の核心部に入る勇気が出ない。たまたま HYML戸蔦別川界隈の山行報告が相次いだので、そちら方面を散策する事を決めた。いつかは再訪しなければと思いつつ何故か機会のなかった山スキー沢ガケノ沢戸蔦別川八ノ沢、それに十ノを、以前の山行とは逆のルートで行ってみる事にする。

行程

2013-08-11
六号砂防堰堤~エサオマントッタベツ川山スキー沢出合 C1
2013-08-12
C1~山スキー沢札内岳ガケノ沢~六号砂防堰堤 下山

2013年08月11日(日)

2013-08-11 エサオマントッタベツ川
タイムレコード
時刻天候場所行動
04:30苫小牧
10:00六号砂防堰堤出発
10:45エサオマントッタベツ川入渓
12:05Co960 デブリ上流
12:45Co997 山スキー沢出合C1

眠い目をこすり小さな車に荷物を満載して日高を目指す。今日はあまりにも天気が良い。やはり昨日のうちに来ていた方が良かったな。

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林道

六号砂防堰堤の駐車帯には数台の車が駐まっていた。道に迷う人が続出という噂のエサオマン林道だったが、とくに荒れている様子もなく普通に入渓点にたどり着いた。


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濁流している

エサオマントッタベツ川は増水しているわけでもないのに濁流していた。またしてもデブリ崩壊による濁流のようだ。今年何度目だろうか。入渓点ではおばさまが一人釣り竿を垂らしていた。さらに上流からおばさま、山ガール、おじいさんがオショロコマの稚魚をぶら下げながら降りてきた。


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小山一つ分もある

は濁流が流れ、滑滝の美観も台無しだ。 Co823 二股で下山中のパーティが休憩していたので、濁流の出所を聞くと少し上に巨大なデブリが有るという。行ってみると、 Co900 二股で小山が丸ごと一つ落ちてきたかと思うほどの巨大なデブリが沢を埋めていた。大量の土砂が雪の上を覆い、暑さで溶けた雪と混ざってぐちゃぐちゃの泥になって非常に歩きにくい。

ようやくデブリを越えると、水は澄んで美渓が復活した。このデブリは今シーズは消えなさそうだ。今日は踏み跡は使わず、全ての中を行き駐車場から3ピッチほどで山スキー沢出合に到着した。


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オショロコマの塩焼き

この二股はよく使われているので、あまり薪はないのだががんばって周りからかき集めてそこそこのたき火になった。オショロコマはやはり小さいが一人で塩焼きにするにはちょうど良い。4尾ほどつり上げていただく。一応正油も持ってきたが、刺身にするには小さすぎる。

いつものようにたき火の横で寝るが、夜中に小雨がぱらついたりして落ち着かなかった。

2013年08月12日(月)

2013-08-12 山スキー沢
タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00起床
05:40出発
06:40山スキー沢 Co1320
08:45札内岳
10:30ガケノ沢 Co1290
12:50ガケノ沢出合
13:55六号砂防堰堤下山

山スキー沢

夜中に本格的に降り出すと言う事はなかったが、周囲はすっかり濃い霧に覆われてしまった。こういう天気の時はどうもやる気が出ないが、重い腰を上げて出発する。

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二条の 右岸直登

早々に雪渓の残骸が現れるが、完全に崩れていて道は空いている。二条の F1 は水量の少ない右岸直登する。続く F2 は左岸へつってから水流を直登した。


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外傾スラブ 右岸を巻けるが直登する ホールドは豊富

Co1130 付近の逆層スラブで嫌らしそうに見えるが、ホールドは豊富で問題なく右岸直登する。巻くのも容易だろう。


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滑滝

さらに特徴の無い滑滝をどんどん直登していく。雪渓が出てくる事を覚悟していたが、幸い行く手を阻むような雪渓は皆無だった。


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Co1540 冷水の

Co1540 で最後のシャワークライムする。ホールドは豊富で難しくないが、水は氷水のように冷たい。このを越えたところに湧水があって、水は涸れる。

涸れコンパスを頼りに進み Co1780 付近で灌木のトンネルとなった沢形を詰めると Co1820 ほどでハイマツに突き当たったので右に5分ほどトラバースすると稜線に出た。札内川源頭のお花畑に少し降りると明瞭な踏み跡が見つかった。西峰に立ってガケノ沢を見下ろすと、案の定悪そうな雪渓が見えた。


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札内岳

遡行中から、ごくたまにドーンという音が遠くから聞こえてきたが、稜線に出るやいなやゴロゴロというはっきりした雷鳴が聞こえてきた。大慌てで山頂にタッチしてそそくさとガケノ沢に下る。

ガケノ沢

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岩盤が続く

しばらく乾いた岩盤のを快適に下っていくが、 Co1500 二股手前でついに雪渓が出てきた。


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長い雪渓

結構長そうなので、先日買ったばかりの軽アイゼンを装着する。モンベルの「スノースパイク・シングルフィット」というヤツだで、ゴムバンドの1点締めなのだが、このシンプルな構造がサワーシューズとマッチしてなかなか良い。


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Co1240 この雪渓は潜った

小気味良くスパイクを聞かせて雪渓を下る。雪渓はほとんど上を通過したが、 Co1240 付近でどうしても下を潜らざるを得ないスノーブリッヂが出てきた。息を止めて静かに素早く通過する。周りには崩れた雪渓が散乱しているので生きた心地がしない。


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入渓地点

思ったよりも時間がかかってようやくガケノ沢出合に到着。ザックを下ろすと本流から人が降りてきた。どのルートを来たのかと聞くと、ガケノ沢を登って、山スキー沢を降りてきたという。どうやらどこかですれ違ったようだが、気がつかなかったようだ。

雨が上がり気温が上がってきたのでここで雨具を脱いで林道へ上がるが、すぐにまた雨が降ってきてしまった。今日は食糧を補給してから八ノ出合まで行くつもりだったが、思ったよりも時間がかかって天候が不安定なので、一端中札内まで下る事にした。

戸蔦別ヒュッテに泊まる事も考えたが、トイレの事もあっていろ色とアレなので中札内の道の駅で車中泊する事にした。戸蔦別ヒュッテは何とか新しく建て替えられない物だろうか。

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