ポンヤオロマップ川~ポンヤオロマップ岳

ふ~ちゃん
目的
ポンヤオロマップ岳南西面直登沢遡行
日程
2006年07月30日(日) - 08月01日(火)
山域
中日高

行程

2006-07-30
ペテガリ岳東尾根登山口~ポンヤオロマップ川ポンヤオロマップ岳南東面直登沢出合 C1
2006-07-31
C1~ポンヤオロマップ岳南西面直登沢ポンヤオロマップ岳ポンヤオロマップ岳南東面直登沢出合 C2
2006-08-01
C2~ポンヤオロマップ川ペテガリ岳東尾根登山口 下山

装備

2006年07月30日(日) ポンヤオロマップ川下流域

タイムレコード
時刻天候場所行動
11:30出発
12:30Co380
13:30Co425
14:55ポンヤオロマップ岳南東面直登沢出合C1

ポンヤオロマップ川下流域

第1のゴルジュ[image/jpeg:146kB]
第1のゴルジュ

苫小牧を出発して約4時間ほどで登山口に到着。腹ごしらえをしてから出発する。登山口の先にも林道の跡はしばらく続いているようだが、登山口からに降りる。沢は粒のそろった砂利が敷き詰められた、非常に歩きやすい河原である。

が南から東方向へ向きを変えるあたりから、ゴルジュ帯になる。はじめの出口がチョックストン中ノ岳ノ沢を想定して泳いでいくが、側壁の岩は逆層ツルツルでホールドが乏しく取り付けず、突破できない。結局また泳いで振り出しに戻る。左岸に巻き道があるようなのでそちらを利用する。その後もゴルジュが断続するが、たいがいは砂利に埋められて膝上までの徒渉で通過でき、そうでない物も左右のテラスを利用できる。淵の中には時々魚影が走るのが見える。

Co400 付近から広い川原となって、 Co435 二股まで続く。ここまで大きな流倒木の薪も多く、快適な天場が点在する。この二股を右に入っていくと、は再び状になるが、深いは少なく、多くは砂利で埋められている。2つほどゴルジュを通過して、少し川幅が広がったところで予定天場の Co490 ポンヤオロマップ岳南東面直登沢出合に到着する。確かに沢幅は広く、わずかな川原があるが、函状であることに変わりはなく、増水時には到底耐えられそうにない。もう少し良い天場はないものかと先に進むが、沢はすぐに深いゴルジュとなって、直登不可能な魚止めのとなった。

ヤマメ漁

ヤマメ[image/jpeg:164kB]
ヤマメ

このを巻くのは結構手間がかかりそうで、この上に天場適地を求めるのは難しそうなので、結局さっきの二股で天張ることにする。の中には魚影が走っているので、ここで釣りをしていこうとそこらの岩をひっくり返すが、なかなかカワゲラが見つからない。岩をひっくり返しながら天場まで行くが、結局カワゲラは見つからなかった。とりあえずツェルトを建てて焚き火を起こす。再び岩をひっくり返しカワゲラを探す。20分ほどひたすら岩を返し、ようやくカワゲラを発見した。

天場周辺では魚が釣れそうな所がないので、再び魚止めのまで向かい、壺の中に糸を垂らす。しばらくすると、カツンと強いあたりがあって慌てて竿を上げる。つり上がったその魚は明らかにいつも見慣れたイワナやオショロコマではない。日高のでは珍しい、ヤマメである。北大の記録にヤマメを釣り上げたとあって、半信半疑だったが、本当にヤマメの沢であった。久々のヤマメとのご対面である。と言うか、私自身がヤマメを釣り上げたのは初めてではないだろうか。

天場に戻り、いつものように焚き火で塩焼きにする。イワナと違ってヌルヌルしていないので、腹を割くのが簡単だ。そして焼き上がったヤマメのなんと美味なことか。身は柔らかく、イワナと違い骨も頭も少し火であぶってやれば全てバリバリ食べられる。白子も結構おつだ。

2006年07月31日(月) ポンヤオロマップ岳南西面直登沢遡行ポンヤオロマップ岳南東面直登沢下降

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00起床
05:05出発
07:05大滝の上
07:55Co960 三股
09:25ポンヤオロマップ岳
13:25ポンヤオロマップ岳南東面直登沢出合C2

ポンヤオロマップ岳南西面直登沢遡行

Co515函滝[image/jpeg:125kB]
Co515函滝

魚止めの右岸の壁をよじ登り、テラスに上がって高巻く(Co500函滝)。の上は急にの規模が小さくなったような印象を受ける。小さな状のなかに滑や小滝が続くが、特に問題はない。 Co519 の手前のゴルジュは、先日の北大パーティは泳いで突破したようだが、私は右岸を高巻く。私も現役がいれば泳がせるところだが、1人ではこんな朝早くからに飛び込む元気はない(Co515函滝)。


スノーブリッヂ[image/jpeg:182kB]
スノーブリッヂ
Co570[image/jpeg:198kB]
Co570

その後も浅いゴルジュが続き、腰まで水に浸かるが、猛烈に冷たい(Co525)。これは雪渓があるなと思っていたら、案の定 Co530 でスノーブリッヂが現れる。かなり融雪が進み、いつ崩れるか微妙な感じだが、そそくさと下を通過する。更に滑、小滝が現れるが問題なく通過していく。 Co570 の淵は右岸へつり、二股はいずれもとなってに落ちている。左股のトラバースして、右股に進む。この出合の滝を登ると、正面に長大な細い滝が見えて一瞬ドキッとするが、これは枝沢の滝だ。 Co590 二股は小さな滝となって、本流は右に屈曲している。


七段大滝[image/jpeg:201kB]
七段大滝
七段大滝六段目[image/jpeg:185kB]
七段大滝六段目

連続する滑滝を越えていくと、突き当たりは大絶壁となって、は左に直角に曲がって大きなとなっている。このは 100m からの大滝だという話だったが、下の小滝から数えると、 3m,5m,5m,10m,15m,15m,15m の7段 70m といったところだろうか。はじめの函滝は水に浸かった後、流心を直登する。2段目は右岸バンドを斜上する。2~3段目の滝の分かれ目は不明瞭で適当に通過。4段目からが本番と言っていいだろう。左岸の岩壁を直登。次は中央を直登。更に右岸を直登。と、快適に直登していくと、上部が放射状に落ちる最上段の下に出る。左岸の草付きカンテを登った方が早そうだが、とりあえず右岸を直登していく。中間部でかなり立ってきたので、流心をトラバースして左岸に移るが、かなり微妙だった。そのまま左岸を直登して落ち口の水の下をくぐっていけるかと思っていたが、結構岩は脆く、しかもホールド逆層気味である。少し考えたが、結局左岸のカンテに取り付き、潅木をトラバースして滝の上に出た(Co630-700七段大滝)。


Co750-790三段[image/jpeg:194kB]
Co750-790三段
Co800-840滑滝[image/jpeg:184kB]
Co800-840滑滝

大滝の上からはまた簡単な滑、小滝を超えていく。 Co750 二股は 20m ほどの垂直なになっている。これは登れないので、右岸ルンゼを詰めて、適当なところでリッジを越えて1段目の上に出る。の上には2段目3段目と続き、流心をシャワーで直登する(Co750-790三段)。この滝の上は大きな滑滝となって、 Co840 付近まで続く(Co800-840滑滝)。この滝を登り切ると、いくつかの小滝が現れるものの、ブタの様相となる。


大ハングの滝[image/jpeg:150kB]
大ハングの滝

Co960 三股は雪渓が残る。ピーク直下に向かう右股は水量が少なく、なんとなくブタの雰囲気なので、中央のを行った方がいいのかとちょっと迷うが、やっぱり右に向かう。スノーブリッヂをくぐり、出合を登って右に曲がると、突き当たりはハングした岩壁になっている。この左岸には岩壁が大きくえぐられた洞穴がある。巻くとすると、左岸の洞穴の脇のルンゼを詰めて、潅木帯をぐるっと巻くことになるだろう。巻くのは時間がかかりそうなので、右岸の斜めに走るチムニーを攀じる。ホールドは乏しく、不安定で結構悪い。チムニーの奥のクラックに無理矢理ホールドを求め、落ち口付近によじ登る(Co1020-1050ハング)。

このの上の三股は、まっすぐ進んでピークの東側の方付近に上がろうと思っていたが、正面に見えるはブッシュに覆われたルンゼで、水流も少なくすぐに消滅しそうな雰囲気だ。左に進み、沢形の大きな方を詰めていき、薄いブッシュに突入すると、まもなくピーク直下に飛び出した。

ポンヤオロマップ岳南東面直登沢下降

Co900-940側壁[image/jpeg:183kB]
Co900-940側壁
Co890-900[image/jpeg:195kB]
Co890-900

ピークはガスに覆われ、視界はない。上空の雲はそう厚くないようで、時々太陽の熱を感じるが、晴れそうな気配はない。コンパスを切って南東面直登沢へ向かう。東尾根から谷に降りると、ものすごい急斜面に丈の長い草が覆っている。足を滑らせながら、左右にジグを切って慎重に下る。 Co1100 より下は徐々に岩盤状になる。 Co900 二股は予想通りに落ちる側壁のだが、ここはクライムダウンで降りる(Co900-940側壁)。


Co770-810大函側壁[image/jpeg:203kB]
Co770-810大函側壁
大函[image/jpeg:201kB]
大函

更にいくつかのを、小さく巻いたりクライムダウンしていくと、いよいよ Co770 のの上に出る。これはどうにもこうにも巻けそうにない。左岸のダケカンバにピンをとってザイルを垂らす。ザイルは中間付近の小さなテラスまでしか届いていないが、その下はなんとか下れそうなのでそこまで下って、ザイルを落とす。さあ、クライムダウン。と思ったら、これがどうして、意外と微妙だ。というか、ちょっと無理っぽい。登り返すにしても、ザイルは落としてしまった。参った。仕方がない。ハーケン打って、ラッペルするか。って、ガーン。しまった。間違えて捨ててもいいハーケンではなく、回収用のハーケンを持ってきてしまった。ショック。っても、もうこれしかないので、ハーケンを一本打ってラッペルで下る。これまたロープ一杯一杯で、結局 20m x 2P のラッペルとなった(Co770-810大函側壁)。


Co590-630二段[image/jpeg:187kB]
Co590-630二段

更に Co720 二股の下、 Co680 付近でラッペルとなる。小滝クライムダウンしていく。 Co590 で二段 40m のとなっての中に落ちている。これは慎重にクライムダウンで下る(Co590-630二段)。この後はは緩やかになって、容易なをいくつか下っていくと、ようやく天場に到着した。

ヤマメ

順調にいけば今日中に下山するつもりだったが、 Co770 の函滝の処理で手間取ってしまったため、ここでもう一泊することにする。火をおこし、魚止めのへ向かう。糸を垂らすとすぐにカツンといいあたり。昨日より少し大きめのヤマメを釣り上げる。ヤマメもたいしたことねぇなぁ。欲をかいてもう一匹をねらう。しかし、これがなかなかしぶとい。何度かあたりが来るが、引き上げても針にはかかっていない。1匹目をつり上げたことで、警戒しているようだ。この辺が人の足下を平気で泳ぎ回るイワナとの違いのようだ。30分以上水に浸かりながら、ようやく2匹目をつり上げる。

2006年08月01日(火) 下流域下降

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
06:20出発
07:10Co435 二股
08:35下山
ヒグマの足跡[image/jpeg:119kB]
ヒグマの足跡

今日は下るだけなので、少しのんびりして出発。登りとほぼ同じペースで下っていく。しばらく行くと、河原に点々とヒグマの足跡がある。極めつけは、石の上に濡れた足跡。うーん。

いくつかのゴルジュを泳いで通過。3ピッチで林道に出た。

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