- 目的
- ヤオロマップ左沢~ヤオロマップ岳遡行
- 日程
- 2006年08月28日(月) - 29日(火)
- 山域
- 中日高
今回はあまいものこさん提唱の札内川二ノ沢からヤオロマップ川へ乗っ越すルートの検証をかねて、ヤオロマップ左沢を遡行してきた。乗っ越しルートはそれなりに使えることは使えるが、やはり帰りは少し苦労しそうだ。ヤオロマップ左沢は詰めのルートを間違ってしまったが、全体にガレの埋める沢ではある。
行程
- 2005-08-27
- 中札内道の駅 C0
- 2005-08-28
- 札内川二ノ沢~ヤオロマップ川上二股~ヤオロマップ左沢~ヤオロマップ岳~ヤオロの窓 C1
- 2005-08-29
- C1~コイカクシュサツナイ岳~コイカクシュサツナイ川~札内ヒュッテ 下山
装備
2006年08月28日(月) 札内川からヤオロマップ川へ
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
03:30 | 曇 | 起床 | |
05:35 | 出発 | ||
07:45 | 晴 | Co1140 コル | |
09:00 | ヤオロマップ川 Co578 二股 | ||
11:00 | Co900 | ||
14:00 | ヤオロマップ岳 | ||
15:25 | ヤオロの窓 | C1 |
前日は中札内の道の駅で車中泊。まだ暗いうちに起き出して、出発の準備をする。いつもの物産店のテーブルで朝飯の準備をしようとしたら、テラスの上にシュラフに入って転がっている人が居る。こんなところで野宿ですか・・・。
札内川二ノ沢
札内川二ノ沢出合の車止めのポールを引っこ抜き、車を停める(ぉぃぉぃいいのか?)。砂利の沢を行くと、すぐに荒れた感じの沢になる。大岩を乗り越えて右に曲がると、小滝の連続となる。妖怪ヌルヌルが少し気になるが、特に問題ない。思ったよりも楽しく遡行していくと、 Co730 で急に水量が少なくなって堆積したガレの中に水流が消える。正面の沢形は藪の中に消えている。ガレの堆積の上に乗ると、左の方に沢筋らしき物が見えるので、そちらに進む。水流は一切無く、完全な涸れ沢となっている。少し進むと、コンパスの向きが変なので、少し藪を漕いで、ひとつ左側の谷に入るが、こちらの沢形は不明瞭でほとんど藪だ。結局右側の谷に戻り、これを詰めていく。顕著な二股もなく、谷沿いに詰めていくと、岩盤状になって、小さな崩壊地を詰めて少し藪を漕ぐと稜線に出た。
ヤオロマップ乗越沢
高度計の値が変なので、周囲を見渡すと、どうやら最低コルより少し西側に出たようだ。コルに直接進んでいるつもりが、ひとつ右側の沢に入っていたようだ。どうやら途中で左に入った不明瞭な沢形がコルへ向かう沢のようだ。とりあえずコルまで進み、そこから下降を始める。こちら側の斜面は笹が茂っている。顕著な沢形がなく、こちら側もコルに詰めるとしたら相当な藪漕ぎとなりそうだ。
100メートルほど下って、巨大な崩壊地の縁に出た。崩壊地の縁はえぐれており、なかなか谷に降りられない。しばらくこの縁の藪をつたって下り、少し傾斜の緩くなったところで谷に降りる。崩壊地のガレを滑り降りていくが、酷い。この酷いガレを下るよりも、わざわざコルまで降りないで、登り切ったところからまっすぐ南に下って沢形を捜した方が良かったかもしれない。帰りでもそのルートの方がいいだろう。
Co800 で岩盤状になって左の沢を合わせる。帰りはこの左を詰めた方が無難ではなかろうか。 Co740 でガレの右股を合わせて右に曲がると、沢は狭くなって滝が連続する。2~3小滝を下っていくと、ツルツルの滑滝となる。フリクションが効けば歩いて下れそうだが、妖怪がうるさくスリップしそうである。左岸の草付きを高巻く。ついでに二段ほどいっぺんに処理する。もう一つツルツルの滑滝を、流木を使って下ると、去年偵察に来た最後の直瀑となる。去年下から見たとおり、巻くとしたらやはり左岸を大きく巻くことになりそうだ。側壁を見ると、草付きのバンドが斜めに走っている。これをへつって下に降りるが、ホールドは乏しく、草の根頼りである。帰りも同じルートになるだろうが、余り良くはない。あとはデブリのたまった沢を駆け下り、ヤオロマップ川本流に出た。
ヤオロマップ左沢
ゴルジュのヤオロマップ川中流域を進む。去年と特に変化はなし。少し水量は少ないか。一五九九峰北西面直登沢出合を過ぎると、沢はガレに覆われている。 P1569 北面の沢の出合付近は未だに大きな雪渓に覆われ、幾筋にも分かれて、いずれも凄まじいルンゼとなって稜線に突き上げている。本流は広い川幅一杯にガレが広がってどこまでも続いている。 Co900 二股を右に進むと、いっそう激しくガレが溜まり、水流が消える。ピークに突き上げる沢は Co1170 を左に入るが、どちらもガレの沢なので、大きな渓相の本流をそのまま進む。
Co1300 まで進むと、正面に大きな滝が見えてくる。 Co1400 付近から大きな滝となって一気に突き上げている。ホールドは豊富なので今までのうっぷんを晴らすかのように楽しく直登する。 Co1550 付近で水が涸れそうなので、給水する。大きな沢形を選んでいくと、どんどん右へ右へと進み、北の 1760 肩へ向かっていく。上部は青々としたハイマツに覆われている。なんとなく失敗したことに気づいたが、今さら引き返すわけにもいかない。崩壊地を詰めて藪漕ぎに突入すると、しばらく経験していなかった猛烈なハイマツ。しかも垂直に立っている。トラバースして潅木帯に逃げる。それでも濃いがハイマツよりはましだ。余計な体力を消耗して北の肩に到着した。
稜線
ザックを置いて、ピークまでアタック。先日使ったポールを持ってヤオロの窓に向かう。ヤオロの窓から、先週はガスっていてよく見えなかったヤオロマップ右沢が見える。沢の中には巨大な雪渓が残っている。更に右沢右股の見えるところまで行くが、こちらも雪渓がある。明日はここを下るつもりだったが、だんだん弱気になってきた。天気も悪いらしいし、コイカクを下ってしまおうか。
2006年08月29日(火) コイカクへエスケープ
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
03:30 | 霧 | 起床 | |
04:50 | 出発 | ||
05:45 | コイカクシュサツナイ岳 | ||
07:35 | コイカクシュサツナイ川上二股 | ||
09:00 | 札内ヒュッテ | ||
09:35 | 札内川二ノ沢出合 | 下山 |
激しい雨こそ降っていないものの、周囲は雲の中だ。結局ヤオロマップ右沢に下る意欲はわいてこず、コイカクからエスケープすることにした。先週も歩いた稜線を淡々と歩く。下を見ながら歩いていると、足下に形のいいキノコが生えている。多分、ハナイグチの仲間だと思うが、ハイマツ帯に生えただろうか?とりあえず採取していこう。先週より楽に感じるのは、靴の違いだろうか。今回は乗越の崩壊地対策にツオロミーブーツを持ってきた。
コイカクシュサツナイ川上二股で靴を替える。歩き出してすぐに浮き石を踏んでしまい、右横に転倒。腰を強打する。あ痛てて・・・。今回は先週と比べてずいぶん水量が少ない。と言うか、いつも通りのコイカクの様子で、伏流しているところが多い。スタートから4時間強で札内ヒュッテに到着。ザックを置いて二ノ沢出合まで車を取りに行く。暗いトンネルを黙々と歩き30分ほどで到着した。