カタルップ沢~神威岳~ポンベツ沢~エサオマントッタベツ岳

ふ~ちゃん
目的
カムイ岳北東面直登沢・エサオマントッタベツ岳南西面直登沢遡行
日程
2004年07月18日(日) - 19日(月)
山域
北日高

行程

2004-07-18
カタルップ沢カムイ岳北東面直登沢カムイ岳カムイ岳南面直登沢エサオマン入ノ沢出合 C1
2004-07-19
C1~ポンベツ沢エサオマントッタベツ岳南西面直登沢エサオマントッタベツ岳エサオマントッタベツ川

2004年07月17日(土) アプローチ

今日は雨が降ると言っていたので、入山を見合わせたが、なんだか天気がいい。山の方はどうだったんだろう。

準備を整え、今回は帯広警察でしっかりと計画書を提出してから山へ向かう。それにしても帯広警察署は遠い。もうちょっと山に近いところで提出できるようにならないだろうか。せめてメールで計画書が送れれば楽なのだが。

ポリタンと新聞を忘れてきたので、途中のコンビニで朝食とともに雑誌とポカリスエットを購入。暗闇の戸蔦別林道を戸蔦別ヒュッテまで向かう。ヒュッテはさすがに連休だけのことはあって満員。外にはテントも2張りほどある。入口の前に車を停めてそのまま車中泊にする。

2004年07月18日(日) カタルップ沢遡行カムイ岳南面直登沢下降

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00起床
04:40再起床
06:10曇り出発
07:05カムイ岳北東面直登沢 Co910
08:10曇りCo1300
09:05Co1550
09:45カムイ岳
11:15エサオマン入ノ沢 Co1240
12:30新冠二股C1

深夜に雨が降り始め、朝になっても降り続けている。戸蔦別ヒュッテにいた人たちはぼんやり空を眺めて、どうしようかと話し合っている。天気予報では晴れると言っていたし、少しずつ小降りになりつつあるようだったので、とりあえずトイレを済まして、林道終点へ向かう。林道終点には5台ほどの車が整然と並んでいた。朝食をとり、準備をしていると、おばちゃんが一人車から出てきて、天気はどうだろうねと話しかけてきた。まぁ、晴れるんじゃないっすかねとか適当なことを言っておく。

カタルップ沢カムイ岳北東面直登沢

滑滝[image/jpeg:171kB]
滑滝
続く滑滝[image/jpeg:148kB]
続く滑滝

まだ霧雨状の雨が時々落ちてくるが、だいぶん空も明るくなってきたので出発する。本流から橋の下をくぐりカタルップ沢にはいる。カタルップ沢出合から二段の滑滝で、その後も Co800 付近まで延々と小滝がが断続して出てくる。しかし、あまりすっきりしない印象で美しさを感じない。


Co830 簾瀑[image/jpeg:123kB]
Co830 簾瀑
Co940-980[image/jpeg:176kB]
Co940-980

簾状を左岸から一つ直登(Co830)、樋状(Co850)を右岸テラスから超えるとの下にマツの木が横たわる滑滝(Co870)。 Co900 まで滑がつづく。ここから少しゴーロとなり、 Co950 二股手前でまた滑が出てきて、二股の先に 20m の。右岸を直登する(Co960-980)。 Co1000 でガレ気味の左股をみて、 Co1020 二股は鋭角的にが合流し、樋状に細くなって水が走っている。右岸にはわずかに雪塊が庇となって残っている。右股に入ると、少し上にチムニー状の滝がある。少々威圧感があるが、瀑心を直登する。それほど難しくはなく、楽しい(Co1070-1090/3段滑滝+チムニー)。


Co1060-1090[image/jpeg:215kB]
Co1060-1090
Co1210-1250 スラブ状[image/jpeg:172kB]
Co1210-1250 スラブ状

滑滝樋滝をいくつか越えると、スラブ状の滑にでる。下方は右岸を適当に上り、上方に行くほどツルツルになるので、注意してバンドトラバースして落ち口に抜ける(Co1210-1250スラブ状滑)。ここを上がると、雪渓があらわれる。雪渓をぬけてると、樋滝が2つほどでてくる。いつものようにチムニーで取り付くと、ちょっと油断して1mほどすべってしまう(Co1270-1290/2段樋滝)。気を取り直して直登して左に曲がると、雪渓の奥に大きな滝が見える。

雪渓に上がり、 Co1320 二股の中間尾根に抜けようとしたら、手前で途切れており、降りられない。右岸に行くと、シュルントが深く、岸は思った以上に立っており床に降りられない。左岸に行くと何とか右股のの上に出られ、そのまま中間尾根を横切り、左股のの中間に出てそこから水流を直登する。滝そのものは難しくない(Co1320-1350)。


Co1280-1290 樋滝[image/jpeg:198kB]
Co1280-1290 樋滝

水がやけに冷たいと思っていたら、案の定その上は雪渓が続いていた。中に函滝がつまっていそうだが、この程度の傾斜ならおそらくたいした物はないだろう。雪渓を過ぎると、やがて水が涸れ、薄い草付きの中へ沢形が消え、藪漕ぎなしで東の肩に出る。5分弱ハイマツを漕ぐと北尾根のジャンクションに出て、そこから先ははっきりした苅分がピークまで続いている。ピークは木が切られ、天場が形成されている。

ピークから降りる入ノの左右を見比べると、左股の方が藪漕ぎが少なくてすみそうなので、西のコルまで薄い踏み跡をたどり、沢に下る。コルから沢までははっきりした踏み跡があり、ノコでハイマツを切った跡もある・・・

エサオマン入ノ沢カムイ岳南面直登沢

ハイマツの藪を過ぎると、急傾斜の草付きで、足下が見えず、歩きにくい。そのうちガレ相となってしばらく続く。 Co1500 二股で滑滝となるが、イマイチすっきりせず、その後もガレ相が続く。 Co1450 で滑の右股を合わせると、ようやくすっきりした感じの渓相となる。自体は右股の方がすっきりした印象である(滑の上は見えないので、実際はどうか分からないが)。この先はしばらく簡単な小滝群がつづき、 Co1320-Co1240 の滑を過ぎると、ゴーロ状となり、何ヶ所か岩盤が出て来るも入ノ沢本流までつづく。

先日登ったゴルジュを降りていく。連の所も水に入らずにへつって降りていくが、最後の一番大きな釜で面倒くさいので右岸から全て少し水に浸かる。その後は淡々と下って新冠二股到着。

新冠二股

ツェルトをたて、焚き火に着火。さすがに川原の木はすぐに燃える。竿を取り出し、少し下流のにソーセージの付いた針を垂らす。しばらく全く当たりがなく居ないかと思っていたら、上げ際にパシャンとはねる。その後も何度か軽くアタリが来るが、全く食い付きが悪い。どうやら日高のイワナはソーセージはあまり好きではないようだ。

イワナ[image/jpeg:173kB]
イワナ

河原の石をひっくり返し、ヤゴをとっつかまえて餌にする。すると、ファーストキャストでヒットする。しかし、しっかりと食いつくように少し泳がせすぎてしまい、鍼を完全に飲み込んだようで食いちぎって逃げてしまう。そこそこ良い型だったので、ショックはデカい(逃がした魚はでかい)。すぐに針をかえ、ヤゴを探す。2度ほどバラしてからようやく1尾つり上げる。さらにもう1尾つり上げ、2尾のイワナが今夜のつまみとなる。イワナはもちろん串刺しにして塩をふって焚き火で焼きあげる。骨と頭ももう一度火であぶってカリカリにして平らげる。

2004年07月19日(月) エサオマントッタベツ岳南西面直登沢遡行エサオマントッタベツ川本流下降

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00快晴起床
05:00出発
05:55ポンベツ沢出合
06:45釣り
08:00Co950
08:45晴れCo1170
09:50Co1420
11:10エサオマントッタベツ岳
14:30釣り
16:10カタルップ沢出合下山

新冠川ポンベツ沢

天場を出てからひたすら単調な川原が続く。途中、点々と赤ペンキやピンクテープで何かの目印があるが、どうも巻き道ではないようだ。目印には時々数字が打たれていて、中には錆び付いた金属製の看板などもある。ダムとかと何か関係があるだろうか?1ピッチでポンベツ沢出合に到着。二股は小石が敷き詰められた歩きやすいとなっている。おそらくダムの影響だろう。本流右岸には一応天場らしき物があるが、増水には全く耐えられないだろう。 Co740 まで歩きやすい瀬をペタペタとすすみ、ナメワッカ岳西面直登沢出合の少し手前からゴルジュ地形となる。

ポンベツ沢ゴルジュ[image/jpeg:147kB]
ポンベツ沢ゴルジュ
ポンベツ沢ゴルジュ[image/jpeg:176kB]
ポンベツ沢ゴルジュ

ゴルジュ内は西面直登沢出合までは問題ない。出合で両岸は立ち、が少し深くなるが、腰まで水に浸かってから右岸へつって通過する。その先に2つほどが架かっているが、通過は問題ない。 Co780 までゴルジュ地形が続くが、全く問題なく通過する。ここから何度か釣り竿を垂らしながら行くが、アタリはなかった。

Co830 右曲点のから Co900 付近まで滑が断続する。その後はゴーロ帯となり、荒れた感じとなり Co1100 二股に達する。本来はこの手前のどこかで2泊目をする予定であったが、あまりにも時間が早いので、このまま直登沢へ向かうこととする。どうやら、「山谷」の時間表示が間違えているようである。向かう左股は、直登出合まで雪渓で埋められており、嫌な予感がする。念のため軽アイゼンを履いて直登沢に向かう。そのまま核心のの上まで上がってしまうかと思われたが、なんとか左岸のシュルントから滝の直下に降りられた。

エサオマントッタベツ岳南西面直登沢

Co1220-1250 F1[image/jpeg:164kB]
Co1220-1250 F1
Co1260-1280 F2[image/jpeg:121kB]
Co1260-1280 F2
Co1290-1310 F3 斜瀑[image/jpeg:194kB]
Co1290-1310 F3 斜瀑

雪渓の下に入ってを眺めるが、頭上の雪渓は薄っぺらで今にも崩れそうで嫌らしい。しかし、自体は聞くほどグレイトには見えない。水流の右岸クラックを利用してサクッと直登する。抜け口が多少嫌らしいが、たいしたことはない。2段目は瀑心に手を突っ込んで頭からシャワーをあびながら通過する(Co1220-1250/3段F1)。3段目の滑をまたぐと、は直角に右に曲がり、更に左手に2本目の滝。もろにシャワーをあびながら瀑心を直登する(Co1260-1280F2)。続くを持った2段の斜瀑は下は左岸から落ち口に抜け、2段目は右岸を登る(Co1290-1310/2段F3)。


Co1320-1350 F4[image/jpeg:189kB]
Co1320-1350 F4
Co1360-1390 F5 滑滝[image/jpeg:182kB]
Co1360-1390 F5 滑滝

は左に大きく曲がり、開けた感じとなる。樋滝をひとつ越えて、クラックづたいに流れる水流に沿って登る(Co1320-1350F4)。この沢の核心はわずかここまでの150m弱である。さらに大きな滑滝(Co1360-1390F5)を越えると、その上はひたすら歩きやすい滑となり、一気に高度を稼ぐ。滑はやがて崩れ気味の岩盤となり、ピーク直下の崩壊地へと抜ける。崩壊地で靴に履きかえ、低いハイマツとツツジ類を踏みつけて、ピークへはすぐだ。

エサオマントッタベツ川本流

前回同様、エサオマントッタベツ川を下る。ここ数日でだいぶ融雪は進んでいるようだが、まだまだルンゼカールの雪は多い。今日は一本を詰めた後なので、前回よりかなり疲労が激しい。今回は使える巻き道は使わせてもらう。しかし、もちろんクライムダウンだ。Co823二股を過ぎたところで、魚影が見えたので、釣りに興じる。針を落とすと、面白いように魚が我先にと食いついてくる。魚を釣り上げるよりも、餌のヤゴを探す方が一苦労だ。手のひらにおさまる位の稚魚はリリースする。それでも小さいのはアタリがわかりにくく、合わせるのが遅れてしまい針を飲み込んでしまったヤツを3匹ほど持ち帰った。結局7匹のオショロコマをおみやげに持って帰る。

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