- 目的
- 夏合宿 ソエマツ岳南東面直登沢・ピリカヌプリ北面直登沢遡行
- 日程
- 2002年08月01日(木) - 04日(日)
- 山域
- 南日高
行程
- 2002-08-01
- 室蘭~昭徳右岸林道終点 C0
- 2002-08-02
- C0~ヌビナイ川下二股~ヌビナイ川右股~上二股 C1
- 2002-08-03
- C1~ソエマツ岳南東面直登沢~ソエマツ岳~上二股~ピリカヌプリ北面直登沢~ピリカヌプリ~上二股 C2
- 2002-08-04
- C2~ヌビナイ川~右岸林道終点 下山
メンバー
地形図
装備
2002年08月01日(木) アプローチ
夜中真っ暗闇の中、昭徳左岸林道を行くが、目標地点まで道が延びていないようなので、右岸林道へ行く。(実際には左岸林道ももっと延びているようだ。暗闇で道が確認できなかった。)右岸林道終点につくも、真っ暗で 現在地がわからないがとりあえずそこで寝ることにする。テントを忘れてきたので、無理矢理そこで車中泊とする。酷く蒸し暑い。
2002年08月02日(金) 下二股~上二股
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:00 | 曇 | 起床 | |
05:00 | 出発 | ||
05:50 | 晴 | Co420 | |
07:05 | Co507 | ||
07:50 | Co530 険相な函 | 取り付き | |
09:25 | 脱出 | ||
11:00 | Co590 | ||
12:00 | Co655 | ||
12:45 | 上二股 | C1 |
朝、ようやく周囲の状況がわかり、現在地がクマノ沢の 1km ほどのあたりだとわかる。車はそこに残置し、林道を少し戻ったところの水路から沢に入り、下二股まで戻り右股に入る。「神威岳」の地形図に入るまでは延々と河原が続く。ここまで魚影は全くない。 Co507 二股左股の釜などでも竿をおろすが、全く魚のいる気配がない。本当に魚は釣れるのだろうか?
釜滝(Co510)をひとつ越えたあと、細い函滝が出てくる。水流が強く、さすがに中は行けそうにないので左岸テラスを巻く。しかし、下りには良さそうである(Co515 S字のウォータースライダー)。 Co530 の函は右岸に巻き道が見えるが、メンバーは気が付いていないようなので、そのまま黙って中を行く。あらたは以前から「泳ぎたい泳ぎたい」を連発していたので、ちょうど良いだろう。
少し右岸をへつってから、飛び込み、泳いで左岸の壁に取り付く。このとき、腕時計を紛失する。飛び込んだ勢いでどこかに行ってしまったようだ。側壁を上に上がれそうだが、傾斜の強いテラスでいやらしい。そこで、泳ぎの得意なあらたにロープをつけて水流を突破させる。ザックをおいてこの準備をしているとき、誤って足を踏み外し淵に落ちる。わたしはカナヅチなので大慌てで壁にしがみつく。死ぬかと思った。いや、まぢで。滝の中央のテラスから、ロープでうっちーを引いた後、ザックと私を引っ張ってもらう。このとき、田中の地図を流してしまう。あと10センチ手を伸ばせば取れたが、「振り出しに戻る」事になってしまいそうだったので出来なかった。滝の左岸を直登する。この間2時間、非常に寒い。ちなみに巻くと3分である。しかし、こんな楽しい函を巻くのははっきり言ってアホだ。何のために沢に来ているのかわからん。泳ぐアホウに巻くアホウ。おなじアホならおよがにゃソンソン(Co530函滝)。
いくつかの釜、滝を越える。巻き道も見えるが、そんなのは無視だ。 Co570 二股は、右岸から滝になって落ちてくる。 Co570-590 のゴルジュ帯も基本的に中を行くが、2カ所ほど巻く。巻き道は何れも明瞭だ。
Co620から、沢が白い滑状になり、 Co640 の滝から、あの有名な七ツ釜が始まる。右岸から釜に飛び込み、右岸沿いに取り付き、瀑芯のすぐ左側を直登し、1段目を越える。2段目は右岸のカンテを登った後、草付きをトラバースして、沢床に戻る。そこには今までみたこともないような風景が広がっていた。
そこから先はしばらく滑が続き、やがてゴーロとなって上二股に到達する。右岸台地に立派な天場がある。みなへとへとで、魚影も見えないため、釣り竿をおろそうともしない。
あらたはそうとうヘタっている。うっちーは焚き火に悪戦苦闘している。ラジオは全く入らず、天気図も取れず、天気予報も聞けない。ラジオを手に持っているとFMがかすかに聞こえる程度だ。
2002年08月03日(土)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
04:00 | 霧 | 起床 | |
05:15 | 出発 | ||
ソエマツ岳南東面直登沢 | |||
06:10 | 快 | Co1100 | |
07:05 | 晴 | Co1400 | |
08:05 | 曇 | ソエマツ岳 | |
10:00 | Co1160 | ||
11:00 | 晴 | 上二股 | |
ピリカヌプリ北面直登沢 | |||
12:10 | Co1100 | ||
13:00 | Co1350 | ||
13:45 | 曇 | ピリカヌプリ | |
14:50 | Co1300 | ||
16:30 | 上二股 | C2 |
ソエマツ岳南東面直登沢
朝方、ものすごく寒い。シュラフを持ってくるべきだったか。薄いガスの中出発する。 Co940 を左に入ると、延々と滝が続いている。これといって難しい物はなく、全て快適に直登していく。
Co1200 二股からチムニー状の滝となる。中を直登する。 Co1260 三股は左岸から滝となって合流してくる真ん中の沢を行くが、先行のあらたは何も考えずに、まっすぐ左の沢の方へ進んでいく。大声で呼び止めて真ん中の沢をシャワークライムで進む。 Co1400 で、小さな二股となって、左に入ってしまうが、これは誤りだった。上部で深いブッシュに突入したので、右に逃げて右股の詰めと合流し、クマの掘り返しと糞が無数にあるお花畑から主稜線に上がり、踏み跡に出る。このときもあらたは、私についてこず、そのまま直上し、ハイマツを漕ぐ。おそらく、歩くときに上を見ず、足元ばかりを見て歩いているので、前の動きに気が付かないのだろう。
ピークでは、日高方面から吹き上げられたガスのため、曇り。晴れる様子はないので、下降する。登ってきたお花畑からまっすぐ降りる。 Co1400 二股で右股と確認する。 Co1260 の三股の滝で、あらたはクライムダウンをしようとするが、ちょっとやらしいのでザイルを出して懸垂下降をする。俺はクライムダウン。あとは全て、慎重にクライムダウンを繰り返す。
ピリカヌプリ北面直登沢
上二股に降りると、社会人のパーティが隣にテントを張っていた。シャツの胸に「N山岳会」の文字が。これからピリカヌプリを目指すらしい。明日以降の天候もわからないし、先行パーティがいると心強いので、我々も今日中にピリカを済ませることにする。
先行パーティに20分ほど遅れて出発。相手は社会人のじぃさんたち、追い越すつもりで張り切っていく。先に下山し、焚き火を焚いておべっかを使い、ビールをゲットする算段である(ぉ)。出合の函をこえ、滝をひとつ直登。滑床と滑滝がいくつか現われるが、これといって印象に残るものではない。
先行パーティを追い越し、ガレ沢に入る。しばらく行き、ふと振り返ると、下の方で地図とにらめっこして何やらもめているようである。例によって左の良さそうな滝を本流だと思っているのだろうか。我々の方は、本日2本目の直登沢のつけが回ってきて、ペースが大幅に落ち始める。歩き始めたN山岳会はみるみる差を詰めて、あっという間に抜き返していった。背後にソエマツ、神威が見え始める。
ガレが終わると沢は涸れ、明瞭な踏み跡を伝い、主稜線に出る。眼下に日高幌別川の険悪な様相が見え、思わず歓声を上げる。やや風が強い。下降では、メンバー2人のペースが上がらない。おそらく、体力面では若者2人の方が上だが、フェルトのフリクションの使い方や、腕の使い方がなっていないと思われる。まぁ、これが10年のキャリアの差か。
最後の滝は釜に飛び込んでいく。ずぶぬれになって天場着。うっかりしてカメラを水没させ、お釈迦にする。カメラ自体はそろそろ限界が来ていたので、いたくないが、その後の写真を撮れなかったのが残念だ。それにしても、N山岳会はジジィばっかりなのに速い。結局最後の最後まで追いつけず、焚き火で接待どころでなかった。
先着したN山岳会のおこした火に当たらせてもらう(というか、場所と火種と多くの薪は昨日我々が用意したものだが)。しかし、N山岳会の面々は せっかくおこした火にろくに当たらず、ほとんどをテント内で過ごす。社会人の山岳会というのはこういう物なのだろうか。そういえば、去年エサオマンであった パーティもほとんど焚き火にあたらずに、すぐに寝てしまった。
明日は下るだけなので、焚き火にあたってのんびり過ごすつもりだったが、夕方から霧になり、雨が降り出したので就寝。今夜も寒い。
2002年08月04日(日) 下降
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
07:00 | 雨 | 出発 | |
10:10 | 曇 | Co507 | |
11:20 | Co420 | ||
12:20 | 晴 | 右岸林道終点 | 下山 |
雨だ。昨日のうちにピリカを攻めたのは正解だったか。
寒いので、焚き火をおこす。N山岳会の人たちが何の躊躇もなくプラスティックゴミを焚き火に放り込むのには閉口する。
今日は釜に飛び込むつもりなので、少し暖かくなるまでしばらく焚き火にあたり過ごす。しかし、ガス様相はまったっくかわる様子はない。ぱっとしない天候の中、出発。釜が出始め、予定通り飛び込んでいく。滝から飛び込んだとき、あらたがヘルメットをとばされ、釜に飲まれる。先は長いので、メットが無いと辛い。無理だと思ったが、あらたに細引きを繋ぎ、釜の底を覗かせる。なんと、奇跡的にヘルメットを回収する。
その後もどんどんと釜に飛び込んでいく。渦を巻いた洗濯機の釜が2つ続いているところで、2人が見事に巻き込まれ、グルグルと洗濯される。大笑いである。(本当は笑い事ではない。)この光景を写真に撮れなかったのは非常に残念である(Co610黒い連釜)。
あまりにも、調子に乗って滝に飛び込んでいったため、ノコギリと、竿と、地形図が無くなっていることに気が付かなかった。おそらく、どこかの釜に飛び込んだときに、水圧で吹き飛ばされたのだろう。不覚だった。当然、予測するべきだった。これでヌビナイの釜に4つもゴミを捨ててきたことになる。何よりイタイのは、思い出がたっぷりつまった神威岳の地形図をなくしたことだ。
気温が低いので、下部はさすがにいくつか巻く。それでも、飛び込んだ方が早そうなところは飛び込んでいく。登りで2時間を要した函は、当初は中を行くつもりであったが、疲労が限界を超えていて、クライムダウンがやばそうなので、3分の高巻きを選択する。最後のウォータースライダーをトレインでフィニッシュし、釜を泳ぎ、核心を終える。ちょうどここで、先行するN山岳会の背中が見える。
へとへとになって、長い川原を歩き、林道に上がる。
帰りは浦河温泉「あえるの湯」に入り、静内PURE「そばとうどん」で定食を食って帰ってきた。あえるの湯は、日曜の午後にしては比較的空いていた。おそらく、最近出来たので、知っている人が少ないのだろう。眺めも良い温泉だ。