- 目的
- 羊蹄山比羅夫ルート往復
- 日程
- 2014年12月27日(土) - 28日(日)
- 山域
- 後方羊蹄山
冬の羊蹄山の比羅夫ルートは今まで何度か行っているが、外輪まで到達したのは雪が着く前にスキーを使わずに行った事が有るだけで、スキーが使える時期には Co1400 のボトルネックを越えた事が無い。風の噂に、比羅夫尾根の南側を進むルートがあると聞き、そちらは外輪までたどり着ける物なのかどうかを確かめに行った。この年末は羊蹄三昧に使用と思っており、これはその第一弾である。
行程(予定)
装備
2014年12月27日(土) 比羅夫ルート(倶知安ニセコ境界ルート)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
08:00 | 曇 | 出発 | |
11:20 | Co800 | ||
14:20 | Co1200 | リターン | |
15:50 | 下山 |
夜中に家を出て比羅夫登山口を目指す。ルスツを過ぎる頃にうっすらと明るくなり、羊蹄の姿も見えてくる。
久しぶりの比羅夫登山口には、「蝦夷富士小屋」という営業小屋と、他にも何やらご立派な建物が出来ていて、登山口の看板まで除雪が伸びていた。
除雪終点に車を駐め、出発の準備をしていると、5台ほどの車がやってきて手前に駐めても良いか聞いてきた。こちらは小屋で一泊する予定なので、了解する。彼らはみんなボーダーらしい。
登山道沿いにトレースが着いていたので、着いていくと、トレースは半月湖の方に続いていた。トレースを外れ、比羅夫尾根末端に向けてラッセルを開始する。
ラッセルはさほど深くはないが、比羅夫尾根の南側の谷に回り込むまで1ピッチを要した。今日はここから比羅夫尾根ではなく、一本南側の尾根筋を詰めて小屋まで行く予定だ。
コンパスを切って、急斜面とブッシュを避けつつ高度を上げる。尾根筋はどれも判然とせず、正直なところ正確な現在地はわからない。しばらく行くと、右手にこんもりとした小山が見えて P933 と確認できる。この辺りまでは順調に進んできたが、ここから雪が深く、ダケカンバのブッシュもうるさくなって、全くペースが上がらなくなる。
P933 の北側の小さな尾根筋を登るが、傾斜は一気に急になり、ダケカンバもうるさく、1ピッチで標高100m上がるのが精一杯で、気がつけば 14:30 で Co1200 までしか登っていなかった。行動可能時間はどうがんばってもあと2ピッチ。どう考えても日没まで小屋までたどり着けそうにない。
途中、 Co1300 や Co1550 に幕営可能そうな台地はあるが、上部は視界も悪く、うまく見つけられるかどうかもわからない。小屋に泊まるつもりだったので、テントや防寒装備も十分ではない。中途半端に高度を下げて、明日アタック装備で登っても、デポ打ちやテントの回収は面倒だ。今日の所は諦めていったん下山する事にする。
シールを外して滑走開始。雪質は良いが、荷物が重くてスキーはイマイチ。下部はトレースを使ってすいすい進み、冬尾根末端からは谷間に下って登山口に直接出た。
登山口にはちょうど、ボーダーの人達も戻ってきて帰り支度をしていた。
倶知安で少し買い出しをして、ニセコの道の駅で車中泊する。ニセコの道の駅はWiFiも入るし、ワンセグも入る快適なところだ。
2014年12月28日(日) 比羅夫ルート(倶知安ニセコ境界ルート)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
05:00 | 起床 | ||
07:20 | 出発 | ||
11:20 | Co1200 | ||
13:00 | Co1550 | ||
14:00 | 下山 |
夜明け前に登山口へ行く。昨夜はほとんど降雪はなく、除雪車も入っていない。今日は他に人が来る前に夜明けと同時に出発する。
登山口から直接右手の畑地を突っ切り、昨日のトレースを使って直接冬尾根末端を目指す。装備も軽いし、トレースも残っているので昨日より圧倒的に早い。昨日6時間半かかったところまで今日は4時間ちょっとで到着した。
しかし、ここから先もまだ長い。天候の条件は昨日よりも悪く、視界がほとんど無い。
ブッシュは無くなるが、とにかく急斜面の登りがひたすら続く。視界が悪く、地形が読めないので危ないところに入り込まないように気を遣わなければならないので、精神的にも消耗する。
Co1550 でようやく特徴的な台地となり、風も無く落ち着いて腰を下ろして休憩する。外輪まではもうひとがんばりだが、やはり日没に間に合いそうになくなってきた。視界も悪いし、そろそろアイゼンが必要になりそうなので今回はここでリターンにする。
シールを外し、滑走開始。所々クラストのギャップがあるが、それ以外の所の雪質は悪くない。視界があって、滑る斜面を選べればもっと楽しめそうだ。
昨日リターンした辺りからは、全体に雪が良くなり、雪質は抜群。ブッシュは埋まりきっていないが、それらを避けて滑るのは一つの醍醐味だ。
登りのルートより少し北側の斜面を通り、 Co750 で釣り鐘状に張り出す尾根筋を通って一気に滑り降りる。
Co600 からは緩斜面となるが、登り返しもほとんどなく、あっという間に登山口についた。
帰り支度をしていると、昨日から登山口付近にテントを張っていた怪しげな3人組が話しかけてきた。良く聞くと、英語で、どうやら香港かどこかの外国人らしい。しばし、スキーがどうとかピークがどうとかと話をしたが、こちらの聞き取り能力が低すぎるので、結局たいして通じずに終わってしまった。格好はバリバリの冬山装備だったが、スキーやスノーシューは持っておらず、地図やGPSも持っておられないご様子。一体彼らはあそこに何しに来て何をしたかったんだろうか。