- 目的
- 熊ノ沼沢遡行
- 日程
- 2014年08月08日(金) - 09日(土)
- 山域
- 夕張山地
台風12号と台風11号の合間を縫って芦別岳の熊ノ沼沢に行ってきた。熊ノ沼沢は思った以上に枝沢感のある沢で、大雨の後にもかかわらず水量の乏しい沢だった。それでも核心部では普段よりも多いシャワーに翻弄された。
行程
2014年08月09日(土)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:00 | 曇 | 起床 | |
05:55 | 出発 | ||
07:05 | ユーフレ小屋 | 靴替え | |
07:35 | |||
09:30 | F1の上 | ||
10:20 | 霧 | F2の下 | |
10:50 | |||
11:55 | 曇 | 登山道 | 靴替え |
13:05 | 芦別岳 | ||
13:35 | |||
15:50 | 新道登山口 | ||
16:15 | 旧道登山口 | 下山 |
前日は、山部の東大樹木園公衆トイレ前で車中泊した。しかし、この時期には登山口にあるキャンプ場のトイレや、パークゴルフ場のトイレが使えるようなので、登山口まで行った方が良かったのかも知れない。この時期にこのあたりに来るのは初めてなのでうっかりしていた。
登山口へ向かうと、既に新道登山口やキャンプ場には多くの車が駐まっていた。旧道のゲートを開き進むと、3人の人が空身で歩いており、登山口に着くとザックが残置してあった。この人たちは私と同じく熊ノ沼沢に行くらしく、おそらくこちらに荷物を置いてから新道の方に車を置いてきたのだと思うが、何故運転手だけでなく3人で歩いていたのかは謎。
彼らを見送りながら出発の準備をし、30分ほど遅れて出発する。本流は若干増水し白濁しているようだ。ゴルジュ地形を巻くために急登となる登山道がかったるい。沢屋はやっぱり沢を行った方が良い。とは言え、今日は水量が多いので道を行く。
Co450 付近で先行の3人パーティと旧道ルートの別パーティを追い越し、更に単独のおじいさん1人を追い越す。おじいさんはストックをつきつつ、足下おぼつかない感じで荒れた道を下っていったけど、こんな感じで旧道一周とか大丈夫なんだろうか。
例の丸太渡渉は水没するほどの水量でも無かったので、飛び石渡渉する。後続パーティは丸太をまたいでいた。
ユーフレ小屋で靴を履き替える。熊ノ沼沢は思っていた以上に水量が乏しい。
熊ノ沼沢は砕石が転がる荒れた雰囲気がつづく。 Co760 二股で両岸が狭まる細いゴルジュとなる。小滝とチョックストンが幾つかあるが、特筆すべき物は無い。
2m ほどの樋状の滝は適当に直登して越える。ゴルジュの出口は 8m ほどの二条の滝で、左岸から直登する。難しくは無いが、岩が脆く、ホールドがポロポロと剥がれてくるのが恐い。
Co880 二股は平行して合流している。左に曲がると小さな二段の滝。更に二段の滝が続く。これは上部で樋状になって突っ張りで越える。
次の滝は右岸をシャワークライムで越える。左岸に崩壊地を見て崩れ気味の小滝を越えると、 Co1020 核心の滝だ。
下段は右岸がかぶっている。右岸からシャワーや、左岸からトラバースして越えてみようと思ったが、どうも思い切りが着かない。諦めて高巻きにかかり、草付きをトラバースして左岸カンテ上に出るが、意外と立っていて沢には戻れない。カンテも途中が垂直で直上は無理。ふたたび左岸草付きの巻きにかかるが、これがどんどん立って、植生も乏しく悪い。これは下手こいた。ズルズルと尻で滑りつつ振り出しに戻る。変な踏み跡をつけてしまった。
巻き直しと言うことで、素直に左岸のルンゼを登り、灌木に手の届くところから尾根に移り、先ほどの草付き斜面の最上部をトラバースして、滝上の尾根筋を少しくだって滝の上に出た。
滝の上に出たところで、ちょうど後続の3人パーティが追いついてきた。変な踏み跡をつけてしまったので、高巻きは左岸のルンゼだと告げる。しかし、この高巻きで手こずったのか、この後このパーティが追いついてくることは無かった。
これを過ぎて小滝を幾つか越えるともはや源頭の雰囲気で、この沢はこれで終わりかと思いかけていたところ、霧の中に落ちてくる大きな滑滝が見えた。
全体像が分かるまで、しばし天気待ちする。見たところ、さほど難しそうではなく、軽く直登できそうだ。
左岸からとりつき、水流を横切り右岸に移る。確かに難しくないが、やはり岩が脆く油断するとホールドスタンスが剥がれてくる。足下にはハーケンが有り、ここからはカンテ状となる。頭上からはシャワーが降り注ぐ。この1mほどの段差を越えれば一気に抜けられそうだが、シャワーで視界は効かず、ホールドは信用できず、背後は30mの高さでどうしても思い切りが着かない。しばしどうしたものかと試行錯誤するが、やはりフリーソロではホールド抜けの恐怖はぬぐいきれない。結局諦めて一端下るが、クライムダウンも結構難しかった。
仕方が無いので、右岸リッジを挟んだルンゼから高巻こうとするが、こちらも脆く、上部は立っているようで思い切りが着かない。あげくにはもう一本左のリッジに、左股側からとりついて詰め、ルンゼをトラバースしてようやく滝上のリッジに出る。しかし、2段目も登れるかどうかわらずそのままリッジを登り続けるが、上の方に行くにつれて植生が乏しく気持ち悪い。
何とかリッジを越えて2段目の上に降りる。上から見ると、2段目は何となく登れそうな感じなので、1段目の上で沢に戻れば良かったかも知れない。
幾つか簡単な滑滝を越えると、沢は涸れて右に屈曲し始めたので、岸に上がって周囲を見渡すとすぐ横に登山道があった。
靴を履き替えてピークへアタック。何人かすれ違ったが、ピークには誰も居なかった。ポントナシベツ岳との間の谷の源頭ではヒグマの親子が戯れていた。
旧道登山口まで3ピッチで下山する。後続の3人パーティが一体どうなったのか、ちょっと気がかりである。
雑感
熊ノ沼沢は、 Co1020 の滝と Co1240 の大滝以外に印象に残る物はない。大雨の後でも遡行可能という狙いは当たっていたが、手こずる割には面白みの無い沢であった。 Co1240 を登り切れなかったのは多少心残りだが、もう一度行きたいとは思わないかな。