大平山はヒヤミズ沢を途中まで遡行したことがあったが、ピークには立ったことがなかった。ヒヤミズ沢はそのうち泳げる後輩を伴って再訪したいが、その前に簡単な泊川からピークハントすることにした。しかし、いわゆる泊川直登沢は直登沢とは名ばかりの超ブタ沢だった。
行程
2014年07月07日(月)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
03:30 | 起床 | ||
05:20 | 晴 | 出発 | |
06:25 | Co430 | ||
08:35 | P1109 北西ルンゼ Co830 | ||
09:35 | 大平山 | ||
13:05 | 登山口 | 下山 |
大平山登山口には尾張小牧ナンバーの車が一台駐まっていた。わざわざこんなところにも登に来るもんだなあ。
大平山西面沢出合の橋には「無名川」と「ゆのさわばし」の標識がある。無名川は分かるが、湯ノ沢とは向かいの河鹿温泉のことだろうか。
泊川大平山西面沢遡行
橋の脇から入渓。初っぱなからブタ沢の雰囲気だ。 Co230 二股を右へ。
滑滝が一つ出てくるが、ヌルヌルが激しすぎて全然楽しくない。
Co350 を過ぎると大きな滝が見える。遠巻きに見ると白くてきれいな滝に見えるが、全体にヌルヌルをまとっており、直登はムリ。左岸の泥付きを巻き気味に登って越える。
小滝をいくつか過ぎて沢が左に向くとピークへと続く広い谷が見えてくる。雪渓の残骸を過ぎ、 Co500 を過ぎたあたりで左岸に水が湧き出す水源となり、涸れ沢となる。
ピークへ向かう沢との分岐を探しながら、涸れた沢を進むがさっぱり分岐は現れない。このまま進めば、西尾根に出てしまう。
分岐を見落としたかと思い、引き返してみるが、水源のところまで戻ってもそれらしき物は見つからない。水源の上に上がってみたが、やはり沢筋らしき物は無い。
改めて涸れ沢を進んでみるが、やはり分岐は見当たらなかった。やむを得ず、 Co650 付近から尾根に上がり草付きをトラバースして本谷らしき沢筋に出る。
本谷の下の方はダケカンバに覆われており、おそらく雪渓でも残っていない限り下から直接ここに出ることはほぼ不可能だろう。この先も何となく沢筋らしきものはあるが、ほぼ草むらである。
しばらくは我慢して草をかき分けて進むが、ふと上を見上げると稜線まで延々と藪が続くのが見えて完全に萎える。なんだこの沢は。遡行時間は実質1ピッチ。しかもガレデブヌルの三拍子。その後はひたすらこの藪漕ぎか。今までいろんな沢を登ってきたけれど、トップクラスのブタ沢。いや、他のブタ沢と同じにしては失礼なくらいで、もはやクソ沢と言いたいくらいだ。
もはややる気喪失。かといってあのヌルヌルを下る気にもなれない。当初から藪の状態が酷いようなら行ってみようともくろんでいた、 P1109 の北のコルに突き上げる谷筋からエスケープすることにした。水も涸れて気温も上がってきたので、沢用の衣類を脱ぐ。
P1109 は下から見ると結構かっこいい岩塔となっている。右に尖ったリッジを見ながらガレたルンゼを進む。思ったほど傾斜もきつくなく、特に難しくない。
ピークに近い方の沢筋を詰め、20分程度ヤブを漕いで夏道に出た。登山道沿いも苅り分けられているとは言え、結構な笹藪。まともに本谷を詰めていたらどうなっていたことか。
ガロ沢大平山南面沢下降
下りはガロ沢を下る。例に漏れず上部は急な草付き。沢筋に出ると、時々水流が出るがしばらくは涸れ沢が続く。
Co710 あたりから本格的に水流が復活。滝が出始めるが、さほど難しくはない。 Co350 あたりか?唯一大きな滝が出てきたが、右岸から割と簡単に巻けた。
ガロ沢本流に出ると、魚影が出始めるが、保護水面だ。大きな釜を持った滝を左岸からへつって下ると、出合の橋となった。
後は道を歩いて下山。と思いきや、林道はほぼ完全に廃道。崩落していて痕跡すら分からない。仕方ないので沢に降りる。沢の方が全然歩きやすい。
河鹿温泉を見学に行くが、小さな水たまりからポコポコと若干の気泡が出て、気持ち沢の水よりもぬるいだけで、とても入浴できるような代物ではなかった。
雑感
大平山西面沢は遡行価値がないと断じて良いだろう。何故この沢が「山谷」に載ったのか解せない。ヌルヌルも酷いので、下降にすら適さない。ガロ沢は、それなりに滝も出ててくるが、さほどにおもしろさも感じず、思いのほか長いのでわざわざ遡行するほどのものかとも思う。まあ、どうしてもヒヤミズ沢以外の大平山の沢を紹介したいならば西面沢よりはこちらの方がましであろう。こんな沢の記録が結構多く見られるあたり、北海道の沢登りは陳腐化してきているのかなあとふと思った。