「北海道の山と谷」の改訂のために懸案となっていた中ノ岳南西面沢の踏査に行ってきた。沢の様子はおおむね、既にネットなどで明らかになっている情報通りだった。それにしても「山谷」の改訂はどうなっているのでしょうか。
行程
2014年06月18日(水)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:00 | 起床 | ||
04:55 | 曇 | 出発 | |
05:40 | 雨 | 雨天待機 | |
09:00 | 霧 | 主稜線 | |
09:45 | 雨 | 中ノ岳 | |
13:20 | 曇 | 神威山荘 | 下山 |
相変わらず本日もどんよりとした天気であるが、とりあえず雨は降っていないので出発する。
南西面沢を渡渉し、地形図上に記載されている左岸沿いの道を探してみるが、それらしき物は見当たらなかった。
すぐに沢に戻り、中を進む。折からの長雨で若干水量は多いと思うが、特に問題はない。
3つほど小滝を過ぎて、出合のゴルジュ帯を抜けると少し雨脚が強くなってきたので、しばらく木陰で様子を見る。10分ほどで弱くなってきたので、先に進む。
しばらくはゴーロ帯が続く。小雨の中、とぼとぼと歩いていると、右側に走り出す黒い物体を確認する。先週に引き続いての遭遇である。今回のは十分に大きな成獣だ。ばたばたと藪の中に消えていった。気を取り直して、音を立てながら進む。
この沢唯一の見所と行って良い、 Co650 付近のゴルジュはどうやら大規模な雪崩に襲われたらしく、周辺の斜面の木々はなぎ倒され、デブリがたまっていた。しばらくはここでのウォータースライダーは出来そうもない。
小滝を適当に登り、 Co860 二股に出る。左股には滑滝が続いているのが見える。今回はこの右股を踏査するのが目的なので、ガレた右股へ進む。 Co940 を左に進むと、すぐに Co1010 二股で左股の奥には崩壊地が見える。
さて、この崩壊地をいかに越えるかがどうやらこの沢の核心らしい。とりあえず、左岸の尾根筋にとりついて詰めていくと、崩壊地の下に出てしまった。そのまま無理矢理登ってしまおうとしたが、あまりにも悪かった。
あわてて引き返して、右に見えた隣の沢形に遷り、そこを詰める。崩壊地の上に出たところで笹藪をトラバースし、一つ小さな沢形をやり過ごしてから、崩壊地の真ん中から伸びる明瞭な沢形に戻った。
笹のトンネル上となった沢形を詰めていくと、やがてガスの中に岩塔へと続くルンゼが見えてきた。周辺は草原と成り、岩塔の基部に沿ってシカ道が延びているのが見える。
このシカ道を辿っていくと、ほとんど藪漕ぎなしに主稜線に出た。後は中ノ岳のピークまで踏み跡を辿るのみである。
ピークでお茶など飲んでいると、雨が強くなってきた。なんだかなあ。追い立てられるように下山を開始。下降も同じルートを辿り一息に下山。
雑感
Co860 二股からは、やはり左を選んだ方が楽しいとは思うが、単純に中ノ岳のピークハントを狙うならば明らかに右の方が楽で速いだろう。ただし、下りはじめの位置を誤ると大変なことになるので、それなりの沢装の準備は欠かせない。