中ノ岳南西面沢の踏査のために前日は三石の道の駅で車中泊をした。相変わらず、というか、年々増加する本州からのキャンピングカーで駐車場は占拠されていた。
あいにく朝から雨だったが、昨年、帯労の oyama さんに拾ってもらったおやぶんのスコップを回収するために神威山荘に向かった。
神威林道は山荘の少し手前で通行止めになっていたので、そこに車を置いて500mほど歩く。山荘には本州からの登山者2名が天気待ちをしていた。
聞くと、他にも大きなパーティが居てどうやらこの雨の中神威岳をアタックしているらしい。
この二人は他にもペテガリやカムエクを狙っているらしいので、渓流靴の必要性などをアドバイスしていると、若い男性とおじいさんが下山してきた。客のおじいさんが体調を崩したので、ガイドの男性が付き添って戻ってきたらしいのだが、このおじいさんは雨具を着用していなかった。
おそらく、時々居る撥水性のあるウィンドブレーカーを雨具と勘違いしているパターンだが、これを見てこのガイドは何も思わないのだろうか。
というか、そもそもこんな年寄りを連れてこの雨の中、渡渉を繰り返す神威岳アタックに出かけるとかどうかしている。幸い、今日は、というか今年はわりと気温が高いので、お客の爺さんもさほど消耗している様子ではない。だが、この時期のこの雨なら、通常ならば相当冷えるはずだ。「今日は暖かいから多少の雨は大丈夫」みたいな確信があって行ったのだとすればむしろ良く出来たガイドだと思うが、そうとは思えない。
ちなみに、このガイドと前述の2人がクマ鈴の話をして、ガイドが「クマ鈴なんて役にたたんですよー」みたいなことを言っていたので、ああ、このガイドダメだ。と更に思った。
さて、このガイドはおじいさんを小屋において、ふたたび他のメンバーと合流すべく出て行ったが、しばらくすると他のメンバーとともに戻ってきた。どうやら、沢が増水して危うくなってきたので撤退を決めたらしい。
っていうか、この雨だもの増水するくらいのこと予測つくだろ!
ちなみに、お客は先の爺さんの他はみんなばあさんばかりだった。これが人生最後の挑戦みたいな年寄りばっかりだけど、本当に登山を人生の最後にしかねないのがガイド業の実情なの?と思ってしまった。
そんなわけで、林道が崩れて帰れなくなる前に山はあきらめて帰ってきた。下界は思いの外クソ暑かった。