二岐沢~一九六七峰~千呂露川~ルベシベ山

ふ~ちゃん
目的
一九六七峰西面直登沢・ルベシベ山南西面直登沢遡行
日程
2007年07月06日(金) - 08日(日)
山域
北日高

千呂露川から一九六七峰遡行した。あまり噂を聞かないなので、なめていたが、意外や意外手強い沢だった。アルプス的景観も素晴らしい沢だ。ただ、核心の大部分は雪渓に埋められていたので、雪の少ない時期にもう一度踏査の必要があろう。

行程

2007-07-06
沙流川キャンプ場車中泊 C0
2007-07-07
二岐沢出合二岐沢一九六七峰西面直登沢一九六七峰一九六七峰北東面直登沢千呂露川本流 C1
2007-07-08
C1~ルベシベ山南西面直登沢ルベシベ山~南東のポコルベシベ山南東面千呂露川本流 下山

装備

2007年07月07日(土)

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00快晴起床
05:45千呂露林道終点出発
06:25二岐沢取水ダム入渓
07:25三ノ出合
08:25Co1160軽アイゼン
08:45ギョウジャニンニク採取
10:25Co1540
11:35Co1775
12:10一九六七峰
13:201286 二股
15:15924 二股C1
千呂露林道終点ゲート前[image/jpeg:147kB]
ゲート前にはすでにたくさんの車が

昨夜は例によって沙流川キャンプ場にて車中泊をした。千呂露林道の鍵を開け、北電管理道路のゲートに到着すると、すでに数台の車が停まっていた。朝飯を食いながら出発の準備をしていると、更にもう一台の車がやってきた。こっちがのんびりやっていると、その岩手ナンバーのおじさんはアタック装備で一人歩き始めた。こちらもすぐに歩き始めると、当然のように追いついてしまう。しかし、そのおじさんもがんばって歩くため、一気に抜き去ることが出来ずにしばらく併走してしまってなんだかばつが悪い。


二岐沢の河原[image/jpeg:145kB]
快晴の河原歩き

取水ダムからは私は登山道を無視してに入る。河原にはヌルヌルが多い。数年前に二ノ沢ルートから登ったことがあるが、そのときは渡渉で苦労した覚えなどないので、やはりヌルヌルは多くなっているのだろう。何もない河原の沢が四ノ沢の先まで続く。わりと魚影がある。ここらにいるのはエゾイワナだろうか、オショロコマだろうか。

一九六七峰西面直登沢

雪渓[image/jpeg:146kB]
早々に雪渓が登場
Co1090 滑滝[image/jpeg:146kB]
雪渓の先には滑滝が連続する
Co1110 滑滝[image/jpeg:148kB]
滑滝の先にはまた雪渓
Co1120 滝[image/jpeg:147kB]
いきなりの悪い高巻きとなった滝

四ノを過ぎると早々に雪渓の登場となった。 Co1080 左岸ルンゼ出合に雪渓があり、そこから滑滝が連続する。この滑群は問題ないが、2つ目の雪渓の先から沢は状になって、雪渓の切れ目ごとに難しいが出てくる。まずは Co1120 の滝は、近づいてみてみるが水量が多く取り付けないので、高巻くことにする。右岸の壁をよじ登るが、つかむ物はイタドリしかない。思ったよりも傾斜のきつい泥付きの壁の上をトラバースしていくが、ホールドスタンスも少なく微妙。おっかなびっくりで滝の上に出たが、いきなりの悪い高巻きとなった。


Co1130 釜滝[image/jpeg:147kB]
釜持ちの滝は直登する
雪渓[image/jpeg:147kB]
長い長い雪渓
ギョウジャニンニク[image/jpeg:162kB]
食べ頃のギョウジャニンニク

続く持ちの右岸直登する。逆走気味のスタンスにフリクションを利かせて登る。いきなりの難しいの連続に少々怯み始める。が、この先は巨大な雪渓となってかなり長く続いていそうである。徐々に傾斜が増してくるので、軽アイゼンをつけて進む。雪渓の下はたきの連続だろうか、それともただのガレだろうか。いずれにしても雪渓の多さにがっかりしつつも、ちょっとほっとしている自分が居る。途中、まだまだ食べ頃のギョウジャニンニクがわんさか生えていたので、採取していくことにする。


Co1260[image/jpeg:146kB]
雪渓の切れ間の滝は左岸を巻く
Co1330 スラブ滝[image/jpeg:147kB]
ツルツルスラブの滝が顔を出している

雪渓は Co1260 で切れてが出ている。の下には降りられないので、そのまま左岸の壁に取り付いて高巻く。雪渓が無くても巻くことになるだろうか。雪渓は更に続く。 Co1350 付近では雪渓の一部が切れて、スラブ状の滝の一部が見えているが、そのまま雪渓を使って通過する。


Co1440-1500[image/jpeg:148kB]
この沢の核心連瀑

雪渓は Co1420 でいったん終わり、三段のとなっている。ここからがこのの核心である。1段目は雪渓から上に上がる。2段目は左岸高巻く。3段目も左岸からの高巻きとなったが、状態の悪い土付きの壁の細い灌木をつかみながら無理矢理高巻いた。


Co1520-1540[image/jpeg:145kB]
直登出来そうで出来ない

更にスノーブリッヂの先に悪そうなが続く。とりあえずの下に降りてみる。ホールドはあって、直登出来そうな気もするが、水量が多く、体の出来上がっていない現状では無理だ。とりあえず右岸ルンゼに体を無理矢理ねじ込んで登ってみるが、だんだんホールドが乏しくなってくる。どうにもならずに結局クライムダウンで戻る。結局右岸の側壁から高巻くことにする。急傾斜の灌木帯をトラバースしたが、やはり状態は良くない。


岩塔[image/jpeg:146kB]
源頭の岩塔岩壁群に注意

難しいはここまでで、あとは雪渓と快適なが交互に現れる。谷の先にそびえる一九六七峰周辺の岩稜はアルプス的で、日高随一の景観だ。の突き当たりで岩壁を無理矢理高巻くと、藪の薄い斜面となって稜線までわずかだ。なお、源頭域には岩峰・岩壁が点在しているので、これらにはまらないように注意が必要だ(私はちょっとはまりかけた)。


戸蔦別岳[image/jpeg:144kB]
雪渓は去年の同じ時期より多い

今回のも思っていたよりもずいぶん雪渓が多かったが、周辺を見てもやっぱり雪渓は多いようだ。帰ってから写真を確認したが、去年よりも1週間程度は遅れているような感じである。

一九六七峰北東面直登沢ポンチロロ川

ポン千呂露川源頭[image/jpeg:144kB]
この雪渓を滑落した

下りは北面を利用する。登山道から濃密なハイマツを漕いで源頭に出る。未だ急斜面にびっちりと雪渓が残っている。とりあえずロックハンマーで制動しながら下り始める。しかし、ロックハンマーでは制動力が足りず、足を滑らせてかなりの距離を滑落してしまう。傾斜が緩くなったところでスピードが落ちて、なんとか止めることが出来たが、途中に何かあったら危なかった。やっぱりこの時期はまだキックステップが踏める靴が必要だなぁ。また滑落しないように、傾斜が緩くなるまでは雪のない尾根筋を歩く。草付きも滑るけど。

1793 コルへ向かう付近には標識旗がいくつか打たれていた。雪渓上には点々とクマの糞があり、 Co1400 には真新しいクマの足跡が付いていた。そのすぐ下にはじめのがある。このを下り、小さな雪渓を通過すると、ゴーロの沢となる。 1116 二股までは滝がひとつあるだけで、ほとんど河原とゴーロだけの沢である。


Co1010 三段釜滝[image/jpeg:146kB]
下流には釜を持った滝も

ここからは滑や小滝、それに釜滝がぽつぽつと現れ始める。に飛び込んだ方が早そうな物もあるが、どうも思い切りが付かず、結局すべて巻いた。うーん。このルートはもっと真夏に来るルートだったなぁ。


焚き火[image/jpeg:146kB]
今年初めての焚き火

今日の予定はこのの途中で適当に天張るはずだったが、結局がんばって 924 二股まで降りてしまった。二股から 50m ほど更に下ると、崩落した造材道の橋の残骸があり、その先によい天場があった。魚はいるかも知れないが、今日は疲れたので釣りはまた今度・・・。今年初の焚き火をたいて明日に備えて寝る。

2007年07月08日(日)

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00快晴起床
05:45出発
07:30Co1360
09:15ルベシベ山
11:00Co1310
12:001085 二股
13:00天場撤収
15:30千呂露林道終点下山
1185 二股[image/jpeg:148kB]
初っぱなからブタ沢気味
ガレと雪渓[image/jpeg:144kB]
ガレ気味に沢に雪渓が登場

いつものように焚き火を起こして出発の準備。空はからっと晴れ渡っている。本流は出合滑滝の後は荒れ気味のゴーロが続く。 1085 二股は左に進む。渓相は更に小さくなり、ブタ沢の雰囲気である。藪に覆われた Co1150-1200 付近を通過していくと、やがてガレ気味のになる。

ルベシベ山南西面直登沢

Co1350[image/jpeg:147kB]
ルンゼ状の滑が続く

薄くなって今にも崩れそうな雪渓の先の Co1350 付近からルンゼ状の岩盤の沢となる。水量が少なく、あまり美しいものではないが、はいずれもツルツルスラブ系の物で、フリクションを利かせて登っていく。


一九六七峰[image/jpeg:145kB]
美しい一九六七峰

岩盤状は源頭まで続くが、問題になるところはない。水が涸れても藪の中に沢形は延々と続き、このまま稜線まで抜けるかと思われたが、 Co1600 を過ぎたあたりでハイマツの藪の中に消える。結局1ピッチ近い濃密な藪漕ぎの末に稜線に出た。

ルベシベ山南東面(下降)

ガレ[image/jpeg:147kB]
南東ポコ南の沢はガレだった

下りは南東のポコから南のを下る。稜線直下は濃密なハイマツの藪。その後も Co1550 付近までまともな沢筋は出てこない。ようやく沢筋に出ると、ガレの沢である。 Co1450 から本流までは雪渓で埋められていた。

千呂露川本流(下降)

本流[image/jpeg:147kB]
本流はどうしようもないブタ沢
オショロコマ[image/jpeg:147kB]
オショロコマの群れ

本流は藪の覆うブタ沢が続く。やがて水流が無くなり、伏流する。水が復活すると魚影が出始めた。 1085 二股で、枯れ枝に釣り針をつけて試釣する。2尾ほどオショロコマがつれる。小さいのでリリース。天場に戻り、テントを撤収する。

淡々と千呂露川本流を下る。林道は使わずに中を進む。途中のゴルジュは泳ぐつもりだったが、結局泳がずに通過してしまった。取水ダムでから上がり、靴を履き替えて1ピッチ歩くとゲートに到着した。

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