今日は軟弱パーティとバリバリパーティに分かれて、アンヌプリまで競争である。軟弱パーティは見返坂を下って、アンヌプリスキー場、ひらふスキー場を経由してピークを目指し、バリバリパーティは西壁を登ってピークを目指す。もちろん、私はバリバリパーティの方である。
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
08:30 | 五色温泉 | 出発 | |
10:40 | 吹雪 | ニセコアンヌプリ | |
12:10 | |||
12:40 | 雪 | Co779 | |
14:20 | 吹雪 | イワオヌプリ | |
14:45 | 五色温泉 | 下山 |
ニセコアンヌプリ西壁
五色温泉からニセコアンヌプリへの最短ルートはほぼまっすぐコンパスを切って、メガネ沢の左側の尾根を登っていく。除雪終点から上に登ると、道に沿ってトレースが付いている。我々はトレースをはずれ、コンパスを切ってアンヌプリを目指す。広い雪原をしばらく行くと、コンパスの方向に尾根が見えてくる。ホントはこの尾根は1本パスして、もう一つ奥の尾根に取り付かなければいけないのだが、視界が悪く本来のルートを見誤ってしまってそのままこの尾根に取り付いてしまった。この尾根はメガネの真ん中、つまり鼻の部分に当たる尾根で、登り切ると、南西稜の核心部分に出てしまい、余計なトラバースを強いられるのでピークを目指す場合は出来れば避けたいルートである。
しかし、気が付いた時には既に遅く、尾根の半分ほどを登ってしまっていた。標高も1000メートルが近くなると風雪が酷くなり、横殴りの風が視界を阻む。南西稜は細く、猛烈な風でその先はスキーでの登行は不可能になるので避け、直下のダケカンバ林をトラバースし、そのまま右目の上部をトラバースしていく。メガネ沢は雪崩の巣で、過去に死亡事故も起こっているので、通過には注意を要する。
真っ正面から猛烈な風を受け、ほとんど前方の様子が分からないまま突き進んでいく。Co1100を過ぎると、西壁は急斜面のシュカブラとなってスキーはほとんど使い物にならないので、左の尾根(本来のルート)を超えて更にトラバースを続け、北西稜を目指す。Co1200を越えたあたりで北西稜に突きあたり、北壁にはいるとホワイトアウトの中に十数人の人影が見えてきた。北壁は既にスキー場から登ってきた人たちでいっぱいだった。
ニセコアンヌプリ北壁
小屋にたどり着き、携帯で軟弱パーティに連絡をつけると、ようやくアンヌプリスキー場の下にたどり着いたところとのこと。どうやらまだ1時間ほどここで待たなくてはならないようだ。とりあえず、ツェルトを出して中に入り、お湯を沸かして昼飯(カップ麺)を食べることにする。ツェルトの外ではあとから入ってきた関西人数人がやかましく喋りまくり、鬱陶しい。なぜ関西人はどこでもかしこでもこうやかましいのだろうか。まあ、小屋の中でツェルトを出してベンチを占領していた我々もかなり鬱陶しかったと思うが・・・
そうこうして、待ちくたびれてもうしばらくしたら電話して先に行っちゃおうよなどと話していたところ、意外と早く軟弱パーティが到着した。軟弱パーティにもお湯を与え、記念撮影などして出発する。風雪は到着時より少しおさまった様である。北壁は上部50メートルほどはクラストして滑れないが、すぐによい積雪となる。先ほどあれだけの人が入り込んでいたが、広い斜面だけあって、余りトレースは気にならない。また、多くのトレースは北壁をまっすぐ下っているが、我々はCo1050付近から左にトラバースして、イワオヌプリへの最短ルートを目指す。ブッシュを避けて広い斜面を選んでいくと、こちらはほとんど先行者の跡はなく、最高の斜面を快適に滑り、ぴったりCo779に降り立った。
イワオヌプリ町界ルート
再びシールをつけ、今度はイワオのボウルを目指す。若いよしむら、村井は尾根の取り付きで別れ、先に五指温泉に戻っていった。900m台地を過ぎると積雪は益々深くなり、イワオの南斜面を大きく使って登っていく。積雪量は高度を増すほどに深くなり、しかもスキーで切った雪面は切れ落ちていく。いつ雪崩が起きてもおかしくない状態だ。スキーで雪面を切るのはまずいと思ったので、ツボにしてみるが、腰よりも深く埋まってしまい、全く身動きがとれない。あきらめて下ろうという意見もあったが、滑降によるダメージで雪崩を誘発する方が怖かった。おそらく、スキーを脱いで尾根を忠実にツボで下るのが一番の安全策だったろうが、それはちょっと・・・。
残り高度30mのところで最も危険な積雪状態となって立ち往生してしまったが、私が西側に回り込み、いつも登っているルート(大岩ルート)の方に回り込んでみると、積雪の状態は全く違い安定していたので、そちらに誘導してすぐに雪のない尾根に出た。イワオの南尾根はいつもボーダーが登っているルートであるが、今までニセコでここまで雪崩の危険を感じたことはなかった。ボーダーの人たちはいつもこんな悪い状態の所を登っているのだろうか?
イワオヌプリフリコ沢(ボウル)
ボウルの上で一応ショベルテストをしてみるが、こちらはさほど悪そうな積雪状態ではなかった。シールを外して全く視界のない谷に飛び込んでいくが、雪は深くて重い。粘りのある溶岩流の中を下る様な感じで必死に滑り降りる。と、滑り始めたかと思ったら、あっという間に南尾根の取り付きに出てしまった。なんとまぁ、苦労の割には意外と楽しみのない斜面であった。ここからは P894 の北東に突き上げる谷をつたって五色温泉へと向かった。
イワオフリコ沢は、ボーダーの様に何度も登り返して滑るのなら楽しめるかも知れないが、我々の様な山スキーヤーには余り向いていないかも知れない。また、 900 台地からの下りも考えると、五色フリコ沢につなぐことが出来る、南西斜面を下った方がずっと楽しいのではないだろうか。
メンバー
- とーの
- おやぶん
- ふ~ちゃん
ピーク合流メンバー
- 少佐
- よしむら
- 村井