十勝連峰~トムラウシ山~石狩連峰

ふ~ちゃん
目的
十勝連峰~トムラウシ山~石狩連峰縦走
日程
2003年10月04日(土) - 13日(月)
山域
大雪山系

来週末に現役が秋山行で石狩岳に登るので、私は富良野岳から1週間かけて愛別岳方面を往復し、石狩で合流する計画を立てた。かんが珍しく週末が空いているので、富良野岳だけを一緒に行くことにした。

行程

2003-10-04
苫小牧~上富良野~吹上温泉 C0
2003-10-05
C0~富良野岳~上ホロ避難小屋 C1
2003-10-06
C1~十勝岳美瑛富士避難小屋 C2
2003-10-07
C2~オプタテシケ山~ツリガネ山 C3
2003-10-08
C3~トムラウシ山~ヒサゴ沼避難小屋 C4
2003-10-09
C3 晴天停滞 C5
2003-10-10
C5~五色岳~沼ノ原~大雪・石狩最低コル C6
2003-10-11
C6~石狩岳音更山~ブヨキャンプ指定地 C7
2003-10-12
C7~ユニ石狩岳~ユニ石狩岳登山口 C8 岩間温泉
2003-10-13
C8 下山

登場人物

  • かんちゃん
  • トップガン・あらた
  • ミラクル・のぶあき
  • ボルダー・キョーイチ

装備

2003年10月04日(土) 苫小牧~吹上温泉

ザックに約1週間分の食料を詰め込み、駅へ向かう。既に足どりが重い。果たして、山中無事に歩き通せるだろうか。う~む。普通列車に乗り、白石駅でかんちゃんに拾ってもらう。三笠、富良野経由で吹上温泉を目指す。

国道12号線を進み、岩見の入口のコンビニで昼食を購入。あ、どうせ岩見沢に来たのだから、「こもろ」にしとけば良かった。まぁいいか。市街を通過中、あめの存在を思い出す。急いで行っても今日は現地で寝るだけなので、ちょっと顔を見ていこうということになった。

「のぶきせんせー、お友達が来てますよー」っと、呼ばれて降りて来たあめは突如現れた我々にきょとんとした顔。「明日用事あるの?」「いえ~。」「じゃぁ、一緒にいくべ。」「えー・・・。すぐですかぁ?」「いや、急がないよ。」「じゃぁ、行きますよ・・・。」と、あえなく拉致される羽目に・・・なると思われたが、いろいろと事を済ますうちに、彼の頭にはいろいろと行く前にやらなければならない面倒なことが思い出されたようである。結局2時間待ったが、今回は行かないことになってしまった。事前に連絡を取っておけば良かったのだが、かんと土日に山に行くことなどなかったので、他の人を誘うという事が頭になかった。

富良野の駅前で夕食をとることにしたが、相変わらずろくな飯屋が見つけられない。「定食」という文字が目に付いたので、あまり気乗りはしなかったが焼き肉屋に入ることにする。出てきた「焼き肉定食」は、ご飯とスープと漬け物と生のカルビであった。なるほど、焼き肉屋ではこれを定食というのか。うーむ。富良野では比較的食事を取ることが多いが、ほとんど当たりを引いたことがない。どなたか、富良野の駅前で安くて美味しいお店を知りませんか?

吹上温泉へ行き、テントを張るのも面倒なので車中泊とする。

2003年10月05日(日) 富良野岳上ホロカメットク山

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
07:00十勝岳温泉出発
08:00快晴D尾根分岐
09:05Co1610
10:05富良野岳
11:35三峰山
12:45上ホロカメットク山
13:10上ホロ避難小屋C1
14:30

テントから出ると、キツネがうろちょろしていたので、” 教育的指導 ”を与えるために、蹴飛ばしてやろうと手招きをしておびき寄せる。いや、蹴飛ばせないけどね。近くに来たので、ダッシュで追いかけると、足がもつれて思いっきりすっ転んでしまう。砂利が押し固められた駐車場の地面にスライディングをかまし、両手から流血の惨事である。ああ、もう、恥ずかしくて死んでしまいたい。

両手の平からじわりと血がしみ出し、とてもこのままでは山行を続行できそうもないので、治療用品をゲットすべく、上富良野のセブンイレブンまでいったん下がることにする。大判の絆創膏を購入し、両手に貼り付ける。

富良野岳[image/jpeg:101kB]
富良野岳

十勝岳温泉には、トイレがないような気がしていたので再び吹上温泉によって用を足してから十勝岳温泉へ向かうが、十勝岳温泉の駐車場にも立派なトイレがありました。私の勘違いでした。吹上温泉~十勝岳温泉間の道路付近がちょうど紅葉の見頃だ。十勝岳温泉ではアマチュアカメラマンらがシャッターチャンスを待ちかまえている。稜線は予想よりずっと白くなっている。例年より少し雪が早いのではないだろうか。


安政火口[image/jpeg:126kB]
安政火口
富良野岳[image/jpeg:112kB]
富良野岳

強烈に重いザックを背負い、富良野岳を目指す。安政火口付近までは観光客のオッサンオバハンも来ている。相変わらず格好の良い富良野岳が目前に迫る。Co1600を過ぎて直登になると、急に雪の量は増し、ハイマツに氷が付着している。ピークが近づくにつれて、少しずつ雲の量が増えてくる。分岐にザックをデポし、富良野岳にアタックする。下から同じペースで登ってきた若者4人組は分岐で帰っていった。ここまで来てピークに行かないのか。ちょっともったいないな。稜線上にはずっと雪がある。ピークではすっかり雲に覆われて周囲は見渡せない。

分岐に戻り、ザックを回収すると異常に重たく感じる。一気にペースが落ち、数歩ごとに休憩をとる。かんはこちらが止ると、一定の距離を保って一緒に止る。気を利かせているつもりなのかもしれないが、実はものすごーく嫌なプレッシャーだということに気が付いて欲しい。できれば前に立ってペースを作ってくれた方が楽なんだが・・・そんなことを言う気力さえも失せ始めていたりして。


下ホロカメットク山[image/jpeg:70kB]
下ホロカメットク山
十勝岳[image/jpeg:119kB]
十勝岳

三峰山で、数人のパーティとすれ違う。その中のオッサンが「十勝岳は格好が良くない」と言っていたが、十勝岳の良さがわからんようではまだまだ修行が足らんな。っというか、十勝連峰を一つ一つのピークを切り出して評価すること自体間違っている。十勝連峰は全ての峰が集まってこそ、またそのそれぞれの美しさが際だつのに。


富良野岳[image/jpeg:91kB]
富良野岳

もう少し快調に進めば、美瑛富士小屋まで進もうと思っていたが、とても日のあるうちに到達できそうにないので、今日は上ホロ小屋までとする。本当は糞っ寒い上ホロ小屋に一人で泊まるのは嫌なのだが、仕方あるまい。


上ホロ小屋[image/jpeg:56kB]
上ホロ小屋

かんは上ホロのピークで引き返しても良かったのだが、小屋までつきあってくれる。上ホロ避難小屋はやっぱり相変わらず糞っ寒い。明らかに外気温よりも寒い。真冬の雪洞よりも寒い感じがする。ココアを沸かして飲んでから、かんを見送る。上ホロのトラバースルートを使い帰っていった。それからしばらくして、雪が降り始める。下では雨だろうか。かんは大丈夫だったろうか。

1階はあまりにも寒すぎるので、今回は2階に泊まることにする。いつものように小屋内でテントを張る。下には布団を敷いて冷気が来ないようにする。少しずつ風が強まってくる。

2003年10月06日(月) 上ホロ小屋~美瑛富士小屋

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
06:15再起床
07:35出発
09:00十勝岳
12:45美瑛富士避難小屋C2

意外と快適な1泊だった。昨夜から風が強く、今朝も強い風が吹いているので、しばらく様子を見る。少し風がおさまってきたところで出発する。十勝岳まで時々強い風が吹くが、それほど寒さは感じない。しかし、やはりザックが重く、いつものように1ピッチではピークに着かなかった。それにしても、ここを歩く時はいつもこんな天気のような気がするなぁ。なんだか、そんなところも好きになってきたよ、十勝岳よ。

十勝岳[image/jpeg:87kB]
十勝岳

ピークでは雲は薄く、日の光が届き、気持ちがよい。雲がすごい勢いで走り、時折周囲の展望が開ける。天候回復の期待が広がる。点々と続く標識を確認しながら美瑛岳へ向かう。

十勝岳美瑛岳コル付近は、ポンピから吹き上げる風が強烈だ。風をよけようにも、岩も木も何もない火山灰地の吹きっさらしなので、よける場所がない。一息ついて、美瑛岳へと登り始めたその時、上空がピカリとフラッシュし、どどんと言う轟音がとどろく。おいおい、雷だよ。ああ、そういえば、天気予報で雷がどうとか言ってたなぁ(こらこら)。

さすがにこのまま雷雲の中にある稜線へ上がるわけには行かないけれど、この辺りに天張るのもちょっとなぁ・・・天張ったところで、雷が落ちる時はテントに落ちそうだしなぁ。仕方がないので美瑛岳の山腹をトラバースすることにする。ハイマツブッシュ帯に突入しないように、標高を下げすぎないように進む。所々にハイマツが現れるが、上部へ逃げる。風が少しずつ強くなり、正面から雪の粒が顔面にたたきつける。道のない岩場を延々とトラバースしているので、当然ながら現在地がわかりにくい。ようやく登山路のペンキを発見し、コルに降りて美瑛富士のハイマツ帯にはいると風がおさまる。


美瑛富士小屋[image/jpeg:95kB]
美瑛富士小屋

ハイマツ帯を歩いていると、ギンザンマシコが横切る。今日はオプタテシケを越えて、双子沼まで行く予定だったが、美瑛富士小屋で終了にする。氷点下0度の雪が付着し、ヤッケが濡れてしまう。雨具を来ておけば良かった。体が冷えきって何もする気が起こらないので、とりあえずシュラフに入り、体を温める。

どうでも良いことだが、ラジオでLIVの曲なんぞながさんでくれ頼むから。ただでさえ疲れてるのに、お塩の唄なんて聞かされたら耳腐るわ。スイッチオフっと。小屋周辺の雪を溶かして水を確保。それにしても、美瑛富士小屋には未だにトイレがないなのね。

2003年10月07日(火) 美瑛富士小屋~ツリガネ山

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:10起床
06:35出発
07:25石垣
08:25ベベツ岳
10:30オプタテシケ山
11:45双子沼野営指定地
13:10コスマヌプリ
15:35ツリガネ山C3

うーん。寒い。猛烈に寒いぞ。もしかして、上ホロ小屋より寒かったかも。やはり3シーズンではなく、冬用のシュラフを持ってくるべきだったかな。さて、今回の山行の重要なテーマは、「携帯トイレを使ってみよう」しかし、前半は小屋のトイレを利用するつもりだったので、美瑛富士小屋にトイレがないのはちょっと予定外だ。美瑛富士小屋にトイレがないと分かった時点で、ヒサゴ沼まで我慢するつもりだったが、悲しいかな良すぎるくらいに便通の良い私。どうにも我慢できそうにない。ここでしてしまうと、わずか2泊目でウンコを担いで、石狩まで行くのか。携帯トイレとしばしにらめっこ。しかし、生理現象には勝てません。あえなくウンコを担ぐ羽目に。


美瑛富士[image/jpeg:68kB]
美瑛富士
ベベツ岳ナキウサギ[image/jpeg:102kB]
ベベツ岳ナキウサギ

薄曇りのガスの中、出発。登山路には雪が着き、標識は分からなくなっている。石垣山登りの途中で早速道を外してしまう。石垣山はサックリと巻く予定だったが、方向が分からず上へ進んでいくと、ピークに立ってしまう。あれっ。ここまで予想以上に時間がかかる。今日は一気にヒサゴまで行くつもりだったが、南沼までも怪しくなってきた。石垣山は石垣山と言うだけあって、石垣の山だ。まぁ、良いんですけど、そんなことはどうでも。


ニペソツ山[image/jpeg:53kB]
ニペソツ山
トムラウシ山[image/jpeg:119kB]
トムラウシ山

ベベツ岳付近から徐々に晴れはじめ、オプタテがすそ野から見え始める。そして、遠方にはニペソツ山が見える。意気揚々と一気にピークをゲット・・・と行きたい所ですが、結構雪が深いですな。それでも、やはりこれだけ晴れてくると気は楽になる。ピークでは、ほぼ全体が見渡せる。トムラウシはまだまだ遙かに遠い。更に、細い稜線を通り双子沼への下りは猛烈な急斜面がひたすら続く。下りだからまだ良いが、これが登りならかなりうんざりだ。今後もトムラ→オプタテへの縦走は決してやるまいと心に誓う。


オプタテシケ山[image/jpeg:129kB]
オプタテシケ山

一気に標高が下がり、双子沼には雪はない。路面はぬかるみ、野営地はじめじめとして、快適に天張れそうな感じはしない。それでいて、充分な水が確保できそうな水場は見あたらない。おそらく、今日到達できるであろうキャンプ指定地はここだけであろうが、完全に無視して先に進む。


トムラウシ山[image/jpeg:143kB]
トムラウシ山

気温が上がり、のどが渇き始めるが、残りの水は乏しい。1人用テントなので、幕営は何処でもできるが、水を何とかしなくては。双子沼からコスマヌプリ周辺はまだ雪がほとんど無く、水場も見あたらない。進む先を見ても、三川台付近まで行かないと雪は着いていないようだ。日は少しずつ傾き、疲労も蓄積する。ツリガネ山西側ポコで、ガケの縁の木に氷が付着していたので、それを溶かして水にすることにして、天張る。

テントに入って夕暮れにあられが降り始める。ラジオでは北部を弱い気圧の谷が通過中と言っている。ここは谷の縁かな。雷が鳴らなきゃ良いけど。ところで、今朝は道内各地でこの秋最大の冷え込みを記録したそうな。寒いはずですね。

2003年10月08日(水) トムラウシ山

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00快晴起床
06:05出発
10:25南沼分岐ザックデポ
11:05トムラウシ山
11:35南沼分岐ザック回収
12:15北沼分岐
14:30ヒサゴ沼C4
オプタテシケ山[image/jpeg:75kB]
オプタテシケ山

今朝はスカッパ。雲一つない青空。三川台まで雪はほとんどない。三川台に上がると一面雪になる。雪は登山道の溝に吹きだまり、表面がクラスト状に固まったモナカ雪となっている。できるだけ雪の薄いところを選んで進むが、部分的に膝近くまで埋まる。道から外れれば、笹やハイマツのトラップとなる。三川台からは標高差が少ないので、一気に距離をかせげるかと思っていたが、そうはいかなかった。上空は快晴で日の光がキツく暑い。顔面がヒリヒリしてくる。雪焼けが始まったようだ。


十勝連峰の山々[image/jpeg:75kB]
十勝連峰の山々
表大雪の山々[image/jpeg:119kB]
表大雪の山々

南沼に出ると、日差しは強いが風が吹くとかなり冷たい。目の前をひらひらと飛んでいく黒っぽいチョウを目撃する。このクソ寒いのに、チョウって意外としぶといんですね。トムラに登るにはいろんなパターンが考えられるが、南沼分岐にザックをデポして軽装でアタックする。ここまで重たい思いをして担いできたP-canを食う。やはりピークではパインに限るな。周囲には大雪石狩十勝のパノラマが広がる。予想通り石狩方面は雪はほとんど着いていない。しかし、高根ヶ原・お鉢方面はかなり雪が着いており、予定通りの行動では現役が来るまでに石狩に到達できるかどうか分からない。

ザックを回収して、トラバースルートを通り北沼へ。雪がかなり深い。北沼からの下りの急斜面の石垣も雪が着き、非常に歩きにくい。岩から踏み外さないように1歩1歩確認しながら進む。天沼を過ぎると、道は木道となる。

ヒサゴ沼ヒサゴ沼

雪渓を下り、ヒサゴ沼へ出る。雪渓の下部で水の流れる音がするが、水をくむような気力がない。とりあえず小屋まで行き一息つく。荷物を置き、化雲岳方面の分岐付近から流れる小さな水場に水をくみに行く。靴はすっかりずぶ濡れになって、珍しいことに靴下は異臭を放っていた。

日程のことなどを考えた結果、明日は晴れでも停滞とすることを決定。

2003年10月09日(木) 晴天停滞

ヒサゴ小屋[image/jpeg:121kB]
ヒサゴ小屋

のんびりと起床。今日もスカ天。こんな日に小屋でうだうだ過ごすのは少々もったいない気もするが、それもまたヨシ。水は豊富にあるので、朝からラーメンを作る。充分な水を使えば、山のラーメンもそこそこうまい。ずぶ濡れの靴、靴下を小屋の外に出して乾かす。

午前中は小屋の掃除にいそしむ。まずは2階の掃き掃除をして、雑巾で乾拭きする。そして、縦横に張り巡らされた鬱陶しい紐を張り直す。名前も日付もないデポ袋が一つ。というか、忘れ物だろうか。中にはゴミも混じってるし。でも、ほぼ満タンのガスカードリッヂが2本・・・うーむ。デポする時は名前と期日を明記しましょうね。

自分の装備を2階に上げ、ドアを全開にして日光を入れる。1階の掃き掃除をし、棚を少々整理し、ゴミを一ヶ所にまとめる。このゴミはさすがに石狩岳まで持っていく気にはなれないので、来年の6月に強化山行に来るであろう道内ワンゲル部(たぶん北大か樽商)の若者に持っていってもらうよう、小屋ノートにメッセージを記す。(なんとまぁ)まぁ、うちの現役が回収するのが一番良いのだけど、奴らがここまで来るような計画を立てられるかどうか、少々疑問だからねぇ。っと、いうわけで、北大か樽商のワンゲルのみなさんよろしく(こらこらこら)。

棚から物を出した時に、片隅からアサヒヒョウモンと思われるチョウが出てくる。寒さのためか、今にも死にそうだったが、日の光の当たるところへ持っていったら元気良く羽ばたいていった。

掃除を終えて、水をくみに行く。昨日の水場はほとんど水が流れていない。どうやら、昨日の水はここ数日の雪が融けていたものなのね。仕方ないので雪渓まで歩く。午後は小屋ノートを見ながら飲んだくれて過ごす。天気予報によると、どうやら明日も晴天が続くらしい。

2003年10月10日(金) 五色岳~沼ノ原

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
06:15出発
08:10五色岳
10:10沼ノ原 大沼
12:20大雪・石狩最低コルC6
ヒサゴ沼よりニペソツ山[image/jpeg:60kB]
ヒサゴ沼よりニペソツ山
光る沼ノ原[image/jpeg:74kB]
光る沼ノ原

2日間お世話になった小屋に別れを告げる。名残惜しい。靴はすっかり乾き、食料もだいぶ減り、 P-can もなくなったので、ザックはだいぶ軽く感じる。もうすぐ冬が来るというのに、道の脇には小さな紫色の花-ミヤマリンドウかな-が咲いている。今回は、花など写す機会はないと思っていたので、望遠のレンズしか持ってこなかったため、近くの物はピントを合わせることができず、撮影できなかった。残念。


化雲平[image/jpeg:91kB]
化雲平

化雲岳付近のハイマツ帯付近は雪が吹きだまり、部分的に膝上まで埋まる。化雲岳には何の未練もこだわりもないので、全く躊躇せず、カットしてトラバースルートを行く。化雲トムラ分岐から化雲平分岐まではすっかり雪が被り、道を外してしまう。化雲平は木道が多い。ハイマツ帯にはいると、部分的に雪が吹きだまるが、黄金ヶ原ほどではない。


忠別岳[image/jpeg:81kB]
忠別岳
五色ヶ原[image/jpeg:118kB]
五色ヶ原

五色岳が近づくと、雪の上に人の足跡が出てきた。どうも、沼ノ原方面から来たが、雪の多さに諦めて引き返したようだ。五色ヶ原に入ると、雪はほとんどなくなり、だだっ広い平原に延々と木道が続いている。

五色の水場の近くで、初老のおじさん一人とすれ違い、情報交換をする。石狩岳方面から来て、今日はヒサゴに泊まり、天人峡に降りるらしい。部分的に膝上まで雪があることを伝える。五色の水場付近には巨大なヒグマの足跡があるらしい。

程なく水場に到着し、水を確保する。文句なしに美味しい。少し行くと、おじさんの言うとおり、大きなヒグマの足跡がはっきりと確認できる。鋭い爪の様子もはっきりと分かる。これにやられればひとたまりもないだろうな。


沼ノ原大沼よりトムラウシ山[image/jpeg:94kB]
沼ノ原大沼よりトムラウシ山

沼ノ原は静かで美しい風景が広がっている。大沼野営指定地は、湖畔に乾いた砂浜が広がっている。今日はここで幕営予定だったが、時間も早いし、長いと思われる明日の行程を少しでも減らしておきたい。ちょっぴり名残惜しいが、水場のコルを目指す。


石狩連峰[image/jpeg:130kB]
石狩連峰
ニペノ耳[image/jpeg:80kB]
ニペノ耳

沼ノ原を出ると、乾燥したササ原に、ジメジメした湿地の沼が続く。湿地帯と乾燥かがせめぎ合っている感じがして、なんかイイ。ヌプン分岐を過ぎると、悪名高いネマガリ廊下が待ち受けている予定だったが、ネマガリダケはきれいに刈られており、あっという間に通過する。ネマガリ廊下の険悪さはそのとがった切り口の株の濃密さから垣間見ることができる。正面に見えるニペノ耳はなんだかめんこい形をした山だなあ。

そろそろ最低コルだと思うんだが、なんだか登ってるなぁ~と思っていたら、「水」と書かれた看板が。水場は最低コルではなかったのね。っていうか、この半分ゴミと化したアクリルの看板は何とかならんもんかね、慶応義塾大学ワンダーフォーゲル部さんよ?今度こういう親切をする時は木で作ってくださいね。テントを張って、水をくみに降りる。5分ほど下ると、沢形になり、ちょろちょろと水が流れている。濁りのない水を確保するにはもう数分下る必要がありそうだ。

飛び交う鳥を見ながら、酒を飲んで過ごす。

2003年10月11日(土) 石狩岳音更山

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
05:55出発
09:30石狩岳
11:35音更山
12:30ブヨ野営指定地C7
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ニペソツ山

今山行最大の急勾配ということで、気合いを入れて起床・・・というより、少々気が重いな。出発・・・の前に今回2度目の携帯トイレ使用。うーむ。まぁ、いつか慣れるだろう。急勾配の道に、ササが覆い被さるが思っていたほどの激しさはない。拍子抜けするほどあっさりとニペノ耳を通過する。ネマガリ廊下も、この登りもこの程度なら、お鉢方面に行っても何とかなったかもしれないな。

主稜線は日の当たる東側と西側で気候がまるで違う。稜線の東側に出ると、日光が直接照りつけ、風もなく暑い。対して西側は冷たい北西風が吹き付け、日の当たらないところでは寒いくらいだ。


石狩岳[image/jpeg:124kB]
石狩岳
シュナイダーより石狩岳[image/jpeg:151kB]
シュナイダーより石狩岳

石狩岳の最高点で休んでいると、看板ピークの方に2名ほどが見える。こちらに気が付いたらしく、手を振ってきたのでふりかえす。看板の方へ移動し、その男女2人組(夫婦?)としばし話し込む。十勝方面から縦走してきたと話すと、女性の方が妙に驚いていた。ユニ石狩岳登山口に、車がなかったかと聞くと、なかったとのこと。もしかして現役はまだ来ていないのだろうか。温かいコーヒーをご馳走になる。


音更山[image/jpeg:148kB]
音更山

音更山石垣になっている。急な斜面を慎重に下り、ポコを一つ越えてブヨ到着。現役部隊はまだ到着していない。まだ時間があるので、装備を置いて先のポコに登り十石峠を見ると数人の人影が見えるが、こちらに来る様子はない。しばらく待つが、諦めて天場に戻る。

ブヨ付近は小鳥の渡りルートになっているのか、やけに鳥の数が多い。写真を構えてシャッターチャンスをねらう。が、私の機材と腕ではろくな写真は撮れない。ブヨ沢に下り、水をくむ。水は綺麗だが、上部が直接野営地となっているので、衛生的にはかなり不安だ。しかし、生で飲んでも何もなかったと言うことはきっと大丈夫なのでしょう。え?私の胃腸の方がおかしい?そうかも・・・

夕方に人がやってくるが、やはり現役ではなかった。若い男女の2人組だ。しかし、なにだ。大雪の山奥でいちゃついてんじゃねぇよ。と言いたい。

2003年10月12日(日) ユニ石狩岳

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:15起床
06:40出発
07:20十石峠
08:05ユニ石狩岳
10:55ユニ石狩岳登山口

結局昨夜も一人寂しく過ごした私はいつものように早く目が覚めるが、急いで帰ることもないので、のんびりと鳥を見ながら過ごす。私が出発しようかと思い始めた頃起き出したカップルは、巻きちりを持っての方へ降りていった。つれウンですか?って、水場周辺で用足すんじゃねぇよ。と言ってやりたかったが、気の弱い私には言えなかった。

石狩岳[image/jpeg:95kB]
石狩岳
音更山[image/jpeg:114kB]
音更山
ニペソツ山[image/jpeg:51kB]
ニペソツ山
石狩連峰[image/jpeg:82kB]
石狩連峰

私は今日はウンコを我慢して出発。ユニ石狩岳を登っている時には脂汗が出始めるが、何とか押さえつける。そんなわけで、ユニ石狩岳ピークでは景色を楽しむとかいうのはそこそこにさっさと下降。すると、便意のピークも過ぎて楽になってくる。

何人かの人とすれ違ってから、下から巨大なザックを背負った集団が見えてくる。現役の連中だ。一緒に休憩をとる。奴らのザックはたった1泊の秋山なのに、1週間前私が富良野岳から入った時よりも巨大化している。しかも、ゲストであるはずのかんにまで団装を持たせている。一体何を持ったらここまで巨大化するのか小一時間問いつめたい(ぉ)。天場ではキョーイチが“カバノアナタケ”なるモノを探しながら、留守番をしていると言うことなので、今日はヤツと過ごして、明日一緒に下山することにする。ウンコの事を話題にすると、トップガン・新は「僕は絶対しませんからー」と豪語する。本当だろうか。余った携帯トイレを、お守りがわりにミラクル・のぶあきに託す。

すぐに最終水場を通過し、道は単調な林道となる。林道歩きにうんざりした頃に、登山口に出る。かんの車の横に天張り留守番をしているボルダー・キョウーイチと合流する。

落ち着いた後、岩間温泉に入りに行くことにする。携帯トイレを回収ボックスに入れたいので、ウンコ片手にシュナイダー登山口まで行くが、回収ボックスには鍵がかかっていて入れることができなかった。結局、岩間温泉までウンコを持ったまま往復する。マイッタネ。

無線で上と交信する。明日は天候が崩れそうだと言うことを伝えておく。きちんと天気図をとって、的確な判断をしてくれると良いのだが。

てくてくと林道を歩き、丸太橋を渡り岩間温泉到着。予想を遙かに超えるすばらしい露天風呂。乳白色の泉質で、温度も絶妙だ。2時間ほど湯に浸かり、1週間分の汗を流す。何人かの人がやってくるが、みな丸太橋に苦労している。「観光客を寄せ付けない感じもいいですね。」とキョーイチ。うむ。たしかに。

天場に戻り、キョーイチにつき合ってカバノアナタケを探すが、そう簡単に見つかるわけがない。食用のキノコも探してみるが、少し時期が遅いせいか何も見つからない。採取できたのは、“オオワライタケ”と思われる毒キノコだけ(笑)。とりあえず今夜のおかずとなりそうな、クレソンをゲットする。キョーイチは絶対にフキがうまいといって、いかにも硬そうなフキを採取する。油で炒めたフキは、味と香りは決して悪くないが、筋があまりにも硬くて飲み込むことができない。予想通りの展開。キョーイチが持ってきた油を、漏れないように500ccのペットボトルに移すために、油を大量に使う。クレソンは塩と、熱した油をかけてサラダにする。油の量が多かったので少々油っぽかった。マヨネーズがなかったのが残念でならない。主食は森田の持ってきた乾燥野菜とα米。粉々になったほうれん草の煮浸しはかなりまずかった。α米はお湯で戻した後、更に油で炒める。まぁ、水っぽい五目ご飯よりは美味しいかもしれない。しかし、よくよく考えれば、結局ほとんど食べなかったフキの炒め物がなければはじめから油のふたを開ける必要もなかったような気がする。

寒くなってきたので、私はシュラフに入るが、キョーイチは外で時間を潰していたようだ。深夜2時頃、予想通り雨が降り出す。

2003年10月13日(月) アフター

雨が小降りになったところでテントから出る。外に置いて置いた「ウンコ袋」が何者かに破かれていた。キツネかな?幸い、外側の携帯袋が破かれただけで、大きな被害はなかった。これからはウンコ専用のスタッフバッグか何かを用意しなければならないだろうな。いざ、“カバノアナタケ”を探しに出発する。林道を歩きながらカバの木を確認していくが、やはり簡単には見つからない。ま、そんな簡単に見つかるものなら苦労しないだろう。

現役部隊が戻ってきそうな時間を見計らって天場に戻ると、再び雨模様。こんな天候なので、奴らは十勝三股コースから下山してくると踏んでいたが、予想時間を過ぎても降りてこない。もしかしてアタックしたのだろうか。そうなるとかなり遅くなりそうだ。

なにげに天場前の切り株を見ると、エノキタケと、ムキタケらしきキノコが成っていた。探している時には見つからないのに、探していない時にはあっさりと見つかるものだ。

断続的に雨が降り続けるので、テント内で待つことにする。帰りは夕方を過ぎることを覚悟し始めた頃、遠くの方から鈴の音が聞こえてきた。

やつらはなんと、この悪天の中、何も考えずに音更山にアタックして、シュナイダー尾根から降りてきたそうだ。さすがに石狩岳はカットしたようだけど。良いけどね、若いからさ。雨に打たれ、みな体もザックもずぶ濡れだ。のぶあきはかなり疲れた表情を浮かべている。ザックに座り込み、ぼけっとしている。

のぶあきに託した携帯トイレは、あらたが使っていた。あれだけ豪語していたのに、真っ先にトイレに行きたくなったそうだ。だっさださだ。

層雲峡で町営温泉に入り、チャーシューのうまい上川ラーメンの店が準備中だったので、予想通りまずい旭川ラーメンを食う。ラーメン屋ではうまいラーメンの話で盛り上がり、「飲んだ後の味よしののびたラーメンが一番うまい」という結論に至る。旭川から高速に乗って新札幌で一人降ろしてもらい、特急に乗って帰還する。

それにしても今回は予想よりも早い雪にすっかりやられてしまった。そんなわけで、結論は「十勝大雪の縦走は、6月にやるもんだ」ということだ。

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