- 目的
- 戸蔦別川左股~戸蔦別岳・エサオマン入ノ沢~エサオマントッタベツ岳遡行
- 日程
- 2004年07月13日(火) - 15日(木)
- 山域
- 北日高
行程
- 2004-07-13
- 戸蔦別川左股~戸蔦別岳~七ツ沼カール C1
- 2004-07-14
- C1~新冠川本流~エサオマン入ノ沢~北カール C2
- 2004-07-15
- C2~エサオマントッタベツ岳~エサオマントッタベツ川
2004年07月13日(火) 戸蔦別川本流~七ツ沼カール
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
06:00 | 起床 | ||
08:00 | カタルップ沢出合 | 出発 | |
08:40 | 八ノ沢出合 | ||
09:40 | 晴れ | Co897二股 | |
10:40 | Co1100 | ||
11:35 | Co1380二股 | ||
12:45 | 曇り | Co1740肩 | |
13:50 | 戸蔦別岳 | ||
14:35 | 七ツ沼カール | C1 |
戸蔦別林道~戸蔦別川
昨夜は日勝峠1合目のローソン前で車中泊し、そこで朝飯を購入してから戸蔦別林道へ向かう。林道はカタルップ沢に架かる橋の先でで崖崩れのため通行止めとなっており、既に4台の車が駐車されている。狭いスペースになんとか車を残置し、巨大な堰堤を見て林道を進むと、道はみるみる荒れてきて踏み跡状態となる。半分泥に埋もれかけた「徐行」の文字がむなしい。道は枝沢の出合毎に大きく崩壊しており、今後復旧する可能性は非常に小さいと思われる。
八ノ沢は本流とほぼ同じ水量で合流している。本流に入ってすぐに小さな函滝がある。水流を左岸から通過する。巻き道も左岸にある。しばらく単調な渓相がつづく。 Co800 の屈曲点で右岸に踏み跡が見えたので、なんとなく入り込むと、一気に Co820 付近まで行ってしまう。沢の状況は一切見えず、ここまですっ飛ばすと逆に何かあるのではないかと気になってしまうが、きっと何もないだろう。 Co870 二股で今回初の雪塊を見る。そこから Co897 二股までは岩盤が続く。
戸蔦別川左股
中央の沢(本流左股)に入ると、渓相は一気に小さくなり、ややごみごみしている。 Co1050 付近の四段の滝を問題なく過ぎていくつかの2~4の小滝滑滝を越えていくと、1つ目の滝記号にでる。コレが滝記号?というほどの物で、サクッと通過。左に曲がると、河原の奥に雪渓と2つ目の滝記号の大滝 F2 が見える。
雪渓の下を通過し、滝をいくつか過ぎると、スノーブリッヂの先に衝立のような大滝 F2 となる。瀑心直登はさすがに無理なので、水流左手を直登してみようとへばりつくが、今一歩が出ない。更に左の右岸側壁にルートを見いだし、直登する。多分、回りを見れば巻き道は付いてるのだろう(Co1280-1300)。
滝の上からは雪渓がつづいている。どうりで水が冷たいはずだ。二股は右にはいる。さらに二股を左に入り、水量の多い方へと向かっていくと、どこでカールを通ったのか分からぬまま肩へ出る。
急斜面の草付きと、思ったよりも濃い藪を漕いで1ピッチでピークに到着。思っていたよりも時間がかかってしまったし、雲が多く余りよい展望が得られない。既に幌尻に行く気は失せてしまった。そのまま七ツ沼へ降りる。
七ツ沼カール
今日は入ノ沢出合まで行こうと思っていたが、時間も良い時間だし、気になっていた、テントポール、水、それに薪の問題も解決しそうだし、へとへとなのでどんどんやる気が失せる。結局そのまま七ツ沼に泊まることにする。
枯れ木でテントポールを作り、ツェルトを建て、上部の雪渓から流れる水をくむ。焚き火をするためにカール中から枯れ木枯れ枝をかき集める。しかし、コレがなかなか火がつかない。新聞1部とメタ1個を投入するもうまく付かない。風がほぼ無風で、かつ、巻いており安定しないため、新聞に付けた火力が安定せずにすぐ消えてしまう。すぐに消えてしまう火種と悪戦苦闘していると、幌尻方面から人の声がする。こちらに降りてくるのかと思っていたら、そのまま通過して戸蔦別の方へ向かっていった。
ガスを使ってなんとか木に火をつけようと試みるがやっぱりダメ。最後のあがきと、メタをもう1本投入したところで、風が安定してきてようやく小枝に着火する。今日の教訓、焚き火はある程度の風がある時に火をつけないと無駄。
2004年07月14日(水) 七ツ沼沢~エサオマン入ノ沢
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:00 | 快晴 | 起床 | |
05:30 | 出発 | ||
06:40 | Co1190 | ||
07:40 | Co1000 | ||
08:40 | エサオマン入ノ沢出合 | ||
09:40 | Co970二股 | ||
10:40 | Co1200二股 | ||
11:55 | 曇り | Co1550 | |
12:25 | エサオマン北カール | C2 |
新冠川本流七ツ沼沢
空は快晴。だが、薄いすじ雲が出ている。天候は下り坂かもしれない。風が冷たいので大急ぎで火種を掘りおこし、焚き火に着火して体を暖める。新冠川への下りは赤テープなどもなく、どこから降りていいものかよく分からない。沼のほとりをつたって川に出る。 Co1540 二股で滝を見てからいくつか滝を通過するが、とくに問題なくクライムダウンしていく。二段釜をみて Co1210 二股を過ぎてからしばらく釜や滑が連続するが全く問題なく通過する。
Co1140 二股は両股が滝で、クライムダウンできない。左岸にいかにも良さそうな滑り台が釜に落ちている。若い頃なら有無を言わさず飛び込んだろうが、今はそんなガッツはない。飛び込んでも誰も見てくれないし(笑)。普通に左岸のルンゼから巻く。そこから長いゴルジュであるが、内部は大味で特に問題なく通過する。出口で大きな滝に出るが、どうやって越えたか忘れてしまった。その先は更に大規模な函地形となり、中には巨岩がつまってルート探しに難儀する。
Co990二股を過ぎると、渓相は河原状になるが、相変わらず石は大きく、しかも岩の表面が異常にぬめる。歩きにくい渓相にうんざりしつつ、新冠二股に達する。
エサオマン入ノ沢
二股の本流右岸には非常に快適そうな天場がある。大きな渓相の本流からエサオマン入ノ沢に入ると、すごく小さな沢に感じる。すぐにゴルジュ地形となり、出口に一つ滝があるが、もうまんたい。更に狭く陰湿な感じのゴルジュ地形が続くが、中は河原状で問題ない。そこを抜けるとしばらくは非常に歩きやすい河原が続く。Co920 で右岸に滝を見ると、五段ほどの釜が連続するが、腰までつかるものの、全て右岸をへつって通過できる。しばらく単調な沢を歩いて Co970 二股に至る。
右股に入ると程なく雪渓を見る。右岸をへつって通過すると滑、滑滝がいくつかある。再び雪渓をみて滑を過ぎると核心の滝となる。山谷では左岸の草付きと書いてあるが、つるりとした感じの岩盤に薄いブッシュが付いているだけで、巻きに使えそうではない。むしろ巻くとしたら右岸ではなかろうか。
いずれにしても今日の核心はここだけっぽいので、直登にトライしてみる。水流の右岸から取り付いて中間部で足を左岸に飛ばせば突破できそうだ。腰まで釜に使って右岸を進み、滝に取り付く。2歩ほど上がってみるが、左岸へ足をとばすための支えとなる左手が出ない。このルートはあきらめ、いったん下がり、右岸のクラックの中にジャミングで左手を入れて、微妙なスタンスをごまかしながら登る。上部はやや微妙(Co1070-1080樋滝)。
その後はこれといったものはなく、伏流となる。特に何も考えず、谷の深い方へ進んでいくと、カールには向かわない一つ左の沢に入ってしまう。この沢は岩盤となって主稜線に向かっているが、上部で藪に消えている。少し藪を漕いで本流に復帰する。チムニー状の岩盤(Co1550-1580)をひとつ越えるとカールに出た。
エサオマン北カール
カールはまだほとんど雪渓に埋められていた。カールから上がるルンゼをどれにしようかと迷っていると、稜線はみるみるガスに覆われてしまう。本当は今日中に下山しようともくろんでいたが、体力もかなりへたってきており、やる気が失せてしまう。ザックを置いて薪を集める。昨日は失敗してしまったので、念入りに準備をする。枝を切りそろえ、ナイフで切り込みを入れて燃えやすくしてから、メタに火をつけて枝をそろえてかぶせる。しばらく熱をこもらせてじっとまつ内部が少し赤くなってきたところで、太めの木をかぶせながら少しずつ風を送る。今日はなんとか一発着火。
2004年07月15日(木) エサオマントッタベツ川下降
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:00 | 快晴 | 起床 | |
05:10 | 出発 | ||
05:55 | エサオマントッタベツ岳 | ||
06:45 | Co1500 | ||
10:05 | カタルップ沢出合 | 下山 |
シュラフを使ってもそんなに暖かくない、というかむしろ寒いのはシュラフがよたってきたのか、おいらがよたってきたのか。昨日に引き続き、朝は快晴。焚き火の中から火種を掘りおこし、小枝をかぶせて着火。すぐに豪快に燃え上がる。体を温めながら飯。撤収して火を消し出発。直登ルンゼから4本目のあたりを登っていくが、上部はそれほど急でもなさそうだ。藪漕ぎが嫌なので、2本目のを登る。急な雪渓の縁を攀じって脆そうな岩盤に出る。下部から見ると、被ってそうに見えたが問題なし。更に急な草付きを慎重に攀じって灌木の中に踏み跡を見いだすとすぐに北ピークに出る。
ピークからは非常によい展望。楽古岳が非常にくっきりと見える。西は羊蹄まで北は旭トムラ、ニペも見える。下は雲海だ。コルからルンゼを下る。雪渓が嫌らしい。カールから日差しが強く、久々に汗が出てくる。
長大な滑は相変わらず豪快で気持ちよい。滑が終わると淡々と河原を渡渉していくだけだが、今回は巻き道を極力使わない。ポリシーとかなんとかよりも、なんとなく沢の感覚が鈍っているようなので、トレーニングもかねて。ところどころで、生ぬるい風を感じる。今日の気温はかなり高いようだ。今回はエサオマンの駐車帯ではないので、出合まで川の中を行く。
エサオマンの駐車帯近くのウォータースライダーの函で流される。その他にもいくつか函状が出てくるが、その後は水に浸かることもなく出合に出る。道では林野庁の人たちが草刈りをしていた。