糠真布川はかつて鉱山道路が上流まで並行していたために、下流域は忘れられた存在だったが、なにやら面白いゴルジュが在るらしい。鉱山道路が廃道への一途を辿っているので、今後は下流からの遡行が海別岳への正当なルートとなる・・・のか?
2017年07月09日(日)
下りは旧鉱山道路を使うので、その入口に車を置こうと海別林道から鉱山道路入口へ向かうと、十五線川で道路が崩壊していた。仕方ないので一旦引き返し、逆側からアプローチし、峰浜林道と海別林道の分岐に車を置く。
橋からすぐに入渓したが、後から調べたらどうやら林道は奥の砂防ダムまで続いていて一時間ほど稼げるらしい。 Co330 で最後の小さな砂防ダムを越えると滑床が出始める。
Co400 付近より函に巨岩の詰まったゴルジュが始まる。同じような函地形でも岩質が日高のようなツルテカではなく、火山地帯にありがちな凸凹した岩なので側面のへつりは容易だ。
函の突き当たりには釜を持った滝が右岸から落ちてくる。釜を泳いで滝の裏を潜って奥に取付くのが一般的らしいが、泳ぐ覚悟できていなかったので左岸の岩場をへつって通過する。特に難しいへつりではない。
再び簡単な滑滝が出てきて、 Co480 二股を右に入ると巨岩帯になり、その先には平坦な河原が広がってこれで終わりかなと思っていたら Co520 の屈曲部に大滝が出現する。
周囲は植生に乏しい岩壁が囲っていて、高巻くのは面倒くさそう。 若干微妙だが右岸の岩壁を慎重にトラバースする。
その先には易しいゴルジュが続き、奥には釜を持ったチョックストンの滝が落ちているが、これも難なく右岸壁をトラバースして通過した。難所は本当にこれで終わり Co580 二股を右に入るとダラダラと長い平坦な沢となる。
旧鉱山道路の交差地点で既に昼近く、このまま山頂まで行くと日没を越えそうなのでここでエスケープする事にした。
鉱山道路は藪に覆われていて、この手の消えた道を見つけるのに長けた者でなければ完走は難しいだろう。下部に行けばまだ道ははっきりしているが、完全に消滅するのも時間の問題だろう。
雑感
結局の所、糠真布川を下流から遡行して海別岳に日帰りで登頂するのは難しく、核心部以外のだらだらが余りにも長いので、遡行が目的ならゴルジュだけを見て引き返すのが早いし、登頂が目的なら未だに鉱山道路の方が早かろうという事で、糠真布川を遡行しての登頂というのはなかなか微妙なルートであった。