- 目的
- 石崎川左股川遡行(撤退)
- 日程
- 2016年07月07日(木)
- 山域
- 千軒山塊
石崎川は初版の北海道の山と谷には掲載されていたが、再刊版では記録が入手できなかったとのことで削除されてしまった。たしかに北海道の南の果てに位置し、アプローチする事も難しい上に、沢も長くて日帰りは難しく、ヒグマの巣窟である道南エリアで一泊せざるを得なくハードルは高い。その上、近年はアプローチに使う道道が通行止めとなってますます遠い沢となっていた。
2016年07月07日(木)
石崎川にアプローチする道道は「通行止め」となっている。この通行止めとは、法律的には歩行者の通行すら認めないと言うことになっているらしい。
ゲートの脇に車を駐めて出発する。昨日の雨もあって川の水量は多く、やや濁っている。舗装された道はやがて砂利道に変わる。大千軒岳登山口への分岐と分かれ左へ。
道は部分的に少し決壊しているが、林道としては綺麗な方。全然問題なく走れそうだ。
左股川沿いの林道に入って休憩していると、ふと四つ葉のクローバーが目に入る。はたしてこのクローバーはどんな幸運をもたらしてくれるのか。
Co185 の支流から沢に降りる。すぐに砂防ダムがあって左岸から通過する。
すると、すぐに林道が沈下橋となって横断していた。どうやら支流に降りずにあのまま林道を歩いていれば入渓できたようだ。更にもう一つ砂防ダムを通過する。
すぐに函状になってくるので、ライフジャケットを着込んでへつっていく。沢が左に屈曲する所の淵の奥に小さな滝が落ちてくる。これがいわゆる黄金ノ滝か。普通の水量でも行けるかどうか分からないが、この水量ではとても中は行けない。左岸脇から簡単に通過できる。
少し行くと、黄褐色の壁に囲まれた淵が出てくる。落差はないが、こちらの方が黄金っぽい気はする。
一段目を右岸からへつって通過すると、その奥はメロンソーダ状の淵になっている。普通の水量なら中をへつっていけるのかも知れないけど、ちょっと難しそう。左岸からなら小さく巻いて行けそうだが、水量が多くて水の中は流されそうだ。
ジャンプすれば岩場に飛び移れるかなと、思い切って飛んでみたが、これはまずかった。浅い所も思った以上に流速が早く、何とか岩にへばりついたが這い上がれず、ついには流されてしまった。
ライフジャケットを着けているため顔は出ているが、下の釜の渦に巻き込まれ脱出できない。三度ほどくるくると流された後、何とか右岸の岩にへばりついて這い上がった。・・・久々に死ぬかと思った。しばし呆然とする。
気を取り直し、まだ始まったばかりなので先に進めるかどうか周囲を見渡す。とりあえず右岸から大きく高巻いてみる。尾根に上がってみると、先は特に難しそうな物はなさそう。ただ、沢に降りるにはラッペルが必要で、撤退となった場合は大変そうだ。
そもそも、今日は遡行するような水量ではなかった。いつもなら水が濁っている時点で行かないのだが、アプローチが遠いし、「山谷」の取材だからと突っ込んでしまったのが失敗だった。あきらめが良いのが信条。アプローチを確認できただけでも収穫。と言うわけで今日の所は引き返すことにした。
沈下橋から林道に上がる。やはりメインの林道に繋がっていた。帰りの林道歩きも長い。再訪するにはこの林道歩きが最大のネックだ。
さて、あの四つ葉のクローバーのもたらしたものは一体…