- 目的
- 札内岳~十勝幌尻岳縦走
- 日程
- 2016年02月05日(金) - 06日(土)
- 山域
- 北日高
積雪期の札内岳と言えば、かつてはピリカペタヌ沿いのルートが取られていたが、これは雪崩の危険が高いと言うことで、北東尾根が主流となった。所がこちらは、悪名高い藪尾根で、苦労しなかった記録を見たことがない。最近はガケノ沢左岸尾根が流行っているらしいけど、こちらもかなりの藪尾根で、利用は残雪期に限られるだろう。厳冬期のルートとして、以前から目を付けていた九ノ沢左岸尾根の探索に行ってきた。結果としてはまあ、微妙と言えば微妙だが使えなくもないという…
行程
2016年02月05日(金)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
05:00 | 芽室公園 | 起床 | |
07:50 | ☀ | 日高小屋 | 出発 |
09:00 | ピリカペタヌ沢林道分岐 | ||
12:40 | 九ノ沢出合 | ||
17:05 | P1586 付近 | C1 |
前日は、芽室市街の芽室公園という所で車中泊。芽室界隈にはあまり良い車中泊ポイントはないと思っていたが、まあ何とか使えそう。ただ、意外と利用者が多く、夜間は隣のトラックのエンジンがうるさかった。エンジン切れよっ。
山から遠いのが玉に瑕。日高小屋についてパッキングしてたらすっかり日が高くなってしまった。というか、事前情報ではびれい橋の辺りまで除雪が入っているという話だったが、普通に日高小屋で終点だった。やっぱ、正月前後までなのね、そうですか、はい。
というわけで、普通に長い林道歩きがあるので、結構なハードワークになりそう。ゲートまではモービル痕があったが、そこで引き返している。除雪終点には「スノーモービル乗り入れ自粛」(自粛?)という謎看板があったので、何かのメンテか。その先も本線はスキーのトレースが続いている。去年も調査の人が入っていたので、そう言うのだろう。
ピリカペタヌ沢林道に入るとさすがにトレースはなくなったが、雪は浅いのでさほど苦にならず。最終砂防ダムまでは一度は除雪が入った跡があった。
最終砂防を過ぎると、倒木が去年と同じような状態で放置されていた。五ノ沢出合に出る前に林道を離れて雪原を進み、右岸へ渡る。
ここから先はしばらく右岸を進む。時々岩場や小川が出てくるが、水量が少ないので問題なし。
六ノ沢手前と六ノ沢を過ぎ、七ノ沢の前後で二度ほど渡渉したが、何とか渡れた。さすがに本流は盛大に水が流れているので、雪が少ないと苦労するだろう。いや、今年のこの雪の量で大丈夫なんだから大丈夫だわ。
いよいよ九ノ沢左岸尾根への取付き。何となく九ノ沢の左岸川から取付いたが、これは大失敗。急斜面のザク雪でブッシュも多く、取付きまで木登り。しかも、取付いた所で、尾根は細すぎてスキーでは進めない。いったん本流の右岸側をトラバースし、本流への側稜との間の斜面を登る。こちらも急斜面だが、何とか登れる。
尾根に出ると、やはり日高の藪尾根だが、100mも高度を上げると割のとぼりやすくなる。去年の神威岳北東尾根に比べれば遙かに楽ではないだろうか。ただ、雪質が、雪と言うよりも粉砕氷の様なシャリシャリの雪で、全く結合力が無くてシールが効きにくいのが如何ともしがたい。
途中、エゾマツの密林状の所もあるが、東側の雪堤に出れば問題なし。うん、取付き方さえ誤らなければ、良い尾根だ。使える。
んが、しかし、スタートが遅かったツケで、尾根の途中で日没が迫る。途中に快適に泊まれそうな所は無く、何とか吊り尾根まで出たい。高度計と時計と交互に見ながら、何とか行けるかと思ったが、あえなく尾根途中で日没。ようやく吊り尾根に出た頃には薄暗くなってしまった。しかも、尾根頭はぼさぼさの細尾根。何とかスキーで行こうとしたが無理だった。いったんシートラにするが、当然バリズボですよね、はい。
100mほどの細尾根区間を過ぎて、ようやく平たい天場に到着。そのまま天張ってしまおうかと思ったが、風が強いのでやっぱり積んだ方が良さそう。二段ほど掘って設営。テントに入る頃はすっかり真っ暗け。うーん。ギリセーフ(セーフか?)
2016年02月06日(土)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
05:00 | 起床 | ||
06:30 | 曇 | 出発 | |
08:30 | 札内岳 | ||
09:20 | BC | 回収 | |
09:30 | |||
11:40 | P1710 | ||
14:15 | 十勝幌尻岳 | ||
17:00 | オピリネップ林道分岐 | ||
18:15 | 日高小屋 | 下山 |
スノーフライを忘れた、というか重たいから持ってこなかったので、シュラフ2枚でもクッソ寒くてよく眠れなかった。やっぱこの時期はまだスノーフライ必要だわ。
一応札内岳は見えているが、なんかイマイチの天気。テントを残置してアタック装備で出かける。
ずっと広い尾根が続くので、スキーでスイスイ。雪庇は小さいが、北側に張り出す逆雪庇エリア。札内カールへの大斜面はいかにも楽しそうな魅惑的な斜面だ。
Co1800 から南東の肩までの急斜面はスキーでは登れなさそうなので、デポしてツボにする。ふくらはぎ程度のズボで、特に問題なし。頂上はガスで視界がなくなってしまったので、タッチして即リターン。
デポ地からのスキーはシールをはずか一瞬迷うが、先が長いので自重する。コルまでは北側をトラバースして一瞬のスキーだったので、外さずに正解だった。カール底まで降りて登り返すという選択肢はあるが、もうそんなに若くない。滑りたきゃ羊蹄でも登ってりゃ良いんです。
天場に戻り、荷物を回収。 P1602 前はやっぱりシートラで通過。ここからコルまでもやはり北側をトラバース気味で滑り降りる。
コルから P1710 までの登りはブッシュも割とうるさく、北側の雪堤沿いに登る。この尾根を縦走するのは3度目だけど、いずれもゴールデンウィーク。もっと楽勝のイメージだったが、こんなにも印象が違う物か。やっぱ日高はスキー尾根ではなく、ワカン尾根ですね。
P1710 からは広い尾根が続く。1箇所だけ岩があったが、左から通過する。
カチポロが近づくと、青空が広がってきたが、振り向くと山脈は霞の中。うーん残念。
北尾根は雪庇尾根。しばらくはスキーを脱いでツボで下る。少し広くなったかなと思って、スキーを履いて尾根上を歩いていたらやらかした。足下でミシッと音がして、ズドンと落ちた。とっさに西側に倒れ込む。
その後は西側斜面をトラバース気味に行くが、こちらはガリガリの藪樹林。ウザい。
1570ポコあたりでようやく広くなる。ここから北尾根上を進むか、北東の尾根に下るか迷うが、降りた方が早そうなので降りることにする。が、これもあまり良い選択ではなかったようだ。
雪質が良ければ900mの大滑降という所だろうが、いかんせん雪質が…。下に行くほどガリガリになる雪に苦戦し、尾根を左右に広く斜滑降で末端に到着した。
夏道登山口までは夏道の丸太橋を2本、綱渡り状態で渡って冷や汗を掻く。登山口からは林道をスイスイーっと滑ったのははじめの500mくらいだけ。後はダラダラと歩いて、日高小屋に着く頃にはすっかり真っ暗けだったのでした。