戸蔦別川~北戸蔦別岳~額平川~幌尻岳~新冠川~カムイ岳

ふ~ちゃん
目的
戸蔦別川右股~北戸蔦別岳・額平川本流~幌尻岳遡行
日程
2006年09月02日(土) - 05日(火)
山域
北日高

戸蔦別川から額平川新冠川と3つの河川を使って北日高を周遊した。いずれも難しい所はないが、幌尻北カール幌尻東カールはさすがに爽やかで素晴らしいルートだった。

行程

2006-09-02
ポロシリ自然公園 C0
2006-09-03
カタルップ沢出合戸蔦別川右股北戸蔦別岳額平川六ノ沢額平川/六ノ出合 C1
2006-09-04
C1~額平川本流幌尻北カール幌尻岳幌尻東カール沢新冠川本流~新冠二股 C2
2006-09-05
C2~エサオマン入ノ沢カムイ岳南面直登沢カムイ岳カタルップ沢左股~カタルップ沢出合 下山

装備

2006年09月03日(日) 戸蔦別川右股額平川六ノ沢

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00起床
06:05カタルップ沢出合出発
06:40戸蔦別川八ノ沢出合靴替え
08:50Co1190
10:55北戸蔦別岳
12:55額平川六ノ沢出合C1

戸蔦別林道~戸蔦別川本流

昨日は、ポロシリ自然公園オートキャンプ場で車中泊をした。ここはトイレはもちろん、シャワー室や洗濯機まで備えられている。利用料はそこそこするが、夜中に行って早朝出発する私には関係ない(ぉぃ。トイレも綺麗だし、車中泊するには戸蔦別ヒュッテよりもずっと便利な拠点だ。朝飯のカップやきそばを食べて出発、戸蔦別林道へ向かう。6号砂防堰堤には数台の車が止まっているが、簡易ゲートは開いている。なんとなく、誰かが勝手に開けただけのような気もするが、そのまま突っ込んでいく。案の定、崩壊位置の整備はされて居らず、落石の脇をすれすれで慎重に通過する。さらに、路肩の草はぼうぼうに茂っており、先の状態もろくに見えない。カタルップ沢出合まで行って、車を停めると例によってラジオのアンテナが折れていた。

八ノ沢出合[image/jpeg:169kB]
八ノ沢出合から入渓

帰る時に林道が塞がっていないか、一抹の不安を抱きつつ車を残置して出発する。いつものように林道跡を進み、戸蔦別川/八ノ出合入渓する。9月になり、このところ雨量も少ないため、水量は少ない。踏み跡を使いつつ戸蔦別川を遡る。春先に異常繁殖していた妖怪ヌルヌルが心配だったが、妖怪の量は減っていた。先日の大雨による増水で妖怪が洗い流されていればいいなと思っていたが、思惑通りだった。もっとも、妖怪が減った理由が大雨のおかげか、渇水のおかげか、秋になると自然に減る物なのかは分からないが。


Co900ゴルジュ[image/jpeg:185kB]
Co900 ゴルジュが出てくる
Co930二段[image/jpeg:189kB]
Co930 二段の滝

戸蔦別川/十ノ出合を過ぎて、 Co900 付近から見覚えのないゴルジュが始まるが、以前の記録を見ると、ちゃんと遡行図には記号が記されている。まぁ、この程度のゴルジュは2年も経てば記憶から抹消されるだろう。幅広のと二段の釜滝を通過して、更に滑滝を1個通過すると、三股となる。

戸蔦別川右股

三股天場[image/jpeg:169kB]
立派な天場
Co1020-1030二段[image/jpeg:189kB]
Co1020-1030二段

三股には非常に綺麗に整備された幕営跡があった。そういえば、最近ここに泊まった人の報告があったな。右股に入り、滑滝を通過すると、二段のとなる。見た目は難しくなさそうなので、下段を直登し、上段に取り付いてみるが、水量が多くて弱点を進めないので、左岸の壁をトラバースして高巻く(Co1020-1030二段)。


Co1100滑滝[image/jpeg:166kB]
Co1100 滑滝
Co1130-1150[image/jpeg:174kB]
Co1130-1150 右岸巻く
Co1440-1460[image/jpeg:159kB]
Co1440-1460 ルンゼを直登

時々現れる滑滝を通過していくと、 Co1120 二股で、この最大のとなる。このもまた登れそうに見えるが、水量が多く、出だしがちょっと嫌らしそうなので、普通に右岸高巻く(Co1130-1150)。その後もいくつかの滝が現れるが、特に問題なく中を通過していく。 Co1300 から頻繁に枝沢が合流するが、Cカールへはまっすぐ水量の多い沢を選んでいけばいいので問題はない。 Co1440 二股はルンゼ状の細い滝となっており、おそらく右岸に巻き道があるだろうが、チムニー登りなどを交えて快適に直登する(Co1440-1460)。


Co1500[image/jpeg:193kB]
Co1500 左に進めばCカール
Co1530-1550[image/jpeg:193kB]
Co1530-1550 北戸蔦別岳へ向かう
Co1650付近[image/jpeg:148kB]
Co1650 源頭部

今日の予定はCカール泊である。 Co1500 を左に向かえばCカールだが、まだ午前中で幕営するには早すぎる。このまま北戸蔦別岳直登し、今日中に額平川に降りることにする。あわよくば、北カールまで進めたい。右に入ってすぐに左岸から落ちてくるハングして直登出来ないので、正面のルンゼを詰めていくが、以外とホールドが乏しく微妙だった(Co1530-1550)。源頭の雰囲気となって程なく水は伏流する。しばらく渇いた沢を進み、 Co1700 付近で水が復活して源頭の泉となっていた。お花畑を詰めていくと、沢形はやがてハイマツの海の中に消えている。左にトラバースすると広いお花畑となっており、そこを更にトラバースして主稜線に出た。

額平川六ノ沢

幌尻岳[image/jpeg:98kB]
幌尻岳を望む

曇り空だが、周囲はよく見えている。しかし、戸蔦別岳一九六七峰の狭間にあって、北戸蔦別岳ピークは余り展望の良い場所ではない。カムエク戸蔦別岳の陰だったりする。幌尻北カールだけがよく見える。


Co1700源頭[image/jpeg:148kB]
Co1700 源頭
Co1470-1490[image/jpeg:198kB]
Co1470-1490 ルンゼ状を下る

西の肩の天場まで登山道を歩き、そこから額平川/六ノに下る。少しハイマツを漕いでトラバースして沢形に出る。沢は渇いて水は流れていない。 Co1700 付近で沢形はハイマツの藪に覆われており、下から登ってきた場合はこの沢形を確認するのは難しいかも知れない。しばらく渇いた沢を下り、 Co1600 付近で水流が現れる。水量の少ないがいくつか出てくるが、特に問題はない。


Co1370-1400[image/jpeg:176kB]
Co1370-1400 クライムダウン
Co1300-1350函状[image/jpeg:166kB]
Co1300-1350 函状

Co1370 二股に大きなが有るが、慎重にクライムダウンする(Co1370-1400)。そのの下の右岸の壁から水が湧き出しており、そこかららしい水量となる。 Co1300 まで状でいくつかチョックストンなど下れない滝が架かっているが、いずれも右岸を小さく巻くことが出来る。いくつか滑滝を下っていくとゴーロとなって、 Co1055 二股に到着した。


額平川Co1055二股[image/jpeg:158kB]
額平川の河原で泊まる

幌尻北カールまで行こうと思っていたが、立派な天場になりそうな河原が誘惑する。薪も豊富だ。カールに行けば、焚き火はおろか、ポールを探すのも難儀するだろうな。さいきんは、やたらと走ってる山行ばかりだったので、たまにはのんびり過ごすのも悪くないかな。少し早いがここで天張ることに決めた。の水は蒼く澄んで美しいが、魚はいそうもない。ラジオは AM も FM もよく入る。時間は充分にあるので、久しぶりに天気図などとってみる。明日からは少し天気は下り坂らしい。

2006年09月04日(月) 幌尻北カール幌尻東カール沢

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:30起床
05:40出発
07:20幌尻北カール
08:55幌尻岳
12:00新冠川本流 Co1040 二股
13:05新冠二股C2

幌尻北カール

Co1120-1140大滝[image/jpeg:118kB]
Co1120-1140 左岸を巻く
Co1140[image/jpeg:156kB]
Co1140
Co1160-1180大滝[image/jpeg:147kB]
Co1160-1180 左岸を巻いた方が良い

額平川本流は、水は美しいが、地形図の記号までは底にはデブリの転がる退屈な沢だ。このハングして直登出来ない。左岸に明瞭な巻き道があるのでそれを利用する(Co1120-1140)。続く滝をこえると、次の滝記号までもゴーロとなる。これは左岸を小さく巻いて、側壁をトラバースして落ち口に出ると、樋状の二段目が続いていて直登出来ないので、側壁を攀じってトラバースする。始めから左岸尾大きく巻いた方が手っ取り早そうだ(Co1160-1180)。


Co1200二股[image/jpeg:154kB]
Co1200 二股

Co1200 二股は三方がゴルジュ状であるが難しい物はない。右股に入り、北カールへ向かう。は側壁をへつったり直登して適当に通過するが、おそらく巻き道もどこかに付いているのだろう。簡単な滑滝と急傾斜のゴーロを進み、あとは Co1300 付近にちょっとした連瀑がある以外は荒れたゴーロのとなって北カールに飛び出す。


幌尻北カール入口[image/jpeg:127kB]
幌尻北カール入口
幌尻北カールの石畳[image/jpeg:152kB]
幌尻北カールの石畳

カールは広い草原の美しいところだ。お花畑を踏まないように渓流を進む。上部にはまるで人工的に石を敷き詰めたような石畳がある。カールには整備された天場はないので、天張るとするとお花畑の上になるが、出来れば避けたい。倒木なども一切見あたらないし、昨日は二股に泊まって正解だった。幌尻ピークには残念ながら厚い雲がかかっている。ふと上に目をやると、稜線上には列をなす登山客の姿がある。


幌尻北カール石垣[image/jpeg:110kB]
幌尻北カール石垣

カールから直接ピークを目指す。本当はピークに直接出るつもりだったが、ガスが濃いためにピークに突き上げる筋がどれなのかよく分からないので、適当に石垣を選んで登っていく。 Co2000 付近で稜線に出た。稜線上は南から強い風が吹き上げている。先行するオッサンはクワの柄のような物を杖代わりにして、路肩の植物を押しつぶしながら歩いている。衣類もどう見ても登山をするような格好じゃない。幌尻にはこういう人が一杯来るのだろうか。しかも、私が追いついたのに気が付いても、道をあけてくれない。何だかな。ピークに着くと、ツアーのおばちゃんが寒い寒いと叫びながら下山していった。ガイドさん、ツエルトぐらい出してやればいいのに。ピークは相当賑わっていると思っていたが、濃いガスに覆われて風が強いためか、ピークに残っているのは1人だけだった。

幌尻東カール沢

幌尻東カール石垣[image/jpeg:122kB]
幌尻東カール石垣
幌尻東カール源頭[image/jpeg:115kB]
幌尻東カール源頭

風が強く、天気の回復は望めそうにないので、早々に切り上げて東カールへ向かう。稜線をやや北東に向かって、ハイマツが切れたあたりからカールに下る。ひたすら石垣を下っていくと、カール底の沼地に出た。この付近は泥沼になっており、カールとしては美しくない。沼地から少し下がると、周囲から水が湧き出して渓流となってお花畑が広がっている。天張るとすればこの辺が適当だろうが、もちろん整地はされていない。渓流はいったん石垣の中に伏流して、再び渓流となる。


Co1550庭園[image/jpeg:145kB]
Co1550 美しい日本庭園
幌尻東カール沢出合[image/jpeg:163kB]
出合の滝

日高随一の長大なカールに流れる渓流は日本庭園のような独特の雰囲気を持っている。カール状地形は Co1450 付近まで続き、そこから傾斜は徐々に増すが、ひたすらゴーロである。雰囲気は薄暗いブタ沢の様相となってさすがにうんざりしてくる。出合の少し手前で狭い状の左岸から高巻く。に戻ると、巨岩がつまって降りられないので、再び右岸から巻き直す。出合のはもちろん下れないので、いや、勇気があれば飛び込んでください。私にはもうそんな若さはありません。左岸を巻いていったん右股に出てから、右股の滝を左岸から高巻く。

Co1100 付近の左岸ルンゼを詰めて大きく高巻く。前に来た時はこんなに大きな巻きをしたかな。に戻ると巨岩帯となって処理に時間がかかる。 Co1040 二股の手前は巨大な岩がハングして降りられないので、右岸を高巻く。いくつかのを過ぎて新冠二股に到着した。焚き火の跡をひっかくと、まだ暖かみがある。今朝まで誰か居たようだ。


新冠二股[image/jpeg:156kB]
焚き火で過ごす

薪を集め、火をつける。釣りをしていると、対岸にミンクが現れる。水に飛び込みすいすいと泳いでいる。唖然として見つめていると、あたりが来る。25cmほどのイワナをいつものように塩焼きにする。あのミンクもイワナをねらっているのだろうか。今日は風が強く、しかも風向きが安定しない。どこに座っても煙に追い立てられる。額平川と違い、ラジオは入りにくい。明日は更に天気が悪いらしい。

2006年09月05日(火) カムイ岳南面直登沢カタルップ沢左股

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:30起床
05:45出発
06:35エサオマン入ノ沢 Co970 二股
09:35カムイ岳頂稜部
10:55カタルップ沢左股 Co1150 二股
12:45カタルップ沢出合下山

カムイ岳南面直登沢

Co870ゴルジュ[image/jpeg:134kB]
Co870 ゴルジュ

予報通り空には厚い雲が広がり、夜が明けても薄暗い。歩き始めてすぐのゴルジュを歩いていると、先の方でドドドンというものすごい音がして、大きな岩が落ちてくるのが見えた。落石かと思って近づいてみると、岩の下に立派な角を持ったシカが横たわっていた。の側壁を駆け上がろうとして、岩もろとも落ちてきたようだ。助けてやりたかったが、暴れられてこちらが怪我をしてもかなわないので、断腸の思いでその場をあとにする。って言うか、単純にびびっていただけなんだが。


Co920-930ゴルジュ[image/jpeg:77kB]
Co920-930 暗いゴルジュ

広い河原を歩き、連ゴルジュを通過する。 Co950 屈曲点付近は幕営が可能だ。すぐに Co960 二股だが、ここは荒れた感じで幕営には適さない。カムイ岳南面直登沢に入ると、はじめは岩盤状だが、やがてデブリの転がる汚いになる。沢底には時々魚影が走る。魚影は Co1040 二股まで確認する。この二股の先から沢にはブッシュが覆い、酷いブタ沢となる。この沢は2年前に下降しているけど、こんなに鬱陶しい沢だったろうか。もうちょっと明るく開けたイメージだったが。 Co1230 から岩盤状になって滑滝小滝が延々と続く。印象に残る物はなく、淡々と小さな岩盤の沢を詰めていく。 Co1460 二股はどちらに行ってもピーク直下だが、左は以前下っており、ガレ沢であることは分かっている。となって合流している右股へ進む。出合直登すると、急傾斜の岩盤が Co1600 付近までつづく。


ハイマツの海[image/jpeg:182kB]
ハイマツの海

水が涸れ、藪のトンネルとなる。沢形は藪の中で消滅し、ハイマツの海に突入する。20分ほどハイマツを泳ぐと山頂のやや東側に出た。は右の方が快適だが、最後の藪漕ぎのことを考えると左の方が良さそうだ。

カタルップ沢左股

既に雨が降り出しており、展望はない。今さらカムイ岳の三角点にこだわる必然性はないので、そのまま下降するに向かう。稜線上を東へ向かい、カタルップ沢左股から下降する。東の肩から潅木ブッシュの斜面を下る。なかなか明瞭な沢形が見つからない。100メートルほど下ってようやく沢形らしきところに出る。雨の中水量の少ないルンゼ状の沢を下る。大きなは出てこないが、逆層外傾の岩盤が多く、いやらしい。


Co1030-1060[image/jpeg:163kB]
Co1030-1060
Co960-970[image/jpeg:164kB]
Co960-970 ラッペルで下る

Co1350 からはゴーロとなって、出合クライムダウンして本流に合流する。出合付近はガレのたまっただが、すぐに岩盤の沢になって、細い樋状となって右股と合流する。 Co970 のは、地形図に右岸直登のマークがしてあったので、右岸をクライムダウンしていくが、途中でどうしても下れなくなる。2年前は本当にここを登ったのだろうか。登り返してよく見ると、左岸に残置シュリンゲがかかっている。今回の山行はラッペルはない予定だったのだが、仕方なくザイルを出す。30メートルのザイルではギリギリの長さだ。


Co860[image/jpeg:164kB]
Co860 滑滝が続く

Co900 で岩盤となると、数え切れないくらいの滑滝が出てくる。前回も滑が多いなという印象だったが、ここまで多かっただろうか。何しろツルツルスラブの岩盤なので、登りより下る方がずっと厳しく感じるようだ。前回はたいしたことないなという印象のだったが、下ってみると割と面倒な沢だ。まぁ、前回より妖怪ヌルヌルが多いというのもその要因だろうが。

いい加減写真を撮るのも遡行図をとるのも嫌になりつつ、見覚えのあるとなってようやく林道に出た。

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