冬合宿 武華山~武利岳

ふ~ちゃん
目的
冬合宿 武華山~武利岳縦走
日程
2003年01月07日(火) - 11日(土)
山域
大雪

行程

2003-01-07
鷲別駅~上川駅~層雲峡~石北峠 C0
2003-01-08
C0~イトムカ川林道~Co1330コル C1
2003-01-09
C1~武華山~武利武華コル Co1450 C2
2003-01-10
C2~武利岳~BC C3
2003-01-11
C3~ニセイチャロマップ林道~大 下山

メンバー

C.L
ふ~ちゃん
S.L
うっち
M
かなざわ
E
あらた

装備

地形

2003年01月07日(火)

タイムレコード
時刻場所行動
13:16苫小牧
14:41岩見
15:28
17:11旭川
18:15
19:35上川
20:00
20:30層雲峡
21:40石北峠C0

今回は久々にJRでの移動である。車を利用しようと思えば出来ないこともなかったが、冬場に何日も車を放置するのは少々はばかられたし、たまには公共の交通機関を利用するのも良いだろう。

JR

苫小牧駅でmont-bell clubで買い出しをしているはずの現役達と落ち合う。奴らは連絡通路でザックの横に座りロッテリアのハンバーガーで昼食をとっていた。わざわざザックをホームの外まで持ち出したのか。しかも、一人ずつ代わりばんこにザックの見張りまでしていたそうだ。JRでの移動などほとんどない奴らだから、荷物の扱いに少々とまどっているようだ。確かに、物騒な世の中だからザックの放置は昔ほど安心できないかもしれない・・・なんだかやな世の中だ。

なにやら現役の装備を見ると、うっちのザックが違う。出発直前に今まで使っていたザックの肩ひもが切れたため、急遽違うのに入れ替えてきたというのだ。しかし、そのザックは新人強化でかなざわの使っていた穴だらけの物で、ほとんど崩壊寸前である。このザックで山行に望むのは非常に不安である。

岩見で乗り換えの時間があるので、現役も引き連れて例によって「こもろ」る。とりあえず久しぶりなので、オーソドックスにゲソ丼を行っておく。ちなみにこもろは駅前の再開発ですっかり綺麗になり、椅子までおいてある。2003年現在のげそ丼の価格は330円也。

層雲峡~石北峠

さらに旭川で乗り換え、上川でバスに乗り継いでようやく層雲峡に到着する。そこで予約してあるはずのジャンボタクシーが待っているはずだが、その姿はない。

しばらくすると、普通のタクシーがやってきて運転手のおっちゃんが「ジャンボタクシー予約したのオメーらかぁ?」と。「そうです。」すると、「朝の6時からエンジンかけて待ってたけどこねーからかえしちまったべや」と来たもんだ。どうやら、電話をしたあらたの不手際で朝の8時と勘違いされてしまったようだ。「夜の8時なら20時って言うべよ。」いや、まったく、おっしゃるとおり。ほんとに、タクシーの予約すらまともに出来ないのかとあきれ果てる。

すったもんだがあったが、1万円で中型を2台出してくれるというので、お願いする。っというか、当初の話ではジャンタク1台で7000円くらいだって言う話だったのに、どいうことやねんともかく、本来なら1万5千円はかかりそうなところをおおまけにまけてもらい石北峠に到達する。ダンプの音が真横を通り過ぎていく峠の頂上でテントを張り眠りにつく。

2003年01月08日(水)

タイムレコード
時刻天候場所行動
06:15快晴起床
08:00出発
08:20イトムカ林道入口
09:05Co980
10:20Co1020
11:25Co1130
12:15Co1200
13:45Co1240
15:05Co1300
15:45Co1330C1

出発

快晴。さくっと飯を食い、テントを立てて出発・・・と行きたいところだが、案の定出発まで2時間を要す。経験の少ないこいつらのことだから予想の範囲内であるが、少しでもテキパキやろうという緊迫感がないのがムカつく。出発しようとみなザックを背負うと、うっちのザックの肩ひもがブチっと音を立てて切れる。出発前から、崩壊の危険があることは明らかだったのに、あえてそれ持ってきて、案の定壊してしまったそのていたらくに正直ぶち切れそうになる。それでも、それでも担いでいくというので、そのまま行くことにする。しかし、肩ひもの切れたザックは担ぎにくく、その後の行動に支障が出ることは目に見えている。

進まぬラッセル

イトムカ林道[image/jpeg:123kB]
イトムカ林道

スキーを担ぎ、林道の入口を目指す。雲ひとつない空の向こうに目指す武華山が見える。 20cm 強のラッセル。雪質はやや重く、思ったほどペースがあがらない。かなざわは朝からウンチが出なくて苦しんでいる。うっちはまだまだスキーの扱いに難がある。田中は相変わらず温度調整に手間取り、歩いては止まって、脱いだり着たりで鬱陶しい。それにしてもちんたらちんたら歩きやがる。気合い入れてサクサク歩こうという気持ちすら感じられない。今回の山行ではラッセルや読図をやるつもりがなかったのだが、こんなペースでは日が暮れてしまう。イライラしながらついつい先頭に立ってしまう。

ブッシュ漕ぎ

Co1170 二股から、尾根にとりつく。予定ではもうちょっと先に行ってからとりつく予定だが、サブリーの判断に任せて行く。しかし、取り付きから急傾斜でブッシュが濃い。私と、札幌出身のかなざわはそこそこのペースで進むが、うっちとあらたはさっぱり登ってこない。うっちはスキー自体使い慣れていない上に、体重が重く、沈む雪に手間取っているようだ。あらたは新しいカービングタイプのスキーのエッジングに苦労しているようだ。私とかなざわは歩いては、ほとんど休憩して後続を待つという状態になる。1ピッチで200m程度しか進まないローペースとなる。とてもじゃないが、予定天場に到達することは無理だ。

15時を過ぎた頃、狭いながらも何とか天張れそうなコルに到着する。これ以上進んでも天張れそうな地形は見あたらないので、予定の半分しか来ていないが仕方なくここで天張ることとする。天場を作っている間、うっちは外で天気図をとる。初日からフル行動でのC1。しかも予定天場まで到達しない。明日は停滞食行動だ。

2003年01月09日(木)

タイムレコード
時刻天候場所行動
06:00起床
07:30出発
08:30Co1380
09:30Co1450
11:35Co1530
12:30Co1640
13:30武華山
15:55Co1450C2

昨日ほどの快晴とはいかないが、何とか好天を維持している。昨日は予定の半分しか来られなかったので、今朝は停滞食である。しかし、なんだか停滞食にしては異常に量の多いマカロニが登場する。

ひたすらブッシュ漕ぎ

スタートから相変わらずの密集した針葉樹のブッシュ漕ぎとなる。出来る限り交代しながら進もうとするが、かなざわ以外はすぐにペースを落とし、ついてこれない。私とかなざわは30分歩いて1時間待つというような困った進行状況となる。あらたは、「シールがすぐはずれる」とか文句ばかり言っている。冬基礎山行も予備山行もなくいきなりの本山行で、ほとんど使ったことない道具を使って、試運転や練習してくることもなく、道具が悪いって、そりゃないんじゃないの?ちゃんと道具の特性を知って、使い慣れればきちんと性能を発揮してくれるはずだ。とか、今さら説教をこいたところで、ペースがあがるはずもないので、とりあえずこの場は貼り付けシールの私のスキーと交換して使わせる。しかし、スキーを交換したところであらたのペースがあがることもなく、時間はどんどん消費されていく。

武華山

武華山へ[image/jpeg:34kB]
武華山へ

P1574 あたりから、ようやくブッシュが薄くなり、傾斜も緩く、普通のペースで進むことが出来るようになる。おそらく、昨日は尾根に取り付かず、そのまま沿いの登山道通りに登った方が圧倒的に早かったであろう。ただし、雪崩がちょっと心配ではある。ここで、読図の確認をしようと、現在位置を聞いていると、かなざわがなんだか見当違いの発言を繰り返す。しょうがないのできちんと教えてやろうと、近づいて地形図を見ると、磁北線を引いていない。教える気も失せるわこの $スカタン!$

武華山山頂[image/jpeg:73kB]
武華山山頂
武利岳[image/jpeg:101kB]
武利岳

風もなく、見通しが良いので、前武華にすべての荷物を残置し、武華山をピストンする。大変気持ちがいいが、昨日の快晴時にここまでこられなかったことが悔やまれる。荷を回収し、皆がスキーのシールを外し、滑降の準備をしているとき、滑降する方向の斜面を確認していると、後ろからなにやら騒ぎ声がしてくる。あらたがイトムカ方向へスキーをながしてしまったらしい。幸いにも、途中のギャップにひっかかって止まって回収できたが、 $スキー流してんじゃねぇよ田中この アホタレ! $

連日のフル行動

で、肝心のスキーは雪質が悪く、滑りにくい。もうちょっと楽しめると思ったが、ここ数日の好天があだになっているようだ。Co1500あたりからトラバースし、本日もほぼフル行動でC2。うっちは今日も外で天気図をとっている。

天張ってから、風が強まってくる。明日は少々荒れ気味になりそうだ。今日はフル行動なのに、停滞食なので、ひもじい生活になると思われたが、ポップコーンやら、サラミソーセージなど出てきて、結構満腹になる。冬合宿など、もう少しひもじくても良いと思うのだが、まぁ、それはそれとしてよしとしよう。

2003年01月10日(金) 3日目~ここはほんとに武利岳

タイムレコード
時刻天候場所行動
06:00起床
07:45出発
08:45Co1550シーデポ
10:40Co1709手前のコル
11:50Co1800
12:25武利岳
13:05Co1709コル
14:10シーデポ地点
15:10B.CC3

案の定あまりいい天気ではないが、まぁ、そんなことも言ってられまい。アタック装備なので、サクッと出発・・・と行きたいところだが、なんで1時間45分もかかるんだ。ザックアイゼンピッケル、防寒着、食料のみを詰め込み、デポを打ちながらまずはコルを目指す。

武利岳へ向かう[image/jpeg:41kB]
武利岳へ向かう
武利岳直下[image/jpeg:60kB]
武利岳直下

Co1600 で森林限界となり、クラストする。ここでシーデポし、アイゼンピッケルに切り替える。稜線は所々細いが、ザイルを必要とするほどではない。 P1709 を過ぎてもペースがあがらず、ピークに行くタイムリミットが迫る。かなざわに「ピーク直前まで行って引き返すのと、フルタイムになってもピークまで行くのとどっちがいい?」と聞くと、「ピークまで行く」と言うので、フルタイム覚悟でピークを目指すことにする。


疑惑の武利岳[image/jpeg:38kB]
疑惑の武利岳
ナイフリッジに立つ[image/jpeg:28kB]
ナイフリッジに立つ

最後の登りで、あらたがなぜかバテてしまい、急激にペースが落ちる。仕方ないので直下のCo1800あたりであらたのザックはおろさせて、空身でピークを目指す。ピーク付近は吹雪気味で、視界が悪い。地形図上では本ピークは登り切ったところからまだ先にあるように思うが、時間も既にリミットを過ぎ、視界も悪いので、そこをピークということにして引き返すことにする。

スキーを回収し、スキーで滑降する。やはり雪の状態はあまり良くない。天場に着いたのはやはり15時を過ぎていたが、BCなので、今日はテント内で天気図をとる。

2003年01月11日(土) 4日目~歩けども歩けども

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
07:00出発
07:50Co1160二股
16:30下山

計画ではもう一度前武華に登り返し、来たルートを引き返す予定だったのだが、正直かったるいし、天気も余りよくなさそうだし、なによりうっちのスキーが不安だ。まあいいや、めんどくさいからニセイチャロマップそのまま下っちゃえ、そうしちゃえ。

へっぴり腰[image/jpeg:68kB]
へっぴり腰

天場からの下りは適度な緩傾斜で快適に下っていく。 Co1160 の二股からは林道に沿って下っていく。林道の雪は思った以上に重く、予想以上にペースがあがらない。時速1.8kmといったペースで、地形図を見て計算すると、日暮れまでに大に到達するかどうかかなり微妙だ。


ラッセル[image/jpeg:107kB]
ラッセル

かなざわは長いスキーということもあるのか、なかなか快調にラッセルをつとめてくれるが、うっち、あらたは全くちんたらとしか進まない。予定を変更して、登り返すのをやめたわけだが、何しろこちら側はトレースがない。深く積もった雪が中途半端にしまり、乗っては沈む最もやっかいな雪質になっている。これなら多少面倒でも登り返して、トレースのあるあちら側の林道を下った方が圧倒的に早かったかもしれない。まぁいいや、他での練習量が少ないから、現役には良い経験になるだろう。

てな感じで、気が遠くなるようなラッセルを繰り返し、私もいい加減バテ始め、倒れそうになりながら何とか日のあるうちに大に到着。

案の定、携帯電話は通じない。みるみる暗くなる中、みんなで右手を挙げてヒッチハイクに挑戦てなもんや。しかし、現役の方は「そんなの止まる分けないじゃないですか」と言わんばかりの低いテンション。だめ元でやってみようとか言う気概がまるで感じられない。そうこうしていると、あらたが、電話ボックスの公衆電話が通じるようだから、タクシーを呼ぼうと言い出す。正直オレはまた糞ッ高いタクシー代を払うのはごめんだから乗り気ではなかったが、まぁ、そこまで意固地になってヒッチにこだわる理由もないからタクシーを呼ぶことにする。タクシー会社に電話をすると、今一台しかないので、とりあえず一台でピストンするとのこと。

と、しばらくすると、一台の乗用車が大の入口に入り込んでくる。とほぼ同時にタクシーが一台止まる。その乗用車は、寒そうにヒッチをしている我々を見て、わざわざ引き返してきてくれたのだ。ヒッチで車など止まるわけがないと思っていた現役達は驚いた様子であった。

その夜は、層雲峡の観光案内で、3500円+税で泊まれる宿を紹介してもらい、そこに泊まることにする。とにかく、皆、腹が減って死にそうなので、上川ラーメンの店に行き、ラーメンで夕食にする。もちろん、その前にビールで乾杯する。もちろん、ここまで水分を絶っていたので、一気に体にしみこむ。ここのラーメンは、チャーシューがなかなかうまい。

気持ちよくなったところで、風呂へ。とにかく、芯まで冷え切った体を温泉に入って解かす。気絶してしまいそうなほど、気持ちがいい。風呂を上がって、もう一度ラーメン屋へ行き、軽く飲む。飲むといっても、ビールしかないが。そして、もう一度風呂へ。現役の連中は、風呂上がりになぜかアイスを食っていたが、私は更に缶ビールを飲む。

Usertime : 0.09 / Systemtime : 0.11