シャクナゲ岳~チセヌプリ

ふ~ちゃん
目的
シャクナゲ岳~チセヌプリ縦走
日程
2003年12月28日(日) - 31日(水)
山域
ニセコ連峰

行程

2003-12-28
ニセコ五色温泉 C0
2003-12-29
C0~岩内スキー場(中止)~チセヌプリスキー場~チセ・シャクナゲコル C1
2003-12-30
C1~シャクナゲ岳チセヌプリ~湯本温泉雪秩父 下山

メンバー

C.L
ふ~ちゃん
S.L
あらた
E
むらい
M
かん
S.L
おやぶん
E
とーの
M
あめ

装備

  • Gore-TEXアルパインドーム(4~5)
  • エスパース(4~5)
  • オプティマス(タンク分離式)×2

2003年12月28日(日) 苫小牧~五色温泉

今回は久々に巨大パーティとなった。いつものあめ、とーのに加え、おやぶん、それに色々あって冬合宿が中止になった現役のあらた、むらい、久しぶりに長い休みの取れたかんが参加することになった。

おやぶんが夕方にフェリーで来るので、あめを拾ってから苫小牧東港へ迎えに行くことになっていた。17時半ごろに、あめを迎えに行くと、なんとまだ帰ってきていなかった。この日はちょっとした手違いで、うちの電話が繋がらなくなっていた(実は姉が来て、自分のパソコンでメールチェックをするのに、電話線を外してそのままになっていたのだが)ため、帰りが遅くなるとの連絡を取れなかったようだ。親御さんの伝言通り、とりあえずおやぶんを迎えに行く。

港に着くと、ちょうどフェリーから降りてきた車の列で、帰りの車線はすごい混雑になっていた。駐車場に着くと、おやぶんは既に正面玄関で待っていた。荷物を積み込み、来た道を引き返す。あめはまだ帰っていなかった。バスを降りるであろう、市役所前停留所の横で待つことにする。おやぶんの携帯で電話すると、ちょうど高速を降りたところだという。20分ほど待つ。

ようやくバスが到着し、一旦あめを家に送り、荷物を詰めなおす。あめは今回の山行のためにプラブーザックを購入したらしい。というか、そのために秀岳荘に寄っていたために帰宅が遅くなったようだ。皆、晩飯を食っていなかったので、話題の(?)吉牛で腹を満たす。19時近くとなってようやくニセコへ向けて出発となる。

道中あらた、むらいの現役組、かん、とーのの札幌組と連絡を取ると、札幌組は五色温泉に泊まることが判明。いろいろと話の流れで、結局全員五色に泊まることになる。到着は遅くなるので、とーのさんにお願いして手続きしておいて貰う。ニセコのセイコーマートでビールなどを買い温泉へ向かう。ニセコは予想以上に雪が少なく、いつもの雪壁などは全く見られず、斜面には笹が生い茂ったままだ。明日の山行が思いやられる。チセスキー場付近ではあまりの雪の少なさに、見覚えのない建物・・・つまり、いつもは雪の壁で見ることが出来ない建物・・・があって、一瞬、チセスキー場に到着したことに気づかずに通過するところだった。

温泉に到着し、軽く湯に浸かる。明日は早いのでビールを飲んで早々に床につく。

2003年12月29日(月) チセヌプリスキー場~チセ・シャクナゲコル

タイムレコード
時刻天候場所行動
06:00五色温泉起床
07:00出発
08:30岩内スキー場到着
09:00中止
11:00チセヌプリスキー場リフト搭乗
11:30リフト終点出発
13:00チセ・シャクナゲコルC1

ふ~ちゃん、かん、むらいの3台で出発。下山時の回収用にむらいの車を雪秩父に残置し、岩内スキー場へ向かう。倶知安を通過するあたりで、ナニやら窓にぽつりぽつりと嫌なものが落ちてくる。見て見ぬ振りをして進むが、スキー場に近づくにつれて雨足が強まる。スキー場はあちらこちらにブッシュが露出し、本当にリフトが稼働するのか非常に怪しい。とりあえずヒュッテで今後のことを打ち合わせするが、雨はどんどん本降りになり、とても行動は出来そうにない。やむを得ず中止を決定して、一旦ニセコ駅に向かうことにする。

車中で五色温泉に電話を入れると、上の方は雪になっているらしい。チセスキー場あたりから取り付いてみることにする。倶知安のサンクスでOB会用の酒を買い込み、雪秩父に向かう。協議の結果、チセスキー場のリフトを利用して上に上がり、シャクナゲ白樺方面へ行けるところまで行って、明日は予定通りに行動することにする。雪秩父の駐車場に車を3台並べ、リフト乗り場へ向かう。それぞれリフト券を購入し、ペアリフトに一人ずつ乗り込む。吹雪模様の中、コルへ向けて出発する。

とりあえず、チセヌプリの麓にそってチセ・シャクナゲコルを目指す。あらたに指示を出して先頭を行かせる。っんが、しかし、いきなり変な方向へ歩き出す。リーダーがあっちへ行けと言ったら、ひたすらそっちへ歩き続ける困った癖があるようだ。もう少し周りの状況をみて行動して貰いたいもんだ。

P832を降りて、初めの壁を上がるが、あらたはなぜか雪の壁のある方へつっこんで行きはまっている。明らかに経験不足である。あっちだこっちだと指示しも良いが、こういうところは経験を積むより他ないだろう。かんは苦労するあらたとむらいを横目に、小さな急な沢形直登していく。私もちんたら後ろを歩くのもかったるいので、そちらのルートをとる。

台地に上がり、早いが休憩にする。はらがぺこぺこで動きがにぶい。よく考えたら、既に昼近くになっているのだ。腹ごしらえをし、樹林帯を抜ける。ふと上を見ると、ダケカンバのはるか上方にデポ旗がかかっている。おそらく例年ならばほとんど足下に埋まっているであろうダケカンバが露出したままなのだ。みな、いや~雪ないねぇ~など口々に言う。コルが近づき、コンパスの方向がへ下っていたので、あらたに降りすぎないようにトラバースしていくように指示を出す。すると、なぜかだんだんコルの方向からずれ、すこしずつチセに登っていく。どうも悪い癖が出たようだ。

あらたは、リーダーが指示を出すと、ひたすらそのことに執着して、がむしゃらに向かっていく傾向がある。ラッセルをしている時に何も考えていないのだろうか?考える余裕がないのだろうか?もう少し俺の指示の深いところを読みって、なぜそうしなくてはいけないのかとか、考えて行動してほしいのだが。というか、まぁ、俺ももう少しほおっておいても良いのだが、ついせっかちになっていろいろ言い過ぎるので、気が焦ってしまうのかもしれない。

コルに上がり、シャクナゲを目指そうとしたそのとき、上方でぴかりと光り、轟音がとどろく。雷だ。そう言えば、寒冷前線が通過すると言っていた。あわてて長沼方向へ降りることを決定する。みなにとにかく急いで低いところへ降りるように指示を出し、駆け足で下り始める。

おやぶん、とーの、あめがすこし遅れたので、先行していたわたし、あらた、かん、むらいで、すこし下がった所のダケケンバの木陰でしゃがみ、写真など撮っていると、目の前がぴかりと光ったので、カメラのフラッシュかと思ったら、一瞬おいて、大地が張り裂けんばかりの爆音が響き渡る。あまりの衝撃に腰を抜かしそうになるが、まだ来ていないおやぶんらの安否が気がかりだ。あわてて声を上げて名前を呼ぶ。幸い3人とも無事にやってきた。なにやら、あめがザックのてっぺんに突き出ていたスコップの柄を外していたので遅くなったらしい。って、こら、そんな暇有ったらとっとと避難する方が先決だろうがよぉ。まったく。とーのさんとあめは、本当に近かったようで、目の前が真っ赤になったと言っていた。っていうか、直撃しなかったのが奇跡的です。ホント。

チセ・シャクナゲコルテント内
チセ・シャクナゲコルテント内

Co830の樹林帯付近まで降り、背の高いダケカンバの密集する林の中に天張ることにする。もっとも、既に前線は過ぎ、雷は収まったようである。ブロックを積み上げ、テントを張る。雷のせいで時間が余ってしまったので、埋没訓練と、ビーコンの練習をする。雪を1m掘って、あらたを埋める。が、今回は雪の量は少ないものの、非常に 抜群 の雪質で、ものすごく軽い。結構雪をかぶせるが、結構あっさりと脱出してしまう。ちょっとつまらん。続いてビーコンの練習。おやぶんのビーコンを外し、俺と2人で足跡を作り、隠す。一斉に捜索を開始させる。あめはさくさくと歩いてゆき、すぐに見つける。あらたはどうも動きがにぶい。

オヤジチームのGoreドームに集まり、夕食まで酒など飲んで時間を潰す。さすがに4天に7人はちょっときついが、たまにはこういうのもちょっと楽しい。夕食は定番のカレー。

2003年12月30日(火)

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00起床
07:10出発
08:30シャクナゲ岳
09:00コル
12:00チセヌプリ
13:30ニセコ湯本温泉雪秩父下山

夜明け前に起床。周囲は吹雪模様。すこし雪が降ったようなので、現役にテントの周りを除雪するように指示。しばらく様子を見ながらうだうだとする。すこしずつ風が弱くなってきたようなので、6時半出発ということにして準備する。めしを食って外に出ると、除雪してあるのはブロックのない広いところだけで、ブロック側の雪はそのままになっている。除雪しやすいところだけ除雪してもなんの意味もないんですけど?こいつらは除雪をする意味すら分かってないのか?もっともテントが埋没するほどの積雪量でもなく、テントを回収。現役の行動がとろく、出発はなぜか7時を過ぎる。起床してから3時間もあったのに、いったい何をやってるのか?なに?まだ夜明け前で周囲は暗かったし、吹雪もようだたので出発を渋っていた?アホなことを抜かすな。

シャクナゲ岳

例によってあらたに先頭を行かせるが、案の定、歩き出す方向が変。出発前にきちんと地図とコンパスを確認する癖を付けてほしいもんだ。コルに上がると、コンスタントに北西風が吹き付ける。皆に目出帽やマフラーで顔を覆うように注意を促す。とりあえずシャクナゲ岳を目指す。本峰への登りはほぼ登山道沿いをラッセルを交代しながら行く。北西風がますます強くなり、視界は非常に悪い。あらたのキックターンはなんか変だ。やはりがに股が影響しているのか、まだまだ経験不足なのか、どうも踏ん張りがきかないようだ。動きが鈍くさくて、後ろから付いていくと正直イライラする。

本格的な山スキーが2回目のむらいは更に難儀している。ピーク付近になり、傾斜がますますきつくなり、風が増してくると、「上まで行く自信がありません」とか言い出す始末。うるさいので、私が先頭になり、風の弱い南側に回り込み、傾斜の緩いところをサクサクと上がりピークに出る。実は、初めから南よりに上がれば風が弱いことは分かっていたが、雪崩が怖いのと、下りの時のスキー斜面を汚すのがいやだったので、メンバーには黙ってあえて風の強い北東面を行かせていたのだ。

シャクナゲ岳[image/jpeg:50kB]
シャクナゲ岳

ピークで風のない南東斜面で休憩しながらP-canを食す。むらいは嬉々として(?)写真を撮っている。さて、皆ここぞとばかりにシールを外す。しかし、自信のないむらいはシールを付けたまま行くようだ。かんはなぜかむらいにつきあってシールを外さない。別にリーダーでもないんだから、そんなことにつきあわなくても良いのに(苦笑)。

シャクナゲ岳東斜面

シール着用組に先に行かせ、出発。一気に斜面を滑り降りる。昨夜からの積雪のおかげか、雪質は意外と良好。こんな斜面でシールを外さないなんてなんてもったいない。あまりにスキーを楽しみすぎて、皆の写真を撮るタイミングを逸してしまった。まぁいいや、写真はチセの下りで撮ることにしよう。Co881の南の沢形まで降りて、シールを付ける。まっすぐ東に上がると、支尾根上で、正面は下りだったので、尾根にそって北へ行くようにあらたに指示する。すると案の定、あらたはコルの分岐を過ぎてもそのまままっすぐ進もうとする。地図を見ろっての・・・俺の指示の意味が分かってないのか?

チセヌプリ西斜面

シャクナゲ岳[image/jpeg:82kB]
シャクナゲ岳
チセヌプリ西斜面[image/jpeg:119kB]
チセヌプリ西斜面

チセヌプリの斜面は黒く、ルート取りに難儀しそうだ。例年より明らかに背の高いダケカンバの林を縫うように進んでいく。できるだけブッシュの少なそうな所を選んでいくようにする。ものの、あらたはなぜかブッシュのある方向へつっこんでいく。もう少し周りの状況を見ろっての。ピークが近づくにつれて傾斜がまし、ブッシュが濃くなってくると、むらいのペースが急激に落ち始める。ついには、どうもこれはむらいの悪い癖なのか、「自信がありません」「引き返しましょう」が飛び出す。

自分の状況をリーダーに教えてくれるのは大変ありがたいのだが、そんな泣き言を言われても、そう易々と引き返すと思ったら大間違いだ。こちらはメンバーの状況や、残り時間、斜面の状況、天候、あらゆる事に神経を使ってパーティを動かしているのだ。もちろん、経験不足のメンバーが居ることも重々承知の上だ。その上で今はピークに行っても全く問題ないと判断しているのだから、「うまく登れないので、もう嫌です」みたいな事を言われても知ったことではない。いや、だからこそもっと経験をつんでうまくなってほしいという親心なのだと分かってほしい。だいたい、200m近く登ってきて、残り数10mだと言うのに、引き返すアホが何処にいようか。下りは200mのダケカンバのブッシュ斜面。上がってしまえば、向こう側は快適なスキー斜面。どちらが快適で早いかは明白だ。

チセヌプリ東斜面

チセヌプリ南東斜面あめ[image/jpeg:45kB]
チセヌプリ南東斜面あめ
チセヌプリ南東斜面おやぶん[image/jpeg:46kB]
チセヌプリ南東斜面おやぶん

なんとかむらいを励ましつつ(?)北西尾根に到着。頂稜部は相変わらずホワイトアウト状態。コンパスを切ってバリッと看板に到着。風が強いので休憩もそこそこにスキー斜面に移動。シールを外す。やはりむらいとかんはシールを付けたまま行くようだ。シール外して練習した方がいいのになぁ。今回はニトには行かないので、コル(東北斜面)を目指ささず、東斜面を下る。やはり雪質はいい。長大な250mの斜面を換気の声を上げながら一気に滑り降りる。

途中で転んだかんが何かをさがしているので、声をかけると、何やらグローブを落としたらしい。前に転んだところでグローブを脱いで、準備が終わらないまま滑りはじめていたら、グローブを履く前にまた転んでしまったらしい。マヌケだ。転んだあたりを重点的にいっしょにさがしてやると、スキーの先に引っかかって出てくる。一安心。

Co880台地に付くと、むらいがシールを外していた。かんも外すようなので、任せて道に降りて先に休憩する。そこでおやぶんと協議して、下降のルートを決定。あめに指示する。あめ、あらた、とーのが先行して下っていく。先に行くとラッセルが待ってるのになぁ。おやぶんにカメラを預かり、道を一段降りて写真を撮る。しかし、今回初テレマークのおやぶんはテレマークターンがなかなかうまくいかず、シャッターチャンスのところで転けてしまっていい写真が撮れない。もう一段下がって、もう一度撮るが今度はうまくいっただろうか。

おやぶんはそのまま先行者を追っていったが、むらい・かんがなかなか来ないので、そこで待っていると、しばらくしてようやくかんが来たので、どうしたかと聞くと、むらいがまたシールを付けているらしい。いやはや、ここから先が傾斜が緩くなって、初心者向けの練習に絶好の斜面なんだけどなぁ。シールを外すポイントと外すポイントを間違えてるよ。山スキーは転んで転んでうまくなるんだけどなぁ。

Co710のヘアピンカーブから、登山道沿いに下っていく。対岸の斜面にはチセスキー場からに下るボーダー達のシュプールがたくさんある。尾根から沢に降りて橋を渡り遊歩道に出るところで、あめが橋の直前で転び、沢に落ちそうになる。まぁ、下山は目の前だし、落ちてもいいけどね・・・

駐車場に上がり、除雪をして、片づけをしていると、見覚えのある人がから駐車場にあがって来た。ささもとさんだった。「見つかっちゃった。」とか言っていた。今日からOB会だというのに、今日はボーダーの仲間と過ごし、OB会には大晦日だけ来るらしい。うらぎりものめぇ~~~

急いでもしょうがないので、そのまま雪秩父に入って汗を流してから五色温泉に向かう。雪秩父もリニューアルして混浴じゃなくなってたのね~~~

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