今日は少佐の所属する旭川山岳会の方達に便乗させてもらい、三峰山沢から富良野岳をめざすことになった。三峰山沢ルートは雪が少ないためにやや藪がうるさかったが、私好みのよいルートだった。
行程
メンバー
2007年12月24日(月)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
05:00 | 起床 | ||
07:10 | バーデンかみふらの | 出発 | |
09:00 | 晴 | 一段目 | |
10:00 | 主稜線 | シーデポ | |
11:00 | 富良野岳 | ||
13:00 | バーデンかみふらの | 下山 |
![三峰山沢沿いのブル道を行く ブル道[image/jpeg:149kB]](https://www.whochan.com/files/thum_0152175720.jpg)
同行者は昨日もご一緒した べんさん と今日初めて会うTさん。朝飯を済まし、少佐の車で待ち合わせ場所のバーデンに移動する。旭川山岳会の方二名と軽く挨拶を交わし、出発する。
ルート入り口はジャイアント尾根や北尾根ルートと同じ砂防ダムだ。砂防ダムからは沢沿いに行くらしい。ダム原の真ん中に一本のトレースがあったので、そちら方面なのかと思ったが、リーダーのTさんが、左岸を少し巻いてから河畔に降りると指示するので、それに従う。今回は全く知らないルートで、部外者なので出しゃばりは無用だ。
しかし、少し進むと、左岸の急な崖に阻まれ、沢を渡らなくてはならなくなった。Tさんは不安定なスノーブリッヂを渡りきったが、二番手の少佐がブリッヂを崩して、スキーが完全に水没してしまった。べんさんはスキーをはずしてツボで渡渉した。この手の悪場は割と得意な私は、別の場所から慎重に渡った。
沢を渡ると、ブル道らしき物にトレースがついていた。トレースは途中から、北尾根の急斜面へと向かっていた。我々はトレースと別れ、ブル道に沿ってさらに沢を遡る。沢の途中には、地形図に書かれていない砂防ダムが乱立していた。砂防ダムの前後は幼木が密生し歩きにくかった。
![藪尾根を登る 一段目[image/jpeg:149kB]](https://www.whochan.com/files/thum_0152175721.jpg)
出発してから約一時間ほどで、 Co1170 二股に到着する。広くて気持ちが良く、時間もちょうど良いので休憩かと思いきやTさんは止まらずにそのまま突き進んでいった。『休みましょう』と、喉まででかかったが、少佐が何も言わずに付いていくので、部外者であり、ただでさえ人見知りの私には何も言えるはずもない。
ここからは中間尾根に取り付き、主稜線までは三段の丘を登る形になる。Tさんらはヤブヤブの中間尾根の尾根筋を忠実に登高していくが、私は少し左側の開けた斜面をジグを切って登らせてもらう。雪が付いていれば、少し雪崩が怖いだろうが、これだけ藪が多ければほとんど心配ないだろう。尾根の途中からは氷結した雄鹿の滝らしき物が見えた。
![振り返ると十勝連峰 十勝連峰[image/jpeg:153kB]](https://www.whochan.com/files/thum_0152175722.jpg)
![開けてきた尾根を登る 二段目[image/jpeg:116kB]](https://www.whochan.com/files/thum_0152175723.jpg)
![富良野岳を望む 富良野岳[image/jpeg:143kB]](https://www.whochan.com/files/thum_0152175724.jpg)
一段目を登り切ったところでようやく休憩となった。今日も昨日に引き続き天気が良く、正面には富良野岳がそびえ、振り向くと十勝連峰の山々が見える。
私がのんびりと行動食をほおばっていたら、Tさんはすでに出発する体勢になっていた。え、もう行くの?と言うまもなく出発。普段、ワンゲルの山行ではどちらかというと行動の早い私だが、このペースに付いていけない。旭川山岳会の人たちはいつもこんなにせわしなく山に登っているのだろうか。
二段目からは一段目とうってかわって疎林となる。短いがスキーをするのにも良さそうな斜面だ。三段目はさらに植生が少なく、クラスト気味の斜面となる。エビのしっぽの発達した急斜面なので、人によってはスキーでの登高は困難だろう。
![主稜線への急斜面を登る 三段目[image/jpeg:157kB]](https://www.whochan.com/files/thum_0152175725.jpg)
![主稜線に立つ少佐 少佐[image/jpeg:154kB]](https://www.whochan.com/files/thum_0152175726.jpg)
一段目まではラッセルとブッシュのためか、結構時間がかかったが、主稜線までは案外すんなりと付いた。ここからは雪はほとんどクラストしているので、べんさんの提案で、シーデポにする。私と少佐はせっかく持ってきたデポ旗を打っていくことにする。
衛峰までは広い斜面で、場所を選ばないとモナカでズボズボと埋まる。アイゼンに換えるのはちょっと早かったか。Tさんから、衛峰下の岩壁の基部をトラバースしてコルにショートカットするという指示があったが、結局衛峰の上まで登って稜線上を行ってしまった。コルから振り返ると、岩壁基部の状態はあまり良くないようだった。
![細尾根を進む 主稜線[image/jpeg:102kB]](https://www.whochan.com/files/thum_0152175727.jpg)
コルからピークへ細尾根を一気に登る。ピーク付近では地吹雪状態で、あまり視界は良くない。
ピークも風が強く、いつものように風下にザックを置いて落ち着こうと思ったら、Tさんが『さあ帰ろう』という。えー。さすがに驚いたが、あまり落ち着ける状況でもないので、とりあえずピーク写真だけを撮って下ることにした。
帰り道も一応岩壁基部をのぞき込むが、行きと同じく稜線上を進んだ。ピークを少し下ると視界は良く、デポはほとんど意味をなさなかった。
シーデポ地点でスキーに履き替えながら、行動食をほおばっていたら、Tさんはやっぱりさっさと先に下っていった。
主稜線から急傾斜のルンゼを滑る。クラスト気味なので、ちょっと怖い。私は中間で思いっきり1クラッシュした。
二段目は抜群の雪質。もうちょっと距離がほしいところだ。一段目は藪の中を縫って滑る。下部ほど藪は酷く、あまり楽しむという感じではなかった。
二股に降りると、ようやくTさんが腰を落ち着かせて休憩していた。Tさんもべんさんも私や少佐よりずっと年上のはずなのに、どうしてこんなに動き続けられる体力があるのだろうか。
帰りはトレースに乗ってジェットコースターで帰る。やっぱりTさんは我々を引き離してアッという間に見えなくなった。行きで渡渉したところはそのままブル道に沿っていくと、すんなりと砂防ダムの中州に出た。
このルートはジャイアント尾根より静かな山旅が楽しめるが、スキー中心のバックカントリー屋さんには物足りないだろう。
それにしてもTさんの爆進ぶりには度肝を抜かれた。いっそ、『爆進さん』とか言うニックネームにしてしまおうかしらとか・・・(爆