沙流岳~ペンケヌーシ岳

ふ~ちゃん
目的
沙流岳~ペンケヌーシ岳縦走
日程
2007年01月21日(日) - 23日(火)
山域
北日高

以前にピークを目前にして撤退したペンケヌーシ岳へ、今度は日勝峠からアタックした。上滝山から一端谷に下りてから再び尾根を登る変則的な縦走となった。

行程

2007-01-21
日勝峠~日勝岳沙流岳上滝山~ウェンザル川~ P1122 付近 C1
2007-01-22
C1~ペンケヌーシ岳~ P1653 東コル C2
2007-01-23
C2~ペンケヌーシ分岐~三角点源頭ペケレベツ岳~日勝峠 下山

装備

2007年01月21日(日)

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
07:00快晴出発
08:25subject:日勝岳
10:40subject:沙流岳
12:50subject:上滝山
13:30ウェンザル林道
15:40Co1120C1

日勝峠~沙流岳

日勝岳へ[image/jpeg:147kB]
さあ日勝岳に向かって出発
日勝岳[image/jpeg:147kB]
豊富なトレースを利用して日勝岳へ向かう

昨夜は例によって日高の道の駅で車中泊。朝5時に起きて、セイコーマートでカップ麺を買って朝飯にする。なんとなく風邪気味のような気がする。お腹の調子もちょっと悪い。ちょっと不安。まだ暗い道を走り、日勝峠の駐車帯(除雪車旋回場)に駐車する。大雪でも降ったら除雪の邪魔になるんじゃないかとちょっと心配だが、まぁなんとかするだろう。今日は最高の天気で、すばらしい青空が広がっている。美しい朝焼けの山に見とれながら日勝岳を目指す。斜面には無数のトレースがついている。ふと後ろを振り返ると、東大雪の山々がきれいに見えている。稜線に出ると、ダイアモンドダストが舞い、サンピラーが立っている。快調に登り、1ピッチちょっとで日勝岳を通過する。


西から望む日勝岳[image/jpeg:145kB]
西から望む日勝岳
沙流岳[image/jpeg:148kB]
沙流岳
沙流岳へ[image/jpeg:140kB]
沙流岳の東斜面はオープンで良い斜面だ

稜線に上がっても、風もなく穏やかである。っていうか、太陽が昇り始めると、1月だというのに糞暑くて汗だくになってくる。広い樹林の尾根を歩いて沙流岳へ向かう。綿雪をまとって太ったエゾマツの樹氷が美しい。ラッセルはくるぶし程度だ。沙流岳の東斜面は広いオープンな斜面で、滑ったらすごく楽しそうだ。ただし、その上部の南尾根には雪庇が発達しているので要注意だ。ジグを切りながらのぼり沙流岳に到着する。それにしても、久々の縦走装備が肩に食い込む。

上滝山

ペンケヌーシ岳[image/jpeg:148kB]
ペンケヌーシ山はまだ遙か遠い・・・
上滝山[image/jpeg:149kB]
上滝山は山とは言い難いようなショボい山だ
樹林[image/jpeg:146kB]
非常に濃密なエゾマツ林が続いている
上滝山のトレース[image/jpeg:144kB]
誰かの真新しいトレースがついている

沙流岳から見る上滝山は、山は・・・山?と言う感じの、丘陵だ。なんだか行く気が萎えるが、とりあえずピークを踏んでおこう。沙流岳直下の尾根筋はブッシュが濃いので、少し左側の斜面から滑りだす。なかなか良い斜面だ。樹林を縫って尾根筋に戻るとさらに濃い樹林が待ちかまえている。雪をまとったエゾマツの林のため、ほとんど視界のない尾根を進む。上山直下まで行くと、真新しいトレースがついていた。どうやら、今日アタックした人がいるらしい。下りのトレースも1本ついているので、単独行で、もう帰っただろう。

天場

youtube:
上滝山南斜面を滑る

シールをはずして南尾根を滑る。まったりした良い緩斜面だが、この陽気で雪が重い。後ろ加重でないとスキーが突き刺さるが、ザックが重くてうまいこといかない。下に進むと、だんだん林が濃くなってくる。密林となって、周囲が全く見えない状態で、予定外の急斜面が出てきたので、ルートを間違えたかと思っていたら、林道に出た。林道脇の斜面は思いの外急斜面になっていたようだ。

シールを貼ろうと思って、スキーを見たら、滑走面が凍り付いていた。上部の濡れた雪面を滑って、下部の林内で冷えた雪面を通ってきて凍ってしまったのだろうか。よくわからんが、このままでは先に進めないので手で氷を溶かして水気をふき取る。

予定天場はこの辺だが、日のあるうちは出来るだけ先に進めたい。林道を進み、尾根に取り付く。1ピッチ程度で P1122 付近まで行くと思ったが、なんだか体が重くて調子が出ない。腹がキリキリ言っている。途中にもいくつか天張れそうなところはあったが、なんとか2ピッチフルでがんばって P1122 付近に到着。幕営する。今日はむちゃくちゃ暑かったけど、日が沈むと急激に寒い。寝床についても、腹は痛いし寒いし、明日はちゃんと行動出来るだろうか・・・。

2007年01月22日(月)

タイムレコード
時刻天候場所行動
06:10起床
07:25出発
12:40ペンケヌーシ岳
15:30C2

お腹が・・・

樹林の尾根[image/jpeg:149kB]
樹林の尾根
ペンケヌーシ岳[image/jpeg:143kB]
ペンケヌーシ岳

ふと気がつくと、げっ6時過ぎてるよ。今日は出来るだけ遠くまで天場を進めたいのに。寝坊するとは、不覚。っていうか、うっっお腹がキュルキュル言ってる。とりあえず朝飯をかっ込んで・・・ブツを排出。うーむ。なんだか体が重い。昨日よりちょっと雲が多い。稜線上は深い樹林が続く。っていうか、腸超調子悪い。しばしキジ撃ちタイム・・・。

ペンケヌーシ岳

ペンケヌーシ岳[image/jpeg:129kB]
ペンケヌーシ岳
ペンケヌーシ岳[image/jpeg:127kB]
ペンケヌーシ岳

ペンケヌーシ岳は時々雲に隠れている。すぐそこまで近づいてきたが、お腹は痛いし荷物は重いしペースは上がらない。 Co1600 過ぎから北東の斜面をトラバースしながらペンケヌーシ尾根に出る。尾根は広いが、稜線上は風で雪が固そうに見えるので、荷物とスキーはここにデポして E.P に換えてピークを目指す。しかし、 P1696 付近は割と固いが、コルから先は思ったよりも抜かって歩きにくい。スキーで来た方が良かったかと後悔する。それでも Co1700 を過ぎるとだいぶ固くなって、なんとかペンケヌーシ岳に到着。看板にタッチして引き返す。

天場

岩の露出した尾根[image/jpeg:134kB]
岩の露出した尾根

1ピッチでピークを往復。荷物を回収して天場を探す。 P1696 の東側の稜線は雪がとばされ岩がかなり露出している。 Co1530 コルへは広い斜面の樹林となっている。予定天場のコルは非常に気持ちのいいところだが、明日は出来れば止まらずに下山してしまいたいのでもうちょっと先まで進めたい。1ピッチで P1636 を越えて次のコルへ進む。こちらも悪くないが、もうひとがんばり先へ進む。 P1653 を越えたところでさすがにもう時間切れ。狭いコルであまり良くはないが、一人で止まるには問題ないだろう。ちょっと風が吹いてきたので、ブロックを積みたいところだが、もうそんな気力はなく、そのままテントを張って中に入る。うーむ。まだお腹がグジグジ言ってる・・・。

2007年01月23日(火)

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:50起床
06:40出発
07:35P1695.3(幌内山)
10:20三角点源頭
15:45日勝峠下山

幌内山~国境稜線

幌内山へ[image/jpeg:149kB]
幌内山へ
幌内山[image/jpeg:140kB]
幌内山
幌内山斜面[image/jpeg:124kB]
幌内山斜面

まだ薄暗いうちに外に出る。今日の空は雲に覆われ、少し風が吹いている。とりあえず、アレをすませる。うーむ大量。なんだかようやく体が軽くなった気がする。それはさておき、パッキングをすませて出発。稜線上の雪は締まっていて歩きやすい。さくさくとポコを通過。北側には雪庇が発達している。 P1633 から、 P1695.3 にかけての稜線上は部分的にハイマツが露出し、雪庇は東側に発達している。 P1695.3 の南東斜面はすばらしいスキー斜面だ。豪快に谷までシュプール・・・を描きたいところだが、ぐっとこらえてコルを通過。平坦地は少なく幕営には適さない。

ペンケヌーシ分岐は雪がとばされてハイマツが黒々と露出している。トラバースして国境稜線に出る。国境稜線は例によって西側はダケカンバの藪、東側は雪庇斜面である。稜線上は風成雪により波うっていて歩きにくい。まあ、雪庇はまだそれほど発達していないので、適当に歩きやすいところを選んで、東側の広い斜面や西側の藪斜面や稜線上を適当に滑っていく。

三角点

P1567 北斜面[image/jpeg:147kB]
P1567 北斜面

P1576.3 は西側をトラバースしながら少しずつ高度を上げてピークをショートカットし、北側斜面に出る。やはりピーク付近はハイマツが露出している。ここから先は稜線を通らず、いったん谷に降りる。シールをはずし、靴ひもを締めて三角点源頭部を目指す。標高差約 500m のロングスロープだ。上部は多少ブッシュが多いが、少し下がると、エゾマツが非常に言い間隔で生えている楽しい斜面だ。雪質も良い。2度ほど林道を通過する。体力のなくなった下部は緩斜面をスイスイと滑り、源頭に到着する。

カシミール 3D を使った、机上の計算では林道をうまいこと使ってペケレベツ岳基部に至る予定だったが、持ち合わせの古い地形図にはその林道が記載されていなかった。アレレ。まぁ、いいや。適当にコンパスを切って P1249 西側 Co1150 付近を通過。高度を変えないようにだらだらとトラバースを続け、ペケレベツ岳南側の現東部に到着。ここから主稜線に出てからピークに向かうのも、南西尾根を詰めるのもあまり距離的には変わらないが、主稜線は歩きにくそうなので南西尾根を詰めることにする。

ペケレベツ岳

ペケレベツ岳[image/jpeg:139kB]
ペケレベツ岳

雪は思ったほど深くなく、大げさにジグを切ることもなく順調に高度を上げる。約1ピッチ、 Co1350 付近で南西尾根に出る。割とすんなりとピークを通過する。例によってピーク付近はハイマツが露出している。ハイマツ帯を通過し、北斜面に出たところで再びシールをはずす。コンパスを切って直接 Co1160 コルを目指す。上部は少しダケカンバのブッシュがうるさいが、適当に広い斜面を選んで滑る。視界が悪く方向性が定まらないが、所々にピンクテープが打たれている。このルートを利用している人も相当数いるようだ。

下部は緩斜面となって、だらだらとトラバースしながらコルに到着する。コルは穏やかかと思ったら、谷から風が集まって吹き抜けている。ここからコンパスを切って日勝岳を目指す。しばらく行くと、所々にスキーの痕跡が現れる。思ったよりも多くの人が利用しているようだ。そろそろ日も傾きかけてきたが、なんとか明るいうちに下山出来そうだ。

当然ピークには行かず、シールをはずしてここから滑り降りる。雪質はちょっと重い。と言うか、さすがにここまで来ると体が重い。広い斜面を大きく使って滑る。下の方に行くと、少々ウィンドクラストしているところがある。今日は一日スキーを堪能して駐車場に到着した。

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