渚滑岳~天塩岳

ふ~ちゃん
目的
渚滑岳天塩岳縦走
日程
2004年01月01日(木) - 05日(月)
山域
北見山地

行程

2004-01-01
ニセコ五色温泉~上川~浮島峠駐車場 C0
2004-01-02
C0~オサツナイ林道~渚滑岳~C1
2004-01-03
C1~天塩富士手前コル C2
2004-01-04
C2~天塩富士前天塩岳天塩岳~浮島峠駐車場 下山~層雲峡温泉 C3
2004-01-05
C3~苫小牧東港フェリーターミナル

メンバー

C.L
ふ~ちゃん
S.L
おやぶん
E
あらた(腰痛離脱)

装備

2004年01月01日(木) 五色温泉~上川

タイムレコード
時刻天候場所行動
09:40ニセコ五色温泉出発
18:30上川
20:00浮島峠駐車場C0

昨日は一滴も飲まずに真っ先に寝てしまったので、当然のように一番に目を覚ます。それでも、まだ少し頭はぼんやりしている感じだ。とりあえず風呂に行ってすっきりさせる。皆が起きるまではまだしばらく時間がありそうだ。卵と、余ったラム肉を持って厨房へ。ラムチャーハンを作る。なかなか美味。

今年の雑煮にはジュンサイが入っていた。一体どこの地方の雑煮だろう?山梨?名古屋?恒例の記念写真を撮って、後かたづけをうっちにまかせて出発する。上川までの道のりはあまりに遠い。倶知安を経由して中山峠へ。って、よくよく地図を見たら真狩回りの方が近いんじゃんか。アホ。峠のドライブインでトイレタイム。それほど渋滞に巻き込まれることもなく札幌を通過、江別のガストでランチタイム。ランチメニューで安く済まそうと思っていたら、正月4日までランチメニューは休止だとさ。ガストにだまされたのはこれで2度目。糞っ。

食料の買い出しをするため、岩見のダイエーに立ち寄る。買い物はあらた、おやぶんの2人にまかせ、私は車で仮眠を取る。川の道の駅でトイレタイム。一気に上川まで行こうと思っていたら、あらたがトイレに行きたいと言い出したので、愛別のセブンイレブンでトイレタイムを取ってから上川へ向かう。

とりあえず、上川の派出所へ行って計画書を提出する。が、どうやら、ここの駐在さんは登山計画書という物の存在を知らないらしい。「これどうすればいいの?」って、いやぁ、うちらにそんなこと聞かれても。それは警察の内部的処理の問題でしょう。よしなに、お願いしますよ。その上、「車は何処に置くの?」と聞かれたので、浮島峠の駐車場であるというと、「だめだめ、あの辺は車上荒らしが居るからダメだよ」ときたもんだ。いや、ダメとか言われてもねぇ。今時、道内何処行ってもいるしねぇ。そのうえ、「あっちはの上の管轄だから。」とか、もうわけわかんね。そんな、なわばり問題持ち出されても、知るかって。ああ、めんどくせ。適当にあしらって出発。

駅に行って明日のタクシーを依頼。回送距離が運賃距離よりもかなり長いので、回送料金が発生するとのこと。まぁ、予想の範囲内のことなので、お願いする。夕飯はさすがに元旦で、どこも営業していないので、セブンイレブンで弁当を購入。峠に行ってテントを設営。ビールを一本飲んで就寝する。

2004年01月02日(金) オサツナイ林道~渚滑岳

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:00起床
05:00出発
05:30上川駅あらた離脱
06:45浮島峠駐車場タクシー
07:35オサツナイ林道入り口出発
08:35Co420
09:35Co500
10:35Co630
11:35Co750
12:40Co980
13:45Co1120
14:40Co1240
15:50渚滑岳
17:00Co1150C1

昨日からの雪がそこそこの積雪になっている。あらたがなにやら、ため息をついたり腰が痛いとか呟いている。寒いのでテントを撤収してそそくさと車の中に逃げ込む。あらたがまだ後ろでブツブツ言っている。相当具合が悪いようだ。調子の悪いヤツを無理に連れて行くわけにはいかないので、このまま強行するのか、離脱するのか自分で決断するように促す。すると、しばし考え込んだ後、「帰ります」と小さく呟いたので、再度確認した後、急いで上川駅へ向かう。

頼んでいたタクシーとすれ違いになってしまうかもしれないので、早くタクシー会社に連絡を入れたいが、携帯電話は通じない。おやぶんはまだ大丈夫だろうと言うが、早め行動する親切なタクシー会社もあるんだよね。

駅であらたを降ろし、とりあえずおやぶんに急いでタクシー会社に電話をかけさせる。あらたの荷物を降ろし、必要のなくなった団装を全てあらたに渡す。食料も2人分に減らす。タクシーは案の定、既に出発してしまったらしいので、あらたに別れを告げて大急ぎで引き返す。朝飯の豆乳を飲む。なんだか、液体のきな粉を飲んでるみたいで、決してうまいもんではない。

メンバーが一人減ってしまったので、当然、団装の分担が増える。しかも、たった2人だというのに、4~5人用のテントはあまりにも重すぎる。じつは、なんとなくあらたはドタキャンがありそうな気がしていたので、かんに頼んでOB会に2~3人用テントを持ってきてもらっていたのだが、あらたが行くことが確定したので、借りてこなかった。まさか、現地に着いてからドタキャンになるとは思わなかった。ラッセル要員が居なくなってしまったのもちょっとイタい。もっとも、あらたの登行技術から考えると、最終的には足手まといになってしまうのは目に見えていたので、山行を最後まで遂行するするという意味では好都合だったかもしれない。

駐車場に着くと、タクシーはまだ来ていなかった。無線が通じていったん引き返したのかもしれない。とりあえず、オサツナイ林道まで行き、荷物を降ろして三たび駐車場に引き返す。

オサツナイ林道[image/jpeg:189kB]
オサツナイ林道

派出所でいろいろと脅かされたので、出来るだけ荷物が外から見えないようにする。車はあえて目立つところに停める。すぐにタクシーがやってきた。朝からくしゃみが出て、鼻水が止まらないので箱ティッシュを持参する。オサツナイ林道入り口までは、回送料を含めて約1万円となった。とにかく寒いので、朝飯のパンを口の中に押し込め、重い荷物を背負って林道を歩き始める。明らかにおやぶんの荷物の方が重そうなので、少し持つかと訪ねるが、とりあえず良いというので、ひとまず任すことにする。

20分ほど歩き、ようやくからだが暖まってきたので、フリースを脱ぐ。10分交代で林道をラッセルしていく。積雪は足首くらいだが、雪質は軽く、それほどつらくはない。こちらも今朝から風邪気味で、あまり調子が良くないが、おやぶんは慣れないテレマークで遅れがちになる。トップが上がらないのがしっくりいかないようである。

架かる橋からの中を覗くと、沢にはほとんど雪が着いていない状態である。この様子だと、上流部でも渡渉は結構難儀するかもしれない。ピークからは沢に降りて、Co850位までスキーを楽しもうともくろんでいたが、あまり標高の低いところで渡渉をするのはちょっとつらいかもしれない。3つ目の橋を越えると、正面に渚滑岳のピークが見えてくる。当初は「山谷」通り、P1212へ繋がる尾根のルートを行くつもりだったが、南尾根から直接ピークに出るのも悪くなさそうである。その場ののりでまっすぐピーク方向へ進むことにする。もっとも、これはあまり賢い選択ではなかったようだが・・・


渚滑岳南尾根[image/jpeg:58kB]
渚滑岳南尾根

Co550付近から林道をはずれ、P902の東側の筋をたどり、Co950コルの東側を通過する。いよいよ傾斜はきつくなり、案の定ブッシュがうるさくなってくる。Co1000付近では一部笹藪が露出している。背の低い灌木のブッシュを避けながら、斜面にジグを切っていく。テレマークのおやぶんは、急な斜面の登行はかなりキツそうである。

Co1200付近で雪が多ければ雪崩が怖そうな吹きだまりの斜面を横切り、尾根筋に出る。尾根筋の西側はブッシュが濃い急斜面で、東側はやや広いが雪庇が発達している。急斜面の登行がややつらいが、出来るだけ尾根筋を忠実にたどる。おやぶんはますますつらそうなので、出来るだけトップを行くようにする。

ピークは広く、北側にはダケカンバの疎林が広がる。既に周囲は薄暗くなりつつあるが、おやぶんに体力的に大丈夫かと訪ねると、問題ないとのことなのでラテルネを用意して下れるだけ下ることにする。シールを外して緩やかな斜面をコンパスに従って降りる。傾斜が緩すぎてあまりスピードは出ない。P1232は南側からトラバースする。その先は更に緩やかな斜面が続き、ほとんどラッセル状態となる。P1150付近で完全に日没となる。ひとまず休憩とするが、このまままで下っても、たいした時間稼ぎにはならないので、そのまま幕営とする。おやぶんは黙っていたが、実は体力的にかなり限界だったらしい。

今日の夜は短い。雪を溶かして水を作るのに相当の時間を要する。ビールを飲もうとしたら、案の定凍りついて、パツパツになっている。時々、雪を融かしたお湯の中に缶をつっこみながら、お腹の中で解かしてから飲む。

夕食はレトルトカレー。飯を食おうとスプーンを探すが、ザックのどこにも見あたらない。あれ~?どこでなくしたかなぁ。おやぶんがスプーンとフォークを持ってきていたので、片方を借りる。

大きなテントでたった2人では何となく落ち着かない。しかも、火を焚いてもなかなか暖まらない。イマイチ出来の良くない高床を作り、就寝する。

2004年01月03日(土) 天塩富士手前まで

タイムレコード
時刻天候場所行動
05:00起床
06:50出発
07:20Co960二股シール着用
07:50Co1000
09:00Co1150
10:00Co1180
11:00P1307南西 Co1230
12:00P1239西 Co1220
12:55Co1210 コル
14:20Co1340 天塩富士手前コルC2
天場[image/jpeg:61kB]
天場

昨夜はどうもイマイチ寝床がうまく決まらず、寝苦しかった。しかも、いつの間にかマットからはずれ、テントの端に追いやられてしまったようで、猛烈に寒かった。風邪の調子はますます悪化の一途で、鼻水が酷い。効き目があるかどうか分からないが、一応かぜ薬を飲んでおく。昨日の疲労が取れぬまま出発する。

イマイチ現在地が分からないので、 Co1094 より北側に入り込まないように、出来るだけ南よりに下降を開始する。ほとんど平らな斜面をラッセルで進む。オサツナイ川に落ちる斜面を確認して、 Co1100 から二股を目指す。ここからの傾斜は絶妙の緩斜面で、テレマークの練習にはもってこいだろう。ただし、ブッシュが出ていなければの話だが・・・一部に笹藪が露出しており、スキーがひっかかる。後ろから来るおやぶんはもっと難儀したようだ。

二股に到着し、シールを着用する。予想通り雪が少なく、は完全に埋まっていない。二股合流点は小さなのようになっており、ちょうどその落ち口に小さなブリッジが架かっていたので、それを利用して中州に移る。急な岸を下流方向に巻こうとしたら、足下が崩れ、雪ごとの脇に落ちる。下に雪がたまっていたので、水没はしなかったが、ちょっと焦った。雪の中から這い出し、登り返して、上流に向かって斜面をトラバースして、平らなところに出る。

そこからCo1070への登りは、絶妙の斜度で、ブッシュも出ていないので、スキーに良さそうだ。しかし、2人ともわざわざスキーをして登り返すような気力はない。そこから先は横から吹き付ける雪の中、ひたすら緩い起伏をラッセルしていく。P1307は、1217コルから1177コルへ一気にトラバースしてカット。P1239、P1265も適当にカットしていく。

P1265 の南のコルを過ぎてからは、天場を確認しながら行く。P1358付近で雪洞の可能性もあったが、想像以上の巨大な雪庇で、東側斜面に入り込む勇気が出ない。P1358から東に延びる尾根に降りて天張るという案も出たが、この急斜面を降りるのはあまりぞっとしない。結局、多少西風に吹かれるかもしれないが、この先のコルを少し西側に降りてブロックを積むことにする。


C2 付近[image/jpeg:33kB]
C2 付近

コルについて、天場を探すもなかなか広くて風を遮れそうな所がない。何せ4~5人用テントなので、広い場所を探さなくてはならず、不便だ。少々斜めっぽいが、諦めて場所を決定する。雪を踏み固め、山側の雪を谷側に移動させ、平らに整地する。更に、ブロックを2段ほど切り出すと、そこそこの天場が出来上がった。

早めに天張れたので、ようやくゆっくりと過ごすことが出来る。大きなビニール袋に新雪を詰め、テント内に入れ、水づくりをする。ポケットに入れていたソーセージとチーズはカチカチに凍り付いている。チーズはコッフェルの上で解かす。ソーセージは一晩抱いて寝るしかなさそうだ。

今晩の夕食は麻婆春雨。春雨が麻婆の水分を吸い取ってしまったようで、とろみのないちょっと堅めの麻婆になってしまった。米が多かったのか、かなり腹一杯になる。ポップコーンなんかも持ってきていたのだが、作る気にはなれなかった。

2004年01月04日(日) 天塩富士天塩岳~層雲峡

タイムレコード
時刻天候場所行動
04:30起床
06:50出発
07:30天塩富士
08:352つ目のポコ(屈曲点)
09:35Co1430シートラ
10:20Co1500スキー
10:45前天塩岳
11:50Co1400
12:50天塩岳
13:10Co1400シール
14:05Co1230シール着用
14:35P1236シール
15:25一ノ Co781シール着用・ラテルネ着用
16:25Co730 登山道合流点シール
17:00Co660付近トレール発見
17:25Co600
18:25国道
18:55浮島峠駐車場下山
20:30層雲峡温泉 リゾートペンション 山の下Cx

夜間、周囲や遠方ではかなり強い風の音がしていたが、天場自体にはほとんど影響がなかった。積み上げたブロックが有効だったようだ。吹雪模様の中出発する。

吹雪の中、天塩富士を通過。1つ目のポコを西側から巻く。2つ目のポコを西に曲がると、南側はすっぱりキレて巨大な雪庇が発達し、北側にはうるさいダケカンバの林が広がっている。稜線のダケカンバにしがみつき、少し雪庇の方へ踏み出してみると、ちょうど足下からドカンと崩れ落ち、スキーの前半分が宙に浮いた状態になる。おやぶんは目を丸くし、私はニヤリ。雪庇の無くなった南側斜面はガケで、稜線にはダケカンバが突き出ており、通過は不可能だ。仕方ないので北側斜面の林の中を縫っていく。再度稜線に戻り、少し歩いてみるが、再び 10cm 左側から雪庇が崩れ落ちる。このままだと命がいくつ有っても足りないので、しばらくダケカンバ林の中を行くしかないらしい。胸の高さに張り巡らされた枝にイライラしながらダケカンバ帯を通過すると、進む方向に巨大な岩塔とルンゼが目に入ってきた。その光景に少々ひるむ。

天塩富士-前天塩岳稜線[image/jpeg:47kB]
天塩富士-前天塩岳稜線

岩稜帯に入ったので、スキーを外してシートラにする。ピッケルは使うがアイゼンは必要ない。小さな岩を2つほど越えると問題の岩塔に出るが、記録通り、南側斜面をあっさりと通過できてしまう。南側斜面は何の問題もない吹きっさらしの斜面だ。岩塔の上に出ると、斜面が緩やかになり、吹きだまりになったので、再びスキーを着用してピークへ向かう。


前天塩岳[image/jpeg:44kB]
前天塩岳
前天塩岳-天塩岳稜線[image/jpeg:38kB]
前天塩岳-天塩岳稜線

前天塩岳を吹雪の中通過。前天塩岳から天塩岳へはクラスト気味。西側は吹きさらしで、ハイマツが露出している。ピークからしばらくは東よりの吹きだまり斜面を利用する。コル付近は雪庇が発達しているので、西側に戻るが、登山道沿い以外はハイマツが露出して滑りにくい。

天塩岳に到着するが、なんだかずっと吹雪なので、登頂をよろこぶと言うよりも、とにかくポイントを通過して、早く下山しようと言う感じ。さっさとピーク写真を撮って下降を開始する。


天塩岳南東尾根[image/jpeg:28kB]
天塩岳南東尾根

広い稜線で方向を失わないように注意しながら降りる。クラスト気味であまり良くない。雪の良さそうな一ノ側の斜面に入りたいが、雪庇がありそうであまり近づけない。Co1430付近でようやくいい感じの斜面になったので、シールを外す。 Co1300 まで、良い斜面である。 Co1250 からちんたらと平らな斜面を進む。シールを外しているので、小さな起伏を越えるのが鬱陶しい。 P1236 を越えられそうにないので、シールを着用する。


渚滑川一ノ沢右岸斜面[image/jpeg:50kB]
渚滑川一ノ沢右岸斜面

このまま尾根の末端まで進むと、明るいうちに斜面を下降できそうにないので、 P1236 から一ノに降りることにする。斜度はよいが、部分的にブッシュがうるさい。しかも雪が深く、スキーが刺さるとやっかいだ。かかとは固定せず、半テレマーク姿勢で思いっきり後ろ加重にして、トップを浮かせる。何度か派手に転びつつP781に出る。やはり、沢は完全に埋まっていない。

本日3度目のシール着用だが、まだなんとか張り付くようだ。ポ○カのダメダメシールならもう、とっくに死んでいるところだが、モンタナくんは未だ健在だ。まもなく日暮れなので、ラテルネを着用する。

小さなスノーブリッジを利用して左岸に移り、雪崩れそうな急斜面をトラバースしていく。200mほど進むと、斜面に切れ目が入っていたので、急いで通過する。少し行って後ろを振り返るとおやぶんが居なかったので、声をかけるが、返事がないので戻る。ちょうど切れ目のあったあたりで転けていた。あまり雪崩の怖そうなところで時間を費やさないでくれよ。焦るじゃないか。

ちょっとした渡渉で、わたしが小さなブリッジを通過すると、既にブリッジには亀裂が入る。おやぶんが渡ろうとすると案の定崩れ、テールをぬらす。少し行き、がカーブしたところで尾根の突端に上がると、登山道と合流した。この先はほとんど下りなので、シールを外す。登山道っぽいところを探していくが、暗くてよく分からなくなってくる。沢に降りすぎないように注意していたが、いつの間にか沢床まで降りてしまい、渡渉できなくてハマってしまう。左岸の少し高くなった所にルートがありそうなので、少し戻って斜面をよじ登る。すると、左岸尾根からトレールが下がってきていた。


天塩岳旧道登山口[image/jpeg:44kB]
天塩岳旧道登山口

下山予定日は新年始めの週末なので、きっと何人か登山者が居るだろうと踏んでいた。渡渉が出来なかったのか、あいにく冬尾根(「山谷」積雪期渚滑川ルート)には上がっていなかったが、ねらい目があたって助かった。トレールを利用してスピードアップする。ワックスを塗ってきた成果か、トレールは非常に快適に滑る。トレールが出来てからしばらくしているため、少し雪が着いており、多少のラッセルはあるが、ゼロからのラッセルに比べれば屁でもない。

Co620二股のところで小さな登りがある。おやぶんは登りでスキーが後ろに流れてしまうようで苦労している。さらに、橋を渡り、右岸に移ったところで登りになる。わたしは気合いを入れて登り切るが、新品のおやぶんのテレマークは登りは相当キツいらしい。月明かりの中しばらく平らな林道を進み、旧国道に出る。旧国道からは緩い登り斜面が続く。ここを過ぎると国道に出るが、おやぶんは途中で力つきる。ツボにしてみてはと言って、先に行く。

国道に出て、看板の所に荷物を残置して、スコップだけを持って駐車場へ急ぐ。山行中、ちょっと車上荒らしのことが心配だったが、問題なかったようだ。車には20cmほど雪が積もり、周囲には除雪車の残した雪がたまっている。もっと雪に埋まっているかと思っていたが、それほどの降雪でもなかったらしい。雪を下ろし、車の前のだまりをのける。1足でゆっくりと進めるとあっさりと脱出した。

そうこうしているとおやぶんが来た。結局ツボ足ではうまく歩けなかったそうだ。とりあえず靴だけを履き替え、天塩岳登山口へ急ぐ。荷物を詰め込んで、大急ぎで引き返す。とにかく、早く風呂にありつきたい。出来れば安い宿を確保したい。上川に行けば銭湯があるが、宿泊は車中になりそうである。層雲峡まで行けば、去年も泊まった格安のペンションがあるはずだ。入浴できるのは21時までだった気がするので、着替えや片づけは後回しにして車をとばす。

正直、起床から14時間もたって、フル行動をしてきて、しかも風邪で熱っぽいので、フラフラで車など運転する状況ではない。ちょっと気をゆるめると、運転したまま気絶してしまいそうだ。おやぶんが気を利かせて色々話しかけてくれる。路面はツルツル。一瞬、車が3~4度左右にぐらつきスピンしそうになる。いつもなら最初の挙動で修正できるのだが、フラフラと行ってしまった。さすがに反射神経もやられているようだ。

路面がツルツルとはいえ、あまりにもたらたらと走る前の車にイライラしながら層雲峡に到着。とりあえず、「リゾートペンション山の上」にダッシュ。素泊まりしたいのですと告げるとOKとのこと。助かった。風呂が終了するまであまり時間がないので、急いで風呂に行く。完全な脱水症状だったので、何か飲み物をとることにするが、スポーツ飲料が見あたらない。仕方ないので、「なっちゃん」にして、一気に飲み干す。が、何かすっきりしない。腹の中にたまっている感じがする。

風呂に浸かるが、寒い。体があまりにも冷えきっているせいだろうか。熱のせいもあるだろう。風呂に浸かっているのにふるえが来る。それにしても腹が痛い。さっきのなっちゃんが吸収されずに腹にたまっている。ゲップをしたいのだが、ゲップがうまいことでない。胃も冷えきって動きが緩慢になっているようだ。教訓、脱水症状の時に柑橘系はイクナイ。

風呂から上がると、ようやくゲップが出た。体を温めた後は腹を満たさなくては。いつものラーメン屋に行こうとしたら、なんと締まっている。外に出てみても、飯屋はどこもやっていない。しまった。正月営業で、みな早めに閉めてしまったらしい。仕方ないので、風呂の売店でビールとつまみを購入。おやぶんはおにぎりを購入。OB会からかっぱらってきていたカップ麺を夕食にする事にする。

車から荷物を部屋に運び入れ、ストーブの前に広げて乾かす。久々にテレビという物から下界の情報を取り入れながら、下山ビールを飲む。弱った体にはあまりにも効き過ぎる。夕食のカップ麺を食って、気絶するように暖かい布団に入る。

2004年01月05日(月) 層雲峡~苫小牧

今日はおやぶんを18時頃まで東港に送り届ければよい。のんびりドライブすればいい。ゆっくり起床。適当にパッキングする。何か、すごい熱っぽい。少しボーっとする。このまま苫小牧まで運転するのは少しキツいかもしれない。

上川に行き、警察で下山報告。駅前に行くが、例の3軒のラーメン屋はあと1時間はしないと開かない。今回も諦めて先に進む。国道に出てすぐ右のドライブインがやっていたのではいる。舞茸ラーメンとやらを食す。舞茸の味が前面に出ている。ラーメンとしては可もなく不可もなく。

おやぶんに運転を交代してもらう。当麻の道の駅の前のローソンで休憩、交代。スタミナドリンクを購入。旭川を、少々道を間違えながら通過。深川の道の駅で休憩、交代。深川の道の駅はなかなかグッド。砂川のハイウェイオアシスによる。まずは、松尾ジンギスカンのレストランで昼食。ラムカツ丼とやらを食す。目茶苦茶堅い。しかも臭い。長いこと道民をやって、ジンギスカンを食ってきたが、ラム肉がこんなに臭いものだとは知らなかった。こんなラム肉の評価を下げかねない糞料理を出している松尾ジンギスカン、ある意味えらい。

おやぶんの職場に持って帰るおみやげを購入。三笠の道の駅で休憩。岩見でゲソアタック。きつねそばに野菜天。おやぶんはゲソ野菜丼。さすがに昼飯を食ったばかりなので、少々胃が重い。三川のセイコーマートで最後の休憩を取って苫小牧へ。沼ノ端のローソンでおやぶんの食料などを購入。高速に乗り、東港へ。荷物を下ろし、おやぶんを乗り場まで送って別れを告げる。

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