ペンケヤオロマップ川からポンヤオロマップ岳に行ってきた。今回は Co680 二股から左に入り、東面直登沢を詰めた。東面直登沢は、傾斜のきつい滝が続く連瀑の沢であったが、北東面直登沢ほどの威圧感のある沢ではなかった。
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コイボクシュシビチャリ川は、私がはじめて遡行した日高の沢だ。18年ぶりに訪れることになった。本当は道路が開通するするのを待っていたかったが、それを待っていたらいつになるか分からないので、長い林道を自転車でアプローチすることにした。先日の記念別沢と同様、18年前の記憶はまったく残っていなかった。
このところまったく山に行っていなかった。山に行く暇がなかったわけではなく、相変わらずの出不精で行きそびれていた。これまでのうっぷんを晴らすべく、ゴールデンウィークには少し気合いの入った山行に行こうと決めた。これまで日高山脈の多くの稜線を歩いてきたが、未だ線を引いていない部分がいくつかある。そのうちのひとつが、日高の雪稜の中でも難所とされる、一八三九峰南西稜と、カムエク南西稜だ。今回の計画はこの二つの難稜をつなぐ贅沢なものだが、他人の記録をろくに読まない私は、そのヤバさを正確に理解していなかった。はたして楽観主義者の私は、いつも現場で泣きを見るのだが、今無事にこうして記録を書いている。しかし、真の核心はそこではなかったのかも知れない・・・
中ノ岳ノ沢の後、脱力状態になって次の沢へ向かう意欲がなかなかわいてこないが、早めに気持ちを切り替えて無理矢理にでも沢に行かないとこのまま沢の季節が終わってしまうような気がする。本当は今シーズン中にキムクシュベツ川やシュンベツ岳西面直登沢などを片づけてしまいたかったが、これらのゴルジュを一人で突破する精神力は今の私にはない。今回はアプローチが容易なコイカクシュサツナイ川を遡行し、コイカクシュサツナイ岳に登り、ここ数年の課題だったヤオロマップ右沢を下降した。ヤオロマップ右沢はルートルオマップ川ほどではないが泳ぐゴルジュの沢で、一人で下降するには十分に過酷な沢だった。
一九〇三峰南東面直登沢左沢と、阿形沢で今年の本格的な沢登りを締めてきた。阿形沢はやっぱり反吐が出るほどの滝沢だった。この後は南東部や北西部の易しそうな沢の探索へと転じたい。
何とかこのまま無難に過ぎてくれたらと思っていたが、屈曲するゴルジュの先には、これはもうどうしたって泳ぐしかないと言う樋状の滝が待ちかまえていた。何とかしようにも周囲はツルツルの垂直の壁に囲まれてどうしようもない。これを越えられなければ、いったいどこまで戻って巻き直さなければならないのだろう。覚悟を決めて釜に飛び込む。正面から来る水流にあらがい必至に水をかく。私の泳力でも、何とか少しずつ前進する。いよいよ体力の限界となって流される直前で、両岸に手を伸ばして体をあげる。ツルツルの側壁にめいっぱい両手足を突っ張り、樋の中を進む。単独なので、こうやって泳いでこうやって取り付いてこうやって登ったという写真が撮れないのが残念であるが、釜持ちの樋滝はこうやって登るという典型のような滝である。