ピパイロ岳の北面は予想通り滝が途切れなく続く沢だったが、全体に大味で微妙なクライミング技術を必要とするような沢ではなかった。ピパイロ川は標高や沢の規模からして魚が居ないわけはないと思われたが、最後まで魚影を見ることはなかった。ダムの功罪は大きいと思わざるを得ない。
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中ノ岳ノ沢の後、脱力状態になって次の沢へ向かう意欲がなかなかわいてこないが、早めに気持ちを切り替えて無理矢理にでも沢に行かないとこのまま沢の季節が終わってしまうような気がする。本当は今シーズン中にキムクシュベツ川やシュンベツ岳西面直登沢などを片づけてしまいたかったが、これらのゴルジュを一人で突破する精神力は今の私にはない。今回はアプローチが容易なコイカクシュサツナイ川を遡行し、コイカクシュサツナイ岳に登り、ここ数年の課題だったヤオロマップ右沢を下降した。ヤオロマップ右沢はルートルオマップ川ほどではないが泳ぐゴルジュの沢で、一人で下降するには十分に過酷な沢だった。
幌加除雪ステーションに車を残置して出発。初日は林道歩きに終始し、ウペペサンケ山の肩に幕営。二日目はウペペサンケ山を、アイゼンを利かせて通過し、東丸山にアタックして谷に下り幕営。ウペペ西峰から東丸山までの尾根は状態が悪く苦労した。三日目はニペソツを越えてしまいたかったが、丸山の通過で意外と手こずってしまい、ニペソツ手前の肩までしか進めなかった。ここまでは曇りがちで風も強かったが、ニペソツを目前にして好天に恵まれ、その雄姿を見ることができた。四日目は、天気が悪ければエスケープするつもりだったが、冬山としては奇跡的な快晴での中アタックすることができ、 360度のパノラマが望めた。計画では、石狩岳方面まで縦走するつもりだったが、体力と装備不足で、前天狗から幌加へ下山した。
夜は寒かったが、冬山としては安定した天気が続き、なかなか良い山行だった。やはりニペソツはかっこいい。