風でテント崩壊
- 目的
- 冬期基礎訓練 後方羊蹄山
- 日程
- 1993年11月12日(金) - 14日(日)
- 山域
- 後方羊蹄山
行程
- 1993-11-12
- 室蘭~比羅夫登山口 C0
- 1993-11-13
- C0~比羅夫コース~小釜 C1
- 1993-11-14
- C1~比羅夫コース~比羅夫登山口 下山
メンバー
A | B | |
---|---|---|
C.L | ふ~ちゃん | しみず |
S.L | のぶ | サイガ |
M | とーの | いっすい |
M | けんた | アンドレ |
M | ばか原 | 川さん |
1993年11月13日(土)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
07:00 | 曇 | 起床 | |
08:35 | 出発 | ||
13:00 | 霧 | 9合目 | |
14:00 | 小釜 | C1 |
どんよりした曇り空の下を出発する。雪は少なく、とても冬山基礎訓練とは思えない。スキーは当然持っていかないことに決定です。みんな、気楽な気持ちで登っていきます。9合目に到着して、雨と思われる滴がしたたり落ちてきて、ダブルヤッケが濡れてきても、「ああ、早く天場に行かなくてわ。」ぐらいにしか思っていなくて、あげくに、サブリーダーのY(卑猥のわい)君が、予定ルートの尾根とは明後日の方向の、登山道の方に歩き始めても、道も見えてるし、「まぁ、いっかぁ。」みたいな感じで、「いっちゃえ。」とか指示して、いざ、外輪に立ってみると・・・
悪夢はここから始まった。何なの、一体、この風は。とばされるって。こんなところで、いきなり耐風姿勢などを教えたりして、それでもまだ、のんきなリーダー二人は、天場を目指して進むのでした。やっとの思いで小釜について、テントを張って、ストーブを焚いて、濡れた体を乾かそうとするが、風が強すぎてそれどころではない。何とか暖を取ろうと、テントないでツェルトを広げた瞬間であった。『ベリッッッッッッッッッ。ゴォォォォォォォォォ。』なんと、テントが破け、風が思いっきり吹き込んで来るではないか。あわてて、Bパーティのジャンエスに逃げ込む。
ジャンエスの中は人間10人と、バラバラの荷物が折り重なって、ぐちゃぐちゃのパニックである。とりあえず、体勢を取り直し、落ち着いて、いつでも行動出来るようにと、いったんパッキングをするようにと指示するが、みな、やけになっているのか、怒った感じで、「どうやって寸のよ。」みたいな感じで、私の言うことなどちっとも聞いてくれない。普段、「リーダーの言うことは絶対。」などと言っていても、実際にこういう場面に遭遇すると、指揮系統という物はあまり役に立たない物なんだなぁ。こう言う時こそ、落ち着いてリーダーの言うことを聞いて欲しいんだけどなぁ。威厳のないヤツがリーダーになるってのいうのは危険なことなんだなぁ。いいよう。みんな。そんなこと言って、明日どうなったって、おいら、知らんからねーっだ。ちょいと、やけになってしまうリーダーであった。結局、そのままの状態で一晩を過ごすことになった。
1993年11月14日(日)
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
06:00 | 起床 | |
10:00 | 出発 | |
13:00 | 下山 |
「びゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ、ごろん、どっすぅん。」
まさか、風にひっくり返されて目を覚ますなど夢にも・・・思ったことはあるけど、まさか、本当に体験してしまうとは。朝方、10人の人間と装備が寝入っているジャンボエスパースは突風にあおられ、浮き上がり、見事に半回転する。これぞ、人間シェイクである。しかし、まぁ、良くこんな状況で熟睡していたものだと、我ながらあきれてしまう。
とりあえず、夜明けを待って行動を開始する。こんな時、けんたは妙に仕切っていたりして、何者だろう?私はと言うと、昨日のことでふてくされており、指示を出す気にもなれない。それはさておき、夜が明けて、ザックにとりあえず近くにある荷物を詰め込み、出口を探して外に出る。この時、軽い荷物やのぶのプラブーがとばされたりして、さぁたいへん。仕方がないので、のぶはインナーのままで下山開始する。
暴風の外輪を、一人ずつ、這いつくばって通過し、8合目くらいについて、風がやみ、ほっと一安心する。登山口につく頃には、涙が出てくるのを押さえるのが一苦労であった。(ほんと、まじで。)ともかく、この山行は、私の登山人生最大の汚点であって、最大の教訓となるべき出来事であった。この日のことを思い出すと、今も胸が痛くなる私である。
反省
この山行は、羊蹄をなめてかかって前日に天気図をとっていかなかったという手落ちのため、頂上での悪天候を予想出来なかったこと、9合目から小釜までのコース選択の悪さなどのミスにより起きた事故です。もし、あの後気温が下がっていたら、遭難の可能性もあるような事故でした。事故に関する反省は次のような物が上げられました。
- 天気図は山行の3日前からとっておく。
- 秋のこの時期は、雨で濡れた後、気温の低下により体力を消耗する可能性があるので、小雨でも行動を中止または避難した方がよい。
- コースの認識を徹底する。
- テントを正しく張る。
- ビバーク時はだれか一人が起きている。(これはちょっと疑問だな(^^;2003.9現在)
- ビバーク時はいかなる状況でも、行動出来るようにしておく。(というか、リーダーの指示に従え!2003.9現在)
- 必ず予備のガスを持って行動する。