大雪の沢巡り三日目は、何処に行こうと考えたあげく、軽めにニセイチャロマップ川から武利岳を目指すことにしたが、いざ林道入口に行ってみるとゲートが閉鎖されていた。仕方がないので当初予定していた電気の沢へ行くことにした。しかし、やはりこういう沢はひとりで行く物ではなく、みんなでわいわいとやる物だという結論に帰結した。
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
10:00 | 室蘭 | 出発 |
20:45 | 新大函林道入口 | C0 |
5時、集合時間を過ぎても、けんた、いっすい、川さんが現れない。私とおやぶんはキレて家に帰ってしまう。7時頃、川さんから電話があり、部室に集まり準備を始まる。しかし、ここで私が「行くのやめよう」と宣言する。前回、いっすい、けんたがパッキンに来なかった事なども重なり、かなり頭に来ている。おやぶんは、「マジかよ。」という顔をしている。この時私はかなり本気だったが、川さんになだめられて、渋々出発する事にする。この件については、いろいろと言いたいことはあるのだが、多くは言わないことにする。いつか私の気持ちが分かってくれる日が来るだろう。
東室蘭を出発し、苫小牧、南千歳、札幌で乗り換え、岩見沢で1年2人を連れて恒例の こもろ 。9分の停車時間ないでゲソ丼をかっ込み、出発10秒前に汽車に飛び乗る。おやぶんと川さんは、車内で持ち出しのそばを食いながら、我々が帰ってくるかどうか少し焦っていたようだ。私は時間厳守しますよ(ちょっといやみ)。更に、旭川で乗り換え、上川到着。バスに乗り換え、層雲峡へ向かう。
層雲峡で、どうやって大函に行こうかと考えていると、親切なタクシーの運ちゃんが来て、1台2000円で送ってくれるという。これはラッキーということで、タクシーに乗り、大函へ。林道入口で、予定天場まで行こうと準備していると、3人組のおねーちゃんが、車がハマったので手伝って欲しいと言ってきた。一体、何のためにこんな所に入ってきたのだろうか。あきれつつも、車を押してやる。
月光を頼りに予定天場へ向かう。雪はかなり多く、橋は完全に埋まっている。壁から垂れ下がる巨大なつららに感動しながら、新大函ノ沢林道入口に到着、幕営。少し遅い夕食(キムチ鍋)にする。この時、スベアを破損する。
当時の私のメモにこんな一文が残されている。
この2日間天気がよかったらしい。
今日も天気がいい。もし予定通り
きていれば、なまら景色が良かっただろう。
建築英語の寺田ゆるすまじ、
てめーはいつかころす。
たぶん、建築科英語担当の寺田先生が、冬休み直前に課題か何かを科したため、けんたといっすいが拘束され、予定通りに出発出来なかった事に腹を立てているのだろう。
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
05:00 | 起床 | |
06:55 | 出発 | |
12:50 | Co1264コル | C1 |
どうも、スベアの調子が悪いようだ。生ガスが出て目が痛くなる。不安を残しつつ出発。林道を使い、新大函ノ沢へ向かう。朝陽山林道の合流点までは、林道は非常に整備されている。林道の最上部から、シールを外し沢に向かって一気に滑り降りる。沢に入り、河原を進むが、行き詰まって思案していると、川さんが雪の薄いところで踏み抜いて両足のシールをぬらす。これはイタい。その後も鬼のような渡渉があることを予想していたが、意外と雪が多く、渡渉は全部で3ヶ所だけだった。
広い斜面をサックリと詰めてコルへ出た。ブロックを積んでいると、雲が切れ、屏風山が顔を出す。なかなかかっこいい。幕営した後、私とおやぶんは登ってきた斜面でスキーを楽しむ。なかなかグッドなスロープだ。川さんは写真を撮るために、あちらこちらうろうろしている。ラジオは明日の悪天を告げている。
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
05:00 | 起床 | |
06:40 | 出発 | |
10:05 | 平山 | |
11:25 | 比麻奈山 | |
11:50 | 比麻良山 | |
15:00 | Co1320 | C2 |
朝から徐々に天気は下り坂に向かう。ヌルい斜面をちんたらと登る。当初予定にあった丸山はあまりにもしょぼそうということで、カットする。森林限界は意外と高く、Co1600近くまではぽつぽつとカンバが生えている。Co1650をこえると、ひたすらシュカブラで、ガリガリだが、平坦なのでスキーをはいていく。ほとんどアップダウンもなく、平山。まさに平山。ピークと言っていいのかもよく分からん。風が出て、時々雪がちらつく。
ニセカウの大槍らしき影をかいま見ながら、平坦な尾根に申し訳程度に盛り上がった比麻奈山へ向かう。少し風が出てくる。比麻奈山はピーク写真を撮って通過。比麻良山でP-canを食う。本山行に向けてE.P練習をしなくてはならないので、E.Pをつけるが、全く練習にならない。すぐスキーに戻す。上部の急斜面をスキーを外して駆け下り、予定天場めがけてコンパスを切ってコルまで一気に滑り降り、スキーを堪能する。広い斜面で、読図はかなり難しい。
幕営し、ストーブを焚こうとすると、つなぎ目から生ガスがあふれ出し、テント中灯油臭で、目は痛くなるは、呼吸は苦しいは酷い目に遭う。とりあえず、換気をしながら米だけは炊きあげるが、これ以上は無理と言うことで、非常用のガスを使うことにする。
時刻 | 場所 | 行動 |
---|---|---|
05:00 | 起床 | |
07:05 | 出発 | |
08:50 | 有明山 | |
10:15 | 天狗岳 | |
12:50 | 北大雪スキー場 | 下山 |
広い尾根を登り、サクッと有明山に登頂。P-can(みかん)を開けるが、けんたが人のことを考えずに食い過ぎる。まったく、協調性のないヤツは困る#。有明山から北に延びる尾根が広くて、スキーがたのしそうだ。おやぶんに、「(天狗岳)いくの?」と、暗に、北尾根エスケープを誘うが、やっぱり行くらしい。
天狗手前で細くなり、E.Pに切り替えるが、ほとんど練習にはならない。狭い頂上をさっさと立ち去り、岩場の南側を巻いて降りる。ここからの斜面もすばらしいが、やはり皆シールを外そうとしない。もったいない。スキー場に出て、メンバーに、注意して降りるように指示してから、私とおやぶんは左の尾根を降りようとするが、ヤブヤブでだめ。すぐにゲレンデに戻る。
なぜか乗車料無料のバスに乗り、白滝へと向かった。
登山口に自転車を残置してからチカルベツ林道へ戻り、本流沿いの林道を進む。途中雨裂が走ったりして荒れては居るが、かろうじてハスラーで走破可能。林道は Co750 二股直近の右岸。
林道終点の土場から先にも林道跡が続いているようなので、沢に降りずに歩いてみるがほぼ藪漕ぎだった。しかもどんどん沢から離れていく。途中から枝沢に降りて Co820 付近で本流に戻る。恐らく、始めから本流を歩いた方が快適だろう。
沢幅はあまり広くもないが、ゴルジュという感じでもない。時々小滝が出てくる程度の渓相が続く。
Co1040 で両岸が立って、大きな釜を持った赤茶けた滝が出てくる。右岸のルンゼ状から高巻く。脆くてちょっと嫌らしい。
Co1150 二股からは更に沢幅が狭まって樋状の続くゴルジュになる。濡れないように進むとけっこう微妙なへつりを強いられるが、濡れて行けばそれほど難しくはないかも知れない。
「北海道の山と谷」の再刊版にはかなりハードな高巻きを強いられるような事が書かれているが、全て中を行ける。多分雪渓の状態とかの兼ね合いによるのだろう。
Co1250 付近に釜を持ったつるりとした滝が落ちているが、これは横たわる巨木の流木をステップにして越えられる。この気が無ければかなり厳しそうだが、相当の大増水でもなければこの巨木が動く事はあるまい。
小滝をいくつか越えると Co1290 の屈曲点で、ようやく長いゴルジュを抜ける。
沢は一気に開け、平らな河原になる。もっと鬱蒼としているかと思ったが、爽やかで快適な天場もある。
Co1390 二股を右に入り、更にすぐに枝沢状に合流してくる右股へ入る。小滝をいくつか快適なシャワーで越える。
Co1550 付近の滝を小さく巻くと、急傾斜の滑が続く。最後は沢形を忠実に詰めていったら、10分ほどハイマツを漕いでコルに出た。途中で右岸のお花畑に上がれば藪漕ぎなしで出られたかも知れない。
頂上には初心者50代おじさん1人。なんかいろいろ聞かれた。靴をラバーに履き替え、登山道を駆け下りる。この時間帯でも登ってくる人数人。
登山口で自転車を回収し、破線林道をダウンヒル。若干の登り返しはあるがほぼ下り。荒れていて自動車では通行不能だが、MTBならなんとかなる。ほぼ一時間で車を回収した。
茅刈別川本流を狙って、茅刈別林道を進むが、途中にゲートがあり番号が分からない。天気も怪しいので一旦引き返して、作戦を立て直し第三支川を目指して登山口へ向かうが、こちらにもゲートがあった。再び引き返して登山道の番号を調べて登山口へ着く。
登山口から少しうろちょろして、適当な斜面から沢に降りる。特に良い道は無い。ただの急な藪。
Co1300 を過ぎた辺りからちょこちょこと滝が出てくる。踏跡は左右に着いていてどこからでも越えていける。
どんどんガスが濃くなってくるが、大きな分岐もなく迷う事など全くない。
最後に岩盤が続いてザレに突き当たって終了。膝丈のハイマツの合間を縫って登山道に出てすぐに看板頂上。
実にショボい沢だが、特にブタ沢というわけでもなく、ちょっとしたジョギング的な沢。
真っ直ぐの登山道を駆け下りて下山すると晴れてきた。