白い雪のような・・・雪のような・・・いや、雪ですけど

ふ~ちゃん
目的
ケンネベツ川遡行
日程
2017年07月25日(火)
山域
知床連峰

ショウジ川とケンネベツ川は「再刊版・北海道の山と谷」に紹介されているが、ほとんど記録を見た事がない。知床が遠いと言う事もあるかも知れないが、実際に言ってみればその理由が分かった。

2017年07月25日(火)

2017-07-25 ケンネベツ川~ショウジ川

ケンネベツ川

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臭い。中に魚でも入れてヒグマを誘引しているらしい[77]

ケンネベツ川左岸には広いスペースが有る。地形図には建物マークがあるが、ないので取り壊されたのだろうか。林道のゲートには鍵が掛っている。林道を進むと、「ヒグマ対策手法実験中・立ち入りご遠慮下さい・実験場所にヒグマが誘引されますので大変危険です。」との謎看板有り。林道脇には外来種のジギタリスが咲き乱れている。

土場まで行くと、魚などが腐ったような生臭い臭いを放つ金属の箱が置かれていた。さっきの看板はコレの事か。どうやらその箱に電流が流れているようで、臭いでヒグマを誘引しつつ、電撃で撃退しようという対策か。なんかよく分からん事やっとる。


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歩きにくい[205]

さっさと先へ進み、ケンミネ川を通過し、最後の砂防ダムの上より入渓する。相変わらず鬱蒼としたクッソ歩きにくいゴーロが延々と続く。

Co310 では二手に分かれているが上流で合流している。 Co400 付近で沢がカーブを描くと周囲はようやく開けてスッキリとしてくる。


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[474]

霞の奥には記号の F1 が見えてくる。滝は直瀑だが、左岸壁は階段状となっているのでうまく繋げていけば直登も出来るんじゃないかという気もするが、上部がちょっと微妙そうなのでフリーで登るにはやや気が引ける。と言うわけでセオリー通り左岸ルンゼから高巻く。


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[535]

高巻いていくと、その先には二つ目のが見えてくる。二条二段ので、先ほどと同じような感じではないなあ。美しい造形の滝だが、霧がかかっていてはっきりと見えないのが残念。滝の周囲はハングした壁となっているので、そのまま巻き続ける。滝の落ち口をめがけてトラバースしようとしたが、やはり垂直の壁に阻まれ結局大回りで巻かざるを得ない。この辺り日高とそうでないとの違いを感じる。


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二段の適当に越える[553]

に戻ると状だが、カワイイ小滝だけの爽やか渓ゴルジュ。青いがどうのとか言うのは言うほど青くもないし、と言うか釜が青いのって普通だろとか悪態をつきつついると Co600 手前で湧水池が有って、その先は水が涸れてしまう。


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白いってこの程度か?[741]

その後は涸がいくつか有って、階段状の滑・・・。っていうか、白い岩盤ってコレの事?雪のようにって?え?普通に苔むしているし、岩自体そんなに白くねーし。先日のイダシュベツ川右股の方がむしろ白かったような。というか、日高の花崗岩の河原の方が白いし。

とか言っているとその内、本当に白い雪渓を埋め始めた。なんだかなあ。雪渓が切れるとその内灌木のトンネルになり、ついにはハイマツのブッシュに突入する。


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ショウジ川との間の岩場に出た[1279]

右の方に見える小さないわばを目指しトラバースして行くと、ちょうど目的のショウジ川源頭部の上に出た。

ショウジ川左股

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[1128]

時間が早ければ一応東岳を目指してみようかと思っていたが、けっこう良い時間になったのでそのままショウジ川に下る事にした。下った筋は沢と言ってもダケカンバが茂っている。 Co1230 二股に出るとお花畑に出る。頂上へ向かう沢筋は少しはスッキリしていそうだ。ここから真っ直ぐ東へ向かう沢筋はハイマツの尾根の向こう側。下りとは言えハイマツ漕ぎはご勘弁なので、そのまま沢筋に沿って北東へ下ってみる事にするが、こちらはずっとダケカンバのトンネルが続く。


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崩壊地[1081]

やがて平坦地で小さな窪地に筋が吸い込まれた跡があり、その先のハイマツのトンネルを抜けるとスレート上の岩が積み重なる崖の上に出た。下っていくと巨大岩石の積み重なる崩壊地で先には大雪渓が見える。急傾斜なので軽アイゼンを付けて下る。


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右が正解[887]

ハイマツの尾根越えとなる隣の筋とは Co900 のゴルジュの末端で合流していた。左の沢筋はハングしたとなっていて水流がある。下ってきた沢筋はここまで水流はない。もしも遡行する場合は左へ行きたくなる所だが、多分右へ行った方が楽だろう。


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[841]

ここから状の中にが続く。登る分にはたいしたことなさそうだが、下るにはややヌルッとしていて嫌らしい物も有る。しかし、いつも通り面倒なので全てクライムダウンで下りていく。

地形図の記号通りにゴルジュを抜けると何も無い単調な川へと変貌する。「北海道の山と谷」には右股は涸れ状とかあるが、普通に水量がある。一体何処の事を言ってるんだか。

何も無いゴーロを淡々と下っていると、気がつくと黒いでかいアイツが川面を見ながらこちらへ歩いてきていた。距離が近かいが、向こうは気がついていない様子だったので、対峙する体制を取ろうと踵を返して一段高い所へ上がって振り返ると、鈴の音に向こうも気がついたらしく既に慌てて反対方向へと走り出していた。


@

Co220 二股を過ぎるとすぐに二段の函滝が出てくる。右岸テラスを歩いて行くと古い捨て縄があった。新しい捨て縄を追加し、30mダブルでラッペルする。壁はほぼ垂直で、かつ脆く、登るのは無理そうだ。降りてを観察してみたが、周囲は脆い垂直の壁で、直登は泳いだ上にスペシャルハードなシャワークライムで登れるかどうか怪しい。「北海道の山と谷」では簡単に通過で切るみたいに書いてあるが、全くそんな感じではない。


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[26]

そこから先は河口付近までひたすら状であるが、知床としては割と歩きやすい河原と小さなだけだ。最後に砂防ダムを鉄梯子を使って下り、道路に出た。

雑感

ショウジ川左股は、上部のゴルジュはそれなりの面白さだろうが、正直下部がクッソ長いし、何より二段の函滝の通過が困難過ぎるのでわざわざ行くほどの価値を見いだせるかどうか微妙。右股は更に何も無いらしいので、一体誰がわざわざこんな所を遡行すんのって感じ。実際、ちゃんと遡行した記録は見た事がない。

ケンネベツ川はは綺麗だけど、結局最後はショウジ川に乗っ越すか引き返すしかなく、登頂目的のルートとしての価値は低い。いっそ、 F1 F2 の登攀に目的を絞ってみた方が面白いかも知れないなあ。

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