久々の大雪縦走はホワイトアウトだった

ふ~ちゃん
目的
新人強化 大雪山旭岳~化雲岳縦走
日程
2012年05月24日(木) - 27日(日)
山域
表大雪

本来、今回の山行は2パーティでの編成だったが、片方のパーティのリーダーである田之岡の身内に不幸があり、急遽1パーティに再編成しての山行となってしまった。田之岡以外は大雪の縦走は初めてのメンバーばかりで、山行の不安はさることながら、長距離ドライブはほぼ経験がないミウラの運転で旭岳まで行かなくてはならなくなった方が心配だ。

行程

C0[2-1] 旭岳温泉 C0 ~姿見駅~旭岳白雲岳白雲岳避難小屋 C1 ~高根ヶ原~忠別岳五色岳~ヒサゴ小屋~トムラウシ山(アタック)~ヒサゴ小屋 C2 ~化雲岳~天人峡温泉 下山

2012-05-24
部室~旭岳ロープウェイ旭岳温泉駅前 C0
2012-05-25
旭岳ロープウェイ姿見駅~旭岳北海岳白雲岳白雲岳避難小屋 C1
2012-05-26
C1~高根ヶ原~忠別岳忠別岳避難小屋 C2
2012-05-27
C2~五色岳化雲岳~化雲平~天人峡温泉 下山

メンバー

C.L
ふ~ちゃん
S.L
ミウラ
E
アスカ
M
三好
M
樽井
M
ソラ

2012年05月24日(木)

昼頃にタノから電話をくださいというメールが来たので、何事かと思って連絡してみると、おじいちゃんが亡くなったので山行に行けなくなってしまったとの事。タノはリーダーであり運転手の予定だったので、彼が行けないとなると大問題である。

予定より少し早めに部室に行くと、タノが部外者の友達と一緒に野菜を炒めてペミカンを作ってくれていた。検討した結果、今回はパーティを一つに再編し、装備はテントやスベアを削って1パーティ用にして振り分け直す。

レンタカーの運転手は長距離運転の経験がないミウラだけになってしまってかなり心配であるが、この際仕方がないだろう。とりあえず、万が一事故を起こしても人的被害を最小限にとどめようと言う事で、ミウラ車には出来るだけ荷物を詰めて、人間は私の車に乗る事になった。

少しでも早く出発したかったが、アスカの授業が長引いてしまい、予定より1時間遅れての出発になった。三笠から桂湖沿いのルートに入り、富良野を通って深夜1時過ぎに何とか事故無く旭岳駅に到着した。現役は駐車場にテントを張って就寝し、テントに入りきれない私は車中泊とする。

2012年05月25日(金)

タイムレコード
時刻天候場所行動
06:00起床
09:10快晴姿見駅
09:20出発
11:30旭岳
11:50
12:50間宮分岐
13:00
13:40北海岳
13:50
15:10白雲岳
15:25
16:00白雲岳避難小屋C1

6時起床の予定だったが、4時くらいから既に目が覚めてしまった。天気はいいが、空気は冷たい。現役達も6時前には起き始め、1斤のパンを切り分けて朝食を取る。

ミウラと私で私の車を残置しに天人峡まで往復する。復路でミウラの車に乗ったが、減速せずにカーブにつっこむは、急ブレーキは踏むはでビックリ。良くこれで事故無くたどり着いたもんだ。そして、助手席に座った樽井は良く酔わなかったものだ。少しの間だが、旭岳温泉に戻るまで安全運転のレクチャーをする。

ロープウェイ駅舎はきっちり8時30分にオープン。8時前から並んでいるのだから、もう少し早く入れてくれても良いのに。ロープウェイの所要時間は約10分。姿見駅を出ると、雪渓からの照り返しが激しい。みんなソラの持ってきた日焼け止めを借りて顔に塗りたくる。

姿見駅を出発[image/jpeg:130kB]
姿見駅を出発

姿見の池から稜線に上がると風が意外と冷たい。ソラが早速遅れ始めたので、団装を分散して他のメンバーに持たせたが、それほどスピードは上がらない。一方、一年生軍団はまったく元気でどんどん先を行く。アレが金庫岩で、悪天時には道に迷いやすく・・・とかいう説明もする余裕もなくピークに到着。


旭岳[image/jpeg:140kB]
旭岳

記念撮影を済ませて裏旭へ下る。各自持ってきた肥料袋に雪を詰めて滑り降りるが、雪がグズグズすぎてあまりスピードが出ない。やっぱり袋より銀マットの方が良いかな。


お鉢平[image/jpeg:85kB]
お鉢平
白雲岳へ[image/jpeg:154kB]
白雲岳へ
白雲岳より[image/jpeg:65kB]
白雲岳より

1年生3人は少し体力が劣ると聞いていた樽井もまったく問題なく、むしろ他の2人の体力がありすぎで先輩2人のメンツは丸つぶれ。一年生3人は競争するようにキックを踏んで白雲岳雪渓を詰める。外輪からは1年生は全装でピークを目指し、先輩達はザックを置いてピークアタックする。

ようやく全員白雲岳に到着し、差し入れの缶詰を食べようとすると、ゴロゴロと雷鳴がなり始め、緑岳方面に稲光が見えた。おそらくみんな、自分より下方に稲光を見たのは初めてだろう。大急ぎでピーク写真を撮って白雲小屋を目指す。

スキーが得意なアスカ、樽井は初めてのグリセードもそつなくこなす。外輪から白雲小屋へ直接下る雪渓も今年は雪が少なく、一部クレバスが出来ていた。ギリギリ天気図の時間に間に合ったので、天気図を取るが非常にアヤシげな天気図。明日以降の天気はあまり期待が出来ない。

いつものように小屋の中にテントを張る。今回も火力は MSR だが、やはり調子が悪い。まったく火力が安定せず、結局ガスを利用する事になった。

2012年05月26日(土)

タイムレコード
時刻天候場所行動
03:00起床
05:00再起床・朝食
09:30再々起床・昼食
10:50出発
15:10忠別岳
15:20
16:20忠別岳避難小屋C2

昨夜から断続的に降っていた雨は雪に変わって、起床時間には横殴りの吹雪となっていた。気温も低く、ヒサゴ沼を目指すには少し条件が厳しい。しばらく天候回復を待つ事にする。

9時頃、冷たい北風から南風に代わって気温も上がってきたので、出発する事にする。 MSR はジェット交換や清掃など、いろいろやってみたが結局安定せず、プレヒート燃料を出し過ぎて炎上して火事になりそうになったり、まあなんつうかいろいろと面倒な道具だ。

白雲小屋をあとにする[image/jpeg:124kB]
白雲小屋をあとにする

道は新雪に隠されて判りづらくなっている。雪原の中に時々見えるケルンだけが道しるべだ。忠別沼付近では濃いガスの中、なかなか登山道が見つけられず少し時間をロスしてしまった。


忠別岳[image/jpeg:60kB]
忠別岳

道が判りにくい上に、風雨もますます強くなり、ソラのページも相変わらず上がらず忠別岳到着時点でヒサゴ小屋到達は困難と判断し、忠別小屋に待避する事にする。悪天で忠別小屋に避難するのは前回高根ヶ原縦走をした10年前の新人強化に続き2度目だ。何かの呪いだろうか。っていうか、あれからもう10年もたつのか。

ガスがあまりにも濃くて小屋がなかなか見つからず、無くなってしまったのだろうかと一瞬不安になるが、どうにか小屋を発見。皆ずぶ濡れで小屋に駆け込み、例によって小屋の2階にテントを建てる。何故か鍋を乗せると炎上する MSR は暖気専用とし、煮炊きにはガスを利用する。

極限状態で新人3人の性格が浮き彫りになってくる。三好は猪突猛進型。樽井はマイペース。アスカはちょっと神経質で少しそそっかしい。

2012年05月27日(日)

タイムレコード
時刻天候場所行動
03:00起床
06:15出発
08:15五色岳
11:05化雲岳
15:50高層湿原入口
17:50天人峡温泉下山
忠別小屋[image/jpeg:108kB]
忠別小屋

今日も天気が悪い。というか、風が強い。正直停滞したいぐらいの天気だが、いろいろと事情が許さないだろう。まあ、みんな若いので何とかなるだろう。


ハイマツの回廊[image/jpeg:165kB]
ハイマツの回廊

視界は悪く、2日間で積もった雪で登山道が隠され稜線に上がる道を見つけるのにも右往左往する。稜線に上がると、いきなり忠別川から吹き付ける横風に煽られ先が思いやられる。雪渓が少ないが故、五色岳へはハイマツの回廊との格闘だ。先頭の三好が時折雄叫びを揚げながら突き進んでいく。アスカはそれにぴたりと着き、樽井は少し後ろから静観しつつ付いていく。


化雲岳[image/jpeg:75kB]
化雲岳

相変わらず道はさっぱり判らず、新雪のかぶった藪の上を直進する。もはや個人装備の一部しか持っていないソラは相変わらずペースが上がらず、結局化雲岳まで5時間もかかってしまった。昨日あのまま進んでいたらヒサゴ沼に着くのは21時頃だった計算だ。

化雲岳を過ぎるとガスはますます濃くなり、小化雲岳とのコル付近は前も後ろもさっぱり判らず、もはや勘だけが頼りで進む。一年生は歩くのが速いし、後ろは遅いし、読図は難しいで OB リーダーは大忙しだ。本当は読図の方法などをレクチャーしたいのだが、そこまで手が回らない。


第二公園付近[image/jpeg:118kB]
第二公園付近

ズボズボと埋まるルート工作は三好とアスカにほぼ任せっきりだが、2人ともまったくへたる事がない。何とも頼もしい1年生だ。湿原第二公園に着く辺りからようやくガスが切れ、道がはっきりしてきた。そこからはいつものように川と化した道を進む。

化雲岳を通過した頃は、明るいうちに下山出来るかどうか心配だったが、何とか日没前に天人峡にたどり着いた。大急ぎで荷物を片づけ、温泉に飛び込んだ。

私とミウラは一足先に温泉から上がり、旭岳温泉で車を回収。復路は燃料が足りないので、深夜までスタンドが開いているであろう旭川周りで帰る事にする。何とかセルフのスタンドを見つけて給油した後、すき家で晩飯を食べてから帰路に付く。

フル行動後の深夜運転は死ぬほどきつい。途中二度ほど仮眠を取りつつ、何とか無事に部室にたどり着いた。

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