大雪山で春スキーを堪能してきた。初日は風に吹かれてどうなることかと思ったが、二日目は必要以上のスカ天で、後半は雪が腐ってしまった。
計画書
行程
メンバー
- 少佐
- とーの
- ふ~ちゃん
装備
- 山スキー
- アイゼン
- ピッケル
- 2~3人用テント
- アルパインクルーザー 3000
2007年04月29日(日)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
08:45 | 層雲峡駅 | 出発 | |
09:20 | 晴 | リフト終点 | |
10:55 | 黒岳 | ||
12:40 | 凌雲岳 | ||
14:30 | 北鎮分岐 | ||
16:00 | ピウケナイ沢 Co1790 | C1 |
昨夜は少佐のお宅に泊めてもらった。私の車で現地に向かい、愛山渓のドライブインでとーのさんと合流した。いったん、愛山渓温泉に向かい、とーのさんの車を残置して層雲峡へ移動した。
ロープウェイとリフトを乗り継いで黒岳へ向かう。すでに数人の登山者が先行している。コンパスを切って最短ルートでピークをめざす。まだ充分な雪があり、ブッシュはない。各自思い思いのトレースを踏んで歩きやすいルートを進む。最後の急騰はスキーをはずしてキックステップで一気にピークに出た。
ピークはやや風が強いが、いい天気である。コルまで下り、石室の脇の窪みで休憩する。風をよけるつもりだったが、風の吹き抜けによってできた窪みなので、あまり意味がなかった。稜線を進み、斜面をトラバースして、がたがたの斜面を下って白水川源頭に降りる。
北鎮岳東の尾根末端にザックを残置して、凌雲岳南斜面を登る。雪面はやや硬いが、スキーでピーク直前まで進んだ。スキーを残置して、岩の露出した初めての山頂に到着した。
やはり風が強いのでさっさと下る。雪質はイマイチで、所々クラストしている。ふと周りを見渡すと、いつの間にやら雲に覆われ、先ほどまでよく見えていた山々の姿はどこにもない。
南の沢沿いに進み、北鎮岳をめざすがガスはどんどん濃くなってホワイトアウト状態になり、風も強まってくる。残念だが、北鎮岳は省略することにした。
北鎮分岐に出ると、正面からもの凄い突風に襲われる。吹き飛ばされないように尾根上をはいつくばって何とか反対側の斜面に降りる。今日の幕営は中岳温泉の予定だが、稜線上はとてもじゃないが行動できないので、そのまま谷に下ることにする。
谷の中は 10m 先も分からないようなもの凄い霧で、起伏の少ない複雑な地形なので正確な現在地は分からない。雪は硬く、風成の凸凹が不快である。平坦な谷の中で、ふと後を振り返ると後続の姿が見えない。声を掛けながら後続が追いつくのを待つ。
折を見て斜面をトラバースして中岳温泉をめざすつもりだったが、時間も遅いしこの状況ではちゃんとたどり着けそうもないので、今日はあきらめて天張ることにした。何も見えない白一色の中でブロックを積み上げて幕営する。
夕方になって雲は一気に消え、先ほどまでの天気が嘘のように青空が広がり、夕日が山々を照らしていた。
2007年04月30日(月)
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
05:00 | 快晴 | 起床 | |
07:00 | 出発 | ||
09:00 | 比布岳 | ||
11:30 | 安足間岳 | ||
12:40 | イズミノ沢左岸尾根 | ||
13:20 | 愛山渓温泉 | 下山 |
今朝は雲ひとつ無い天気。硬く締まった鏡のような真っ白な大地に春の太陽が乱反射してまばゆいばかりだ。現在地は Co1760 で、思ったよりもだいぶ下っていた。
ピウケナイ沢に沿って比布岳をめざす。雪面は硬くスイスイと進む。安足間岳と比布岳の間の谷に沿って登る。凹面レンズとなった谷が光を集め、目に突き刺さる。サングラスがなければ一瞬のうちに雪目になってしまうだろう。
谷はどんどん急になってくる。頂上直下は雪も硬く、必至にジグを切って登っていく。少佐、とーのさんの二人はシーアイゼンを着用してスイスイ登っていた。
荷物をコルに残置してとりあえず比布岳にアタックする。証拠写真だけを撮ってすぐに戻り、コルで休憩しながら作戦会議を開く。愛別岳への稜線は細く遠い。そして、現在地の方が高いので、ショボく見える。例によってとーのさんがあまり乗り気ではないようなので、案の定愛別岳はカットされた。
安足間岳へはすぐだが、稜線は細く、途中の岩場の処理が面倒くさそうである。時間もたっぷりあるので、今登ってきた斜面でスキーを楽しんでから、南側の尾根を登り返すことにする。見た目は非常に楽しそうな斜面だったが、実際には雪はまだ硬く、上部は斜度が強いので思ったようにスキーのコントロールはできなかった。中間部はそれなりに楽しんで、下部は斜面をトラバースして安足間岳の南尾根の突端に取り付く。
安足間岳への登り返しの尾根は取り付き部分がちょっと急で、岩も露出しているのでスキーを脱いでよじ登る。 Co1986 台地は雪が吹き飛ばされ、岩や植物が露出している。尾根に沿ってジグを切りながら安足間岳を登る。絶好調とーのさんがどんどん登っていく。
ピークに到着すると、愛山渓方面から登ってくる人たちの姿が見える。安足間から見る愛山渓方面への地形は複雑で、これから下るルートをあっちだろこっちだろと地形図とにらめっこしながら指を指すが、結論は出ない。まあ、とにかく行ってみれば分かるだろう。
永山岳や当麻岳には目もくれず、西斜面へと滑降を開始する。上部はやや硬かったが、中間部は抜群の雪質。永山だけの西南の尾根筋は岩が露出している。その北側の谷筋を滑り、 Co1750 のくびれに出る。このあたりはややブッシュが出ている。ここから扇に広がる尾根を銘々に滑っていくが、雪が一気に腐り、グズグズで足が取られて吹っ飛ばされる。
イズミノ沢の乗っ越しは、私は上流側に下り、斜面を水平にトラバースして対岸の尾根に上がった。とーのさんは私より少し下をトラバースしていた。斜面はもの凄く急で、雪は今にも崩れそうで怖かった。少佐は律儀にも登山道通りにトレースし、キックステップで登ってきた。
ここからはあちらこちらにトレースが付いているが、我々は愛山渓温泉に向けてまっすぐ緩斜面を下っていく。 Co1300 空の樹林帯は雪が腐って足が取られ、コントロールが難しかった。適当に滑ったので、最後は現在地が分からず、少し不安になったが、林道らしき物に出て温泉に到着した。
愛山渓温泉に入り、上川の『あさひ』でラーメンを食い、層雲峡に車を回収する。層雲峡でとーのさんと別れて、少佐を自宅に送り届けて帰路に就いた。