中ノ岳ノ沢は2年前にソエマツ沢とともに遡行するはずだった課題であるが、とてもソエマツ沢とセットで出来るようなレベルの沢ではなかった。この沢は、ツルツルのゴルジュを泳ぎや微妙なへつりで突破する、水泳系の沢とイメージしていたが、実際は劣悪な函滝を人工物を交えて突破する登攀系の沢だった。下降の支六ノ沢も存分に沢の醍醐味を味わって、非常に濃密な4日間となった。
行程
メンバー
装備
2008年08月13日(水) ルートルオマップ川アプローチ
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
05:05 | 苫小牧駅 | 合流 | |
10:20 | 曇 | 中ノ川林道終点 | 出発 |
12:30 | ルートルオマップ川 Co320 河原 | 入渓 | |
14:55 | 十字峡 | ||
15:30 | 中ノ岳ノ沢出合 | C1 |
苫小牧駅でおやぶんをピックアップし、大樹へ向かう。駐在所で計画書を提出し、コスモール大樹でパッキングをする。セブンイレブンで飲み物の補給と地図のコピーをして中ノ川林道へ向かった。
林道
林道封鎖地点の橋の上には車が一台止まっていた。出発の準備していると更にもう一台やってきた。いずれも釣り屋だ。橋から先は藪が覆い始めている。所々で倒木が切られており、タイヤの跡が続いている。途中にナンバーの外れたバイクが残置されていた。もう少し行くと、このバイクの持ち主の釣り屋とすれ違った。やけにヒグマを警戒していたが、そんなにヒグマが怖いなら釣りなんかしなけりゃ良いのに。この荒れた林道歩きに思ったよりも時間を費やして、神威橋まで1時間強を要した。
更に荒れた林道を進む。崖の足下には大きな瀞の函が見える。林道は枝沢が横切る所で、ことごとく大きく崩壊している。”バカ”が生い茂っており、足や腰に大量にひっついて鬱陶しい。 Co320 付近で大きな枝沢が合流する所で広い河原の沢に下りた。結局林道歩きに合計2時間ほどかかった。
ルートルオマップ川本流
靴を履き替え、私はアプローチシューズを残置して出発。林道跡はもう少し先の Co340 付近まで続いているようだ。はじめの小ゴルジュは腰まで水に浸かったり、左岸をへつったりして通過した。新地形図の「歴舟中の川」の「中」の字の支流出合に幕営跡があった。
S字峡は左岸に非常に立派な巻き道がある。十字峡は巻き道が有ることは知っているが、今年初泳ぎでつっこむ。出口で流速が速くなり、私の泳力では進まなくなり、右岸の岩によじ登る。おやぶんはビート板泳法で泳ぎ、私がザックを引っ張り上げた。一気に体力を消耗した。滝は右岸から高巻いた。
あとは中ノ岳ノ沢出合までは何もなし。本流の少し上流の河原で幕営した。乾いた薪は良く燃える。濡れた服を乾かし、翌日に備えて早めにツェルトに入った。明日からはあまり天気が良くなさそうだ。
2008年08月14日(木) 中ノ岳ノ沢核心部
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:00 | 曇 | 起床 | |
05:20 | 出発 | ||
09:00 | Co650 | ||
10:30 | Co750 | ||
13:40 | Co770 | ||
16:00 | 霧 | Co825 | C2 |
前置き
中ノ岳ノ沢は出合から狭い函になっている。入ってすぐの所で、頭上に丸太が引っかかって橋になっていた(Co470)。狭い函状はすぐに開け、意外と容易な渓相となって、小滝滑滝を普通に通過していく。唯一の難しそうな滝も、右岸にかかった太い流木使って通過する(Co490)。
Co495 の屈曲点からは狭いゴルジュとなって泳いだら楽しそうな淵もあるが、体力温存のため、適当にテラスを歩いてちゃっちゃか歩いて通過して行く。
Co521 付近は天然の砂防ダムの上に広い河原が広がって、快適に天張れそうだ。その先もしばらくはガレや河原が多く、全く難しい沢という雰囲気はない。
序盤
Co600 付近からついに狭いゴルジュとなる。はじめの滝はまともに取り付いたら難しそうだが、右岸にかかった流木を伝って登り、ジャンプして通過する。一端巨岩が沢を埋め、次の滝も流木が詰まっていて難なく通過した。そろそろ核心が始まることだが、あまりの手応えのなさに、流木や岩で沢が埋まってしまったのだろうかと言っていたら、ツルツルの函滝が登場した。
深い釜の先で、ホールドの乏しそうツルツルの樋状になっている。ぱっと見、登れそうな気もするが、泳いで取り付いて登れないとダメージが大きい。登れるか登れないか、実に微妙な感じの滝で、しばらく腕組みしてどうしようか悩むが、ヘタレな Around40 コンビは右岸高巻きに転じる。ロープはなくても良さそうだが、トラバースがちょっといやらしいので一応出してピンを打っていく。残置は見あたらない。登ってみると、滝の上は垂直の壁になっていて植生もなく、下りるには人工ピンが必要だった。そして、下りた所でその先にはツルツルの滝とチョックが続いている。
しばらくどうしようかと側壁を右往左往するが、そのまままとめて高巻くことにして、更に壁をよじ登って、植生でアンカーを取っておやぶんを引き上げる。植生をトラバースしてチョックストンの上に出る。クライムダウンできそうな気もしたが、捨て縄を掛けてラッペルしてチョックストンの先に下りた。この通過に1時間を要したが、巻くと決めておけばそれほどかからないだろう(Co600-615)。
次の淵は泳いで通過する。曲がりくねるやや広めのゴルジュを適当に通過していくと、流木のたまった滝が出てきた。
ひとつだけ残置ハーケンがあり、そこから延びるバンドを簡単にトラバースできるかと思ったが、意外とツルツルで微妙である。一端ザックを置いて空身でトライするが、やはり踏ん切りが付かない。やむを得ず、ハーケンより上に延びるクラック沿いに登るが、ヌルヌルのもがついて嫌らしい。泥つきをトラバースして、滝の上にクライムダウンして滝の上に出た。ザックをロープマンで引き上げる(Co640)。
中盤
Co670 で滝をひとつ右岸のバンドトラバースで通過しているが、あまり記憶にない。なお、この付近は遡行図に不備があって位置が前後しているかも知れない。淵をひとつ泳いで通過するが、悲壮感はない(Co700)。泳いだ先の函滝は右岸をへつって通過する。小滝がちょこちょこと出てくくるが、問題になる物はない。後にわかったことだが、この辺りが「北海道の山と谷(改訂版)」のグラビア写真の付近であるが、このときはデブリでダムとなって埋まっていた。
この付近は核心部にあって中休みという感じで、思いのほか簡単な沢という印象だ。ただし、この付近は雪渓が多く残りそうな地形で、雪渓のある時には苦労しそうだ。実際 Co730 二股にはわずかながら雪渓が残っていた。
雪渓の先の斜瀑はツルツルに見えるが、水流の中にホールドを求めて直登した(Co725)。 Co730 には、「北海道の山と谷」の2枚目の写真のチョックストンの滝があるが、ちょっと微妙という程度で、問題なくへつって通過した。
確かに函状の地形は続くが、思ったほどの手応えはなく、この沢は元々この程度の物だったのか、雪渓や水量が少ないからか、あるいは昔より埋まってしまったのだろうか。これなら早めにビバークポイントまで付いてしまうのではないか、早く付いたらどうする?などと話を始めていたが、それは全く都合のいい考えだった。
終盤
Co750 で正面に大きな滝の枝沢を見て沢が左を向くと、深くくらいゴルジュとなっていた。少し進んだ所で、先ほどまでの甘い考えは吹き飛んだ。
まずは泳いでツルツルの小滝によじ登っておやぶんをお助けひもで引っ張り上げる。ツルツルの樋滝を全身ブリッヂで通過する。更にツルツルの滝をステミングで通過すると、ハングして落ちる滝が出てきた。
大きくはないが、かぶり気味の壁に囲まれて全く取り付きようがない。途方に暮れて周りを見渡していると、左岸の上方にブラックダイヤモンドの残置ハーケンを見つける。下から見る限りでは、階段状でさほど難しそうには見えなかった。ザックを背負ったまま胸元の小テラスのクラックにナッツを引っかけて A0 でよじ登ってみるが、その先もホールドが乏しくかぶり気味で、ザックを背負ったままではキツい。一端下りテザックをおろそうとしたら、ナッツが外れて墜落し、腰を強打してしまった。
猛烈に痛いけど大きな怪我はなさそうなので、気を取り直して空身で取り付く。今度はナッツをしっかりと利かせ、 A0 でよじ登る。細かくピンを取りながら、もの凄く微妙な壁をよじ登っていく。残置ハーケンはさび付いており、信用ならない。新たなハーケンを打つ。残置のかかっていたカンテの右側で一端ピッチを切るが、全く落ち着く所はなく、ほぼハーケンにぶら下がったままとなる。ロープマンでザックを引き上げるが、置く場所がないので、アンカーにぶら下げる。2ピッチ目はおやぶんがリードする。垂直のカンテ沿いに登っていくが、やはり悪そうだ。ようやくカンテを越えて少し傾斜の緩い草付きに入って姿が見えなくなった。声が聞こえないのでザックの引き上げに少々手間取った。残置の横に打ったハーケンが一枚抜けず、やむを得ず残置した。登ってみると、2ピッチも悪いことがよくわかる。ハーケンを回収するのに足がプルプルする。おやぶんも良くこんな所にハーケンを打ったものだ。
2ピッチ目は上灌木帯のバンドまでだった。そこから植生のバンドをトラバースする。先にはもう一つチョックストンの滝が続いている。この滝は登れそうだが、下りる場所が良くないのでトラバースしてまとめて巻くことにした。チョックストンの上で灌木に捨て縄をしてラッペルで降りた。結局ここの通過に3時間近くを要した(Co760-770)。この滝の通過で一気に消耗する。その上、空はいつの間にやら雨模様で追い打ちを掛けられる。
Co780 淵は右岸の残置シュリンゲをつかみつつへつって通過。次の滝は右岸バンド沿いに残置ボルトとハーケンがある。腐っているので、自分でもピンを打ち込みながらトラバースしていく。最後の一歩がかなり微妙である。ここも空身で登ってザックを引き上げる。出発前日に買ったロープマンが大活躍だ。おやぶんは上に上がってから最後のピンをはずして振り子になるのを少し躊躇していたが、何とか滑らずに登り切った(Co790)。
次の樋状の滝を股関節一杯に広げたステミングで登ると、ハングしたチョックストンだ。左右に残置が残されている。我々は右岸を A0 で登ることを選択する。残されたひん曲がったボルトでは不安なので、新たなボルトを打とうとジャンピングを取り出すが、おやぶんがうっかりジャンピングのビットを落としてしまう。
ジャンピングが使えなくなってしまい、仕方ないのでこの腐ったボルトを利用するしかない。私はこうゆうのは嫌いなので、ここはおやぶんに任せる。一応、ボルトの横のリスにハーケンを半分ぐらいたたき込むが、下向きだし、利いているかどうか微妙だ。おやぶんは腐ったボルトだけを使ってシュリンゲを鐙にして登る。ザック引き上げ、私も続いた(Co800)。
その先はツルツルだが楽しいゴルジュだ。だが、天気もすっかりガスガスになってしまい、体力もへろへろ。足下がおぼつかず、何もない所で転んでしまい、膝を強打して泣きそうになる。そろそろ限界と言う所でガッツリとシャワーで追い打ちを掛けられた(Co825)。
ビバーク
この滝を登ると広くなって、 Co850 と思われた。二股はあまりいい感じではない。少し先に少しでも増水したらすぐに水没しそうだけれど、薪もあって平らな所があったので底に天張ることにした。乏しい薪を集め、火をがんがん燃やして必死で衣類を乾かす。クリマプレンは確かに保温性はあるようだが、微妙に保水してなかなか完全には乾かない。一方、おやぶんのファイントラックの衣類は生地は薄いがほとんど保水せず、すぐにドライになるようだ。
飯はトップバリューの野菜チップスとジャガビーとドライソーセージを入れたカレーライス。ちょっとしょっぱいが、意外とイケる。時々、霧雨が振って、イマイチ不快だ。仕方ないので、さっさとツェルトに潜り込むが、ふと、地形図を見ていなかったことを思い出して、地形図を見ると、予定天場の Co850 より手前の Co825 であることが判明。まあ良いや、体力的にも時間的にも限界だったし。
2008年08月15日(金) ルートルオマップ川支六ノ沢を泳ぐ
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
04:00 | 曇 | 起床 | |
05:40 | 出発 | ||
07:20 | 晴 | 源頭 | |
08:40 | 中ノ岳 | ||
11:10 | 中ノ岳北東面直登沢 Co960 | ||
13:50 | ルートルオマップ川支六ノ沢上二股 | ||
16:00 | Co470 | C3 |
朝方はやはり寒くて早く目が覚めた。焚き火を燃やして暖を取る。
おまけ
出発するとすぐにゴルジュだ。昨日のような威圧感はないが、朝から泳いだりして通過していく。昨日やり残した課題なので仕方がない。 Co850 はそれなりに河原があるが、大きな石が積み重なって整地が大変そうだし、薪は全く見あたらない。
更にその先もゴルジュだが、ごくごく簡単なものだ。 Co920 で樋滝をステミングで越えると沢は開け、長いゴルジュの沢に終わりを告げた。
滑滝連瀑
ここからしばらくは、傾斜の緩い岩盤滑床にガレが点々としている。徐々に滝の傾斜はきつくなっていくが、いずれも楽しく直登できる。日高らしく無数の滝が出てくるが、日高の直登沢としては簡単な方だ。
Co980 にやや大きな滝があるが、ホールドは豊富で楽しく直登する。 Co1010 の滝は一気に 30m ほど高度を上げる。振り返るとニシュオマナイ岳が見える。 Co1090 二股の滝は水流をシャワークライム。次の滝もかなりガッツリシャワーを浴びる。シャワークライムを楽しみながら滝をどんどん越えて源頭へ出た。
中ノ岳
源頭はすり鉢状の笹の斜面の底から始まっている。伏流水がわき出て冷たくておいしい。水を確保し、衣類を換えてから、シカ道使って稜線をめざす。
ピーク西のコル方向はハイマツに覆われているので、薄い笹藪に縦横に走るシカ道を使って西側の稜線上に出た。ちょっと距離は遠くなるが、ハイマツを漕ぐより圧倒的に早いだろう。ピークまでの踏み跡は明瞭だ。
ピークからは南方面の山々はよく見えるが、北方面は雲に覆われ、ペテガリは下部の沢の一部は見えるが、ピークはやはり雲に隠れている。一方、下る予定の東尾根はよく見えるが、思っていたより細く起伏も激しく、藪もかなり濃密そうである。1つ目のポコにたどり着くだけで一体何時間かかるだろうか。これなら多少滝が多くても、沢に直接下りた方が早そうである。
中ノ岳北東面直登沢
北東面直登沢は一度遡行しており、それほど劣悪な沢でないことはわかっている。ピークから直接沢に下る。やや藪を漕いだ後、小滝群に出る。滝は極力クライムダウンで下っていく。
クライムダウンが得意な私が先に下って、おやぶんに指示して下りるという感じで下りていく。 Co1200 のチムニーの滝は、チョックストンにロングのシュリンゲを捨ててラッペルで下る。 Co1100 の大滝はクライムダウン出来そうだが、さすがに高くてちょっと怖いので左岸の細い灌木に捨て縄してラッペルで下りた。
続く函はチョックストンの滝などをいくつかまとめて右岸から高巻いた。沢に戻っても微妙なクライムダウンが続く。前回、雪渓の中間部分にあって上から覗いただけの大滝は何とかクライムダウン出来た。その先には今にも崩れそうなスノーブリッヂが待ちかまえていた。今までももっと不安定なブリッヂをやむを得ずくぐったことはあるが、左岸側壁が行けそうなので、トラバースして通過する。
ここからしばらくは問題ない小滝が続く。サクサクっと通過して核心部へ出る。奔流して中間部で吹き出る滝は左岸の細い木に捨て縄してラッペルで下る。ここで私の捨て縄は使い果たした。ツルツルの滑滝をいくつか下っていくと、高い壁に囲まれて行き、問題のゴルジュの上に出た。
ここは前回の高巻きを思い出し、急な右岸の壁をトラバースして植生のバンドに沿って高巻く。一端立ち木でラッペルをし、更に藪を漕いでスラブの大滝の上に出た。
灌木に捨て縄をしてダブルロープでラッペルをする。しかし、ちょっと長さが足りず、ロープにぶら下がってトラバースし、残りは右岸のバンドに沿ってクライムダウンで下りた。
何とか問題なく核心部を下りることが出来た。ここまで来れば後は楽勝だ。延々と続く滑滝をクライムダウンしていき上二股に出た。
ルートルオマップ川支六ノ沢
上二間の天場は狭く、薪もなく不快そうだ。時間もまだ少し早いので、快適な天場を求めて下る事にした。この沢を下るのは2度目となるが、前回の14年前は記録的渇水の年でろくな泳ぎはなかった。しかし、下るとなれば一応泳ぐ体制を整えておく。切られる物は出来るだけ着込んで出発する。
体制を整えたので、へつるのが面倒な所は飛び込んでいく。早速すぐの釜滝で泳ぐ。その後しばらくは狭いゴルジュながらも、あえて泳ぐような所はないが、 Co510 付近からいよいよ泳ぎが始まる。
既に記憶が吹っ飛んでどこでどの程度泳いだのかよくわからないが、今まで体験したことのないくらい長い淵を泳いだりして、とにかく徹底的に泳ぎまくりだ。必要以上に泳ぎまくり、そのうち雨も降り出した。しかし、良い天場はなかなか無い。だんだんやけくそで淵に飛び込んでいく。体はボロボロだが、気分はハイでまるで酩酊状態だ。
焚き火と雨
Co455 出合付近は広い河原となって、大きな流木が溜まっていた。すかさず泊を決める。まずはとにかく焚き火に火をつける。雨の中なので装は簡単に燃え上がらないが、大きな流木の下に乾いた気があって、徐々に大きくなっていく。木はいずれもそれほど湿ってはおらず、大きな木に火がつくと一気に大きな火柱を上げる。
火はがんがん燃えるが、一時雨が強くなって、乾くスピードより濡れる方が早くなってあわてて雨具を着る。強い雨は30分ほどでやんだが、沢は一時的ではあるが、わずかに増水した。明日は日が昇ってからのんびりと下るだけ。焚き火にあたって少しのんびり過ごす。雨はやんで雲は少しずつ晴れてきている。
2008年08月16日(土) 帰還
時刻 | 天候 | 場所 | 行動 |
---|---|---|---|
05:00 | 起床 | ||
07:00 | 快晴 | 出発 | |
08:00 | S字峡 | ||
10:15 | 入渓地点 | ||
11:30 | 神威橋 | 脱渓 | |
13:00 | 林道終点 | 下山 |
今朝も寒さで目が覚めた。皮肉なもので林道歩きの日に限って雲ひとつ無い快晴だ。適当に起きて、うだうだと焚き火にあたりながら準備をする。薪があまりにもでかいのでさすがに消火してから出発する。
本流まではたいした物はない。十字峡は泳いで下る。おやぶんがビート板泳法で気持ちよさそうに泳いでいったので、私もマネをしたら、やり方がよくわからず、体がくるくると回転してしまって、前に進めず溺れそうになって、おやぶんに助けてもらう。アホすぎ。慣れないことはする物ではない。やっぱり、ザックのひもを締めて背泳で下るのが一番楽だ。
S字峡は中につっこむ人もいるようだが、ヘタレな Around40 コンビは出口の滝にびびって全部高巻いた。後で記録を読むと、この滝だけ巻けるらしい。小函は行きではへつったみたいだけど、力つきて途中から泳ぐ。函の出口には釣り屋の物であろうソーセージの食べかすが捨ててあった。こういう連中は熊に喰われればいいんだ。
林道跡は”バカ”が鬱陶しいと言うことで、神威橋までは中を行くことにして靴を回収する。淵・瀞は行きで上から見たプールくらいかなと思ったら、林道から見えない部分に巨大な瀞の函が隠れていた。広い河原の川が左にカーブして、その先で消えて無くなっていると思ったら、右に直角に折れて深い函になっている。極力へつっていくが、泳ぎとなる。本流の水は澄んでいて、見た目よりずっと水深が深い。なにげに入水すると足がつかない。
長く沢をやっているが、経験したことのないこの大きなプールで泳ぎを存分に堪能して、ようやく神威橋に出た。橋の上で靴を履き替えて林道を歩く。この意外と長い林道歩きでやっぱり一時間ちょっとかかって車に到着した。
車止めの橋の上に沢屋の物と思われるワゴンが止まっていた。計画書を見ると、札幌北稜クラブのKさんらだった。我々の後追いで中ノ岳ノ沢に入り、神威山荘に下りる物だった。一瞬、わかっていれば我々も神威山荘に下りて、Kさんらを待ちかまえてヒッチすれば良かったなどと、図々しいことを考えてしまった。だが、おかげで登りも下りも(必要以上に)沢の醍醐味を堪能できたので、この下降ルートの選択は正解だった。
忠類のナウマン温泉に入り、近くの食堂で豚丼を食べる。一八二三峰南面直登沢の後、帯広のぱんちょうで「特」の豚丼を食べたことを思い出した。この日は留守係を頼んだサイガを苫小牧に呼び出して、金剛園で焼き肉を食って祝杯をあげた。
その後
おやぶんは18日の朝までいるので、17日はうだうだと過ごし、樽前ガローやオコタンペ湖を観光をした。前日までの濃密な4日間がまるで遠い過去のように感じる一日だった。おやぶんが帰って、脱力し燃え尽き状態となっている。